坂本龍馬の手紙/元治元年6月28日付坂本乙女宛
< 坂本龍馬の手紙
かの小野小町が名
哥よみても、よくひでり
の順のよき時ハうけあい、
雨がふり不申。あれハ
北の山がくもりてき
た所を、内〻よくしりて
よみたりし也。
につただゝつねの太刀
おさめてしほの引し
も、しほ時をしりての
事なり。
天下に事をなすものハ
ねぶともよく〳〵はれず
てハ、はりへハうみをつけ
もふさず候。
おやべどのハ早、子が
できたなどゝ申人あり、
いかゞ私しがいゝよると
いうておやり、かしこ。
六月廿八日 龍馬
おとめさまへ
此手がみ人にハ
けして〳〵見せ
られんぞよ、かしこ。