坂本龍馬の手紙/慶応3年10月10日付?後藤象二郎宛

去ル頃御健言書ニ国躰を一定し政度ヲ一新シ云々の御論被行候時ハ、先ヅ将軍職云云の御論は兼而も承り候。此余幕中の人情に不被行もの一ケ条在之候。其儀は江戸の銀座を京師ニうつし候事なり。此一ケ条さへ被行候得バ、かへりて将軍職は其まゝにても、名ありて実なけれバ恐るゝにたらずと奉存候。此所に能々眼を御そゝぎ被成、不行と御見とめ被成候時は、義論中ニ於て何か証とすべき事を御認被成、けして破談とはならざるうち御国より兵をめし御自身は早〻御引取 老侯様に御報じ可然奉存候。破談とならざる内ニ云云は、兵を用るの術ニて御座候。謹言。
  十月
               楳 拝首
  後藤先生
      左右

Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディア後藤象二郎のページがあります。