すむは誰、ひてや見んと黄昏に、寄する車の音信おとづれも、絶えてゆかしき中垣の隙間もとめて垣間見や、かざす扇にきしめし、空炷そらだきもののほのぼのと、主は白露光を添へて、いとど栄えある夕顔の、花に結びし仮寝の夢も、覚めて身に染む夜半の風。


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  • 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』上、武蔵野書院、1975年。

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