万葉集 (奈良女子高等師範学校国語研究室編)/巻第一抄

雑歌

籠もみ籠もちふぐしもよみふぐしもちこの丘に菜摘ます児家聞かな名告らさねそらみつやまとの国はおしなべてわれこそをれしきなべてわれこそませわれこそは告らめ家をも名をも

大和にはむら山あれどとりよろふ天の香久山のぼり立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ海原はかまめ立ち立つうまし国ぞあきつ島大和の国は

やすみししわが大王の朝にはとりなでたまひ夕にはいより立たしし御執らしの梓の弓のなか弭の音すなり朝猟に今立たすらし夕猟に今立たすらし御執らしの梓の弓のなか弭の音すなり

たまきはる宇智の大野に馬なめて朝ふますらむその草深野

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