口蹄疫対策特別措置法


 口蹄疫対策特別措置法をここに公布する。

御名御璽

平成二十二年六月四日
内閣総理大臣  鳩山由紀夫

法律第四十四号

口蹄疫対策特別措置法

目次

第一章 総則

編集

(趣旨)

第一条
この法律は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口ていに起因して生じた事態に対処するため、口蹄疫のまん延を防止するための措置、口蹄疫に対処するために要する費用の国による負担等、生産者等の経営及び生活の再建等のための措置等の特別の措置について定めるものとする。

(定義)

第二条
  1. この法律において「患畜」とは、口蹄疫にかかっている家畜をいう。
  2. この法律において「疑似患畜」とは、患畜である疑いがある家畜及び口蹄疫の病原体(空気中に飛散した病原体を含む。)に触れたため、又は触れた疑いがあるため、患畜となるおそれがある家畜をいう。

(国及び地方公共団体の責務)

第三条
国及び地方公共団体は、口蹄疫の発生が確認された場合又はその疑いがあると認められた場合には、速やかに、口蹄疫のまん延を防止する等のために必要な措置を講ずる責務を有する。

第二章 口蹄疫のまん延を防止するための措置

編集

(車両等の消毒の義務)

第四条
  1. 農林水産大臣が口蹄疫のまん延を防止するために車両等の消毒の義務を課す必要がある地域として指定する地域内において、都道府県知事が農林水産省令で定める消毒のための設備を設置している場所を通行しようとする者は、農林水産省令で定める基準に基づいて、当該設備を利用して、当該者の使用する車両その他の農林水産省令で定める物品を消毒しなければならない。
  2. 都道府県知事は、口蹄疫のまん延を防止するため特に必要があるときは、前項に規定する設備を設置している場所を通行しようとする者の使用する同項に規定する物品について、当該者による消毒に代えて、当該都道府県の職員にこれを消毒させることができる。
  3. 第一項の地域内において、都道府県知事が農林水産省令で定める消毒のための設備を設置している場所を通行しようとする者は、農林水産省令で定める基準に基づいて、当該設備を利用して、自らその身体を消毒しなければならない。
  4. 都道府県知事は、第一項又は前項に規定する設備を設置している場所ごとに、公衆の見やすい場所に、農林水産省令で定める表示をしなければならない。
  5. 第一項の指定は、都道府県知事の申請に基づき、行うものとする。
  6. 農林水産大臣は、前項の規定にかかわらず、口蹄疫のまん延が二以上の都道府県の区域にわたる場合その他必要があると認める場合には、関係都道府県知事の意見を聴いて、第一項の指定を行うことができる。
  7. 農林水産大臣は、第一項の指定をしたときは、その旨を官報で公示しなければならない。
  8. 前項の規定は、第一項の指定の解除をしたときに準用する。

(患畜又は疑似患畜の死体の焼却又は埋却の支援)

第五条
  1. 農林水産大臣が口蹄疫のまん延を防止するために患畜又は疑似患畜の死体の焼却又は埋却の支援を行う必要がある地域として指定する地域内に存する患畜又は疑似患畜の死体の所有者は、家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号。以下「法」という。)第二十一条第一項の規定にかかわらず、当該死体を焼却し、又は埋却することが困難な場合には、家畜防疫員に対し、これらの死体の焼却又は埋却を求めることができる。
  2. 家畜防疫員は、前項の規定による求めがあったときは、当該求めのあった死体を焼却し、又は埋却するものとする。
  3. 国は、前項又は法第二十一条第四項の規定により家畜防疫員が行う患畜又は疑似患畜の死体の焼却又は埋却の円滑な実施に資するため、埋却の用に供する土地の確保、埋却のために必要な作業に従事する者の派遣その他の必要な措置を講ずるものとする。
  4. 第一項の指定に係る地域をその区域に含む地方公共団体は、第二項又は法第二十一条第四項の規定により家畜防疫員が行う患畜又は疑似患畜の死体の焼却又は埋却の円滑な実施に資するため、埋却の用に供する土地の確保、埋却のために必要な作業に従事する者の確保その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
  5. 第一項の指定については、前条第五項から第八項までの規定を準用する。

(患畜等以外の家畜の殺処分等)

第六条
  1. 都道府県知事は、法第三章に規定する措置だけでは口蹄疫のまん延の防止が困難であり、かつ、急速かつ広範囲にわたる口蹄疫のまん延を防止するためやむを得ない必要があるときは、農林水産大臣が口蹄疫のまん延を防止するために患畜等以外の家畜の殺処分を行う必要がある地域として指定する地域内において都道府県知事が指定する家畜(患畜及び疑似患畜を除く。)を所有する者に、期限を定めて当該家畜を殺すべきことを勧告することができる。
  2. 前項の勧告を受けた者が当該勧告に従わないとき又は家畜の所有者若しくはその所在が知れないため同項の勧告をすることができない場合において緊急の必要があるときは、都道府県知事は、家畜防疫員に当該家畜を殺させることができる。
  3. 都道府県知事は、第一項の勧告をし、又は前項に規定する措置を実施する場合には、同時に、農林水産省令で定めるところにより、当該勧告をし、又は当該措置を実施する理由その他の農林水産省令で定める事項を書面により通知しなければならない。ただし、当該事項を書面により通知しないで当該勧告をし、又は当該措置を実施すべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
  4. 都道府県知事は、前項ただし書の場合においては、当該勧告又は措置の後相当の期間内に、農林水産省令で定めるところにより、同項の理由その他の農林水産省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない。
  5. 家畜防疫員は、口蹄疫のまん延を防止するため必要があるときは、第一項の規定による勧告に係る家畜につき、殺す場所又は殺す方法を指示することができる。
  6. 第一項の勧告に従ってその所有する家畜を自ら殺した者又は第二項の規定により殺された家畜の死体の所有者は、家畜防疫員が農林水産省令で定める基準に基づいてする指示に従い、遅滞なく、当該死体を焼却し、又は埋却しなければならない。
  7. 家畜防疫員は、口蹄疫のまん延を防止するため緊急の必要があるときは、前項の規定による指示に代えて、自らこれを焼却し、又は埋却することができる。
  8. 第六項に規定する焼却又は埋却については前条第一項から第四項までの規定を、前項に規定する焼却又は埋却については同条第三項及び第四項の規定を準用する。
  9. 都道府県知事は、第一項の勧告に従ってその所有する家畜を自ら殺したため損失を受けた当該家畜の所有者に対し、その生産に要する費用その他の通常生ずべき損失として政令で定める損失を補てんしなければならない。
  10. 都道府県知事は、第二項の規定によりその所有する家畜を殺されたため損失を受けた当該家畜の所有者に対し、その生産に要する費用その他の通常生ずべき損失として政令で定める損失を補償しなければならない。
  11. 前二項の規定による補てん金又は補償金については、家畜の所有者が迅速にその交付を受けることができるよう、家畜の所有者からの請求を待たずに仮払をする方法その他の政令で定める方法により交付するものとする。
  12. 都道府県知事は、第六項の規定により家畜の死体を焼却し、又は埋却した者に対し、焼却又は埋却に要した費用を交付する。
  13. 第九項から前項までに定めるもののほか、第九項、第十項又は前項に定める措置に関し必要な事項は、政令で定める。
  14. 第一項の指定については、第四条第五項から第八項までの規定を準用する。

(化製場等に関する法律の特例)

第七条
第五条第二項(前条第八項において準用する場合を含む。)又は前条第六項若しくは第七項の規定により家畜の死体を焼却し、又は埋却する場合には、化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)第二条第二項の規定は適用しない。

(農林水産大臣の都道府県知事に対する指示等)

第八条
  1. 農林水産大臣は、法第四十七条に定めるもののほか、口蹄疫のまん延により畜産に重大な影響を及ぼすおそれがあるときは、都道府県知事に第四条第二項若しくは第四項の規定による消毒に係る措置(当該措置に係る地域の指定が同条第六項の規定により行われた場合に限る。次項において同じ。)、第五条第二項(第六条第八項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による焼却若しくは埋却に係る措置(当該措置に係る地域の指定が第五条第五項において準用される第四条第六項の規定により行われた場合に限る。次項において同じ。)又は第六条第一項の規定による勧告若しくは同条第二項の規定による措置(当該勧告又は措置に係る地域の指定が同条第十四項において準用される第四条第六項の規定により行われた場合に限る。次項において同じ。)を実施すべき旨を指示することができる。
  2. 農林水産大臣は、都道府県知事が前項の指示に従わないときその他特に必要があると認めるときは、第四条第二項若しくは第四項の規定による消毒に係る措置、第五条第二項の規定による焼却若しくは埋却に係る措置又は第六条第一項の規定による勧告若しくは同条第二項の規定による措置を自ら実施することができる。
  3. 農林水産大臣は、法第三十一条の規定による動物用生物学的製剤等の注射について法第四十七条の規定による指示をした場合において都道府県知事が当該指示に従わないときであって、動物用生物学的製剤等の注射を用いない措置では口蹄疫のまん延を防止することができないと認めるときは、家畜防疫官に当該注射を行わせることができる。
  4. 法第四十八条の規定は、第一項の指示をした場合に準用する。この場合において、「第二章又は第三章」とあるのは、「口蹄疫対策特別措置法第五条又は第六条」と読み替えるものとする。

(焼却又は埋却に関する留意事項)

第九条
法第二十一条第一項の規定による患畜又は疑似患畜の焼却又は埋却については、できる限り当該患畜又は疑似患畜がと殺された場所に近い場所で行われなければならない。

(家畜防疫員の確保)

第十条
都道府県知事は、当該地域内における家畜伝染病に関する知識経験を有する人材の活用を図ることにより、口蹄疫のまん延を防止するための施策を実施するために必要な家畜防疫員を確保するよう努めるものとする。

(簡易畜舎の建設等を促進するための農地法に係る措置)

第十一条
国は、口蹄疫のまん延を防止するための法第三十二条の規定による禁止又は制限に係る区域内に畜舎を有する者が、当該畜舎に隣接する農地を当該禁止又は制限に起因して建設することが必要となる一時的に使用する畜舎の敷地の用等に供することが可能となるよう、農地に関する制度等について、必要な措置を講ずるものとする。

(催物の開催の停止の要請等)

第十二条
都道府県知事は、口蹄疫のまん延を防止するため必要があるときは、法第三十三条に定めるもののほか、催物の開催者に対して、当該催物の開催の停止又は制限を要請することができる。

(患畜の判定の迅速化のための措置)

第十三条
国は、患畜の判定の迅速化に資するよう、家畜が所在する地域における専門家による患畜の判定の迅速な実施、口蹄疫の病原体の有無に係る検査の円滑かつ迅速な実施その他の必要な措置を講ずるものとする。

(口蹄疫のまん延を防止するための措置についての適切な配慮)

第十四条
国及び地方公共団体は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延を防止するための措置を講ずるに当たっては、できる限り関係者の意向を十分尊重するなど、当該措置が円滑に行われるよう適切な配慮をするものとする。

(口蹄疫のまん延の防止に関する調査研究等)

第十五条
国及び都道府県は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫の感染経路及びそのまん延の原因の究明、口蹄疫の予防及びまん延の防止のための研究開発の推進及びその成果の普及並びに調査研究の体制の整備、口蹄疫に係る検査体制の整備その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(偶蹄類に属する野生動物の監視等)

第十六条
都道府県知事は、偶蹄類に属する野生動物に係る口蹄疫の発生の状況の監視その他の当該野生動物に係る口蹄疫の発生の予防及びまん延の防止のために必要な措置を講ずるものとする。

(ねずみ等の駆除等の実施)

第十七条
家畜の所有者は、口蹄疫のまん延を防止するために、農林水産省令で定めるところにより、畜舎及びその周辺において、適切な消毒を実施するほか、その病原体を媒介するおそれがあるねずみ、昆虫等の駆除を実施するよう努めるものとする。

第三章 口蹄疫に対処するために要する費用の国による負担等

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(法に基づく口蹄疫に対処するための費用の国による負担)

第十八条
  1. 国は、法第十六条の規定による患畜又は疑似患畜であって平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に係るもののと殺の適切かつ確実な実施に資するとともに、当該患畜又は疑似患畜の所有者の経済的な支援に資するため、法第五十八条の規定による手当金の交付のほか、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
  2. 前項の手当金の交付については、家畜共済の共済金の交付との整合性が図られるよう、必要な措置が講ぜられるものとする。
  3. 国は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に関し、法第二十一条第一項又は第二十三条第一項の規定により焼却し、又は埋却した家畜の死体又は物品の所有者が当該焼却又は埋却に要する費用について、当該者が実質的に負担する部分を生じさせることのないよう、必要な措置を講ずるものとする。
  4. 国は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に関し、都道府県が支弁する法第六十条第一項の費用について、当該都道府県が実質的に負担する部分を生じさせることのないよう、必要な措置を講ずるものとする。
  5. 国は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫に関し、法第二十三条第一項、第二十五条第一項、第二十六条第一項、第二十七条第二十八条又は第三十条の規定に基づき消毒を行った者が当該消毒に要する費用について、当該者が実質的に負担する部分を生じさせることのないよう、必要な措置を講ずるものとする。

(口蹄疫に対処するために要する費用の国による負担等)

第十九条
国は、都道府県知事又は家畜防疫員が第四条第一項から第三項までの規定による消毒を実施するために要する費用、第五条第二項(第六条第八項において準用する場合を含む。)又は第六条第七項の規定による焼却又は埋却を実施するために要する費用並びに同条第九項の規定による損失の補てん及び同条第十項の規定による損失の補償を実施するために要する費用並びに同条第十二項の規定による焼却又は埋却を行った者に交付する費用の全部又は一部を負担する。

(家畜等の移動等の禁止等により生じた損失の補てん)

第二十条
国は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延を防止するために行われた法第三十二条から第三十四条までの規定による家畜等の移動等の禁止、停止若しくは制限又は家畜市場の自主的な開催の停止等であって農林水産省令で定める基準を満たすものにより、家畜の所有者に、家畜に係る売上げの減少、飼料費その他の保管、輸送又は処分に要する費用の増加等が生じたときは、当該家畜の所有者の当該損失を補てんすることができるよう、法第六十条第二項の規定による措置の拡充その他の必要な措置を講ずるものとする。

(農業者年金の保険料の免除等の特例)

第二十一条
平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延により重大な被害を受けた農業者年金の被保険者等については、農業者年金に係る保険料の免除、当該免除を受けた保険料の追納等に関し、政令で定めるところにより、独立行政法人農業者年金基金法(平成十四年法律第百二十七号)の特例を設けることができる。

第四章 生産者等の経営及び生活の再建等のための措置

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(牛、豚等の家畜の生産者等の経営の再建等のための措置)

第二十二条
国は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延により経営及び生活が不安定になっている牛、豚等の家畜の生産者、食肉、牛乳又は乳製品、畜産用資材等に係る製造、加工、流通、販売、運送等の事業を行う者等の事業の再建その他の経営の安定及びその生活の安定を図るため、当該者に対し事業の再建等に必要な資金の無利子の貸付け、当該事業に係る施設又は設備の整備等に要する費用の助成その他の必要な措置を講ずるものとする。

(地域再生のための支援)

第二十三条
国及び地方公共団体は、前条に定める措置のほか、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延が地域経済に重大な影響を及ぼしている状況にかんがみ、地域経済の再建及びその活性化を図るため、地域の実情に応じたきめ細かな措置を積極的に実施することができるよう、これらの措置に必要な費用に充てるための基金の設置その他の必要な措置を講ずるものとする。

第五章 雑則

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(証票の携帯等)

第二十四条
家畜防疫官又は家畜防疫員は、この法律により職務を執行するときは、農林水産省令の定めるところにより、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(管理者に対する適用)

第二十五条
この法律中家畜又は物品の所有者に関する規定は、当該家畜又は物品を管理する所有者以外の者(鉄道、軌道、自動車、船舶又は航空機による運送業者で当該家畜又は物品の運送の委託を受けた者を除く。)があるときは、その者に対して適用する。

(処分の承継人に対する効力)

第二十六条
  1. この法律又はこの法律に基づく命令の規定による指示その他の処分は、当該処分の目的である家畜その他の物の所有者又は管理者から権利を承継した者又は権利の設定を受けて、新たに当該家畜その他の物の管理者となった者に対しても、またその効力を有する。
  2. 前項の家畜その他の物の所有者又は管理者は、当該家畜その他の物を他人に譲渡し、又は管理させる場合には、その処分のあったこと及びその処分の内容をその者に知らせなければならない。

(税制上の措置)

第二十七条
国及び地方公共団体は、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延が牛、豚等の家畜の所有者に与える影響に配慮し、必要な税制上の措置を講ずるものとする。

(事務の区分)

第二十八条
第四条から第六条までの規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(経過措置)

第二十九条
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

附則

編集

附則 抄

(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。

(この法律の失効)

第二条
この法律は、平成二十四年三月三十一日限り、その効力を失う。

(経過措置)

第三条
この法律の失効前にされた第六条第一項の規定による勧告又は同条第二項の規定による措置については、同条、第八条第一項、第二項及び第四項並びに第十九条の規定は、前条の規定にかかわらず、同条に規定する日後も、なおその効力を有する。
第四条
  1. この法律の施行前に、国又は都道府県の要請に従い、平成二十二年四月以降において発生が確認された口蹄疫のまん延を防止するためにその所有する家畜(患畜及び疑似患畜を除く。)を自ら殺した者に対しては、都道府県知事は、これにより通常生ずべき損失として政令で定める損失を補てんするものとする。
  2. 第十九条の規定は前項の規定により支払われる費用について準用する。
第五条
前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)

第六条
政府は、最近における畜産及び酪農の経営の実態、この法律及び法の施行の状況等を踏まえ、平成二十四年三月三十一日までの間に、効果的な家畜伝染病の発生の予防及びまん延の防止の在り方、家畜伝染病にかかっている家畜等が大量に発生した場合における適切な埋却場所の確保に必要な法制度の整備等について検討を行い、その結果に基づき、法の抜本的な見直しを含め、所要の措置を講ずるものとする。

(地方自治法の一部改正)

第七条
地方自治法の一部を次のように改正する。
以下略
 

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