利用者:Funa-enpitu/Sandbox
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つめたいいじの悪い雲が地べたにすれすれに垂れていましたので、野はらは雪のあたりだか、日のあかりだか
烏の義勇
どの
まっ黒くなめらかな烏の
からすの
それですから、烏の
「おい、この町には
これはたしかに
雪のうえに、仮泊ということをやっている烏の艦隊は、石ころのようです。
しかしだんだん夕方になりました。
雲がやっと少し上の方にのぼりましたので、とにかく烏の飛ぶくらいのすき間ができました。
そこで大監督が息を切らして号令を
「演習はじめいおいっ、出発」
艦隊長烏の大尉が、まっさきにぱっと雪を
それから戦闘艦隊が三十二隻、次々に出発し、その次に大監督の大艦長
そのときはもうまっ先の烏の大尉は、四へんほど空で
二十九隻の
烏の大尉は、杜のすぐ近くまで行って、左に曲がりました。
そのとき烏の大監督が、「
艦隊は
大砲をうつとき、
「分れっ、解散」と云いながら、列をはなれて杉の木の大監督舎におりました。みんな列をほごしてしぶんの営舎に帰りました。
烏の大尉は、けれども、すぐに自分の営舎に帰らないで、ひとり、西のほうのさいかちの木に行きました。
雲はうす黒く、ただ西の山のうえだけ
烏の大尉は、矢のようにさいかちの
「があがあ、
「かあお、ずいぶんお待ちしたわ。いっこうつかれなくてよ。」
「そうか。それは結構だ。しかしおれはこんどしばらくおまえと別れなければなるまいよ。」
「あら、どうして、まぁ大へんだわ。」
「戦闘艦隊長のはなしでは、おれはあした山烏を追いに行くのだそうだ。」
「まあ、山烏は強いのでしょう。」
「うん、
「ほんとう。」
「
「あら、どうしましょう。まあ、大へんだわ。あんまりひどいわ、あんまりひどいわ。それではあたし、あんまりひどいわ、かあお、かあお、かあお、かあお」
「泣くな、みっともない。そら、たれか来た。」
烏の大尉の部下、烏の
「があ、艦長殿、点呼の時間でございます。一同整列して
「よろしい。本艦は
「承知いたしました。」兵曹長は飛んで行きます。
「さあ、泣くな。あした、も一度列の中で会えるだろう。
丈夫でいるんだぞ、おい、お前ももう点呼だろう、すぐ帰らなくてはいかん。手を出せ。」
二疋はしっかり手を
夜になりました。
それから夜中になりました。
雲がすっかり消えて、新らしく
とうとう
いや、ちがいました。
そうじゃありません。
月が出たのです。青いひしげた二十日の月が、東の山から泣いて登ってきたのです。そこで烏の軍隊はもうすっかり安心してしまいました。
たちまち杜はしずかになって、ただおびえて脚をふみはずした若い水兵が、びっくりして眼をさまして、があと一発、ねぼけ声の大砲を撃つだけでした。
ところが烏の大尉は、目が
「おれはあした戦死するのだ。」大尉は
その