国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律
国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律をここに公布する。
令和元年六月十二日
法律第三十一号
国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律
(国有林野の管理経営に関する法律の一部改正)
第一条 国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)の一部を次のように改正する。
目次中「第三章 分収造林(第九条-第十七条)」を
「第二章の二 樹木採取権(第八条の五-第八条の二十六)
第三章 分収造林(第九条-第十七条) 」
に改める。
第二章の次に次の一章を加える。
第二章の二 樹木採取権
(樹木採取権の設定)
第八条の五 農林水産大臣は、民間事業者に次条第一項の樹木採取区において生育している樹木を採取する権利(以下「樹木採取権」という。)を設定することができる。
2 前項の樹木には、樹木採取権に基づき樹木が採取された後に当該採取跡地に植栽(人工下種を含む。以下同じ。)された樹木を含まないものとする。
3 農林水産大臣は、樹木採取権の設定に際し、当該設定を受けた者(以下「樹木採取権者」という。)から権利設定料を徴収するものとする。
(樹木採取区の指定)
第八条の六 農林水産大臣は、効率的かつ安定的な林業経営の育成を図るため、樹木の採取に適する相当規模の森林資源が存在する一団の国有林野の区域であつて、当該区域の所在する地域において国有林野事業及び民有林野に係る施策を一体的に推進することにより産業の振興に寄与すると認められるものであることその他の農林水産省令で定める基準に該当するものを樹木採取区として指定することができる。
2 農林水産大臣は、前項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、当該樹木採取区を表示する図面と併せてこれらを公示しなければならない。樹木採取区を変更し、又はその指定を解除するときも、同様とする。
(公募)
第八条の七 農林水産大臣は、前条第一項の規定による指定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項をあらかじめ公表して、樹木採取権の設定を受けることを希望する者を公募するものとする。
一 樹木採取区の所在地及び面積
二 樹木採取権の存続期間
三 権利設定料の額
四 樹木料(樹木採取区において採取される樹木の対価をいう。以下同じ。)の算定の基礎となるべき額及び算定方法
五 樹木採取権を行使する際の指針
六 第八条の十四第二項第一号の樹木の採取に関する基準
七 前各号に掲げるもののほか、次条第一項の規定による申請をするために必要な事項として農林水産省令で定めるもの
(設定の申請)
第八条の八 第八条の六第一項の規定により指定された樹木採取区において樹木採取権の設定を受けることを希望する者は、農林水産大臣にその旨を申請しなければならない。
2 前項の規定による申請をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、申請書を農林水産大臣に提出しなければならない。
(申請書)
第八条の九 前条第二項の申請書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 樹木採取区における樹木の採取及び木材の安定的な取引関係の確立に関する方針その他の事業の基本的な方針
二 樹木採取区の所在地
三 氏名又は名称及び住所
四 経営管理(森林について自然的経済的社会的諸条件に応じた適切な経営又は管理を持続的に行うことをいう。以下同じ。)を効率的かつ安定的に行う能力及び経営管理を確実に行うに足りる経理的基礎を有することを明らかにするために必要な事項として農林水産省令で定めるもの
五 第八条の七の規定により公表された樹木料の算定の基礎となるべき額を勘案して提示する樹木料の算定の基礎となる額(以下「申請額」という。)
六 木材利用事業者等(木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)第四条第一項に規定する木材利用事業者等をいう。以下同じ。)及び木材製品利用事業者等(同項に規定する木材製品利用事業者等をいう。以下同じ。)との取引関係、同項に規定する木材生産流通改善施設の所在地、種類及び規模(当該木材生産流通改善施設を整備しようとする場合に限る。)並びに木材の用途の拡大その他の木材の需要の開拓その他これらの者との連携による木材の安定的な取引関係の確立に関する事項として農林水産省令で定めるもの
七 前各号に掲げるもののほか、事業の実施による雇用の増大その他の樹木採取区の所在する地域における産業の振興に対する寄与に関する事項その他の樹木採取権者の選定に関し必要となる事項として農林水産省令で定めるもの
2 前条第二項の者が木材の安定供給の確保に関する特別措置法第四条第一項の認定(木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等と共同して作成した事業計画(同項に規定する事業計画をいう。以下この項において同じ。)に係るものに限る。)を受けた者である場合であつて、当該認定に係る事業計画(同条第三項第二号ロの森林の区域に前条第一項の規定による申請に係る樹木採取区が含まれるものに限る。)の写しを提出したときは、前項の規定にかかわらず、同項第六号に掲げる事項の記載を省略することができる。
(選定)
第八条の十 農林水産大臣は、農林水産省令で定めるところにより、第八条の八第一項の規定による申請をした者(以下「申請者」という。)が次に掲げる基準に適合しているかどうかを審査しなければならない。
一 経営管理を効率的かつ安定的に行う能力及び経営管理を確実に行うに足りる経理的基礎を有すると認められること。
二 申請額が農林水産大臣が樹木採取区ごとに定める樹木料の算定の基礎となるべき額以上であること。
三 木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等との連携により木材の安定的な取引関係を確立することが確実と認められること。
四 前三号に掲げるもののほか、国有林野の適切かつ効率的な管理経営の実施の確保に支障を及ぼすおそれがあるものでないこと。
2 農林水産大臣は、前項の規定により審査した結果、申請者が同項各号に掲げる基準に適合していると認められるときは、申請額、事業の実施体制、樹木採取区の所在する地域における産業の振興に対する寄与の程度その他農林水産省令で定める事項を勘案して、その適合していると認められた全ての申請者の申請書について評価し、樹木採取権の設定を受ける者を選定するものとする。
(欠格事由)
第八条の十一 次の各号のいずれかに該当する者は、第八条の七の規定による公募に応じることができない。
一 この法律又は森林法に規定する罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
二 第十七条第一項の規定により第十条に規定する分収造林契約を解除され、その解除の日から二年を経過しない者
三 第八条の二十二第一項(第一号に係る部分に限る。)の規定により樹木採取権を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
四 十分な社会的信用を有していない者
五 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
(樹木採取権の設定を受ける者の決定等)
第八条の十二 農林水産大臣は、第八条の十第二項の規定により選定した者に対し、その申請に係る樹木採取権の設定をするものとする。
2 農林水産大臣は、前項の設定をしようとするときは、関係都道府県知事に協議しなければならない。
3 農林水産大臣は、第一項の設定をし、又は当該設定をしないことの決定をしたときは、遅滞なく、同項の樹木採取権に係る全ての申請者に対し、その旨の通知をするものとする。
4 農林水産大臣は、第一項の設定を受けた者に対し、その申請に係る権利設定料について、納付期限を定めて、その納付を命ずるものとする。
5 前項の権利設定料の納付方法は、政令で定める。
(事業の開始の義務)
第八条の十三 樹木採取権者は、農林水産大臣が指定する期間内に、事業を開始しなければならない。
2 樹木採取権者は、やむを得ない理由により前項の期間内に事業を開始することができないときは、期間を定め、理由を付して、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
3 樹木採取権者は、引き続き一年以上その事業を休止しようとするときは、期間を定め、理由を付して、農林水産大臣の認可を受けなければならない。
4 樹木採取権者は、前項の認可を受けて休止した事業を開始したときは、遅滞なく、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
(樹木採取権実施契約)
第八条の十四 樹木採取権者は、事業を開始する前に、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣と、次に掲げる事項をその内容に含む契約(以下「樹木採取権実施契約」という。)を締結しなければならない。
一 当該契約の期間にわたつて行う施業の計画であつて、次に掲げる事項をその内容に含むもの
イ 樹木を採取する箇所及びその箇所ごとの面積に関する事項
ロ 樹木の採取方法に関する事項
ハ 各年ごとの採取面積に関する事項
二 第四項の規定により納付すべき樹木料の算定及び納付に関する事項
三 木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等との連携による木材の安定的な取引関係の確立に関する事項
四 事業の継続が困難となつた場合における措置に関する事項
五 事業の円滑な実施のために必要な事項その他農林水産省令で定める事項
2 樹木採取権実施契約の内容は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
一 前項第一号の施業の計画(次号において「施業計画」という。)が、国有林野の公益的機能の維持増進及び木材の持続的かつ計画的な供給の観点から農林水産大臣が樹木採取区ごとに定める樹木の採取に関する基準に適合すること。
二 前号に掲げるもののほか、施業計画が樹木採取区の所在する国有林野に係る地域管理経営計画に適合すること。
三 第八条の八第二項の申請書の内容に即していること。
3 樹木採取権実施契約は、五年ごとに、五年を一期として締結しなければならない。ただし、国有林野の適切かつ効率的な管理経営の実施を確保するため必要があるときは、その期間よりも短い期間とすることができる。
4 樹木採取権者は、樹木採取権実施契約に基づき、あらかじめ、農林水産省令で定めるところにより、国に樹木料を納付しなければ、樹木採取区における樹木を採取してはならない。
(性質)
第八条の十五 樹木採取権は、物権とみなし、この法律に別段の定めがある場合を除き、不動産に関する規定を準用する。
(権利の目的)
第八条の十六 樹木採取権は、法人の合併その他の一般承継、譲渡、滞納処分、強制執行、仮差押え及び仮処分並びに抵当権の目的となるほか、権利の目的となることができない。
(処分の制限)
第八条の十七 樹木採取権は、分割し、又は併合することができない。
2 樹木採取権の移転(法人の合併その他の一般承継によるものを除く。以下この条において同じ。)をしようとするときは、当該樹木採取権の移転を受けようとする者は、農林水産大臣に申請して、その許可を受けなければならない。
3 前項の規定による申請をしようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、第八条の九第一項各号に掲げる事項を記載した申請書を、農林水産大臣に提出しなければならない。
4 農林水産大臣は、第二項の許可をしようとするときは、関係都道府県知事に協議しなければならない。
5 農林水産大臣は、第二項の規定による申請が、次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、その申請を許可してはならない。
一 その申請をした者が、第八条の十第一項各号に掲げる基準に適合し、かつ、第八条の十一各号のいずれにも該当しないこと。
二 その申請に係る第八条の九第一項第一号の事業の基本的な方針及び申請額が、樹木採取権の移転をしようとする者の第八条の八第二項の申請書に記載された同号の事業の基本的な方針及び申請額に照らして適当なものであること。
6 抵当権の設定が登録されている樹木採取権については、その抵当権者の同意がなければ、これを放棄することができない。
7 第二項の許可を受けないで、又は前項の同意を得ないでした樹木採取権の移転又は放棄は、その効力を生じない。
(樹木採取権の法人の合併その他の一般承継)
第八条の十八 法人の合併その他の一般承継によつて樹木採取権を取得した者は、農林水産省令で定めるところにより、取得の日から三月以内に、第八条の九第一項各号に掲げる事項を記載した書類を添えて、その旨を農林水産大臣に届け出なければならない。
2 農林水産大臣は、前項の規定による届出が、次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その旨をその届出をした者に通知し、当該基準に適合しないと認めるときは、樹木採取権を譲渡するために通常必要と認められる期間として農林水産省令で定める期間内に譲渡すべき旨をその届出をした者に通知しなければならない。
一 その届出をした者が、第八条の十第一項各号に掲げる基準に適合し、かつ、第八条の十一各号のいずれにも該当しないこと。
二 その届出に係る第八条の九第一項第一号の事業の基本的な方針及び申請額が、被承継人の第八条の八第二項の申請書に記載された同号の事業の基本的な方針及び申請額に照らして適当なものであること。
(樹木採取権の存続期間)
第八条の十九 樹木採取権の存続期間は、五十年以内とする。
(登録)
第八条の二十 次に掲げる事項は、樹木採取権登録簿に登録する。
一 樹木採取権の設定、変更、移転、消滅及び処分の制限
二 樹木採取権を目的とする抵当権の設定、変更、移転、消滅及び処分の制限
2 前項の規定による登録は、登記に代わるものとする。
3 第一項の規定による登録に関する処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二章及び第三章の規定は、適用しない。
4 樹木採取権登録簿については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
5 樹木採取権登録簿に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第五項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第四章の規定は、適用しない。
6 前各項に規定するもののほか、登録に関し必要な事項は、政令で定める。
(指示等)
第八条の二十一 農林水産大臣は、事業の適正を期するため、樹木採取権者に対して、その業務若しくは経理の状況に関し報告を求め、実地について調査し、又は必要な指示をすることができる。
(樹木採取権の取消し等)
第八条の二十二 農林水産大臣は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、樹木採取権を取り消すことができる。
一 樹木採取権者が次のいずれかに該当するとき。
イ 偽りその他不正の方法により樹木採取権者となつたとき。
ロ 第八条の十一第一号、第二号、第四号又は第五号に該当することとなつたとき。
ハ 第八条の十二第四項の納付期限までに権利設定料を納付しなかつたとき。
ニ 第八条の十三第一項若しくは第二項の規定に違反して事業を開始しないとき、又は同条第三項の規定に違反して引き続き一年以上休業したとき。
ホ 事業を実施できなかつたとき、又はこれを実施することができないことが明らかになつたとき。
ヘ ホに掲げる場合のほか、第八条の十四第二項第一号の樹木の採取に関する基準に適合しない樹木の採取をしたときその他の樹木採取権実施契約において定められた事項について重大な違反があつたとき。
ト 第八条の十四第四項の規定による樹木料の納付をしないで樹木採取区における樹木を採取したとき。
チ 第八条の十八第一項の規定による届出をしなかつたとき。
リ 第八条の十八第二項の期間内に樹木採取権の譲渡がされないとき。
ヌ 正当な理由がなく、前条の指示に従わないとき。
ル 第八条の二十四において準用する第十三条各号に掲げる事項の実施を怠つたとき。
二 樹木採取区を他の公共の用途に供することその他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じたとき。
2 農林水産大臣は、前項の規定により、抵当権の設定が登録されている樹木採取権を取り消そうとするときは、あらかじめ、その旨を当該抵当権に係る抵当権者に通知しなければならない。
3 樹木採取区が国の所有に属しなくなつたときは、樹木採取権は消滅する。
(樹木採取権者に対する補償)
第八条の二十三 国は、前条第一項(第二号に係る部分に限る。以下この条において同じ。)の規定による樹木採取権の取消し又は前条第三項の規定による樹木採取権の消滅(国の責めに帰すべき事由がある場合に限る。)によつて損失を受けた樹木採取権者又は樹木採取権者であつた者(以下この条において単に「樹木採取権者」という。)に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 前項の規定による損失の補償については、国と樹木採取権者とが協議しなければならない。
3 前項の規定による協議が成立しない場合においては、国は、自己の見積もつた金額を樹木採取権者に支払わなければならない。
4 前項の補償金額に不服がある樹木採取権者は、その決定の通知を受けた日から六月以内に、訴えをもつて、その増額を請求することができる。
5 前項の訴えにおいては、国を被告とする。
6 前条第一項の規定により取り消された樹木採取権又は同条第三項の規定により消滅した樹木採取権(国の責めに帰すべき事由により消滅した場合に限る。)の上に抵当権があるときは、当該抵当権に係る抵当権者から供託をしなくてもよい旨の申出がある場合を除き、国は、その補償金を供託しなければならない。
7 前項の抵当権者は、同項の規定により供託した補償金に対してその権利を行うことができる。
8 国は、第一項の規定による補償の原因となつた損失が前条第一項の規定による樹木採取権の取消しによるものであるときは、当該補償金額の全部又は一部をその理由を生じさせた者に負担させることができる。
(準用規定)
第八条の二十四 樹木採取権者については、第十三条の規定を準用する。この場合において、同条中「分収林」とあるのは、「樹木採取区」と読み替えるものとする。
(採取跡地の植栽)
第八条の二十五 農林水産大臣は、樹木採取区内の採取跡地において国有林野事業として行う植栽の効率的な実施を図るため、当該樹木採取区に係る樹木採取権者に対し、当該植栽をその樹木の採取と一体的に行うよう申し入れるものとする。
(農林水産省令への委任)
第八条の二十六 この章に定めるもののほか、樹木採取権に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
第十条第三号中「(人工下種を含む。以下同じ。)」を削る。
(木材の安定供給の確保に関する特別措置法の一部改正)
第二条 木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二十一条」を「第二十四条」に、「第二十二条・第二十三条」を「第二十五条・第二十六条」に改める。
第一条中「及び流通の円滑化」を「、流通の円滑化及び利用の促進」に改める。
第四条第一項中「指定地域内」を「森林所有者等(指定地域内」に、「又は収益」を「若しくは収益」に、「(以下「森林所有者等」という」を「又は森林経営管理法(平成三十年法律第三十五号)第三十六条第二項の規定により公表されている民間事業者、国有林野の管理経営に関する法律(昭和二十六年法律第二百四十六号)第八条の五第一項に規定する樹木採取権の設定を受けることを希望する者その他の権原に基づき森林の立木の使用若しくは収益をしようとする者をいう。以下同じ」に、「又はその」を「若しくはその」に改め、「この条において」を削り、「と共同して」を「又は木材利用事業者等及び当該木材を原材料とする製品(第三項第二号ヘ(2)において「木材製品」という。)を利用する事業として政令で定めるもの(同号ヘ(2)において「木材製品利用事業」という。)を行う者(第十六条第二号ロ及びハにおいて「木材製品利用事業者」という。)若しくはその組織する団体(以下「木材製品利用事業者等」という。)と共同して」に、「第三項第二号ハの事業所又は」を「同項第二号ハの事業所、」に、「が当該」を「又は同号ヘ(2)の事業所若しくは区域が当該」に改め、同条第二項中「又は木材利用事業者等」を「、木材利用事業者等又は木材製品利用事業者等」に改め、同項第二号中「者又は」を「者、」に改め、「開設する者」の下に「(第十六条第二号イにおいて「市場開設者」という。)又は木材の輸送を業として行う者」を加え、同条第三項第二号中「実施時期」を「実施期間」に改め、同号ロを次のように改める。
ロ 森林の区域並びに当該区域における伐採及び伐採後の造林に関する方針
第四条第三項第二号に次のように加える。
ヘ 森林所有者等、木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等が共同して事業計画を作成する場合にあっては、次に掲げる事項
(1) 木材の需要の開拓の内容
(2) 木材製品利用事業者等の事業所であって木材製品の引取りを行うものの所在地又は木材製品利用事業を行う区域
第四条第三項第四号中「保安林」の下に「(同法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林をいう。以下同じ。)」を加え、同条第十二項を同条第十三項とし、同条第十一項中「の認定」を「の認定(当該認定に係る事業計画が第四項に規定する事項を含むものに限る。次項において同じ。)」に、「第七項各号」を「第八項各号」に改め、同項を同条第十二項とし、同条第十項中「第七項」を「第八項」に改め、同項を同条第十一項とし、同条第九項中「第七項」を「第八項」に改め、同項第一号中「第四項第四号」を「第五項第四号」に改め、同項を同条第十項とし、同条第八項中「、保安林」を「、第四項に規定する事項(保安林」に、「を含む」を「を含むものに限る。)を含む」に、「第三項第二号ロに掲げる」を「第四項に規定する」に改め、同項を同条第九項とし、同条第七項第一号中「第九項第一号」を「第十項第一号」に改め、同項を同条第八項とし、同条第六項を同条第七項とし、同条第五項中「の立木の伐採及び伐採後の造林」を「についての第四項に規定する事項」に、「第三項第二号ロに掲げる」を「第四項に規定する」に、「当該」を「当該事業計画において」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項第一号中「前項第一号」を「第三項第一号」に、「に対する」を「又は木材製品利用事業者等に対する」に改め、同項第三号中「前項第二号」を「第三項第二号」に、「が同項第一号」を「(前項の規定により同項に規定する事項を記載した場合にあっては、当該事項を含む。)が第三項第一号」に改め、同項第四号中「第九項第一号」を「第十項第一号」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
4 事業計画には、前項各号に掲げる事項のほか、木材安定供給確保事業に係る立木の伐採に関し、森林の所在場所、保安林とその他の森林との区別、伐採面積、伐採方法、伐採齢、伐採後の造林の方法、期間及び樹種その他伐採及び伐採後の造林に関し農林水産省令で定める事項を記載することができる。
第五条第二項中「同条第四項各号」を「同条第五項各号」に改め、同条第三項中「前条第四項から第十二項まで」を「前条第五項から第十三項まで」に改める。
第六条第二項中「第四条第五項から第十一項まで」を「第四条第六項から第十二項まで」に改める。
第七条中「に従って」を「(第四条第四項に規定する事項を含むものに限る。次条及び第十条から第十二条までにおいて同じ。)に従って」に改める。
第九条第一項中「事業計画」の下に「(第四条第四項に規定する事項を含むものに限る。)」を加える。
第二十三条を第二十六条とする。
第二十二条中「前条」を「第二十三条」に改め、同条を第二十五条とする。
第二章中第二十一条を第二十三条とし、同条の次に次の一条を加える。
(国有林野の管理経営に関する法律との関係)
第二十四条 森林所有者等が国有林野の管理経営に関する法律第八条の十二第一項の規定により同法第八条の五第一項に規定する樹木採取権の設定を受けた場合(当該樹木採取権に係る同法第八条の六第一項の樹木採取区が指定地域内にある場合に限る。)において、農林水産省令で定める期間内に当該森林所有者等並びに当該樹木採取権に係る同法第八条の八第二項の申請書に記載された木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等から都道府県知事等に申請があったときは、これらの者を認定事業者と、当該申請書を認定事業計画とみなして、第十五条から第十七条まで、第二十一条、第二十二条及び前条(同条の規定に係る罰則を含む。)の規定を適用する。
第二十条を第二十二条とし、第十九条を第二十一条とする。
第十八条中「(昭和二十六年法律第二百四十六号)」を削り、同条を第二十条とし、第十七条を第十九条とする。
第十六条の前の見出しを削り、同条を第十八条とし、同条の前に見出しとして「(森林組合等の事業の利用の特例)」を付し、第十五条の次に次の二条を加える。
(独立行政法人農林漁業信用基金の業務)
第十六条 独立行政法人農林漁業信用基金(以下「信用基金」という。)は、木材安定供給確保事業(森林所有者等、木材利用事業者等及び木材製品利用事業者等が共同して作成した認定事業計画に係るものに限る。以下この条において同じ。)に必要な資金の供給を円滑にすることを目的として、次に掲げる業務を行う。
一 認定事業者が当該認定に係る木材安定供給確保事業を実施するのに必要な資金を調達する場合にこれを円滑にするために必要な資金の供給の事業を政令で定めるところにより行う都道府県に対し、政令で定めるところにより、当該事業に必要な資金を貸し付けること。
二 信用基金に出資している認定事業者であって次に掲げるもの(その者がロに掲げる者である場合には、その直接の構成員となっているハに掲げる者を含む。)が、当該認定に係る木材安定供給確保事業を実施するのに必要な資金を独立行政法人農林漁業信用基金法(平成十四年法律第百二十八号)第十三条第一項の融資機関から借り入れること(当該資金に充てるため手形の割引を受けることを含む。)により当該融資機関に対して負担する債務を保証すること。
イ 森林組合若しくは森林組合連合会で木材卸売業を営む者、市場開設者又は木材の輸送を業として行う者(ロ及びハにおいて「木材卸売業者等」という。)であるもの
ロ 木材卸売業者等(資本金の額又は出資の総額が千万円以下の会社並びに常時使用する従業者の数が百人以下の会社及び個人に限る。ハにおいて同じ。)又は木材製品利用事業者(政令で定めるものに限る。ハにおいて同じ。)が直接又は間接の構成員となっている中小企業等協同組合
ハ 木材卸売業者等又は木材製品利用事業者
三 前二号の業務に附帯する業務
(都道府県の特別会計)
第十七条 前条第一号の規定により信用基金から資金の貸付けを受けて同号に規定する事業を行う都道府県は、その経理を林業・木材産業改善資金助成法第十三条第一項の規定により設置する特別会計において併せて行うことができる。この場合においては、当該都道府県は、当該経理を他の経理と区分して行うものとする。
附則を附則第一項とし、同項に見出しとして「(施行期日)」を付し、附則に次の一項を加える。
(林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法の特例)
2 第十六条第一号の規定により信用基金から資金の貸付けを受けて同号に規定する事業を行う都道府県は、第十七条の規定によりその経理を林業・木材産業改善資金助成法第十三条第一項の規定により設置する特別会計において行う場合であって、林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和五十四年法律第五十一号)第八条に規定する経理を当該特別会計において行うときは、当該経理を第十七条に規定する経理と併せて行うことができる。
(独立行政法人農林漁業信用基金法の一部改正)
第三条 独立行政法人農林漁業信用基金法(平成十四年法律第百二十八号)の一部を次のように改正する。
第三条第一項中「こと、」の下に「都道府県が行う木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成八年法律第四十七号。以下「木材安定供給特措法」という。)第十六条第一号に規定する事業並びに」を加える。
第七条の二第三項第一号中「第十七条第二号」の下に「若しくは木材安定供給特措法第十六条第二号ロ」を加え、「同法第十七条第一号」を「林業・木材産業改善資金助成法第十七条第一号若しくは木材安定供給特措法第十六条第二号ハ」に改める。
第十二条第一項第五号中「次条及び」を「次条、」に、「の規定」を「及び木材安定供給特措法第十六条第二号の規定」に改め、同項中第十号を第十一号とし、第六号から第九号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。
六 都道府県に対し木材安定供給特措法第十六条第一号の規定による貸付けを行うこと。
第十四条第一項中「第六号から第九号まで」を「第七号から第十号まで」に改める。
第十五条第二号中「に掲げる業務及びこれ」を「及び第六号に掲げる業務並びにこれら」に改め、同条第三号中「第十二条第一項第六号から第九号まで」を「第十二条第一項第七号から第十号まで」に改める。
第十七条中「及び第九号」を「、第六号及び第十号」に改める。
第二十条第一項中「林業・木材産業改善資金助成法」の下に「、木材安定供給特措法」を加える。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、平成三十二年四月一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第二条 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第三条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、第一条の規定による改正後の国有林野の管理経営に関する法律(以下この条において「新法」という。)の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(中小漁業融資保証法の一部改正)
第四条 中小漁業融資保証法(昭和二十七年法律第三百四十六号)の一部を次のように改正する。
第四十三条の二第一項中「第十二条第一項第八号」を「第十二条第一項第九号」に改める。
第四十三条の三第一項中「第十二条第一項第九号」を「第十二条第一項第十号」に改める。
(漁業災害補償法の一部改正)
第五条 漁業災害補償法(昭和三十九年法律第百五十八号)の一部を次のように改正する。
第百九十六条の十一第一項中「及び第九号」を「、第六号及び第十号」に改める。
(登録免許税法の一部改正)
第六条 登録免許税法(昭和四十二年法律第三十五号)の一部を次のように改正する。
第十条第一項中「、第四号又は第四号の二」を「又は第四号から第四号の三まで」に、「又は公共施設等運営権」を「、公共施設等運営権又は樹木採取権」に改める。
第十一条第一項中「又は公共施設等運営権」を「、公共施設等運営権又は樹木採取権」に改める。
別表第一第四号の二の次に次のように加える。
四の三 樹木採取権の登録(樹木採取権の信託の登録を含む。) | ||
(一) 設定の登録
ロ その他の原因による移転の登録
(六) 抵当権の順位の変更の登録
(七) 信託の登録
|
樹木採取権の価額
債権金額又は極度金額
債権金額又は極度金額
樹木採取権の件数 |
千分の一
千分の一
千分の二
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(林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法の一部改正)
第七条 林業経営基盤の強化等の促進のための資金の融通等に関する暫定措置法(昭和五十四年法律第五十一号)の一部を次のように改正する。
第七条の表第七条の二第三項第一号の項中「第十七条第二号に」を「若しくは木材安定供給特措法第十六条第二号ロに」に、「第十七条第二号若しくは」を「、木材安定供給特措法第十六条第二号ロ若しくは」に、「同法第十七条第一号」を「若しくは木材安定供給特措法第十六条第二号ハ」に、「林業・木材産業改善資金助成法第十七条第一号」を「、木材安定供給特措法第十六条第二号ハ」に改め、同表第十五条第二号の項中「第十二条第一項第五号」の下に「及び第六号」を加え、「及びこれ」を「並びにこれら」に、「及び暫定措置法」を「並びに暫定措置法」に改め、同表第十七条の項中「及び第九号」を「、第六号及び第十号」に改める。
(破産法の一部改正)
第八条 破産法(平成十六年法律第七十五号)の一部を次のように改正する。
第七十八条第二項第二号中「公共施設等運営権」の下に「、樹木採取権」を加える。
(特別会計に関する法律の一部改正)
第九条 特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。
附則第二百六条の五第一項中「収入額」の下に「並びに同法第八条の五第三項に規定する権利設定料及び同法第八条の十四第四項に規定する樹木料の収入額の合計額」を、「費用」の下に「並びに同法第八条の五第一項に規定する樹木採取権に関する事務の執行のために要する費用」を加える。
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