朝鮮民主主義人民共和国道路交通法
朝鮮民主主義人民共和国道路交通法
編集第1章 道路交通法の基本
編集第1条(道路交通法の使命)朝鮮民主主義人民共和国道路交通法は,道路交通指揮信号並びに安全施設物管理,歩行者及び車の通行における制度及び秩序を厳格に立て,道路交通の安全性及び迅速性を保障するのに寄与する。
第2条(道路交通指揮信号及び安全施設物管理原則)①道路交通は,国の文明度を示す重要な尺度である。
②国家は,道路交通量が増加するのに合わせ,道路交通指揮信号の正確性及び迅速性を保障し,現代的な道路安全施設物を設置して,その管理を科学化,正常化するものとする。
第3条(道路通行の原則)①道路通行の基準は,交通安全の確固たる担保である。
②国家は,道路における右側通行の原則,歩行者・電車・バスに優先権を保障する原則,速度の遅い車が速い車に譲る原則を厳格に遵守させる。
第4条(道路交通事業体系確立原則)国家は,現実発展の要求に合わせて道路交通事業体系を正立し,絶え間なく改善強化するものとする。
第5条(道路交通分野における交流及び協調)国家は,道路交通分野において他国,国際機構との交流及び協調を発展させるものとする。
第6条(法の適用対象)この法律は,わが国の道路を利用する機関,企業所,団体,公民及び他国若しくは国際機構の代表機関,法人,外国人(以下,「機関,企業所,団体及び公民」という。)に適用する。
第2章 道路交通指揮信号と安全施設物の管理
編集第7条(道路交通指揮信号の種類)①道路交通指揮信号は,横断歩道,車道の交差点において歩行者及び車の通行を保障する安全表示である。
②道路交通指揮信号には,交通保安員が行う信号と自動信号灯による信号がある。
第8条(交通保安員の交通指揮信号)交通保安員が行う交通指揮信号は,次のとおりとする。
- 1. 直進させる信号
- 2. 右左折又は転回させる信号
- 3. 一般予告信号
- 4. 特別予告信号
- 5. 軌道電車案内信号
第9条(自動信号灯による交通指揮信号)自動信号灯による交通指揮信号は,次のとおりとする。
- 1. 青色信号灯でする通過信号
- 2. 黄色信号灯でする一般予告信号
- 3. 赤色信号灯でする停止信号
- 4. 赤色信号灯及び黄色信号灯を同時に点灯してする特別予告信号
- 5. 四角形信号灯でする軌道電車案内信号
第10条(交通保安員の配置,自動信号灯の設置)①人民保安機関は,道路交通の複雑な場所及び車道の交差点に交通保安員を配置しなければならない。
②道路管理機関は,該当人民保安機関と合意して提供された場所に自動信号灯を設置しなければならない。
③歩行者及び車は,道路において交通指揮信号に従って通行しなければならない。
第11条(道路安全施設物の種類)①道路安全施設物は,歩行者及び車の交通安全及び利便性を保障するための標識である。
②道路安全施設物には,警告,禁止,指示及び案内標識並びに道路区画線,道路安全保護柵及び欄干,反光台その他が属する。
第12条(道路安全施設物の設置)①都市経営機関及び国土環境保護機関,道路建設機関は,定められた場所に道路安全施設物を設置しなければならない。この場合において,人民保安機関と合意しなければならない。
②機関,企業所,団体及び公民は,道路安全施設物の使用を不可能にし,又は勝手に変更する行為をしてはならない。
③通行は,道路安全施設物の標識どおりに行わなければならない。
第13条(駐車区画設定)都市経営機関及び国土環境保護機関,各級人民委員会,該当機関は,人民保安機関との連携下に高速道路及び重要道路,劇場,映画館,公共の場所,住宅地区その他必要な場所に駐車区画を定め標識器を規定どおりに立てなければならない。
第14条(道路を通過する電線,通信線の安全対策)①道路上に電線,通信線その他を張ろうとする機関,企業所,団体は,車が安全に通行することのできる高度を保障し,高電圧の電線の下には鉄網を付け,又は該当の安全対策を立てなければならない。
②道路を修理し,又は遮断しようとするときは,人民保安機関及び道路管理機関の承認を受けた後,迂回路を開き,該当の道路安全標識物を立てなければならない。
第15条(道路安全施設物の計画的設置)都市経営機関及び国土環境保護機関,道路建設機関は,道路安全施設物の設置,管理事業を国家計画に合わせて行わなければならない。
第3章 歩行者の通行
編集第16条(歩行者通行の基本要求)①歩行者は,道路通行の直接的な当事者である。
②歩行者は,歩道のみを通行しなければならない。
③歩道が区分されていない道路においては,右端で通行しなければならない。
第17条(横断歩道の通行)①道路を横断しようとする歩行者は,横断歩道,地下横断歩道,陸橋を通行しなければならない。
②横断歩道施設のない道路を横断しようとするときは,車の通行に支障がないようにしなければならない。
第18条(高速道路の通行禁止)①歩行者は,高速道路で通行することができない。
②高速道路を横断しようとする歩行者は,陸橋又は地下横断歩道を通行しなければならない。
第19条(隊列の通行)①隊列は,歩道で秩序もって通行しなければならない。
②国家的な行事又は特別のときは,車道で通行することができる。この場合において,該当の人民保安機関と合意しなければならない。
第20条(身体障害者と学齢前児童の通行)①歩行者及び車の通行に支障を与えうる身体障害者及び学齢前児童は,保護者とともに道路で通行しなければならない。
②保護者は,身体障害者又は学齢前児童が道路で往来し,又は遊ばないようにしなければならない。
第21条(歩行者の手車及び乳母車利用)手車又は乳母車を利用する歩行者は,歩道で通行し,歩道の区分されていない道路では,右端で通行しなければならない。
第22条(歩行者のバス,電車利用)①バス,電車を利用する歩行者は,列に並び乗降しなければならず,車にぶら下がり,又は走行する車から飛び降りてはならない。
②異臭の発する物質,家畜,爆発物,引火性物質その他を携帯してバス,電車に乗ってはならず,車外に頭又は手を外に出し,又は物を投げてはならない。
第23条(歩行者の三輪自転車利用)三輪自転車を利用する歩行者は,定められた道路を利用し,車道の右端で通行しなければならない。この場合において,積載した荷物の幅が三輪自転車の荷台の幅を超えてはならない。
第24条(歩行者の自転車利用)①自転車を利用する歩行者は,自転車道で通行し,自転車道のない道路においては,車道の右端で通行しなければならない。この場合において,自転車には,学齢前児童1名を乗せることができ,積載した荷物の幅は,自転車ハンドルの幅を超えてはならない。
②信号鐘,照明灯がなく,又は制動装置が不備な自転車は,利用することができず,交通の複雑な場所,車道,自転車道においては,自転車を追い越すことができない。
第25条(歩行者の牛馬車利用)牛馬車を利用する歩行者は,車道の右端で通行しなければならない。この場合において,積載した荷物は,定められた長さ及び幅を超えてはならず,都市内において定められていない道路を利用し,又は定められていない時間に通行する行為,車が侵入することのできない狭い車道,都市道路,橋に牛馬車を留める行為,排泄物受けのない牛馬車を利用する行為をすることができない。
第4章 車の通行
編集第26条(車通行の基本要求)①車の通行において規律及び秩序を立てることは,道路交通安全の基本担保である。
②車運転資格審査機関及び車輌監督機関は,運転士の資格審査及び登録を厳格に行い,車を正確に登録,検査しなければならない。
第27条(車運転資格の種類及び級数)①車は,運転資格がなければ運転することができない。
②車運転資格は,自動車,トラクター,電車,指定車,オートバイ運転資格に区分し,それぞれの車運転資格種類によって1-4級に区分する。
第28条(車運転資格試験受験)①車の運転資格を受けようとする公民は,該当車運転資格審査機関に対し車運転資格試験申請文件を提出し,運転資格の種類及び級数に該当する試験を受けなければならない。
②車運転資格試験科目は,道路交通法規及び車技術学,安全運転学,運転実技その他とする。
第29条(運転免許証の発給)①車運転資格審査機関は,運転免許試験で合格した公民を登録し,その者に運転免許証を発給しなければならない。
②該当車運転資格審査機関に登録された公民は,機関,企業所団体の名称,所属,居住地その他が変更される場合において,異動登録をしなければならない。
③運転免許証には,運転資格の種類及び級数,運転することのできる車その他を明らかにする。
第30条(運転免許証の再発給)①運転免許証を紛失し,又は汚損したときは,該当の車運転資格審査機関に運転免許証の再発給申請文件を提出し,再発給を受けなければならない。
②車運転資格審査機関は,提起された申請文件を正確に検討確認し,運転免許証を再発給しなければならない。
第31条(運転免許証交付)①運転免許証発給単位の変わったときは,運転免許証を交付しなければならない。この場合において,運転免許証を交付しようとする公民は,該当の車運転資格審査機関に申請文件を提出しなければならない。
②運転免許交付申請文件を受領した車運転資格審査機関は,運転免許証を交付しようとする公民に対する車運転資格試験を組織することができる。
第32条(協助員証の発給及び実習)①車運転養成機関を出ながら車運転資格試験において不合格となった,公民,機関,企業所,団体において自体養成する公民には,協助員証を発給することができる。
②協助員証の発給を受けた公民は,2級以上の車運転免許証を有する運転士の立会の下で運転実習をすることができる。
第33条(登録,検査する車の種類)①車監督機関は,自動車,トラクター,ブルドーザー,掘削車,電車,オートバイその他の車を正確に登録し,車の技術状態を検査しなければならない。 この場合において,我が国機関,企業所,団体は,該当の機関において定める編成以外の乗用車,小型バスは,登録することができない。
②機関,企業所,団体及び公民は、車を適時に登録し、検査を受けなければならない。
第34条(車登録の種類)①車の登録は,新規登録,異動登録,変更登録,再登録に区分して行う。
②新規登録は我が国車輌監督機関に登録されていない車を新たに購入した場合,異動登録は該当車輌監督機関に登録された車の移管を受け、又は車を所有していた機関,企業所,団体及び公民の名称及び所属,居住地その他が変わった場合,変更登録は登録された車の構造及び用途,色その他を改め、又は番号を変更しようとする場合,再登録は,必要に従い中央人民保安指導機関が組織する場合に行う。
第35条(車の登録,車登録証,番号板の発給)①車を登録しようとする機関,企業所,団体及び公民は,車登録申請文件を該当の車監督機関に提出しなければならない。
②車登録申請文件を受領した車輌監督機関は,これを検討し,該当車を登録した後,車登録証及び番号板を発給しなければならない。
③廃棄された車,不法に購入した車,中古乗用車及び中古小型バス,中古旅客バス,操向輪が右側にある車は,新規登録をすることができない。
第36条(車登録証及び車番号板の再発給)車登録証,車番号板を紛失し,又は汚損させたときは,車輌監督機関に再発給申請文件を提出し,車登録証又は車番号板の再発給を受けなければならない。
第37条(車技術検査の種類)①車の技術検査は,新規技術検査,定期技術検査,再技術検査,変更技術検査,廃棄技術検査,臨時技術検査に区分して行う。
②新規技術検査は車を新規登録した場合,定期技術検査は検査有効期間が満了した場合,再技術検査は該当機関,企業所,団体の車技術状態を再判定すべき問題が提起された場合,変更技術検査は車を変更登録した場合,廃棄技術検査は車を廃棄する場合,臨時技術検査は必要に従い中央人民保安指導機関が組織する場合に行う。
第38条(車の技術検査)①車の技術検査を受けようとする機関,企業所,団体及び公民は,検査に必要な文件及び工具,備品を備えて,技術検査申請文件を車輌監督機関に提出しなければならない。
②車輌監督機関は,技術検査申請文件を検討し,車の技術状態を検査した後,合格した車に技術検査票を発給しなければならない。
第39条(車登録の削除)①車登録を削除しようとする機関,企業所,団体及び公民は,該当車輌監督機関に削除申請文件及び車登録証,車番号板を納付し,車登録を削除した旨の確認を受けなければならない。
②財政及び銀行機関は,車輌監督機関の車登録削除確認のある場合にのみ該当の手続をしなければならない。
第40条(標識,窓塞ぎの禁止)該当機関,企業所,団体及び公民は,車輌監督機関の承認なく車の外部に文字,絵その他の標識をすることができず,車のガラスに色紙を貼り付け,窓塞ぎをし,又は透明ガラスを色ガラスに取り替えることができない。
第41条(車の番号)①機関,企業所,団体及び公民は,車に定められた規格及び形式,方法通りに番号板及び番号を付さなければならない。
②車には,該当機関,企業所,団体及び公民が居住する道(直轄市)の番号を付し,道(直轄市)の番号を付さない車の場合においては,平壌市及び地方の車を区分しうるよう該当の番号を付さなければならない。
③登録手続のため通行する車には,新たに受領した車文件又は該当車輌監督機関の発給した臨時標識板がなければならない。
④車の番号板は,車登録機関でのみ製作することができる。
第42条(不備な車の通行禁止)車輌監督機関に登録しておらず,又は検査を受けていない車,検査において不合格となった車,検査有効期間の経過した車,部品のない車,黒煙を排出し,又は技術状態の不備な車,交通安全補助設備がなく,又は不備な車は,通行することができない。
第43条(車運転士の任務及び禁止事項)①運転士は,運転免許証,車登録証,運行証及び工具,備品,予備付属品その他を充分に備えて車を運転しなければならない。
②酒若しくは酒精を含む飲料又は薬物を飲んで運転する行為,運転をしながら携帯電話機を使用する行為をすることはできない。
第44条(配車,交通安全指令体系及び検車)①機関,企業所,団体は,修理整備した車を配車し,交通安全指令を与え,毎日検査をしなければならない。
②検車員は,車の台数により専任又は兼任で置くことができる。
第45条(車の通行帯)①車は,照明灯を点灯し,車道のみを通行しなければならない。
②車輌通行帯の表示された車道においては,定められた車輌通行帯で通行しなければならない。
③車輌通行帯の表示されていない車道においては,車の速度及び種類,型,運行目的その他に従い,互いに譲り合いながら通行しなければならない。
第46条(車の警笛禁止)学校,幼稚園,託児所,病院,横断歩道その他の場所又は都市内では,車の警笛を鳴らすことができない。
第47条(車の速度)①車は,車輌通行帯に規定された速度で通行し,規定された速度を出すことのできないときは,右側通行帯に退かなければならない。
②通行帯のない道路では,時速60kmを超過してはならない。
第48条(車の急制動,急低速禁止)①通行する車は,急に停車し,又は速度を落としてはならない。
②事故危険が造成され,やむを得ず車を停車し,又は速度を落とそうとするときは,該当安全対策を取らなければならない。
第49条(車の低速通行)交差点,停留所及び横断歩道標識のある場所,安全安全視距の制限された場所,複雑な場所で通行し,又は雪,雨,霧,粒子その他の自然環境により通行に支障を受ける車は,速度を落として通行しなければならない。
第50条(車の高速道路通行)①高速道路で通行する車は,定められた時速で該当通行帯を通行しなければならない。
②高速道路に入り,又はそこから出る車は,停車線又は第1車線で通行し,定められた速度で該当通行帯に入り通行しなければならない。
③高速道路を横断しようとする車は,該当案内標識のある場所でのみ横断しなければならない。
④高速道路の通行が禁止された車は,通行することができない。
第51条(車の安全距離,車隊列への割込禁止)①車は,定められた安全距離を保障して通行しなければならない。
②通行する車の隊列には,割り込んではならない。
第52条(車の追越し及び禁止場所)①車は,車輌通行帯の別にない道路において先行車を追い越そうとする場合,該当する信号をしなければならない。
②信号を受けた車は,追い越そうとする車に道を空けなければならない。この場合において,追越し車を再度追い越してはならない。
③狭い車道,追越し不可の標識のある区間の車道,曲がり道,交差点,横断歩道,停留所,橋,トンネル,踏切その他の場所においては,車を追い越す行為をすることができない。
第53条(車の対向)坂道その他の場所において対向しようとする車は,先に見た車又は下りてくる車が,大きい道と狭い道で対向する車は,大きい道から侵入してくる車が,道を譲らなければならない。
第54条(車の停車及び駐車禁止場所)①駐車しようとする車は,安全を確認した後,車道の右端又は駐車場に停車しなければならない。この場合において,定められたとおりに駐車又は停車させ,夜間には,該当の標識をしなければならない。
②トンネル,橋,三叉路及び十字路,交差点,踏切,視野の制限された坂道及び曲がり道その他の交通が複雑であり,又は事故の危険のある場所,停車,駐車禁止標識のある場所,歩道には,車を停めることができない。
③交通保安員は,三叉路及び十字路において車の停止時間を短縮し,三叉路,十字路,曲がり道その他の交通が複雑であり,又は事故の危険のある場所で車を停車してはならない。
第55条(車の乗車人員)①乗用車,バスその他の車には、定められた数の人員のみを乗せなければならない。
②貨物車には,必要な安全施設を備えて人員を乗せることができる。この場合において,該当人民保安機関の承認を受けなければならない。
③貨物を載せた貨物車には,座席を安全に作り,定められた数の上下車人員のみを乗せることができる。
第56条(車の貨物積載定量及び規格の超過禁止,貨物包装)①貨物車は,積載定量及び定められた規格を超過して貨物を積載することができない。
②風に飛ばされ,又は落下して道路を破損させ,又は歩行者及び他の車の通行に支障を与える恐れのある貨物は,包装をして積載しなければならない。
第57条(乗車の禁止された車)①自動荷下ろし式,半끌림式,荷台(짐함)式,짐틀式,タンク式貨物車及び連結車,鋼材,原木,爆発性物質,放射性物質,毒性物質,引火性物質その他を積載した貨物車の荷台(적재함)には,人員を乗せることができない。
②爆発性物質,放射性物質,毒性物質,引火性物質その他を積載した貨物車には,該当の標識を行い,消防機材その他を備えなければならない。
第58条(車の連結車)連結車を牽引しようとする車は,連結器を2重にし,連結車ごとには,制動装置,照明装置又は反光板を設置しなければならない。
第59条(車の故障退治,故障した車の牽引)①通行中に故障した車は,車道の右端に停車し,前後に注意標識機を設置した後,故障を退治しなければならない。
②車を停車させておくことのできない道路では,故障した車を速やかに牽引しなければならない。
③故障した車を牽引する車は,該当安全対策を行い,先行車を追い越してはならない。
第60条(横断歩道における歩行者の優先権保障)車は,横断歩道において,歩行者が車道を横断した後に通行しなければならない。この場合において,歩行者は,車道を速やかに横断しなければならない。
第61条(車の交差点通行)①車は,交通保安員及び自動信号灯のある道路の交差点において,速度を漸次に下げつつ,進行しようとする方向の信号灯を点灯した後,該当の進路変更車線に侵入し,交通指揮信号に従い通行しなければならない。この場合において,進路変更車線内において再進路変更をし,又は赤色自動信号灯の点灯した後に阻止線を通過する行為をしてはならない。
②交通保安員及び自動信号灯のない道路の交差点においては,進行しようとする方向の信号灯を点灯し,交通安全に注意を払いつつ通行しなければならない。
第62条(車のトンネル通行)①トンネルを通行する車は,時速を下げなければならない。
②対向の困難なトンネルでは,先に進入した車が通行しなければならない。
第63条(車の橋通行)①橋を通行する車は,橋の安全標識通りに貨物を載せて通行しなければならない。
②対向の困難な橋では,先に進入した車が通行しなければならない。
第64条(車の踏切通行)線路を渡ろうとする車は,踏切の10m前で停車し,列車の運行がないか確認し,安全信号のあった後に通行しなければならない。この場合において,車の速度を変えてはならない。
第65条(車の夜間通行)①夜間に通行する車は,照明の보임距離を保障しなければならない。この場合において,街路灯のある道路では,遠距離灯を点灯してはならない。
②車が対向するときは,近距離灯を点灯し,他の車の通行に支障を与えないようにしなければならない。
③平壌市中心区域において夜間に通行する車は,遠距離灯を点灯することができない。
第66条(バス,電車の通行)①バス,電車は,旅客が乗降する扉を閉めて通行しなければならない。
②交通保安員及び他の車は,交差点において,旅客を乗せたバス,電車の通行を優先的に保障しなければならない。
③停留所でない場所には,バス,電車を停車することができない。
第67条(非常任務遂行,道路施設管理車の通行)①救急車,消防車,交通安全車,道路清掃車その他の車は, 警報装置及び色灯信号装置を備え,非常任務を遂行し,又は道路施設管理のための作業を行う場合にのみ使用しなければならない。
②緊急の非常任務を遂行し,又は道路施設管理のための作業を行う車は,交通安全の保障される条件において,定められた速度より早く,又は遅く通行することができる。この場合において,交通保安員及び他の車は,車の通行を優先的に保障しなければならない。
第68条(教育車及び試験車の通行)①教育車及び試験運行をしようとする車は,該当 人民保安機関に通知し,定められた時間及び道路で通行しなければならない。
②教育車,試験車には,定められた標識をしなければならない。
第69条(無限軌道車の通行禁止)①無限軌道車は,舗装道路で通行することができず,貨物車に載せて運搬しなければならない。
②国家的な行事として行われる無限軌道車の舗装道路通行手続は,別途定める。
第70条(トラクター,汚物運搬車,オートバイの通行)①都市において,トラクター,汚物運搬車は,定められた時間及び道路で通行しなければならない。
②オートバイに乗る公民は,安全帽を用い,保護眼鏡を掛けなければならない。この場合において,定められた人員を乗せ,又は貨物を載せることができる。
第71条(交通事故時の運転士の任務)交通事故を起こした車運転士は,該当人民保安機関に適時に通知し,事故現場を速やかに整理して歩行者及び他の車の通行に支障がないようにしなければならない。
第5章 道路交通事業に対する指導統制
編集第72条(道路交通事業に対する指導統制の基本要求)①道路交通事業に対する指導は,内閣の統一的な指導の下に中央人民保安指導機関及び該当の機関が行う。
②中央人民保安指導機関及び該当の機関は,道路交通事業を正常に掌握し,及び指導しなければならない。
第73条(交通上の安全及び便宜保障)人民保安機関及び地方政権機関,道路管理機関は,道路交通事業を正常に了解掌握して指導し,歩行者及び車の交通上の安全及び便宜を保障しなければならない。
第74条(道路状態に対する通報)①逓信機関は,道路保守,破壊,浸水等により道路を利用することのできない場合において,その状況を運転士又は住民が通信手段を通じて随時知り得るようにしなければならない。
②道路状態に対する資料は,人民保安機関において正常に保障する。
第75条(交通保安幹部,車輌監督幹部,車運転資格審査幹部の養成)中央人民保安指導機関及び該当機関は,交通保安幹部,車運転資格審査幹部,車監督幹部を計画的に養成し,その専門技術知識水準を高めなければならない。
第76条(労力,設備,資材,資金の保障)①国家計画機関及び労働行政機関,資材供給機関,財政銀行機関は,道路交通事業に必要な労力,設備,資材,資金を随時保障しなければならない。
②道路交通部門の労力,設備,資材,資金は,他の用途に다른데 転用することができない。
第77条(道路交通安全教養)該当機関,企業所,団体は,「交通安全教養室」を整備し,充実した道路交通安全教養事業を組織進行し,運転士会議及び「設備点検の日」,「事故防止対策の日」その他を正常に運営しなければならない。
第78条(学生,児童の教育教養)教育機関及び該当機関は,学生及び児童に交通安全及び交通道徳に対する知識を教育し,「交通安全教養のひろば」その他を利用した教養事業を様々の形式及び方法で組織進行しなければならない。
第79条(出版物,文学芸術作品の創作,出版,普及)出版機関及び文学芸術機関,該当機関は,交通安全及び交通道徳に関する大衆雑誌,絵本,掛図,小説,映画,演劇その他を計画的に創作,出版,普及しなければならない。
第80条(道路交通事業に対する監督統制)①道路交通事業に対する監督統制は,人民保安機関及び該当監督統制機関がする。
②人民保安機関及び該当監督統制機関は,道路安全施設物の管理及び利用,歩行者及び車の通行,車運転資格審査,車の登録及び検査の秩序遵守情況を厳格に監督統制しなければならない。
第81条(事故危険箇所に対する通報及び対策)機関,企業所,団体及び公民は,交通事故を起こし,交通秩序に違反し,又は道路交通に支障を与えうる事故危険箇所を発見したときは,随時に対策を立て,該当人民保安機関及び道路管理機関に通知して,人命及び財産の救助のため人民保安機関が必要な人員及び機材を保障することを要求するときは,随時に応じなければならない。
第82条(車の抑留)車の登録,通行の秩序に違反し,又は歩行者及び車の通行に支障を与えた車は,情状により2個月まで抑留する。
第83条(原状復旧,損害補償)道路及びその安全施設物を破損させ,若しくは位置を変更させ,又は車を破損させたときは,原状復旧させ,又は当該損害を補償させる。
第84条(罰金)道路及びその安全施設物の管理及び利用の秩序に違反し,道路交通に支障を与え,又は通行秩序に違反したときは,罰金を科する。
第85条(運行の中止)車の技術状態が不備であり,又は通行秩序に著しく違反したときは,車の運行を中止させる。
第86条(運転資格の停止,降級,剥奪)車通行秩序に違反し,又は交通事故を起こしたときは,情状により運転資格を停止又は降級,剥奪する。
第87条(車の押収,没収)①次の場合には,車を押収又は没収する。
- 1. 車通行秩序に著しく違反したとき
- 2. 交通事故を起こしたとき
- 3. 交通事故を起こし,逃走したとき
- 4. 登録されていない車を利用したとき
- 5. 車を個人が購入したとして機関,企業所,団体に登録した後,他の機関,企業所,団体に持ち去ったとき
- 6. 車登録証,技術検査票を偽造したとき
- 7. 人民保安機関の正当な取締に応じず,又は反抗する等の行為をしたとき
- 8. 交通指揮,自動信号秩序に違反し,事故の危険を作出し,又は事故を発生させたとき
- 9. 夜に車の照明灯を点ける秩序に違反し,事故の危険性を作出し,又は事故を発生させたとき
②車の押収,没収は,該当法規による。
第88条(行政的又は刑事的責任)この法に違反して道路交通事業に重大な結果を起こした機関,企業所,団体の責任ある幹部及び個別的公民には,情状により行政的又は刑事的責任を科する。
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