坂本龍馬の手紙/順助宛 推定、慶応3年11月10日

先日も愚書さし出申候。御返書いまだ達し不申、然に彼寺田屋のよくめの金於私でふつごふに候間、元と金百両が出来ねば先日さし出候書の如く、去年よりの利金十八両だけなりとも、此使へ御渡し奉願候。せめて利なりとも渡しことわり不置ては、何分ふつがふに候。御ゆづう可被下候。其為人さし出申候。但使の名大浜三郎平がさしつかへ居候所へ参り候間、此者へ金御渡可被下候。一両日出来ぬ位いなれば、三郎平を大坂にとゞめ置候間、早々御周旋にて右金御渡奉願候。
                                    頓首。
  十一月十日                            龍馬
    順助大人