八調の品第詞 (ステペンナ)

八調の品第詞ステペンナ


毎旬復誦す。
第一調 第一倡和詞アンティフォン

うれひときわれ傷歎なげきたまへ、しゅよ、われなんぢぶ。

りてむなしきほかものにはつね神聖しんせいなるのぞみあり。

光榮

聖神゜せいしんにはちちおよひとしき尊敬そんけい光榮こうえいとはかなふ、ゆゑわれ同一どういつ権能けんのう聖三者せいさんしゃうたはん。   今も、同上。

第二倡和詞

かみよ、なんぢわれなんぢ律法りつぽうやまのぼせたり、諸徳しょとくにてわれかざたまへ、なんぢうたはんためなり。

ことばよ、なんぢみぎわれりて、われおほひ、われまもたまへ、つみわれかざらんためなり。

光榮

聖神゜せいしんりておよそ造物ぞうぶつあらたにせられて、またはじめさまかへる、ちちおよことばひとしく有能ゆうのうなればなり。   今も、同上。

第三倡和詞

ひとわれむかひて、しゅいへかんととき神゜しんたのしみ、こころともよろこぶ。

ダヴィドいへにはおほいなる畏懼おそれあり、けだし彼處かしこほうてられて、じょう萬族ばんぞく萬民ばんみん審判しんぱんせられん。

光榮

聖神゜せいしんにはちちおよひとしき尊敬そんけい伏拝ふくはい光榮こうえい権柄けんぺいすること當然とうぜんなり、けだし聖三者せいさんしゃせいにてゆゐいちなり、たゞにてはしからず。   今も、同上。


第二調 第一倡和詞アンティフォン

救世きゅうせいしゅよ、こころてんなんぢぐ、なんぢ光照こうしょうにてわれすくたまへ。

嗚呼アアハリストスよ、時毎ときごとおほなんぢつみおかせるわれあわれみて、をはりまへなんぢ痛悔つうかいするほうあたたまへ。

光榮

聖神゜せいしんには宰制さいせいし、せいほどこし、造物ぞうぶつ活動かつどうせしむることかなふ、ちちおよ一性いつせいかみなればなり。   今も、同上。

第二倡和詞

しゅわれうちにあらずば、たれてきまた殺人者ひとごろしよりまつたうしまもらるるにへん。

救世きゅうせいしゅよ、なんぢぼくかれわたなかれ、けだしてきししごとわれむかすすむ。

光榮

聖神゜せいしんには生命いのちいづみおよ尊榮そんえいぞくす、けだしかみとして、そのちからもつて、一切いつさい造物ぞうぶつちちうちに、りてまもる。   今も、同上。

第三倡和詞

しゅたのもの聖山せいざんたり、あへてき攻撃こうげきりてうごかざらん。

敬虔けいけんいのちおくものおのれほうぶべからず、けだしハリストスそのぎょうためつゑはなたず。

光榮

聖神゜せいしんにて一切いつさい智慧ちゑいださる、これより使徒しと恩寵おんちょうみ、命者めいしゃくるしみりて榮冠えいかんかうむり、預言よげんしゃる。   今も、同上。


第三調 第一倡和詞アンティフォン

ことばよ、なんぢシオンとりこワヴィロンよりいだせり、われをも諸慾しょよくより生命いのちたまへ。

みなみかぜとき神聖しんせいなるなみだもつものは、よろこびもつ永生えいせいる。

光榮

聖神゜せいしんにはおよそたまものぞくす、けだしかれちちおよともかがやき、萬物ばんぶつかれりてかつうごく。   今も、同上。

第二倡和詞

しゅ諸徳しょとくいへつくらずば、われいたづらろうす、しゅたましひおほはんに、たれわれしろやぶらざらん。

聖神゜せいしんはらたるしょ聖人せいじんは、ちちなるとひとしく、つねなんぢハリストスなり。

光榮

聖神゜せいしんりて一切いつさいせい一切いつさい智慧ちゑ洞察どうさつせらる、けだしかれりて萬物ばんぶつ生存せいぞんす、われちちおよことばけるがごとかれつとめん、そのかみなればなり。   今も、同上。

第三倡和詞

しゅおそれていましめみちものさいわいなり、生命いのちしょくらはんとすればなり。

ぼくちょうよ、なんぢしょぜんぎょうつゑちて、なんぢせきめぐれるをて、たのしめよ。

光榮

聖神゜せいしんよりおよそ光榮こうえいとみで、かれよりおよそ造物ぞうぶつ恩寵おんちょう生命せいめいとはたまはる、ゆゑかれちちおよことばひとしくうたはるるなり。   今も、同上。


第四調 第一倡和詞アンティフォン

いとけなときよりおほくのよくわれむ、救世きゅうせいしゅよ、なんぢみづかわれまもりてすくたまへ。

シオンにくものしゅよりはづかしめけよ、なんぢくさけるがごとらされんとすればなり。

光榮

聖神゜せいしんにておよそたましひかされ、清浄きよきもついよいよのぼり、さん一体いつたいにて奥密おうみつてらさる。   今も、同上。

第二倡和詞

しゅよ、われたましひ深處ふかみより熱切ねつせつなんぢべり、ねがはくはなんぢ神聖しんせいなるみみわれにもかん。

およしゅけるのぞみたるものことごとくのうれふるものうへり。

光榮

聖神゜せいしんにて恩寵おんちょうながれそそがれ、およそ造物ぞうぶつませて、これかす。   今も、同上。

第三倡和詞

ことばよ、ねがはくはこころなんぢげられ、ぞく華美かびいつそのたのしみもつわれよわめざらん。

ひと其母そのははあいたもつがごとく、しゅたいしてさらあつじょうたもつべし。

光榮

聖神゜せいしんにはかみしきと、めいと、えいとのとみるなり、けだしことばかれりてちちことごとくのめいあらはす。   今も、同上。


第五調 第一倡和詞アンティフォン

救世きゅうせいしゅよ、われうれひうちダヴィドごとなんぢうたふ、たましひ欺騙あざむきしたよりまぬかれしめたまへ。

もの生命いのちさいわいなり、かれ神聖しんせいなるあいはげまさる。

光榮

聖神゜せいしんにてゆるとえざるものことごとたもたる、かれじつ聖三者せいさんしゃいつにして、全能ぜんのうしゅなればなり。   今も、同上。

第二倡和詞

たましひよ、やまのぼらん、彼處かしこけ、けだしたすけ彼處かしこよりきたる。

ハリストスよ、ねがはくはなんぢみぎわれにもれて、およそ邪曲よこしまよりわれまもらん。

光榮

聖神゜せいしんむかひてさんしてはん、なんぢかみなり、生命いのちなり、あいなり、ひかりなり、えいなり、なんぢじんなり、なんぢ世世よよおうたり。   今も、同上。

第三倡和詞

ひとわれむかひて、しゅいへかんとときわれおほくの歓喜よろこびてられて、いのりささぐ。

ダヴィドいへおそるべきことおこなはる、けだし彼處かしこおよそづべきこころく。

光榮

聖神゜せいしんには生命いのちほどこけんあり、すべての生物いきものかれもつかさる、ちちおよことばもつてするがごとし。   今も、同上。


第六調 第一倡和詞アンティフォン

ことばよ、われてんなんぢぐ、われめぐみて、なんぢためくるをたまへ。

ことばよ、われいやしきものあわれみて、なんぢようてきするうつわたまへ。

光榮

聖神゜せいしんにはすくひもとゐそなはれり、かれふるものけば、すみやかこれよりげ、こればしめ、これちょうぜしめて、かみのぼらせたまふ。   今も、同上。

第二倡和詞

しゅわれうちにあらずば、われたれてき攻撃こうげきつことあたはざらん、けだしもの此處ここよりげらる。

ことばよ、ねがはくはわれたましひとりごとかれにてとらはれざらん、嗚呼アアかなしいかなわれつみたしもの如何いかにしててきよりのがるるをん。

光榮

聖神゜せいしんよりしゅうじん成聖せいせいけいしき平安へいあんならびに、降福こうふくたまはる、けだしかれちちおよことばひとしく行動こうどうするものなり。   今も、同上。

第三倡和詞

しゅたのものてきかれおそれ、しゅうじんとす、けだしかれうへあふる。

救世きゅうせいしゅよ、なるぎょうなんぢ扶助ふじょしゃたもちて、おのれほうべず。

光榮

聖神゜せいしん権柄けんぺい萬有ばんゆうにあり、かみなるぐんしもなるおよそ呼吸いきあるものともかれ伏拝ふくはいす。   今も、同上。


第七調 第一倡和詞アンティフォン

シオンとりこまよひよりかへしし救世きゅうせいしゅよ、われをもかして、よくえきよりのがれしめたまへ。

みなみかぜときものいみなみだとをもつかなしみものは、よろこびもつ永生えいせいかてたばらん。

光榮

聖神゜せいしんには神聖しんせいなるたからいづみあり、かれよりえいしきけいたまはる、かれさん光榮こうえい尊敬そんけい権柄けんぺいす。   今も、同上。

第二倡和詞

しゅたましひいへつくらずば、われいたづらろうす、けだしかれほかにしては、おこなひことばらず。

諸聖人しょせいじん聖神゜せいしんりてはらとして、かみしょをしへしょうず。

光榮

聖神゜せいしんには萬物ばんぶつ存在そんざいかかる、けだしかれ萬有ばんゆうさきよりいまかみ一切いつさいものしゅちかづきがたひかり萬有ばんゆう生命いのちなり。   今も、同上。

第三倡和詞

しゅおそれて生命いのちみちたるものは、いま何時いつきゅう光榮こうえいうち福楽ふくらくく。

ぼくちょうよ、なんぢしょえだごとなんぢせきめぐれるをて、よろこたのしみて、これハリストスたづさへよ。

光榮

聖神゜せいしんよりおん充満じゅうまん光榮こうえいとみ議事ぎじおほいなるふかみたまはる、かれちちおよ同榮どうえいにしてほうせらるればなり。   今も、同上。


第八調 第一倡和詞アンティフォン

いとけなときよりてきわれいざなひ、逸楽いつらくにてわれがす、しゅよ、われたゞなんぢたのみてこれつ。

シオンにくものかるるさきくさごとし、けだしハリストスくるしき切断せつだんもつかれくびらん。

光榮

聖神゜せいしんりて萬有ばんゆうく、かれひかりよりのひかりにして、おほいなるかみなり、われかれちちおよことばともあがうたふ。   今も、同上。

第二倡和詞

いたりてれんなるしゅよ、ねがはくはこころへりくだりて、なんぢおそるるおそれおほはれん、たかぶりてなんぢよりはなちざらんためなり。

しゅたのみはせたるものは、しゅくるしみとをもつしゅう審判しんぱんせんときおそれざらん。

光榮

聖神゜せいしんりておよそ聖者せいしゃげんし、みょう高尚こうしょうなることおこなひて、さん惟一ゆいいちかみうたふ、けだし神性しんせい三光さんこうなれども独一どくいつなり。   今も、同上。

第三倡和詞

しゅよ、われなんぢべり、れて、ものなんぢみみかたぶけ、われここよりらざるさききよたまへ。

おのれははたるかへ衆人しゅうじんまたでん、在世ざいせいときおこなひしことかなひてつうあるひ尊榮そんえいけんためなり。

光榮

聖神゜せいしんりて聖三せいさん惟一者ゆいいちしゃつたへらる、けだしちちげんなり、ときなきさきかれよりうまれ、同一どういち同一性どういちせいしん゜はともちちよりかがやけり。   今も、同上。

第四倡和詞

兄弟けいていむつましくるはぜんなるかななるかなけだししゅこれため永遠えいえん生命いのちやくせり。

百合花ユリよそほしゅおのれころもためおもんぱかるをようせずとめいたまふ。

光榮

聖神゜せいしん萬物ばんぶつ平安へいあんたもたるる惟一ゆいいち原因げんいんなり、けだしかれかみなり、ちちおよ一体いつたいにして、同宰制どうさいせいしゅなり。   今も、同上。

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原文:

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。

 
翻訳文:

この著作物は、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定の発効日(2018年12月30日)の時点で著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以上経過しているため、日本においてパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、1929年1月1日より前に発行された(もしくはアメリカ合衆国著作権局に登録された)ため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。