北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議 (1998年9月)
衆議院
編集本院は、八月三十一日に北朝鮮が我が国を射程に含むようなミサイルの発射を強行したことに強く抗議する。
今回のミサイル発射は、我が国の安全保障に直結する重大な問題である。それは北東アジアの平和と安定に深刻な影響を及ぼすものであると同時に、大量破壊兵器及びミサイルの拡散防止に向けた国際的努力に対する重大な挑戦である。我が国としては、このような非友好的、かつ無謀な暴挙を絶対に容認することはできない。
本院はここに、北朝鮮のミサイル発射に厳重に抗議し、北朝鮮が直ちにミサイル開発を放棄し、このような発射を二度と行わないことを強く求めるものである。
政府は、本院の趣旨を体し、米韓両国をはじめとする関係国とも連携しつつ、北朝鮮に対して直ちにあらゆるレベルで遺憾の意を伝えて厳重抗議し説明を求め、ミサイルの開発・輸出の中止を求めるとともに、必要かつ適切な断固たる措置を講ずるべきである。また、政府は我が国国民の安全確保のためのあらゆる措置をとるとともに、アジア太平洋地域の安定と信頼醸成に努め、国際社会が結束して大量破壊兵器及びミサイルの拡散に対して断固として立ち向かうよう一層努力すべきである。
右決議する。
参議院
編集八月三十一日、北朝鮮は、我が国に対し何らの事前通告もなしに弾道ミサイルの発射を強行した。当該ミサイルは我が国の上空を通過し、多数の船舶、航空機等が活動する三陸沖の海上に着弾した。
かかる北朝鮮の行為は、我が国領土に落下する可能性を一顧だにせぬ、国際常識無視の無謀かつ極めて危険な行為であり、我が国の安全保障上極めて由々しき事態である。また、北東アジアの平和と安定に対する重大な脅威となり、ひいては国際社会全体に緊張をもたらし、大量破壊兵器の拡散防止に向けた国際的努力を無視する行為である。
本院は、今回の行為は極めて許し難いものであると認識し、ここに北朝鮮に対して断固抗議をする。政府は、速やかに国際社会と連携して、北朝鮮が断じてかかる行為を繰り返すことがないよう強力な外交を展開し、加えて、北東アジアの安定と信頼醸成の構築に努めることを強く求めるものである。
右決議する。
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