外郎売
親方と申すは、お立合いの にご存知のお方もござりましょうが、お江戸を って 、 をお過ぎなされて を登りへおいでなさるれば, 、只今は 致して と名乗りまする。
より まで、お手に入れまするこの薬は、昔、 の国の 、 という人、わが へ来たり、 へ の折からこの薬を深く め置き、用ゆる時は ずつ、 の隙間より取り す。 ってその名を より、 と る。即ち には「 き・ く・ い」と書いて、とうちんこうと申す。
只今はこの薬、
の に まり、 に を し、イヤ小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のといろいろに申せども、平仮名をもって「ういろう」と したは親方円斎ばかり。もしやお立合いの に か の沢へ にお なさるるか、又は の折りからは、必ず いなされまするな。お登りならば右の 、お下りなれば左側, が つ 、表が つ 、 り、 には、菊に桐の の を あって系図正しき薬でござる。いや
より家名の自慢ばかり申しても、ご存知ない方には、 の の丸呑み、 。さらば 食べかけて、その気味合いをお目にかけましょう。 ずこの薬をかように 舌の上にのせまして へ納めますると、イヤどうも言えぬは、 ・ ・ ・ がすこやかになって より来たり。 を生ずるが し。 ・ ・ ・麺類の食い合わせ、その 速効ある事、 の し。 さてこの薬、第一の奇妙には、舌のまわることが、 がはだしで逃げる。ひょっと舌がまわり出すと、矢も盾もたまらぬじゃ。そりゃそりゃそりゃ、そりゃそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。アワヤ
サタラナ に、カ サ 、ハマの二つは の 、 さわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろお。一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、 、摘み つみ豆つみ 。 の 。 のなまがみ粉米のなまがみこん粉米の がみ、 ・ 、繻子・ 。親も 子も嘉兵衛、親かへい子かへい子かへい親かへい。 の木の 、 が か、貴様のきゃはんも 、我等がきゃはんも皮脚絆。しっ のしっぽころびを、 はりなかにちょと縫うて、縫うてちょとぶんだせ。 ・ 、のら如来、のら如来、 のら如来に、 のら如来。 のお に、おけつまずきゃるな。 にどじょにょろり。京の 、ちょと 、お茶 ちょ茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、 茶せんでお茶ちゃっと立ちゃ。来るは来るは何が来る、高野の山のお
小僧、 ・ ・ ・ 。武具馬具ぶぐばぐ、 ぶぐばぐ、合わせて武具馬具、 武具馬具。菊栗きくくり、三菊栗、合わせて菊栗、六菊栗。 、 、むぎごみ、 むぎごみ、合わせてむぎごみ、 むぎごみ。あの の は が長薙刀ぞ。向こうの がらは のごまがらか ごまがらか、あれこそほんの 。がらぴいがらぴい 。おきゃがれこぼし、おきゃがれ 、ゆんべもこぼして又こぼした。たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりからちりからつったっぽ。たっぽたっぽ だこ、落ちたら煮て食お、煮ても焼いても食われぬ物は、 ・ に、石熊・石持ち・虎熊・虎きす。中にも の羅生門には、 がうで 、つかんでお しゃる、 の の膝元去らず。・ ・ ・さだめて な、そば切り、そうめん、うどんか な、 。 の の にこ味噌が、こ有るぞ、 、こ持って、こ って、こ寄こせ、おっと だ、 たんぼの川崎・神奈川・程が谷・戸塚は走って行けば を りむく三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の を七つ起きして 相州小田原とうちん香。隠れござらぬ の花のお江戸の花ういろう、あれあの花を見てお心を らぎゃっという、 、 う子に至るまで、此の の御評判、御存知ないとは申されまいまいつぶり、 出せ棒出せ、ぼうぼうまゆに、 ・ ・すりばち・ばちばちぐわらぐわらぐわらと羽目を して お の に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、 引っぱり、 世界の薬の元締め、 も あれと、ホホ敬ってういろうはいらっしゃりませぬか。