動物学雑誌/1巻/11号/光線と酸化作用との関係


光線の有機物、体内における酸化作用に及すの力を知らんがため、ロェーブ氏(J. Loeb)は桶に種々の試験を施行せり。光線の刺激は酸化作用を増進するや疑いなし。而して此の増進は主して筋肉のなすところにしてモレショット氏の説、即ち光線は神経系より筋肉を刺激するとの事を一層確実ならしめたり。下等動物にありて眼の存在するをなくして能くこの刺激を受け、哺乳獣にありては局所の酸化作用を増進を起こすを能わず。然れども、只植物においては能く此の勢力を見ると得べし。


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