坂本龍馬の手紙/宛先き、年月日、未詳 推定、慶応2年春

此度のお咄しお、くハ敷成可被遣候。愚兄の内
此佐井ハ北奉行人町杉山      佐井虎次郎
幸助方ニて御尋可被遣、此杉山にも私の咄御
             なし可被遣候。
佐井よりハ曽而手紙参りたり、いまだ返書
不出候得バ、此度の事くハしく御咄し被遣、其上
彼手紙の礼も御申可被遣候。
                 龍馬が乳母
此うバわ私しお、きづかいおり候ものゆへ、
何卒此ぶじなる事を御直ニ御申、
愚兄が家御出被下候時に御まねき
被成候得バ、早〻参上仕候。