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基督者の自由について 第二節
自由と奉仕とのこれらの衝突する命題を會得するためには、基督者が二重の性質即ち靈的な性質と肉的な性質とから組み立てられてをることを、忘れてはならない。たましひを問題とすると、基督者は、靈的な、新しい、内的な人と呼ばれ、肉や血を問題とすると、基督者は、肉的な、古い、外的な人と呼ばれる。またかくの如き区別のゆゑに、余が今自由と奉仕について語ったやうに、全然相容れない命題が、基督者について、聖書において言はれているのである。