嘲地師
白文 | 書き下し文 | 訳文 |
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可笑龍川林處士 | 笑うべし 竜川[訳注 2]の林処士[訳注 3] | 笑わせらあ 竜川の林処士 |
暮年何學李淳風[1][訳注 4] | 暮年にて何ぞ李淳風を学ばん | 老境に何の風水の勉強かね |
雙眸能貫千里脈 | 双眸 能く千里の脈[訳注 5]を貫き | 二つの瞳が千里の峰を能く見極め |
兩足徒行萬壑空 | 両足 徒らに万壑の空を行くも | 二つの足が万の谷間を空しく通うといっても |
顯顯天地[訳注 6]猶未達 | 顕々たる天地 猶お未だ達せざるに | はっきりと現われた天も分からないのに |
漠漠地理豈能通 | 漠々たる地理 豈に能く通ぜん | 漠々とした地の中こそどうして分かるか |
不如歸飮重陽酒[2] | 如かず 帰りて重陽の酒を飲み | 重陽節の酒でもたらふくお召し上がりになって |
醉抱瘦[訳注 7]妻明月中 | 酔って痩せし妻を明月中に抱かんには | 月夜に痩せこけた妻のご面倒でも見られては? |
注釈
編集訳注
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- ↑ 地相見、風水師。
- ↑ 地名、現朝鮮民主主義人民共和国平安北道竜川郡か。別に「龍山」とするものもあり、それなら、現大韓民国ソウル特別市竜山区か。
- ↑ 林は姓、処士は何の官位も持たない一般人につける呼称。
- ↑ 唐代初期の天文学者(天文道)、風水師の祖とされる。暦書「麟徳暦」を撰。
- ↑ 地脈(風水用語)のこと、大地の気の流れ、またはその通り道。[1]参照。
- ↑ 別に「天文(てんぶん)」とするものもある。この方が、次句の「地」と重複せず、しかも、より適当な語彙ではないだろうか。
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- 註: 瘦は、痩のJIS標準漢字 (JIS X 0208) 外の異体字である。Unicode表のBMP(基本多言語面、0面)が表示できるブラウザ環境でなければ、正しく表示されない。なお、U+FA30からU+FA60の文字は、JIS X 0213対応のフォントを指定してある。
- 痩 → 瘦 (U+7626) ; やまいだれ以外の部分が「叟」となる字形
- 註: 瘦は、痩のJIS標準漢字 (JIS X 0208) 外の異体字である。Unicode表のBMP(基本多言語面、0面)が表示できるブラウザ環境でなければ、正しく表示されない。なお、U+FA30からU+FA60の文字は、JIS X 0213対応のフォントを指定してある。
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