ヱレミヤ記(文語訳)

<聖書<文語訳旧約聖書

w:舊新約聖書 [文語]』w:日本聖書協会、1953年

w:明治元訳聖書

ヱレミヤ記

第1章編集

1:1編集

こはベニヤミンの地アナトテの祭司の一人なるヒルキヤの子ヱレミヤの言なり

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アモンの子ユダの王ヨシヤの時すなはちその治世の十三年にヱホバの言ヱレミヤに臨めり

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その言またヨシヤの子ユダの王ヱホヤキムの時にものぞみてヨシヤの子ユダの王ゼデキヤの十一年のをはり即ちその年の五月ヱルサレムの民の移されたる時までにいたれり

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ヱホバの言我にのぞみて云ふ

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われ汝を腹につくらざりし先に汝をしり汝が胎をいでざりし先に汝を聖め汝をたてて萬國の預言者となせりと

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我こたへけるは噫主ヱホバよ視よわれは幼少により語ることを知らず

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ヱホバわれにいひたまひけるは汝われは幼少といふ勿れすべて我汝を遣すところにゆき我汝に命ずるすべてのことを語るべし

1:8編集

なんぢ彼等の面を畏るる勿れ蓋われ汝と偕にありて汝をすくふべければなりとヱホバいひたまへり

1:9編集

ヱホバ遂にその手をのべて我口につけヱホバ我にいひたまひけるは視よわれ我言を汝の口にいれたり

1:10編集

みよ我けふ汝を萬民のうへと萬國のうへにたて汝をして或は抜き或は毀ち或は滅し或は覆し或は建て或は植しめん

1:11編集

ヱホバの言また我に臨みていふヱレミヤよ汝何をみるや我こたへけるは巴旦杏の枝をみる

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ヱホバ我にいひたまひけるは汝善く見たりそはわれ速に我言をなさんとすればなり

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ヱホバの言ふたたび我に臨みていふ汝何をみるや我こたへけるは沸騰たる鑊をみるその面は北より此方に向ふ

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ヱホバ我にいひたまひけるは災北よりおこりてこの地に住るすべての者にきたらん

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ヱホバいひたまひけるはわれ北の國々のすべての族をよばん彼等きたりてヱルサレムの門の入口とその周圍のすべての石垣およびユダのすべての邑々に向ひておのおのその座を設けん

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われかれらの凡の惡事のために我鞫をかれにつげん是はかれら我をすてて別の神に香を焚きおのれの手にて作りし物を拝するによる

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汝腰に帶して起ちわが汝に命ずるすべての事を彼等につげよその面を畏るる勿れ否らざれば我かれらの前に汝を辱かしめん

1:18編集

視よわれ今日この全國とユダの王とその牧伯とその祭司とその地の民の前に汝を堅き城 鐵の柱 銅の牆となせり

1:19編集

彼等なんぢと戰はんとするも汝に勝ざるべしそはわれ汝とともにありて汝をすくふべければなりとヱホバいひたまへり

第2章編集

2:1編集

ヱホバの言我にのぞみていふ

2:2編集

ゆきてヱルサレムに住る者の耳につげよヱホバ斯くいふ我汝につきて汝の若き時の懇切なんぢが契をなせしときの愛曠野なる種播ぬ地にて我に從ひしことを憶ゆと

2:3編集

イスラエルはヱホバの聖物にしてその初に結べる實なりすべて之を食ふものは罰せられ災にあふべしとヱホバ云ひたまへり

2:4編集

ヤコブの家とイスラエルの家の諸の族よヱホバの言をきけ

2:5編集

ヱホバかくいひたまふ汝等の先祖は我に何の惡事ありしを見て我に遠かり 虛しき物にしたがひて虛しくなりしや

2:6編集

かれらは我儕をエジプトの地より導きいだし曠野なる岩穴ある荒たる地 旱きたる死の蔭の地 人の過ぎざる地 人の住はざる地を通らしめしヱホバはいづこにあるといはざりき

2:7編集

われ汝等を導きて園のごとき地にいれ其實と佳物をくらはしめたり然ど汝等此處にいり我地を汚し我產業を憎むべきものとなせり

2:8編集

祭司はヱホバは何處にいますといはず律法をあつかふ者は我を知らず牧者は我に背き預言者はバアルによりて預言し益なきものに從へり

2:9編集

故にわれ尚汝等とあらそはん且汝の子孫とあらそふべしとヱホバいひたまふ

2:10編集

汝等キッテムの諸島にわたりて觀よまた使者をケダルにつかはし斯のごとき事あるや否やを詳細に察せしめよ

2:11編集

その神を神にあらざる者に易たる國ありや然るに我民はその榮を益なき物にかへたり

2:12編集

天よこの事を驚け慄けいたく怖れよとヱホバいひたまふ

2:13編集

蓋わが民はふたつの惡事をなせり即ち活る水の源なる我をすて自己水溜を掘れりすなはち壞れたる水溜にして水を有たざる者なり

2:14編集

イスラエルはしもべなるか家にうまれし僕なるかいかにして擄掠となれるや

2:15編集

わかき獅子かれにむかひて哮えその聲をあげてその地を荒せりその諸邑は焚れて住む人なし

2:16編集

ノフとタパネスの諸子も汝の頭首の髮をくらはん

2:17編集

汝の神ヱホバの汝を途にみちびきたまへる時に汝これを棄たるによりて此事汝におよぶにあらずや

2:18編集

汝ナイルの水を飮んとてエジプトの路にあるは何ゆゑぞまた河の水を飮んとてアツスリヤの路にあるは何故ぞ

2:19編集

汝の惡は汝をこらしめ汝の背は汝をせめん斯く汝が汝の神ヱホバをすてたると我を畏るることの汝の衷にあらざるとは惡く且つ苦きことなるを汝見てしるべしと主なる萬軍のヱホバいひ給ふ

2:20編集

汝昔より汝の軛ををり汝の縛を截ちていひけるは我つかふることをせじと即ち汝すべての高山のうへと諸の靑木の下に妓女のごとく身をかがめたり

2:21編集

われ汝を植て佳き葡萄の樹となし全き眞の種となせしにいかなれば汝われに向ひて異なる葡萄の樹の惡き枝にかはりしや

2:22編集

たとひ嚥哘をもて自ら濯ひまたおほくの灰汁を加ふるも汝の惡はわが前に汚れたりと主ヱホバいひ給ふ

2:23編集

汝いかで我は汚れずバアルに從はざりしといふことを得んや汝谷の中のおこなひを觀よ汝のなせしことを知れ汝は疾走るわかき牝の駱駝にしてその途にさまよへり

2:24編集

汝は曠野になれたる野の牝驢馬なり其欲のために風にあへぐその欲のうごくときは誰かこれをとどめえん凡てこれを尋る者は自ら勞するにおよばすその月の中に之にあふべし

2:25編集

汝足をつつしみて跣足にならざるやうにし喉をつつしみて渇かぬやうにせよしかるに汝いふ是は徒然なり然りわれ異なる國の者を愛してこれに從ふなりと

2:26編集

盜人の執へられて恥辱をうくるがごとくイスラエルの家恥辱をうく彼等その王その牧伯その祭司その預言者みな然り

2:27編集

彼等木にむかひて汝は我父なりといひまた石にむかひて汝は我を生みたりといふ彼等は背を我にむけて其面をわれに向けずされど彼等災にあふときは起てわれらを救ひ給へといふ

2:28編集

汝がおのれの爲に造りし神はいづこにあるやもし汝が災にあふときかれら汝を救ふを得ば起つべきなりそはユダよ汝の神は汝の邑の數に同じければなり

2:29編集

汝等なんぞ我とあらそふや汝らは皆我に背けりとヱホバいひ給ふ

2:30編集

我が汝らの衆子を打しは益なかりき彼等は懲治をうけず汝等の劍は猛き獅子のごとく汝等の預言者を滅せり

2:31編集

なんぢらこの世の人よヱホバの言をきけ我はイスラエルのために曠野となりしや暗き地となりしや何故にわが民はわれら徘徊りて復汝に來らじといふや

2:32編集

それ處女はその飾物を忘れんや新婦はその帶をわすれんや然ど我民の我を忘れたる日は數へがたし

2:33編集

汝愛を得んとて如何に汝の途を美くするぞよされば汝の行はあしき事を爲すに慣たり

2:34編集

また汝の裾に辜なき貧者の生命の血ありわれ盜人の穿たる所にて之を見ずしてすべて此等の上にこれを見る

2:35編集

されど汝いふわれは辜なし故にその怒はかならず我に臨まじとみよ汝われ罪を犯さざりしといふにより我汝とあらそふべし

2:36編集

なんぢ何故にその途を易んとて迅くはしるや汝アツスリヤに恥辱をうけしごとくエジプトにも亦恥辱をうけん

2:37編集

汝兩手を頭に置てかしこよりも出去らんそはヱホバ汝のたのむところの者を棄れば汝彼等によりて望を遂ること無るべければなり

第3章編集

3:1編集

世にいへるあり人もしその妻をいださんに去りゆきてほかの人の妻とならば其夫ふたたび彼に歸るべけんやさすれば其地はおほいに汚れざらんや汝はおほくの者と姦淫を行へりされど汝われに皈れよとヱホバいひ給ふ

3:2編集

汝目をあげてもろもろの童山をみよ姦淫を行はざる所はいづこにあるや汝は曠野にをるアラビヤ人の爲すがごとく路に坐して人をまてり汝は姦淫と惡をもて此地を汚せり

3:3編集

この故に雨はとどめられ春の雨はふらざりし然れど汝娼妓の額あれば肯て恥ず

3:4編集

汝いまより我を呼ていはざらんや我父よ汝はわが少時の交友なり

3:5編集

窮なくその怒を含まんや恒に之を存たんやと視よ汝はかくいへど力をきはめて惡を爲すなり

3:6編集

ヨシヤ王のときヱホバまた我にいひ給ひけるは汝そむけるイスラエルのなせしことを見しや彼はすべての高山にのぼりすべての靑木の下にゆきて其處に姦淫を行へり

3:7編集

彼このすべての事を爲せしのち我かれに汝われに歸れと言しかどもわれに歸らざりき其悖れる姊妹なるユダ之を見たり

3:8編集

我に背けるイスラエル姦淫をなせしにより我かれを出して離緣状をあたへたれどその悖れる姊妹なるユダは懼れずして往て姦淫を行ふ我これを見る

3:9編集

また其姦淫の噪をもてこの地を汚し且石と木とに姦淫を行へり

3:10編集

此諸の事あるも仍其悖れる姊妹なるユダは眞心をもて我にかへらず僞れるのみとヱホバいひたまふ

3:11編集

ヱホバまた我にいひたまひけるは背けるイスラエルは悖れるユダよりも自己を義とす

3:12編集

汝ゆきて北にむかひ此言を宣ていふべしヱホバいひたまふ背けるイスラエルよ歸れわれ怒の面を汝らにむけじわれは矜恤ある者なり怒を限なく含みをることあらじとヱホバいひたまふ

3:13編集

汝ただ汝の罪を認はせそは汝の神ヱホバにそむき經めぐりてすべての靑木の下にて異邦人にゆき汝等わが聲をきかざればなりとヱホバいひ給ふ

3:14編集

ヱホバいひたまふ背ける衆子よ我にかへれそはわれ汝等を娶ればなりわれ邑より一人支派より二人を取りて汝等をシオンにつれゆかん

3:15編集

われ我心に合ふ牧者を汝等にあたへん彼等は知識と明哲をもて汝等を養ふべし

3:16編集

ヱホバいひたまふ汝等地に增して多くならんときは人々復ヱホバの契約の櫃といはず之を想ひいでず之を憶えずこれを尋ねずこれを作らざるべし

3:17編集

その時ヱルサレムはヱホバの座位と稱へられ萬國の民ここに集るべし即ちヱホバの名によりてヱルサレムに集り重て其惡き心の剛愎なるにしたがひて行まざるべし

3:18編集

その時ユダの家はイスラエルの家とともに行みて北の地よりいで我汝らの先祖たちに與へて嗣しめし地に偕にきたるべし

3:19編集

我いへり嗚呼われいかにして汝を諸子の中に置き萬國の中にて最も美しき產業なる此美地を汝にあたへんと我またいへり汝われを我父とよび亦我を離れざるべしと

3:20編集

然にイスラエルの家よ妻の誓に違きてその夫を棄るがごとく汝等われに背けりとヱホバいひたまふ

3:21編集

聲山のうへに聞ゆ是はイスラエルの民の悲み祈るなり蓋彼等まがれる途にあゆみ其神ヱホバを忘るればなり

3:22編集

背ける諸子よ我に歸れわれ汝の退違をいやさん/視よ我儕なんぢに到る汝はわれらの神ヱホバなればなり

3:23編集

信に諸の岡とおほくの山に救を望むはいたづらなり誠にイスラエルの救はわれらの神ヱホバにあり

3:24編集

羞恥はわれらの幼時より我儕の先祖の產業すなはち其多の羊とそのおほくの牛および其子その女を呑盡せり

3:25編集

われらは羞恥に臥し我らは恥辱に覆はるべしそは我儕とわれらの列祖は我らの幼時より今日にいたるまで罪をわれらの神ヱホバに犯し我儕の神ヱホバの聲に遵はざればなり

第4章編集

4:1編集

ヱホバいひたまふイスラエルよ汝もし歸らば我に歸れ汝もし憎むべき者を我前より除かば流蕩はじ

4:2編集

かつ汝は眞實と正直と公義とをもてヱホバは活くと誓はんさらば萬國の民は彼によりて福祉をうけ彼によりて誇るべし

4:3編集

ヱホバ、ユダとヱルサレムの人々にかくいひ給ふ汝等の新田を耕せ荊棘の中に種くなかれ。

4:4編集

ユダの人々とヱルサレムに住める者よ汝等みづから割禮をおこなひてヱホバに屬きおのれの心の前の皮を去れ然らざれば汝等の惡行のためわが怒火の如くに發して燃えんこれを滅すものなかるべし

4:5編集

汝等ユダに告げヱルサレムに示していへ箛を國の中に吹けとまた大聲に呼はりていへ汝等あつまれ我儕堅き邑にゆくべしと

4:6編集

シオンに指示す合圖の旗をたてよ逃よ留まる勿れそは我北より災とおほいなる敗壞をきたらすればなり

4:7編集

獅子は其森よりいでて上り國々を滅すものは進みきたる彼汝の國を荒さんとて旣にその處よりいでたり汝の諸邑は滅されて住む者なきに至らん

4:8編集

この故に汝等麻の衣を身にまとひて悲み哭けそはヱホバの烈しき怒いまだ我儕を離れざればなり

4:9編集

ヱホバいひたまひけるはその日王と牧伯等はその心をうしなひ祭司は驚き預言者は異むべし

4:10編集

我いひけるは嗚呼主ヱホバよ汝はまことに此民とヱルサレムを大にあざむきたまふすなはち汝はなんぢら安かるべしと云給ひしに劍命にまでおよべり

4:11編集

その時この民とヱルサレムにいふものあらん熱き風 曠野の童山よりわが民の女にふききたると此は簸るためにあらず潔むる爲にもあらざるなり

4:12編集

これよりも猶はげしき風われより來らん今我かれらに鞫を示さん

4:13編集

みよ彼は雲のごとく上りきたらん其車は颶風のごとくにしてその馬は鷹よりも疾し嗚呼われらは禍なるかな我儕滅さるべし

4:14編集

ヱルサレムよ汝の心の惡をあらひ潔めよ然ばすくはれん汝の惡き念いつまで汝のうちにあるや

4:15編集

ダンより告ぐる聲ありエフライムの山より災を知するなり

4:16編集

汝ら國々の民に告げまたヱルサレムに知らせよ攻めかこむ者遠き國より來りユダの諸邑にむかひて其聲を揚ぐと

4:17編集

彼らは田圃をまもる者のごとくにこれを圍むこは我に從はざりしに由るとヱホバいひ給ふ

4:18編集

汝の途と汝の行これを汝に招けりこれは汝の惡なり誠に苦くして汝の心におよぶ

4:19編集

嗚呼わが腸よ我腸よ痛苦心の底におよびわが心胸とどろくわれ默しがたし我靈魂よ汝箛の聲と軍の鬨をきくなり

4:20編集

敗滅に敗滅のしらせありこの地は皆荒されわが幕屋は頃刻にやぶられ我幕は忽ち破られたり

4:21編集

我が旗をみ箛の聲をきくは何時までぞや

4:22編集

それ我民は愚にして我を識らず拙き子等にして曉ることなし彼らは惡を行ふに智けれども善を行ふことを知ず

4:23編集

われ地を見るに形なくして空くあり天を仰ぐに其處に光なし

4:24編集

我山を見るに皆震へまた諸の丘も動けり

4:25編集

我見に人あることなし天空の鳥も皆飛されり

4:26編集

我みるに肥美なる地は沙漠となり且その諸の邑はヱホバの前にその烈しき怒の前に毀たれたり

4:27編集

そはヱホバかくいひたまへりすべて此地は荒地とならんされど我ことごとくは之を滅さじ

4:28編集

故に地は皆哀しみ上なる天は暗くならん我すでに之をいひ且これを定めて悔いずまた之をなす事を止ざればなり

4:29編集

邑の人みな騎兵と射者の咄喊のために逃て叢林にいり又岩の上に升れり邑はみな棄られて其處に住む人なし

4:30編集

滅されたる者よ汝何をなさんとするや設令汝くれなゐの衣をき金の飾物をもて身を粧ひ目をぬりて大くするとも汝が身を粧ふはいたづらなり汝の戀人らは汝をいやしめ汝のいのちを索るなり

4:31編集

われ子をうむ婦のごとき聲首子をうむ者の苦むがごとき聲を聞く是れシオンの女の聲なりかれ自ら歎き手をのべていふ嗚呼われは禍なるかな我靈魂殺す者のために疲れはてぬ


第5章編集

5:1編集

汝等ヱルサレムの邑をめぐりて視且察りその街を尋ねよ汝等もし一人の公義を行ひ眞理を求る者に逢はばわれ之(ヱルサレム)を赦すべし

5:2編集

彼らヱホバは活くといふとも實は僞りて誓ふなり

5:3編集

ヱホバよ汝の目は誠實を顧みるにあらずや汝彼らを撻どもかれら痛苦をおぼえず彼等を滅せどもかれら懲治をうけず其面を磐よりも硬くして歸ることを拒めり

5:4編集

故に我いひけるは此輩は惟いやしき愚なる者なればヱホバの途と其神の鞫を知ざるなり

5:5編集

われ貴人にゆきて之に語らんかれらはヱホバの途とその神の鞫を知るなり然に彼らも皆軛を折り縛を斷り

5:6編集

故に林よりいづる獅子は彼らを殺しアラバの狼はかれらを滅し豹はその邑をねらふ此處よりいづる者は皆裂るべしそは其罪おほくその背違はなはだしければなり

5:7編集

我なに故に汝をゆるすべきや汝の諸子われを棄て神にあらざる神を指して誓ふ我すでに彼らを誓はせたれど彼ら姦淫して娼妓の家に群集る

5:8編集

彼らは肥たる牡馬のごとくに行めぐりおのおの嘶きて隣の妻を慕ふ

5:9編集

ヱホバいひたまふ我これらの事のために彼らを罰せざらんや我心はかくの如き民に仇を復さざらんや

5:10編集

汝等その石垣にのぼりて滅せされど悉くはこれを滅す勿れその枝を截除けヱホバのものに有ざればなり

5:11編集

イスラエルの家とユダの家は大に我に悖るなりとヱホバいひたまふ

5:12編集

彼等はヱホバを認ずしていふヱホバはある者にあらず災われらに來らじ我儕劍と飢饉をも見ざるべし

5:13編集

預言者は風となり言はかれらの衷にあらず斯彼らになるべしと

5:14編集

故に萬軍の神ヱホバかくいひたまふ汝等この言を語により視よわれ汝の口にある我言を火となし此民を薪となさんその火彼らを焚盡すべし

5:15編集

ヱホバいひ給ふイスラエルの家よみよ我遠き國人をなんぢらに來らしめん其國は强くまた古き國なり汝等その言をしらず其語ることをも曉らざるなり

5:16編集

その箙は啓きたる墓のごとし彼らはみな勇士なり

5:17編集

彼らは汝の穡れたる物と汝の糧食を食ひ汝の子女を食ひ汝の羊と牛を食ひ汝の葡萄の樹と無花果の樹を食ひまた劍をもて汝の賴むところの堅き邑を滅さん

5:18編集

されど其時われことごとくは汝を滅さじとヱホバいひたまふ

5:19編集

汝等何ゆゑにわれらの神ヱホバ此等の諸のことを我儕になしたまふやといはば汝かれらに答ふべし汝ら我をすて汝らの地に於て異なる神に奉へしごとく汝らのものにあらざる地に於て異邦人につかふべしと

5:20編集

汝これをヤコブの家にのべまたこれをユダに示していへ

5:21編集

愚にして了知なく目あれども見えず耳あれども聞えざる民よこれをきけ

5:22編集

ヱホバいひ給ふ汝等われを畏れざるか我前に戰慄かざるか我は沙を置て海の界となしこれを永遠の限界となし踰ることをえざらしむ其浪さかまきいたるも勝ことあたはず澎湃もこれを踰るあたはざるなり

5:23編集

然るにこの民は背き且悖れる心あり旣に背きて去れり

5:24編集

彼らはまた我儕に雨をあたへて秋の雨と春の雨を時にしたがひて下し我儕のために收穫の時節を定め給へる我神ヱホバを畏るべしと其心にいはざるなり

5:25編集

汝等の愆はこれらの事を退け汝等の罪は嘉物を汝らに來らしめざりき

5:26編集

我民のうちに惡者あり網を張る者のごとくに身をかがめてうかがひ罟を置て人をとらふ

5:27編集

樊籠に鳥の盈るがごとく不義の財彼らの家に充つこの故に彼らは大なる者となり富る者となる

5:28編集

彼らは肥て光澤あり其惡き行は甚し彼らは訟をたださず孤の訟を糺さずして利達をえ亦貧者の訴を鞫かず

5:29編集

ヱホバいひ給ふわれかくのごときことを罰せざらんや我心は是のごとき民に仇を復さざらんや

5:30編集

この地に驚くべき事と憎むべきこと行はる

5:31編集

預言者は僞りて預言をなし祭司は彼らの手によりて治め我民は斯る事を愛すされど汝等その終に何をなさんとするや

第6章編集

6:1編集

ベニヤミンの子等よヱルサレムの中より逃れテコアに箛をふきベテハケレムに合圖の火をあげよそは北より災と大なる敗壞のぞめばなり

6:2編集

われ美しき窈窕なるシオンの女を滅さん

6:3編集

牧者は其群を牽て此處にきたりその周圍に天幕をはらん群はおのおのその處にて草を食はん

6:4編集

汝ら戰端を開きて之を攻べし起よわれら日午にのぼらん嗚呼惜かな日ははや昃き夕日の影長くなれり

6:5編集

起よわれら夜の間にのぼりてその諸の殿舍を毀たん

6:6編集

萬軍のヱホバかくいひたまへり汝ら樹をきりヱルサレムに向ひて壘を築けこれは罰すべき邑なりその中には唯暴逆のみあり

6:7編集

源の水をいだすがごとく彼その惡を流すその中に暴逆と威虐きこゆ我前に憂と傷たえず

6:8編集

ヱルサレムよ汝訓戒をうけよ然らざれば我心汝をはなれ汝を荒蕪となし住む人なき地となさん

6:9編集

萬軍のヱホバかくいひたまふ彼らは葡萄の遺餘を摘みとるごとくイスラエルの遺れる者を摘とらん汝葡萄を摘取者のごとく屢手を筐に入るべし

6:10編集

我たれに語り誰を警めてきかしめんや視よその耳は割禮をうけざるによりて聽えず彼らはヱホバの言を嘲りこれを悦ばず

6:11編集

ヱホバの怒わが身に充つわれ忍ぶに倦むこれを衢街にある童子と集れる年少者とに泄すべし夫も婦も老たる者も年邁し者も執へらるるにいたらん

6:12編集

その家と田地と妻はともに佗人にわたらん其はわれ手を擧てこの地に住る者を撃ばなりとヱホバいひたまふ

6:13編集

夫彼らは少さき者より大なる者にいたるまで皆貪婪者なり又預言者より祭司にいたるまで皆詭詐をなす者なればなり

6:14編集

かれら淺く我民の女の傷を醫し平康からざる時に平康平康といへり

6:15編集

彼らは憎むべき事を爲て恥辱をうくれども毫も恥ずまた愧を知らずこの故に彼らは傾仆るる者と偕にたふれん我來るとき彼ら躓かんとヱホバいひたまふ

6:16編集

ヱホバかくいひたまふ汝ら途に立て見古き徑に就て何か善道なるを尋ねて其途に行めさらば汝らの靈魂安を得ん然ど彼らこたへて我儕はそれに行まじといふ

6:17編集

我また汝らの上に守望者をたて箛の聲をきけといへり然ど彼等こたへて我儕は聞じといふ

6:18編集

故に萬國の民よきけ會衆よかれらの遇ところを知れ

6:19編集

地よきけわれ災をこの民にくださんこは彼らの思の結ぶ果なりかれら我言とわが律法をきかずして之を棄るによる

6:20編集

シバより我許に乳香きたり遠き國より菖蒲きたるは何のためぞやわれは汝らの燔祭をよろこばず汝らの犠牲を甘しとせず

6:21編集

故にヱホバかくいひたまふみよ我この民の前に躓礙をおく父と子とそれに蹶き隣人とその友偕に滅ぶべし

6:22編集

ヱホバかくいひたまふみよ民北の國よりきたる大なる民地の極より起る

6:23編集

彼らは弓と槍をとる殘忍にして憫なしその聲は海の如く鳴るシオンの女よかれらは馬に乗り軍人のごとく身をよろひて汝を攻めん

6:24編集

我儕その風聲をききたれば我儕の手弱り子をうむ婦のごとき苦痛と劬勞われらに迫る

6:25編集

汝ら田地に出る勿れまた路に行むなかれ敵の劍と畏怖四方にあればなり

6:26編集

我民の女よ麻衣を身にまとひ灰のうちにまろび獨子を喪ひしごとくに哀みていたく哭けそは毀滅者突然に我らに來るべければなり

6:27編集

われ汝を民のうちに立て金を驗る者のごとくなし又城のごとくなすこは汝をしてその途を知しめまた試みしめんためなり

6:28編集

彼らは皆いたく悖れる者なり歩行て人を謗る者なり彼らは銅のごとく鐵のごとし皆邪なる者なり

6:29編集

韛は火に焚け鉛はつき鎔匠はいたづらに鎔す惡者いまだ除かれざればなり

6:30編集

ヱホバ彼らを棄たまふによりて彼等は棄られたる銀と呼ばれん

第7章編集

7:1編集

ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言云ふ

7:2編集

汝ヱホバの室の門にたち其處にてこの言を宣て言ヘヱホバを拜まんとてこの門にいりしユダのすべての人よヱホバの言をきけ

7:3編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひ給ふ汝らの途と汝らの行を改めよさらばわれ汝等をこの地に住しめん

7:4編集

汝ら是はヱホバの殿なりヱホバの殿なりヱホバの殿なりと云ふ僞の言をたのむ勿れ

7:5編集

汝らもし全くその途と行を改め人と人との間を正しく鞫き

7:6編集

異邦人と孤兒と寡を虐げず無辜者の血をこの處に流さず他の神に從ひて害をまねかずば

7:7編集

我なんぢらを我汝等の先祖にあたへしこの地に永遠より永遠にいたるまで住しむべし

7:8編集

みよ汝らは益なき僞の言を賴む

7:9編集

汝等は盜み殺し姦淫し妄りて誓ひバアルに香を焚き汝らがしらざる他の神にしたがふなれど

7:10編集

我名をもて稱へらるるこの室にきたりて我前にたち我らはこれらの憎むべきことを行ふとも救はるるなりといふは何にぞや

7:11編集

わが名をもて稱へらるる此室は汝らの目には盜賊の巢と見ゆるや我も之をみたりとヱホバいひたまふ

7:12編集

汝等わが初シロに於て我名を置し處にゆき我がイスラエルの民の惡のために其處になせしところのことをみよ

7:13編集

ヱホバいひたまふ今汝ら此等のすべての事をなす又われ汝らに語り頻にかたりたれども聽かず汝らを呼びたれども答へざりき

7:14編集

この故に我シロになせしごとく我名をもて稱へらるる此室になさんすなはち汝等が賴むところ我汝らと汝らの先祖にあたへし此處になすべし

7:15編集

またわれ汝等のすべての兄弟すなはちエフライムのすべての裔を棄てしごとく我前より汝らをも棄つべし

7:16編集

故に汝この民のために祈る勿れ彼らの爲に歎くなかれ求むるなかれ又我にとりなしをなす勿れわれ汝にきかじ

7:17編集

汝かれらがユダの邑とヱルサレムの街になすところを見ざるか

7:18編集

諸子は薪を拾め父は火を燃き婦は麺を搏ねパンをつくりて之を天后にそなふ又かれら他の神の前に酒をそそぎて我を怒らす

7:19編集

ヱホバいひたまふ彼ら我を怒らするか是れおのが面を辱むるにあらずや

7:20編集

是故に主ヱホバかくいひたまふ視よわが震怒とわが憤怒はこの處と人と獸と野の樹および地の果にそそがん且燃て滅ざるべし

7:21編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝らの犠牲に燔祭の物をあはせて肉をくらヘ

7:22編集

そはわれ汝等の先祖をエジプトより導きいだせし日に燔祭と犠牲とに就てかたりしことなく又命ぜしことなし

7:23編集

惟われこの事を彼等に命じ汝ら我聲を聽ばわれ汝らの神となり汝ら我民とならん且わが汝らに命ぜしすべての道を行みて福祉をうべしといへり

7:24編集

されど彼らはきかず其耳を傾けずおのれの惡き心の謀と剛愎なるとにしたがひて行みまた後を我にむけて其面を向けざりき

7:25編集

汝らの先祖がエジプトの地をいでし日より今日にいたるまでわれ我僕なる預言者を汝らにつかはし日々晨より之をつかはせり

7:26編集

されど彼らは我にきかず耳を傾けずして其項を强くしその列祖よりも愈りて惡をなすなり

7:27編集

汝彼らに此等のすべてのことばを語るとも汝にきかずかれらを呼ぶとも汝にこたへざるべし

7:28編集

汝かく彼らに語れこれは其神ヱホバの聲を聽ずその訓を受ざる民なり眞實はうせてその口に絕たり

7:29編集

(シオンの女よ)汝の髮を剃りてこれを棄て山の上に哀哭の聲をあげよヱホバその怒るところの世の人をすててこれを離れたまへばなり

7:30編集

ヱホバいひたまふユダの民は我前に惡を行へり即ちその憎むべき者を我名をもて稱へらるる室に置てこれを汚せり

7:31編集

又ベンヒンノムの谷に於てトペテの崇邱を築きてその子女を火に焚かんとせり我これを命ぜずまた斯ることを思はざりし

7:32編集

ヱホバいひたまふ然ば視よ此處をトペテまたはベンヒンノムの谷と稱へずして殺戮の谷と稱ふる日きたらん其は葬るべき地所なきまでにトペテに葬るべければなり

7:33編集

この民の屍は天空の鳥と地の獸の食物とならんこれを逐ふものなかるべし

7:34編集

その時われユダの邑とヱルサレムの街に欣喜の聲 歡樂の聲 新婿の聲 新婦の聲なからしむべしこの地荒蕪ればなり

第8章編集

8:1編集

ヱホバいひたまふその時人ユダの王等の骨とその牧伯等の骨と祭司の骨と預言者の骨とヱルサレムの民の骨をその墓よりほりいだし

8:2編集

彼等の愛し奉へ從ひ求め且祭れるところの日と月と天の衆群の前にこれを曝すべし其骨はあつむる者なく葬る者なくして糞土のごとくに地の面にあらん

8:3編集

この惡き民の中ののこれる餘遺の者すべてわが逐やりしところに餘れる者皆生るよりも死ぬることを願んと萬軍のヱホバ云たまふ

8:4編集

汝また彼らにヱホバかくいふと語るべし人もし仆るれば起きかへるにあらずやもし離るれば歸り來るにあらずや

8:5編集

何故にヱルサレムにをる此民は恒にわれを離れて歸らざるや彼らは詐僞をかたく執て歸ることを否めり

8:6編集

われ耳を側てて聽に彼らは善ことを云ず一人もその惡を悔いてわがなせし事は何ぞやといふ者なし彼らはみな戰場に馳入る馬のごとくにその途に歸るなり

8:7編集

天空の鶴はその定期を知り斑鳩と燕と鴈はそのきたる時を守るされど我民はヱホバの律法をしらざるなり

8:8編集

汝いかで我ら智慧ありわれらにはヱホバの律法ありといふことをえんや視よまことに書記の僞の筆之を僞とせり

8:9編集

智慧ある者は辱しめられまたあわてて執へらる視よ彼等ヱホバの言を棄たり彼ら何の智慧あらんや

8:10編集

故にわれその妻を他人にあたへ其田圃を他人に嗣しめん彼らは小さき者より大なる者にいたるまで皆貪婪者また預言者より祭司にいたるまで皆詭詐をなす者なればなり

8:11編集

彼ら我民の女の傷を淺く醫し平康からざる時に平康平康といへり

8:12編集

彼ら憎むべき事をなして恥辱らる然れど毫も恥ずまた恥を知らずこの故に彼らは仆るる者と偕に仆れんわが彼らを罰するときかれら躓くべしとヱホバいひたまふ

8:13編集

ヱホバいひたまふ我彼らをことごとく滅さん葡萄の樹に葡萄なく無花果の樹に無花果なしその葉も槁れたり故にわれ殲滅者を彼らにつかはす.

8:14編集

我ら何ぞ此にとどまるやあつまれよ我ら堅き城邑にゆきて其處に滅ん我儕ヱホバに罪を犯せしによりて我らの神ヱホバ我らを滅し毒なる水を飮せたまへばなり

8:15編集

われら平康を望めども善こと來らず慰めらるる時を望むにかへつて恐懼きたる

8:16編集

その馬の嘶はダンよりきこえこの地みなその强き馬の聲によりて震ふ彼らきたりて此地とその上にある者および邑とその中に住る者を食ふ

8:17編集

視よわれ呪詛のきかざる蛇蝮を汝らのうちに遣はさん是汝らを嚙べしとヱホバいひたまふ

8:18編集

嗚呼われ憂ふいかにして慰藉をえんや我衷の心惱む

8:19編集

みよ遠き國より我民の女の聲ありていふヱホバはシオンに在さざるか其王はその中に在ざるかと(ヱホバいひたまふ)彼らは何故にその偶像と異邦の虛き物をもて我を怒らせしやと

8:20編集

收穫の時は過ぎ夏もはや畢りぬされど我らはいまだ救はれず

8:21編集

我民の女の傷によりて我も傷み且悲しむ恐懼我に迫れり

8:22編集

ギレアデに乳香あるにあらずや彼處に醫者あるにあらずやいかにして我民の女はいやされざるや

第9章編集

9:1編集

ああ我わが首を水となし我目を涙の泉となすことをえんものを我民の女の殺されたる者の爲に晝夜哭かん

9:2編集

嗚呼われ曠野に旅人の寓所をえんものを我民を離れてさりゆかん彼らはみな姦淫するもの悖れる者の族なればなり

9:3編集

彼らは弓を援くがごとく其舌をもて僞をいだす彼らは此地において眞實のために强からず惡より惡にすすみまた我を知ざるなりとヱホバいひたまふ

9:4編集

汝らおのおの其隣に心せよ何の兄弟をも信ずる勿れ兄弟はみな欺きをなし隣はみな讒りまはればなり

9:5編集

彼らはおのおの其隣を欺きかつ眞實をいはず其舌に謊をかたることを敎へ惡をなすに勞る

9:6編集

汝の住居は詭譎の中にあり彼らは詭譎のために我を識ことをいなめりとヱホバいひたまふ

9:7編集

故に萬軍のヱホバかくいひたまへり視よ我かれらを鎔し試むべしわれ我民の女の事を如何になすべきや

9:8編集

彼らの舌は殺す矢のごとしかれら詭をいふまた其口をもて隣におだやかにかたれども其心の中には害をはかるなり

9:9編集

ヱホバいひたまふ我これらの事のために彼らを罰せざらんや我心はかくのごとき民に仇を復さざらんや

9:10編集

われ山のために泣き咷び野の牧場のために悲むこれらは焚れて過る人なしまたここに牛羊の聲をきかず天空の鳥も獸も皆逃てさりぬ

9:11編集

われヱルサレムを邱墟とし山犬の巢となさんまたユダの諸の邑々を荒して住む人なからしめん

9:12編集

智慧ありてこの事を曉る人は誰ぞやヱホバの口の言を受てこれを示さん者は誰ぞやこの地滅されまた野のごとく焚れて過る者なきにいたりしは何故ぞ

9:13編集

ヱホバいひたまふ是彼ら我その前に立しところの律法をすて我聲をきかず之に從はざるによりてなり

9:14編集

彼らはその心の剛愎なるとその列祖たちがおのれに敎へしバアルとに從へり

9:15編集

この故に萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よわれ彼等すなはち斯民に茵蔯を食はせ毒なる水を飮せ

9:16編集

彼らもその先祖たちもしらざりし國人のうちに彼らを散しまた彼らを滅し盡すまで其後に劍をつかはさん

9:17編集

萬軍のヱホバかくいひたまふ汝らよく考へ哭婦をよびきたれ又人を遣はして智き婦をまねけよ

9:18編集

彼らは速にきたりて我儕のために哭哀しみ我儕の目に涙をこぼさせ我儕の目蓋より水を溢れしめん

9:19編集

シオンより哀の聲きこゆ云く嗚呼われら滅され我ら痛く辱めらる我らは其地を去り彼らはわが住家を毀ちたり

9:20編集

婦たちよヱホバの言をきけ汝らの耳に其口の言をいれよ汝らの女に哭ことを敎へおのおのその隣に哀の歌を敎ふべし

9:21編集

そは死のぼりてわれらの窓よりいり我らの殿舍に入り外にある諸子を絕し街にある壯年を殺さんとすればなり

9:22編集

ヱホバかくいへりと汝云ふべし人の屍は糞土のごとく田野に墮ちんまた收穫者のうしろに殘りて斂めずにある把のごとくならんと

9:23編集

ヱホバかくいひたまふ智慧ある者はその智慧に誇る勿れ力ある者は其力に誇るなかれ富者はその富に誇ること勿れ

9:24編集

誇る者はこれをもて誇るべし即ち明哲して我を識る事とわがヱホバにして地に仁惠と公道と公義とを行ふ者なるを知る事是なり我これらを悦ぶなりとヱホバいひたまふ

9:25 9:26編集

ヱホバいひたまひけるは視よわれすべて陽の皮に割禮をうけたる者すなはちエジプトとユダとエドムとアンモンの子孫とモアブと野にをりてその鬚を剃る者とを罰する日きたらんそはすべて異邦人は割禮をうけずまたイスラエルの家も心に割禮をうけざればなり

第10章編集

10:1編集

イスラエルの家よヱホバの汝らに語たまふ言をきけ


10:2編集

ヱホバかくいひたまふ汝ら異邦人の途に效ふ勿れ異邦人は天にあらはるる徴を懼るるとも汝らはこれを懼るる勿れ

10:3編集

異國人の風俗はむなしその崇むる者は林より斫たる木にして木匠の手に斧をもて作りし者なり

10:4編集

彼らは銀と金をもてこれを飾り釘と鎚をもて之を堅めて搖動かざらしむ

10:5編集

こは圓き柱のごとくにして言はずまた歩むこと能はざるによりて人にたづさへらる是は災害をくだし亦は福祉をくだすの權なきによりて汝らこれを畏るる勿れ

10:6編集

ヱホバよ汝に比ふべき者なし汝は大なり汝の名は其權威のために大なり

10:7編集

汝萬國の王たる者よ誰か汝を畏れざるべきや汝を畏るるは當然なりそは萬國のすべての博士たちのうちにもその諸國のうちにも汝に比ふべき者なければなり

10:8編集

彼らはみな獸のことくまた痴愚なり虛しき者の敎は惟木のみ

10:9編集

タルシシより携へ來し銀箔ウパズより携へ來し金は鍛冶と鑄匠の作りし物なり靑と紫をその衣となす是はすべて巧みなる細工人の工作なり

10:10編集

ヱホバは眞の神なり彼は活る神なり永遠の王なり其怒によりて地は震ふ萬國はその憤怒にあたること能はず

10:11編集

汝等かく彼らにいふべし天地を造らざりし諸神は地の上よりこの天の下より失さらんと

10:12編集

ヱホバはその能をもて地をつくり其智慧をもて世界を建てその明哲をもて天を舒べたまへり

10:13編集

かれ聲をいだせば天に衆の水ありかれ雲を地の極よりいだし電と雨をおこし風をその府庫よりいだす

10:14編集

すべての人は獸の如くにして智なしすべての鑄匠はその作りし像のために辱をとる其鑄るところの像は僞物にしてその中に靈魂なければなり

10:15編集

是らは虛き者にして迷妄の工作なりその罰せらるるときに滅ぶべし

10:16編集

ヤコブの分は是のごとくならず彼は萬物の造化主なりイスラエルはその產業の杖なりその名は萬軍のヱホバといふなり

10:17編集

圍の中に坐する者よ汝の包を地より取りあげよ

10:18編集

ヱホバかくいひたまふみよ我この地にすめる者を此度擲たん且かれらをせめなやまして擄へられしむべし

10:19編集

われ毀傷をうく嗚呼われは禍なるかな我傷は重し我いふこれまことにわが患難なりわれ之を忍べし

10:20編集

わが幕屋はやぶれわが繩索は悉く斷れ我衆子は我をすてゆきて居ずなりぬ幕屋を張る者なくわが幃をかくる者なし

10:21編集

牧者は愚にしてヱホバを求めず故に利達ずその群はみな散れり

10:22編集

きけよ風聲あり北の國より大なる騒きたる是ユダの諸邑を荒して山犬の巢となさん

10:23編集

ヱホバよわれ知る人の途は自己によらず且歩行む人は自らその歩履を定むること能はざるなり

10:24編集

ヱホバよ我を懲したまへ但道にしたがひ怒らずして懲したまへおそらくは我無に歸せん

10:25編集

汝を知ざる國人と汝の名を龥ざる族に汝の怒を斟ぎたまへ彼らはヤコブを噬ひ之をくらふて滅しその牧場を荒したればなり

第11章編集

11:1編集

ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言いふ

11:2編集

汝らこの契約の言をききユダの人とヱルサレムにすめる者に告よ

11:3編集

汝かれらに語れイスラエルの神ヱホバかくいひたまふこの契約の言に遵はざる人は詛はる

11:4編集

この契約はわが汝らの先祖をエジプトの地鐵の爐の中より導き出せし日にかれらに命ぜしものなり即ち我いひけらく汝ら我聲をきき我汝らに命ぜし諸の事に從ひて行はば汝らは我民となり我は汝らの神とならん

11:5編集

われ汝らの先祖に乳と蜜の流るる地を與へんと誓ひしことを成就んと即ち今日のごとしその時我こたへてアーメン、ヱホバといへり

11:6編集

またヱホバ我にいひたまひけるは汝すべて此等の言をユダの諸邑とヱルサレムの衢にしめし汝ら此契約の言をききてこれを行へといふべし

11:7編集

われ汝らの列祖をエジプトの地より導出せし日より今日にいたるまで切に彼らを戒め頻に戒めて汝ら我聲に遵へといへり

11:8編集

然ど彼らは遵はずその耳を傾けずおのおの其惡き心の剛愎なるにしたがひて歩めり故にわれ此契約の言を彼等にきたらす是はわがかれらに之を行へと命ぜしかども彼等がおこなはざりし者なり

11:9編集

またヱホバ我にいひたまひけるはユダの人々とヱルサレムに住る者の中に叛逆の事あり

11:10編集

彼らは我言をきくことを好まざりしところのその先祖の罪にかへり亦他の神に從ひて之に奉へたりイスラエルの家とユダの家はわがその列祖たちと締たる契約をやぶれり

11:11編集

この故にヱホバかくいひ給ふみよわれ災禍をかれらにくださん彼らこれを免かるることをえざるべし彼ら我をよぶとも我聽じ

11:12編集

ユダの邑とヱルサレムに住る者はゆきてその香を焚し神を龥んされど是等はその災禍の時に絕てかれらを救ふことあらじ

11:13編集

ユダよ汝の神の數は汝の邑の數のごとし且汝らヱルサレムの衢の數にしたがひて恥べき者に壇をたてたり即ちバアルに香を焚んとて壇をたつ

11:14編集

故に汝この民の爲に祈る勿れ又その爲に泣きあるひは求る勿れ彼らがその災禍のために我を呼ときわれ彼らに聽ざるべし

11:15編集

わが愛する者は我室にて何をなすや惡き謀をなすや願と聖き肉汝に災を脱れしむるやもし然らば汝よろこぶべし

11:16編集

ヱホバ汝の名を嘉果ある美しき靑橄欖の樹と稱たまひしがおほいなる喧嚷の聲をもて之に火をかけ且その枝を折りたまふ

11:17編集

汝を植し萬軍のヱホバ汝の災をさだめ給へりこれイスラエルの家とユダの家みづから害ふの惡をなしたるによるなり即ちバアルに香を焚きてわれを怒らせたり

11:18編集

ヱホバ我に知せたまひければ我これを知るその時汝彼らの作爲を我にしめしたまへり

11:19編集

我は牽れて宰られにゆく羔の如く彼らが我をそこなはんとて謀をなすを知ず彼らいふいざ我ら樹とその果とを共に滅さんかれを生る者の地より絕てその名を人に忘れしむべしと

11:20編集

義き鞫をなし人の心腸を察りたまふ萬軍のヱホバよ我わが訴を汝にのべたればわれをして汝が彼らに仇を報すを見せしめたまへ

11:21編集

是をもてヱホバ、アナトテの人々につきてかくいひたまふ彼等汝の生命を取んと索めて言ふ汝ヱホバの名をもて預言する勿れ恐らくは汝我らの手に死んと

11:22編集

故に萬軍のヱホバかくいひ給ふみよ我かれらを罰すべし壯丁は劍に死にその子女は飢饉にて死なん

11:23編集

餘る者なかるべし我災をアナトテの人々にきたらしめわが彼らを罰するの年をきたらしめん

第12章編集

12:1編集

ヱホバよわが汝と爭ふ時に汝は義し惟われ鞫の事につきて汝と言ん惡人の途のさかえ悖れる者のみな福なるは何故ぞや

12:2編集

汝かれらを植たり彼らは根づき成長て實を結べりその口は汝に近けどもその心は汝に遠ざかる

12:3編集

ヱホバ汝われを知り我を見またわが心の汝にむかひて何なるかを試みたまふ羊を宰りに牽いだすがごとく彼らを牽いだし殺す日の爲にかれらをそなへたまへ

12:4編集

いつまでこの地は哭きすべての畑の蔬菜は枯をるべけんやこの地に住る者の惡によりて畜獸と鳥は滅さる彼らいふ彼は我らの終をみざるべしと

12:5編集

汝もし歩行者とともに趨てつかれなばいかで騎馬者と競はんや汝平安なる地を恃まばいかでヨルダンの傍の叢に居ることをえんや

12:6編集

汝の兄弟と汝の父の家も汝を欺きまた大聲をあげて汝を追ふかれらしたしく汝に語るともこれを信ずる勿れ

12:7編集

われ我家を離れわが產業をすて我靈魂の愛するところの者をその敵の手にわたせり

12:8編集

わが產業は林の獅子のごとし我にむかひて其聲を揚ぐ故にわれ之を惡めり

12:9編集

我產業は我におけること班駁ある鳥のごとくならずや鳥之を圍むにあらずや野のすべての獸きたりあつまれ來てこれを食へ

12:10編集

衆の牧者わが葡萄園をほろぼしわが地を踐踏しわがうるはしき地を荒野となせり

12:11編集

彼らこれを荒地となせりその荒地我にむかひて哭くなり一人もかへりみる者なければこの全地は荒たり

12:12編集

毀滅者は野のすべての童山のうへに來れりヱホバの劍地のこの極よりかの極までを滅ぼすすべて血氣ある者は安をえず

12:13編集

彼らは麥を播て荊棘をかる勞れども得るところなし汝らはその作物のために恥るにいたらん是ヱホバの烈き怒によりてなり

12:14編集

わがイスラエルの民に嗣しむる產業をせむるところのすべてのわが惡き隣にむかひてヱホバかくいふみよわれ彼等をその地より拔出しまたユダの家を彼らの中より拔出すべし

12:15編集

われ彼らを拔出せしのちまた彼らを恤みておのおのを其產業にかへし各人をその地に歸らしめん

12:16編集

彼等もし我民の道をまなび我名をさしてヱホバは活くと誓ふこと嘗て我民を敎へてバアルを指て誓はしめし如くせば彼らはわが民の中に建らるべし

12:17編集

されど彼らもし聽かざれば我かならずかかる民を全く拔出して滅すべしとヱホバいひたまふ

第13章編集

13:1編集

ヱホバかくいひたまへり汝ゆきて麻の帶をかひ汝の腰にむすべ水に入る勿れ

13:2編集

われすなはちヱホバの言に遵ひ帶をかひてわが腰にむすべり

13:3編集

ヱホバの言ふたたび我にのぞみて云ふ

13:4編集

汝が買て腰にむすべる帶を取り起てユフラテにゆき彼處にてこれを磐の穴にかくせと

13:5編集

ここに於てわれヱホバの命じたまひし如く往てこれをユフラテの涯にかくせり

13:6編集

おほくの日を經しのちヱホバ我にいひたまひけるは起てユフラテにゆきわが汝に命じて彼處にかくさしめし帶を取れと

13:7編集

われすなはちユフラテにゆき帶を我隱せしところより掘取りしにその帶は朽て用ふるにたへず

13:8編集

またヱホバの言われにのぞみて云ふ

13:9編集

ヱホバかくいふ我かくの如くユダの驕傲とヱルサレムの大なる驕傲をやぶらん

13:10編集

この惡き民はわが言を聽ことをこばみ己の心の剛愎なるにしたがひて行み且他の神に從ひてこれにつかへ之を拜す彼等は此帶の用ふるにたへざるが如くなるべし

13:11編集

ヱホバいふ帶の人の腰に附がごとくわれイスラエルのすべての家とユダのすべての家を我に附しめ之を我民となし名となし譽となし榮となさんとせり然るに彼等はきかざりき

13:12編集

故に汝この言を彼らに語るべしイスラエルの神ヱホバかくいふ酒壺には皆酒盈つと彼汝にこたへていはん我儕豈酒壺に酒の盈ることを知ざらんやと

13:13編集

其時汝かれらにいふべしヱホバかくいふみよわれ此地に住るすべての者とダビデの位に坐する王等と祭司と預言者およびヱルサレムに住るすべての者に醉を盈せ

13:14編集

彼らを此と彼と打あはせて碎かん父と子をも然すべしわれ彼らを恤まず惜まず憐まずして滅さん

13:15編集

汝らきけ耳を傾けよ驕る勿れヱホバかたりたまふなり

13:16編集

汝らの神ヱホバに其いまだ暗を起したまはざる先汝らの足のくらき山に躓かざる先に榮光を皈すべし汝ら光明を望まんにヱホバ之を死の蔭に變へ之を昏黑となしたまふにいたらん

13:17編集

汝ら若これを聽ずば我靈魂は汝らの驕を隱なるところに悲まん又ヱホバの群の掠めらるるによりて我目いたく泣て涙をながすべし

13:18編集

なんぢ王と大后につげよ汝ら自ら謙りて坐せそはなんぢらの美しき冕汝らの首より落べければなり

13:19編集

南の諸邑は閉てこれを啓く人なしユダは皆擄移され盡くとらへ移さる

13:20編集

汝ら目を擧げて北より來る者をみよ汝らが賜はりし群汝のうるはしき群はいづこにあるや

13:21編集

かれ汝の親み馴たる者を汝の上にたてて首領となさんとき汝何のいふべきことあらんや汝の痛は子をうむ婦のごとくならざらんや

13:22編集

汝心のうちに何故にこの事我にきたるやといふか汝の罪の重によりて汝の裾は掲げられなんぢの踵はあらはさるるなり

13:23編集

エテオピア人その膚をかへうるか豹その斑駁をかへうるか若これを爲しえば惡に慣たる汝らも善をなし得べし

13:24編集

故にわれ彼らを散して野の風に吹散さるる皮壳のごとくせん

13:25編集

ヱホバいひたまふこは汝の得べき分わが量て汝にあたふる產業なり汝我をわすれて虛假を依賴ばなり

13:26編集

故にわれ汝の前の裳を剥ぎて汝の羞恥をあらはさん

13:27編集

われ汝の姦淫と汝の嘶と汝が岡のうへと野になせし汝の亂淫の罪と汝の憎むべき行をみたりヱルサレムよ汝は禍なるかな汝の潔くせらるるには尚いくばくの時を經べきや

第14章編集

14:1編集

乾旱の事につきてヱレミヤにのぞみしヱホバの言は左のごとし

14:2編集

ユダは悲むその門は傾き地にたふれて哭くヱルサレムの咷は上る

14:3編集

その侯伯等は僕をつかはして水を汲しむ彼ら井にいたれども水を見ず空き器をもちて歸り恥かつ憂へてその首をおほふ

14:4編集

地に雨ふらずして土燥裂たるにより農夫は恥て首を掩ふ

14:5編集

また野にある麀は子をうみて之を棄つ草なければなり

14:6編集

野の驢馬は童山のうへにたちて山犬のごとく喘ぎ草なきによりて目眩む

14:7編集

ヱホバよ我儕の罪われらを訟へて證をなすとも願くは汝の名の爲に事をなし給へ我儕の違背はおほいなり我儕汝に罪を犯したり

14:8編集

イスラエルの企望なる者その艱るときに救ひたまふ者よ汝いかなれば此地に於て他邦人のごとくし一夜寄宿の旅客のごとくしたまふや

14:9編集

汝いかなれば呆てをる人のごとくし救をなすこと能はざる勇士のごとくしたまふやヱホバよ汝は我らの間にいます我儕は汝の名をもて稱へらるる者なり我らを棄たまふ勿れ

14:10編集

ヱホバこの民にかくいひたまへり彼らかく好んでさまよひ其足を禁めざればヱホバ彼らを悦ばずいまその愆をおぼえ其罪を罰すべし

14:11編集

ヱホバまた我にいひたまひけるは汝この民のために恩をいのる勿れ

14:12編集

彼ら斷食するとも我その呼龥をきかず燔祭と素祭を献るとも我これをうけず却てわれ劍と饑饉と疫病をもて彼らを滅すべし

14:13編集

われいひけるは嗚呼主ヱホバよみよ預言者たちはこの民にむかひ汝ら劍を見ざるべし饑饉は汝らにきたらじわれ此處に鞏固なる平安を汝らにあたへんといへり

14:14編集

ヱホバ我にいひたまひけるは預言者等は我名をもて詭を預言せりわれ之を遣さず之に命ぜずまた之にいはず彼らは虛誕の默示と卜筮と虛きことと己の心の詐を汝らに預言せり

14:15編集

この故にかの吾が遣さざるに我名をもて預言して劍と饑饉はこの地にきたらじといへる預言者等につきてヱホバかくいふこの預言者等は劍と饑饉に滅さるべし

14:16編集

また彼等の預言をうけし民は饑饉と劍によりてヱルサレムの街に擲棄られんこれを葬る者なかるべし彼等とその妻および其子その女みな然りそはわれ彼らの惡をその上に斟げばなり

14:17編集

汝この言を彼らに語るべしわが目は夜も晝もたえず涙を流さんそは我民の童女大なる滅と重き傷によりて亡さるればなり

14:18編集

われ出て畑にゆくに劍に死る者あり我邑にいるに饑饉に艱むものあり預言者も祭司もみなその地にさまよひて知ところなし

14:19編集

汝はユダを悉くすてたまふや汝の心はシオンをきらふや汝いかなれば我儕を撃て愈しめざるか我ら平安を望めども善ことあらず又醫さるる時を望むに却て驚懼あり

14:20編集

ヱホバよ我らはおのれの惡と先祖の愆を知るわれら汝に罪を犯したり

14:21編集

汝の名のために我らを棄たまふ勿れ汝の榮の位を辱めたまふ勿れ汝のわれらに立し契約をおぼえて毀りたまふなかれ

14:22編集

異邦の虛き物の中に雨を降せうるものあるや天みづから白雨をくだすをえんや我らの神ヱホバ汝これを爲したまふにあらずや我ら汝を望むそは汝すべて此等を悉く作りたまひたればなり

第15章編集

15:1編集

ヱホバ我にいひたまひけるはたとひモーセとサムエルわが前にたつとも我こころは斯民を顧ざるべしかれらを我前より逐ひていでさらしめよ

15:2編集

彼らもし汝にわれら何處にいでさらんやといはば汝彼らにヱホバかくいへりといへ死に定められたる者は死にいたり劍に定められたる者は劍にいたり饑饉に定められたる者は饑饉にいたり虜に定められたる者は虜にいたるべしと

15:3編集

ヱホバ云たまひけるはわれ四の物をもて彼らを罰せんすなはち劍をもて戮し犬をもて噬せ天空の鳥および地の獸をもて食ひ滅さしめん

15:4編集

またユダの王ヒゼキヤの子マナセがヱルサレムになせし事によりわれ彼らをして地のすべての國に艱難をうけしめん

15:5編集

ヱルサレムよ誰か汝を憐まんたれか汝のために嘆かん誰かちかづきて汝の安否を問はん

15:6編集

ヱホバいひたまふ汝われをすてたり汝退けり故にわれ手を汝のうへに伸て汝を滅さんわれ憫に倦り

15:7編集

われ風扇をもて我民をこの地の門に煽がんかれらは其途を離れざるによりて我その子を絕ち彼らを滅すべし

15:8編集

彼らの寡婦はわが前に海濱の沙よりも多し晝われほろぼす者を携へきたりて彼らと壯者の母とをせめ驚駭と恐懼を突然にかれの上におこさん

15:9編集

七人の子をうみし婦は衰へて氣たえ尚晝なるにその日は早く沒る彼は辱められて面をあからめん其餘れる者はわれ之をその敵の劍に付さんとヱホバいひたまふ

15:10編集

嗚呼われは禍なるかな我母よ汝なに故に我を生しや全國の人我と爭ひ我を攻むわれ人に貸さず人また我に貸さず皆我を詛ふなり

15:11編集

ヱホバいひたまひけるは我實に汝に益をえせしめんために汝を惱す我まことに敵をして其艱の時と災の時に汝に求むることをなさしめん

15:12編集

鐵いかで北の鐵と銅を碎かんや

15:13編集

われ汝の資產と汝の資財を擄掠物とならしめ價をうることなからしめん是汝のすべての罪によるなりすべて汝の境のうちにかくなさん

15:14編集

われ汝の敵をして汝を汝の識ざる地にとらへ移さしめん夫我怒によりて火燃え汝を焚んとするなり

15:15編集

ヱホバよ汝これを知りたまふ我を憶え我をかへりみたまへ我を迫害るものに仇を復したまへ汝の容忍によりて我をとらへられしむる勿れ我汝の爲に辱を受るを知りたまへ

15:16編集

われ汝の言を得て之を食へり汝の言はわが心の欣喜快樂なり萬軍の神ヱホバよわれは汝の名をもて稱へらるるなり

15:17編集

われ嬉笑者の會に坐せずまた喜ばずわれ汝の手によりて獨り坐す汝憤怒をもて我に充したまへり

15:18編集

何故にわが痛は息ずわが傷は重くして愈ざるか汝はわれにおけること水をたもたずして人を欺く溪河のごとくなるや

15:19編集

是をもてヱホバかくいひたまへり汝もし歸らば我また汝をかへらしめて我前に立しめん汝もし賤をすてて貴をいださば我口のごとくならん彼らは汝に歸らんされど汝は彼らにかへる勿れ

15:20編集

われ汝をこの民の前に堅き銅の牆となさんかれら汝を攻るとも汝にかたざるべしそはわれ汝と偕にありて汝をたすけ汝を救へばなりとヱホバいひたまへり

15:21編集

我汝を惡人の手より救ひとり汝を怖るべき者の手より放つべし

第16章編集

16:1編集

ヱホバの言また我にのぞみていふ

16:2編集

汝この處にて妻を娶るなかれ子女を得るなかれ

16:3編集

此處に生るる子女とこの地に之を生む母と之を生む父とに就てヱホバかくいひたまふ

16:4編集

彼らは慘しき病に死し哀まれず葬られずして糞土のごとくに田地の面にあらんまた劍と饑饉に滅されて其屍は天空の鳥と地の獸の食物とならん

16:5編集

ヱホバかくいひたまへり喪ある家にいる勿れまた往て之を哀み嗟く勿れそはわれ我平安と恩寵と矜恤をこの民より取ばなりとヱホバいひたまへり

16:6編集

大なる者も小さき者もこの地に死べし彼らは葬られずまた彼らのために哀む者なく自ら傷くる者なく髮をそる者なかるべし

16:7編集

またその哀むときパンをさきて其死者のために之を慰むるものなく又父あるひは母のために慰藉の杯を彼らに飮しむる者なかるべし

16:8編集

汝また筵宴の家にいりて偕に坐して食飮する勿れ

16:9編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よ汝の目の前汝の世に在るときにわれ欣喜の聲と歡樂の聲と新娶者の聲と新婦の聲とを此處に絕しめん

16:10編集

汝このすべての言を斯民に告るとき彼ら汝に問ふてヱホバわれらを責てこの大なる災を示したまふは何故ぞやまたわれらに何の惡事あるやわが神ヱホバに背きてわれらのなせし罪は何ぞやといはば

16:11編集

汝かれらに答ふべしヱホバいひたまふ是汝らの先祖われを棄て他の神に從ひこれに奉へこれを拜しまた我をすてわが律法を守らざりしによる

16:12編集

汝らは汝らの先祖よりも多く惡をなせりみよ汝らはおのおの自己の惡き心の剛愎なるにしたがひて我にきかず

16:13編集

故にわれ汝らを此の地より逐ひて汝らと汝らの先祖の識ざる地にいたらしめん汝らかしこにて晝夜ほかの神に奉へん是わが汝らを憐まざるによるなりと

16:14編集

ヱホバいひたまふ然ばみよ此後イスラエルの民をエジプトの地より導きいだせしヱホバは活くといふことなくして

16:15編集

イスラエルの民を北の地とそのすべて逐やられし地より導出せしヱホバは活くといふ日きたらん我かれらを我その先祖に與へしかれらの地に導きかへるべし

16:16編集

ヱホバいひたまふみよ我おほくの漁者をよび來りて彼らを漁らせまたその後おほくの獵者を呼來りて彼らを諸の山もろもろの岡および岩の穴より獵いださしめん

16:17編集

我目はかれらの諸の途を鑒る皆我にかくるるところなし又その惡は我目に匿れざるなり

16:18編集

われまづ倍して其惡とその罪に報いんそは彼らその汚れたる者の屍をもて我地を汚しその惡むべきものをもて我產業に充せばなり

16:19編集

ヱホバ我の力 我の城 難の時の逃場よ萬國の民は地の極より汝にきたりわれらの先祖の嗣るところの者は惟謊と虛浮事と益なき物のみなりといはん

16:20編集

人豈神にあらざる者をおのれの神となすべけんや

16:21編集

故にみよわれ此度かれらに知らしむるところあらん即ち我手と我能をかれらに知らしめん彼らは我名のヱホバなるを知るべし

第17章編集

17:1編集

ユダの罪は鐵の筆金剛石の尖をもてしるされその心の碑と汝らの祭壇の角に鐫らるるなり

17:2編集

彼らはその子女をおもふが如くに靑木の下と高岡のうへなるその祭壇とアシラをおもふ

17:3編集

われ野に在る我山と汝の資產と汝のもろもろの財產および汝の四方の境の内なる汝の罪を犯せる崇邱を擄掠物とならしめん

17:4編集

わが汝にあたへし產業より汝手をはなさん又われ汝をして汝の識ざる地に於て汝の敵につかへしめんそは汝ら我をいからせて限なく燃る火を發したればなり

17:5編集

ヱホバかくいひたまふおほよそ人を恃み肉をその臂とし心にヱホバを離るる人は詛るべし

17:6編集

彼は荒野に棄られたる者のごとくならん彼は善事のきたるをみず荒野の燥きたる處鹽あるところ人の住ざる地に居らん

17:7編集

おほよそヱホバをたのみヱホバを其恃とする人は福なり

17:8編集

彼は水の旁に植たる樹の如くならん其根を河にのべ炎熱きたるも恐るるところなしその葉は靑く亢旱の年にも憂へずして絕ず果を結ぶべし

17:9編集

心は萬物よりも僞る者にして甚だ惡し誰かこれを知るをえんや

17:10編集

われヱホバは心腹を察り腎腸を試みおのおのに其途に順ひその行爲の果によりて報ゆべし

17:11編集

鷓鴣のおのれの生ざる卵をいだくが如く不義をもて財を獲る者あり其人は命の半にてこれに離れその終に愚なる者とならん

17:12編集

榮の位よ原始より高き者わが聖所たる者

17:13編集

イスラエルの望なるヱホバよ凡て汝を離るる者は辱められん我を棄る者は土に錄されん此はいける水の源なるヱホバを離るるによる

17:14編集

ヱホバよ我を醫し給へ然らばわれ愈んわれを救ひたまへさらば我救はれん汝はわが頌るものなり

17:15編集

彼ら我にいふヱホバの言は何にあるやいま之をのぞましめよと

17:16編集

われ牧者の職を退かずして汝にしたがひ又禍の日を願はざりき汝これを知りたまふ我唇よりいづる者は汝の面の前にあり

17:17編集

汝我を懼れしむる者となり給ふ勿れ禍の時に汝は我避場なり

17:18編集

我を攻る者を辱しめ給へ我を辱しむるなかれ彼らを怖れしめよ我を怖れしめ給ふなかれ禍の日を彼らに來らしめ滅亡を倍して之を滅し給ヘ

17:19編集

ヱホバ我にかくいひ給へり汝ゆきてユダの王等の出入する民の門及びヱルサレムの諸の門に立て

17:20編集

彼らにいへ此門より入る所のユダの王等とユダのすべての民とヱルサレムに住るすべての者よ汝らヱホバの言をきけ

17:21編集

ヱホバかくいひたまふ汝ら自ら愼め安息日に荷をたづさへてヱルサレムの門にいる勿れ

17:22編集

また安息日に汝らの家より荷を出す勿れ諸の工作をなす勿れ我汝らの先祖に命ぜしごとく安息日を聖くせよ

17:23編集

されど彼らは遵はず耳を傾けずまたその項を强くして聽ず訓をうけざるなり

17:24編集

ヱホバいひ給ふ汝らもし謹愼て我にきき安息日に荷をたづさへてこの邑の門にいらず安息日を聖くなして諸の工作をなさずば

17:25編集

ダビデの位に坐する王等牧伯たちユダの民ヱルサレムに住る者車と馬に乗てこの邑の門よりいることをえんまた此邑には限なく人すまはん

17:26編集

また人々ユダの邑とヱルサレムの四周およびベニヤミンの地と平地と山と南の方よりきたり燔祭 犠牲 素祭 馨香 謝祭を携へてヱホバの室にいらん

17:27編集

されど汝らもし我に聽ずして安息日を聖くせず安息日に荷をたづさへてヱルサレムの門にいらばわれ火をその門の内に燃してヱルサレムの殿舍を燬んその火は滅ざるべし

第18章編集

18:1編集

ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言いふ

18:2編集

汝起て陶人の屋にくだれ我かしこに於てわが言を汝に聞しめんと

18:3編集

われすなはち陶人の屋にくだり視るに轆轤をもて物をつくりをりしが

18:4編集

その泥をもて造れるところの器陶人の手のうちに傷ねたれば彼その心のままに之をもて別の器をつくれり

18:5編集

時にヱホバの言我にのぞみていふ

18:6編集

ヱホバいふイスラエルの家よこの陶人のなすが如くわれ汝になすことをえざるかイスラエルの家よ陶人の手に泥のあるごとく汝らはわが手にあり

18:7編集

われ急に民あるひは國をぬくべし敗るべし滅すべしといふことあらんに

18:8編集

もし我いひしところの國その惡を離れなば我之に災を降さんとおもひしことを悔ん

18:9編集

我また急に民あるいは國を立べし植べしといふことあらんに

18:10編集

もし其國わが目に惡く見ゆるところの事を行ひわが聲に遵はずば我これに福祉を錫へんといひしことを悔ん

18:11編集

汝いまユダの人々とヱルサレムに住る者にいヘヱホバかくいへり視よ我汝らに災をくださんと思ひめぐらし汝らをはかる計策を設く故に汝らおのおの其惡き途を離れ其途と行をあらためよと

18:12編集

しかるに彼らいふ是は徒然なりわれらは自己の圖維ところにしたがひ各自その惡き心の剛愎なるを行はんと

18:13編集

この故にヱホバかくいひたまふ汝ら異國のうちに問へ斯の如きことを聞し者ありやイスラエルの處女はいと驚くべきことをなせり

18:14編集

レバノンの雪豈野の磐を離れんや遠方より流くる冷なる水豈涸かんや

18:15編集

しかるに我民は我をわすれて虛き物に香を焚り是等の物彼らをその途すなはち古き途に蹶かせまた徑すなはち備なき道に行しめ

18:16編集

その地を荒して恒に人の笑とならしめん凡て其處を過る者は驚きてその首を搖らん

18:17編集

われ東風のごとくに彼らをその敵の前に散さん其滅亡の日にはわれ背を彼らに向て面をむけじ

18:18編集

彼らいふ去來われら計策を設てヱレミヤをはからんそれ祭司には律法あり智慧ある者には謀畧あり預言者には言ありて失ざるべし去來われら舌をもて彼を撃ちその諸の言を聽ことをせざらんと

18:19編集

ヱホバよ我にききたまへ又我と爭ふ者の聲をききたまへ

18:20編集

惡をもて善に報ゆべきものならんや彼らはわが生命をとらん爲に坑を掘れりわが汝の前に立て彼らを善く言ひ汝の憤怒を止めんとせしを憶えたまへ

18:21編集

さればかれらの子女を饑饉にあたへ彼らを劍の刃にわたしたまへ其妻は子を失ひ且寡となり其男は死をもて亡されその少者は劍をもて戰に殺されよかし

18:22編集

汝突然に敵をかれらに臨ませたまふ時號呼をその家の内より聞えしめよそは彼ら坑を掘りて我を執へんとしまた機檻を置てわが足を執へんとすればなり

18:23編集

ヱホバよ汝はかれらが我を殺さんとするすべての謀畧を知りたまふ其惡を赦すことなく其罪を汝の前より抹去りたまふなかれ彼らを汝の前に仆れしめよ汝の怒りたまふ時にかく彼らになしたまへ

第19章編集

19:1編集

ヱホバかくいひたまふ往て陶人の瓦罇をかひ民の長老と祭司の長老の中より數人をともなひて

19:2編集

陶人の門の前にあるベンヒンノムの谷にゆき彼處に於てわが汝に告んところの言を宣よ

19:3編集

云くユダの王等とヱルサレムに住る者よヱホバの言をきけ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よ我災を此處にくだすべし凡そ之をきく者の耳はかならず鳴らん

19:4編集

こは彼ら我を棄てこの處を瀆し此にて自己とその先祖およびユダの王等の知ざる他の神に香を焚き且辜なきものの血をこの處に盈せばなり

19:5編集

又彼らはバアルの爲に崇邱を築き火をもて己の兒子を焚き燔祭となしてバアルにささげたり此わが命ぜしことにあらず我いひしことにあらず又我心に意はざりし事なり

19:6編集

ヱホバいひたまふさればみよ此處をトペテまたはベンヒンノムの谷と稱ずして屠戮の谷と稱ふる日きたらん

19:7編集

また我この處に於てユダとヱルサレムの謀をむなしうし劍をもて彼らを其敵の前とその生命を索る者の手に仆しまたその屍を天空の鳥と地の獸の食物となし

19:8編集

かつ此邑を荒して人の胡盧とならしめん凡そここを過る者はその諸の災に驚きて笑ふべし

19:9編集

また彼らがその敵とその生命を索る者とに圍みくるしめらるる時我彼らをして己の子の肉女の肉を食はせん又彼らは互にその友の肉を食ふべし

19:10編集

汝ともに行く人の目の前にてその瓦罇を毀ちて彼らにいふべし

19:11編集

萬軍のヱホバかくいひ給ふ一回毀てば復全うすること能はざる陶人の器を毀つが如くわれ此民とこの邑を毀たんまた彼らは葬るべき地なきによりてトペテに葬られん

19:12編集

ヱホバいひ給ふ我この處とこの中に住る者とに斯なし此邑をトペテの如くなすべし

19:13編集

且ヱルサレムの室とユダの王等の室はトペテの處のごとく汚れん其は彼らすべての室の屋蓋のうへにて天の衆群に香をたき他の神に酒をそそげばなり

19:14編集

ヱレミヤ、ヱホバの己を遣はして預言せしめたまひしトペテより歸りきたりヱホバの室の庭に立ちすべての民に語りていひけるは

19:15編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よわれ我いひし諸の災をこの邑とその諸の郷村にくださん彼らその項を强くして我言を聽ざればなり

第20章編集

20:1編集

祭司インメルの子ヱホバの室の宰の長なるパシユル、ヱレミヤがこの言を預言するをきけり

20:2編集

是に於てパシユル預言者ヱレミヤを打ちヱホバの室にある上のベニヤミンの門の桎梏に繋げり

20:3編集

翌日パシユル、ヱレミヤを桎梏より釋はなちしにヱレミヤ彼にいひけるはヱホバ汝の名をパシユルと稱ずしてマゴルミッサビブ(驚懼周圍にあり)と稱び給ふ

20:4編集

即ちヱホバかくいひたまふ視よわれ汝をして汝と汝のすべての友に恐怖をおこさしむる者となさん彼らはその敵の劍に仆れん汝の目はこれを見べし我またユダのすべての民をバビロン王の手に付さん彼は彼らをバビロンに移し劍をもて殺すべし

20:5編集

我またこの邑のすべての貨財とその得たる諸の物とその諸の珍寶とユダの王等のすべての儲蓄を其敵の手に付さん彼らはこれを掠めまた民を擄へてバビロンに移すべし

20:6編集

パシユルよ汝と汝の家にすめる者は悉く擄へ移されん汝はバビロンにいたりて彼處に死にかしこに葬られん汝も汝が僞りて預言せし言を聽し友もみな然らん

20:7編集

ヱホバよ汝われを勸めたまひてわれ其勸に從へり汝我をとらへて我に勝給へりわれ日々に人の笑となり人皆我を嘲りぬ

20:8編集

われ語り呼はるごとに暴逆殘虐の事をいふヱホバの言日々にわが身の恥辱となり嘲弄となるなり

20:9編集

是をもて我かさねてヱホバの事を宣ず又その名をもてかたらじといへり然どヱホバのことば我心にありて火のわが骨の中に閉こもりて燃るがごとくなれば忍耐につかれて堪難し

20:10編集

そは我おほくの人の讒をきく驚懼まはりにあり訴へよ彼を訴へん我親しき者はみな我蹶くことあらんかと窺ひて互にいふ彼誘はるることあらんしからば我儕彼に勝て仇を報ゆることをえんと

20:11編集

然どヱホバは强き勇士のごとくにして我と偕にいます故に我を攻る者は蹶きて勝ことをえずそのなし遂ざるが爲に大なる恥辱を取ん其羞恥は何時迄も忘られざるべし

20:12編集

義人を試み人の心膓を見たまふ萬軍のヱホバよ我汝に訴を申たれば我をして汝が彼らに仇を報すを見せしめよ

20:13編集

ヱホバに歌を謠へよヱホバを頌めよそは貧者の生命を惡者の手より救ひ給へばなり

20:14編集

ああ我生れし日は詛はれよ我母のわれを生し日は祝せられざれ

20:15編集

わが父に男子汝に生れしと告て父を大に喜ばせし人は詛はれよ

20:16編集

其人はヱホバの憫まずして滅したまひし邑のごとくなれよ彼をして朝に號呼をきかしめ午間に鬨聲をきかしめよ

20:17編集

彼我を胎のうちに殺さず我母を我の墓となさず常にその胎を大ならしめざりしが故なり

20:18編集

我何なれば胎をいでて艱難と憂患をかうむり恥辱をもて日を送るや

第21章編集

21:1編集

ゼデキヤ王マルキヤの子パシユルと祭司マアセヤの子ゼパニヤをヱレミヤに遣し

21:2編集

バビロンの王ネブカデネザル我らを攻むれば汝われらの爲にヱホバに求めよヱホバ恒のごとくそのもろもろの奇なる跡をもて我らを助けバビロンの王を我らより退かしめたまふことあらんと曰しむ其時ヱホバの言ヱレミヤに臨めり

21:3編集

ヱレミヤ彼らにこたへけるは汝らゼデキヤにかく語ふべし

21:4編集

イスラエルの神ヱホバかくいひたまふ視よわれ汝らがこの邑の外にありて汝らを攻め圍むところのバビロン王およびカルデヤ人とたたかひて手に持ところのその武器をかへし之を邑のうちに聚めん

21:5編集

われ手を伸べ臂をつよくし震怒と憤恨と烈き怒をもて汝らをせむべし

21:6編集

我また此邑にすめる人と畜を撃ん皆重き疫病によりて死べし

21:7編集

ヱホバいひたまふ此後われユダの王ゼデキヤとその諸臣および民此邑に疫病と劍と饑饉をまぬかれて遺れる者をバビロンの王ネブカデネザルの手と其敵の手および凡そその生命を索る者の手に付さんバビロンの王は劍の刃をもて彼らを撃ちかれらを惜まず顧みず恤れまざるべし

21:8編集

汝また此民にヱホバかくいふと語るべし視よわれ生命の道と死の道を汝らの前に置く

21:9編集

この邑にとどまる者は劍と饑饉と疫病に死べしされど汝らを攻め圍むところのカルデヤ人に出降る者はいきん其命はおのれの掠取物となるべし

21:10編集

ヱホバいひたまふ我この邑に面を向しは福をあたふる爲にあらず禍をあたへんが爲なりこの邑はバビロンの王の手に付されん彼火をもて之を焚くべし

21:11編集

またユダの王の家に告べし汝らヱホバの言をきけ

21:12編集

ダビデの家よヱホバかくいふ汝朝ごとに義く鞫をなし物を奪はるる人をその暴逆者の手より救へ否ざれば汝らの行の惡によりて我怒火のごとくに發で燃て滅ざるべし

21:13編集

ヱホバいひたまふ谷と平原の磐とにすめる者よみよ我汝に敵す汝らは誰か降て我儕を攻んや誰かわれらの居處にいらんやといふ

21:14編集

我汝らをその行の果によりて罰せん又其林に火を起し其四周をことごとく焚つくすべしとヱホバいひたまふ

第22章編集

22:1編集

ヱホバかくいひたまへり汝ユダの王の室にくだり彼處にこの言をのべていヘ

22:2編集

ダビデの位に坐するユダの王よ汝と汝の臣および此門よりいる汝の民ヱホバの言をきけ

22:3編集

ヱホバかくいふ汝ら公道と公義を行ひ物を奪はるる人をその暴虐者の手より救ひ異邦人と孤子と嫠婦をなやまし虐ぐる勿れまた此處に無辜の血を流す勿れ

22:4編集

汝らもし此言を眞に行はばダビデの位に坐する王とその臣および其民は車と馬に乗てこの室の門にいることをえん

22:5編集

然ど汝らもし此言を聽ずばわれ自己を指して誓ふ此室は荒地となるべしとヱホバいひたまふ

22:6編集

ヱホバ、ユダの王の家につきてかく曰たまふ汝は我におけることギレアデのごとくレバノンの巓のごとし然どわれかならず汝を荒野となし人の住はざる邑となさん

22:7編集

われ破壞者をまふけて汝を攻めしめん彼ら各人その武器を執り汝の美しき香柏を斫てこれを火に投いれん

22:8編集

多の國の人此邑をすぎ互に語てヱホバ何なれば此大なる邑にかく爲せしやといはんに

22:9編集

人こたへて是は彼等其神ヱホバの契約をすてて他の神を拜し之に奉へしに由なりといはん

22:10編集

死者の爲に泣くことなくまた之が爲に嗟くこと勿れ寧擄へ移されし者の爲にいたく嗟くべし彼は再び歸てその故園を見ざるべければなり

22:11編集

ユダの王ヨシヤの子シヤルム即ちその父に繼で王となりて遂に此處をいでたる者につきてヱホバかくいひたまへり彼は再び此處に歸らじ

22:12編集

彼はその移されし處に死んふたたび此地を見ざるべし

22:13編集

不義をもて其室をつくり不法をもて其樓を造り其隣人を傭て何をも與へず其價を拂はざる者は禍なるかな

22:14編集

彼いふ我己の爲に廣厦と涼しき樓をつくり又己の爲に窓を造り香柏をもて之を蔽ひ赤く之を塗んと

22:15編集

汝香柏を爭ひもちふるによりて王たるを得るか汝の父は食飮せざりしや公義と公道を行ひて福を得ざりしや

22:16編集

彼は貧者と患艱者の訟を理して祥をえたりかく爲すは我を識ことに非ずやとヱホバいひ給ふ

22:17編集

然ど汝の目と心は惟貪をなさんとし無辜の血を流さんとし虐遇と暴逆をなさんとするのみ

22:18編集

故にヱホバ、ユダの王のヨシヤの子ヱホヤキムにつきてかく曰たまふ衆人は哀しいかな我兄かなしいかな我姊といひて嗟かず又哀しいかな主よ哀しいかな其榮と曰て嗟かじ

22:19編集

彼は驢馬を埋るがごとく埋られん即ち曳れてヱルサレムの門の外に投棄らるべし

22:20編集

汝レバノンに登りて呼ばはりバシヤンに汝の聲を揚げアバリムより呼はれ其は汝の愛する者悉く滅されたればなり

22:21編集

汝の平康なる時我汝に語しかども汝は我にきかじといへり汝いとけなき時よりわが聲を聽ずこれ汝の故習なり

22:22編集

汝の牧者はみな風に呑つくされ汝の愛する者はとらへ移されん其時汝はおのれの諸の惡のために痛く恥べし

22:23編集

汝レバノンにすみ巢を香柏につくる者よ汝の劬勞子を產む婦の痛苦のごとくにきたらんとき汝の哀慘はいかにぞや

22:24編集

ヱホバいひたまふ我は活くユダの王ヱホヤキムの子ヱコニヤは我右の手の指環なれども我これを拔ん

22:25編集

われ汝の生命を索る者の手および汝が其面を畏るる者の手すなはちバビロンの王ネブカデネザルの手とカルデヤ人の手に汝を付さん

22:26編集

われ汝と汝を生し母を汝等がうまれざりし他の地に逐やらん汝ら彼處に死べし

22:27編集

彼らの靈魂のいたく歸らんことを願ふところの地に彼らは歸ることをえず

22:28編集

この人ヱコニヤは賤しむべき壞れたる器ならんや好ましからざる器具ならんや如何なれば彼と其子孫は逐出されてその識ざる地に投やらるるや

22:29編集

地よ地よ地よヱホバの言をきけ

22:30編集

ヱホバかくいひたまふこの人を子なくして其生命の中に榮えざる人と錄せそはその子孫のうちに榮えてダビデの位に坐しユダを治る人かさねてなかるべければなり

第23章編集

23:1編集

ヱホバいひ給ひけるは嗚呼わが養ふ群を滅し散す牧者は禍なるかな

23:2編集

故にイスラエルの神ヱホバ我民を養ふ牧者につきて斯いふ汝らはわが群を散しこれを逐はなちて顧みざりき視よわれ汝らの惡き行によりて汝等に報ゆべしとヱホバいふ

23:3編集

われ我群の遺餘たる者をその逐はなちたる諸の地より集め再びこれを其牢に歸さん彼らは子を產て多くなるべし

23:4編集

我これを養ふ牧者をその上に立ん彼等はふたたび慄かず懼ずまた失じとヱホバいひたまふ

23:5編集

ヱホバいひたまひけるは視よわがダビデに一の義き枝を起す日來らん彼王となりて世を治め榮え公道と公義を世に行ふべし

23:6編集

其日ユダは救をえイスラエルは安に居らん其名はヱホバ我儕の義と稱らるべし

23:7編集

この故にヱホバいひ給ふ視よイスラエルの民をエジプトの地より導出せしヱホバは活くと人衆復いはずして

23:8編集

イスラエルの家の裔を北の地と其諸て逐やりし地より導出せしヱホバは活くといふ日來らん彼らは自己の地に居るべし

23:9編集

預言者輩のために我心はわが衷に壞れわが骨は皆震ふ且ヱホバとその聖言のためにわれは醉る人のごとく酒に勝るる人のごとし

23:10編集

この地は姦淫をなすもの盈ち地は呪詛によりて憂へ曠野の艸は枯る彼らの途はあしく其力は正しからず

23:11編集

預言者と祭司は偕に邪惡なりわれ我家に於てすら彼等の惡を見たりとヱホバいひたまふ

23:12編集

故にかれらの途は暗に在る滑なる途の如くならん彼等推れて其途に仆るべし我災をその上にのぞましめん是彼らが刑罰らるる年なりとヱホバいひたまふ

23:13編集

われサマリヤの預言者の中に愚昧なる事あるをみたり彼等はバアルに託りて預言し我民イスラエルを惑はせり

23:14編集

我ヱルサレムの預言者の中にも憎むべき事あるを見たり彼等は姦淫をなし詐僞をおこなひ惡人の手を堅くして人をその惡に離れざらしむ彼等みな我にはソドムのごとく其民はゴモラのごとし

23:15編集

この故に萬軍のヱホバ預言者につきてかくいひたまふ視よわれ茵蔯を之に食はせ毒水をこれに飮せんそは邪惡ヱルサレムの預言者よりいでて此全地に及べばなり

23:16編集

萬軍のヱホバかくいひたまふ汝等に預言する預言者の言を聽く勿れ彼等は汝らを欺きヱホバの口よりいでざるおのが心の默示を語るなり

23:17編集

常に彼らは我を藐忽ずる者にむかひて汝等平安をえんとヱホバいひたまへりといひ又己が心の剛愎なるに循ひて行むところのすべての者に向ひて災汝らに來らじといへり

23:18編集

誰かヱホバの議會に立て其言を見聞せし者あらんや誰か其耳を傾けて我言を聽し者あらんや

23:19編集

みよヱホバの暴風あり怒と旋轉風いでて惡人の首をうたん

23:20編集

ヱホバの怒はかれがその心の思を行ひてこれを遂げ給ふまでは息じ末の日に汝ら明にこれを曉らん

23:21編集

預言者等はわが遣さざるに趨り我告ざるに預言せり

23:22編集

彼らもし我議會に立ちしならば我民にわが言をきかしめて之をその惡き途とその惡き行に離れしめしならん

23:23編集

ヱホバいひ給ふ我はただ近くにおいてのみ神たらんや遠くに於ても神たるにあらずや

23:24編集

ヱホバいひたまふ人我に見られざる樣に密かなる處に身を匿し得るかヱホバいひたまふ我は天地に充るにあらずや

23:25編集

われ我名をもて謊を預言する預言者等がわれ夢を見たりわれ夢を見たりと曰ふをきけり

23:26編集

謊を預言する預言者等はいつまで此心をいだくや彼らは其心の詐僞を預言するなり

23:27編集

彼らは其先祖がバアルによりて我名を忘れしごとく互に夢をかたりて我民にわが名を忘れしめんと思ふや

23:28編集

夢をみし預言者は夢を語るべし我言を受し者は誠實をもて我言を語るべし糠いかで麥に比擬ことをえんやとヱホバいひたまふ

23:29編集

ヱホバ言たまはく我言は火のごとくならずや又磐を打碎く槌の如くならずや

23:30編集

故に視よわれ我言を相互に竊める預言者の敵となるとヱホバいひたまふ

23:31編集

視よわれは彼いひたまへりと舌をもて語るところの預言者の敵となるとヱホバいひたまふ

23:32編集

ヱホバいひたまひけるは視よわれ僞の夢を預言する者の敵となる彼らは之を語りまたその謊と其誇をもて我民を惑はす我かれらを遣さずかれらに命ぜざるなり故に彼らは斯民に益なしとヱホバいひ給ふ

23:33編集

この民或は預言者又は祭司汝に問てヱホバの重負は何ぞやといはば汝彼等にこたへてヱホバの重負は我汝等を棄んとヱホバの云たまひし事是なりといふべし

23:34編集

ヱホバの重負といふところの預言者と祭司と民には我その人と其家にこれを降さん

23:35編集

汝らはおのおの斯互に言ひその兄弟にいふべしヱホバは何と應へたまひしやヱホバは何と云たまひしやと

23:36編集

汝ら復びヱホバの重負といふべからず人の重負となる者は其人の言なるべし汝らは活る神萬軍のヱホバなる我らの神の言を枉るなり

23:37編集

汝かく預言者にいふべしヱホバは汝に何と答へ給ひしやヱホバは何といひたまひしやと

23:38編集

汝らもしヱホバの重負といはばヱホバそれにつきてかくいひたまふ我人を汝らに遣して汝等ヱホバの重負といふべからずといはしむるも汝らはヱホバの重負といふ此言をいふによりて

23:39編集

われ必ず汝らを忘れ汝らと汝らの先祖にあたへし此邑と汝らとを我前より棄ん

23:40編集

且われ永遠の辱と永遠なる忘らるることなき恥を汝らにかうむらしめん

第24章編集

24:1編集

バビロンの王ネブカデネザル、ユダの王ヱホヤキムの子ヱコニヤおよびユダの牧伯等と木匠と鐵匠をヱルサレムよりバビロンに移せしのちヱホバ我にヱホバの殿の前に置れたる二筐の無花果を示したまへり

24:2編集

その一の筐には始に熟せしがごとき至佳き無花果ありその一の筐にはいと惡くして食ひ得ざるほどなる惡き無花果あり

24:3編集

ヱホバ我にいひ給ひけるはヱレミヤよ汝何を見しや我答へけるは無花果なりその佳き無花果はいと佳しその惡きものは至惡しくして食ひ得ざるほどに惡し

24:4編集

ヱホバの言また我にのぞみていふ

24:5編集

イスラエルの神ヱホバかくいふ我わが此處よりカルデヤ人の地に逐ひやりしユダの虜人を此佳き無花果のごとくに顧みて惠まん

24:6編集

我彼等に目をかけて之をめぐみ彼らを此地にかへし彼等を建て仆さず植て拔じ

24:7編集

我彼らに我のヱホバなるを識るの心をあたへん彼等我民となり我彼らの神とならん彼等は一心をもて我に歸るべし

24:8編集

ヱホバかくいひたまへり我ユダの王ゼデキヤとその牧伯等およびヱルサレムの人の遺りて此地にをる者ならびにエジプトの地に住る者とを此惡くして食はれざる惡き無花果のごとくになさん

24:9編集

我かれらをして地のもろもろの國にて虐遇と災害にあはしめん又彼らをしてわが逐やらん諸の處にて辱にあはせ諺となり嘲と詛に遭しめん

24:10編集

われ劍と饑饉と疫病をかれらの間におくりて彼らをしてわが彼らとその先祖にあたへし地に絕るにいたらしめん

第25章編集

25:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの四年バビロンの王ネブカデネザルの元年にユダのすべての民にかかはる言ヱレミヤにのぞめり

25:2編集

預言者ヱレミヤこの言をユダのすべての民とヱルサレムにすめるすべての者に告ていひけるは

25:3編集

ユダの王アモンの子ヨシヤの十三年より今日にいたるまで二十三年のあひだヱホバの言我にのぞめり我これを汝等に告げ頻にこれを語りしかども汝らきかざりし

25:4編集

ヱホバその僕なる預言者を汝らに遣し頻に遣したまひけれども汝らはきかず又きかんとて耳を傾けざりき

25:5編集

彼らいへり汝等おのおのいま其惡き途とその惡き行を棄よ然ばヱホバが汝らと汝らの先祖に與へたまひし地に永遠より永遠にいたるまで住ことをえん

25:6編集

汝ら他の神に從ひこれに事へこれを拜み汝らの手にて作りし物をもて我を怒らする勿れ然ば我汝らを害はじ

25:7編集

然ど汝らは我にきかず汝等の手にて作りし物をもて我を怒らせて自ら害へりとヱホバいひたまふ

25:8編集

この故に萬軍のヱホバかく云たまふ汝ら我言を聽ざれば

25:9編集

視よ我北の諸の族と我僕なるバビロンの王ネブカデネザルを招きよせ此地とその民と其四圍の諸國を攻滅さしめて之を詫異物となし人の嗤笑となし永遠の荒地となさんとヱホバいひたまふ

25:10編集

またわれ欣喜の聲 歡樂の聲 新夫の聲 新婦の聲 磐磨の音および燈の光を彼らの中にたえしめん

25:11編集

この地はみな空曠となり詫異物とならん又その諸國は七十年の間バビロンの王につかふべし

25:12編集

ヱホバいひたまふ七十年のをはりし後我バビロンの王と其民とカルデヤの地をその罪のために罰し永遠の空曠となさん

25:13編集

我かの地につきて我かたりし諸の言をその上に臨しめん是ヱレミヤが萬國の事につきて預言したる者にて皆この書に錄さるるなり

25:14編集

多の國々と大なる王等は彼らをして己につかへしめん我かれらの行爲とその手の所作に循ひてこれに報いん

25:15編集

イスラエルの神ヱホバかく我に云たまへり我手より此怒の杯をうけて我汝を遣はすところの國々の民に飮しめよ

25:16編集

彼らは飮てよろめき狂はんこは我かれらの中に劍をつかはすによりてなり

25:17編集

是に於てわれヱホバの手より杯をうけヱホバのわれを遣したまふところの國々の民に飮しめたり

25:18編集

即ちヱルサレムとユダの諸の邑とその王等およびその牧伯等に飮せてこれをほろぼし詫異物となし人の嗤笑となし詛るる者となせり今日のごとし

25:19編集

またエジプトの王パロと其臣僕その牧伯等その諸の民と

25:20編集

諸の雜種の民およびウズの諸の王等およびペリシテ人の地の諸の王等アシケロン、ガザ、エクロン、アシドドの遺餘の者

25:21編集

エドム、モアブ、アンモンの子孫

25:22編集

ツロのすべての王等シドンのすべての王等海のかなたの島々の王等

25:23編集

デダン、テマ、ブズおよびすべて鬚をそる者

25:24編集

アラビヤのすべての王等曠野の雜種の民の諸の王等

25:25編集

ジムリの諸の王等エラムの諸の王等メデアのすべての王等

25:26編集

北のすべての王等その彼と此とにおいて或は遠者或は近きもの凡地の面にある世の國々の王等はこの杯を飮んセシヤク王はこれらの後に飮べし

25:27編集

故に汝かれらに語ていへ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ我汝等の中に劍を遣はすによりて汝らは飮みまた醉ひまた吐き又仆て再び起ざれと

25:28編集

彼等もし汝の手より此杯を受て飮ずば汝彼らにいへ萬軍のヱホバかくいひたまふ汝ら必ず飮べし

25:29編集

視よわれ我名をもて稱へらるるこの邑にすら災を降すなり汝らいかで罰を免るることをえんや汝らは罰を免れじ蓋われ劍をよびて地に住るすべての者を攻べければなりと萬軍のヱホバいひたまふ

25:30編集

汝彼等にこの諸の言を預言していふべしヱホバ高き所より呼號り其聖宮より聲を出し己の住家に向てよばはり地に住る諸の者にむかひて葡萄を踐む者のごとく咷たまはん

25:31編集

號咷地の極まで聞ゆ蓋ヱホバ列國と爭ひ萬民を審き惡人を劍に付せば也とヱホバ曰たまへり

25:32編集

萬軍のヱホバかく曰たまふ視よ災いでて國より國にいたらん大なる暴風地の極よりおこるべし

25:33編集

其日ヱホバの戮したまふ者は地の此極より地の彼の極に及ばん彼等は哀まれず殮められず葬られずして地の面に糞土とならん

25:34編集

牧者よ哭き叫べ群の長等よ汝ら灰の中に轉ぶべし蓋汝らの屠らるる日滿れば也我汝らを散すべければ汝らは貴き器のごとく堕べし

25:35編集

牧者は避場なく群の長等は逃る處なし

25:36編集

牧者の呼號の聲と群の長等の哀哭きこゆ蓋ヱホバ其牧場を滅したまへば也

25:37編集

ヱホバの烈き怒によりて平安なる牧場は滅さる

25:38編集

彼は獅子の如く其巢を出たり滅す者の怒と其烈き忿によりて彼らの地は荒されたり

第26章編集

26:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムが位に即し初のころヱホバより此言いでていふ

26:2編集

ヱホバかくいふ汝ヱホバの室の庭に立我汝に命じていはしむる諸の言をユダの邑々より來りてヱホバの室に拜をする人々に告よ一言をも減す勿れ

26:3編集

彼等聞ておのおの其惡き途を離るることあらん然ば我かれらの行の惡がために災を彼らに降さんとせることを悔べし

26:4編集

汝彼等にヱホバかくいふといへ汝等もし我に聽ずわが汝らの前に置し律法を行はず

26:5編集

我汝らに遣し切に遣せし我僕なる預言者の言を聽ずば(汝らは之をきかざりき)

26:6編集

我この室をシロの如くになし又この邑を地の萬國に詛はるる者となすべし

26:7編集

祭司と預言者及び民みなヱレミヤがヱホバの室に立てこの言をのぶるをきけり

26:8編集

ヱレミヤ、ヱホバに命ぜられし諸の言を民に告畢りしとき祭司と預言者および諸の民彼を執へいひけるは汝は必ず死べし

26:9編集

汝何故にヱホバの名をもて預言し此室はシロの如くになりこの邑は荒蕪となりて住む者なきにいたらんと云しやと民みなヱホバの室にあつまりてヱレミヤを攻む

26:10編集

ユダの牧伯等この事をききて王の家をいでヱホバの室にのぼりてヱホバの家の新しき門の入口に坐せり

26:11編集

祭司と預言者等牧伯等とすべての民に訴ていふ此人は死にあたる者なり是は汝らが耳に聽しごとくこの邑にむかひて惡き預言をなしたるなり

26:12編集

是に於てヱレミヤ牧伯等とすべての民にいひけるはヱホバ我を遣し汝らが聽る諸の言をもて此宮とこの邑にむかひて預言せしめたまふ

26:13編集

故に汝らいま汝らの途と行爲をあらためて汝らの神ヱホバの聲にしたがへ然ばヱホバ汝らに災を降さんとせしことを悔たまふべし

26:14編集

みよ我は汝らの手にあり汝らの目に善とみゆるところ義とみゆることを我に行へ

26:15編集

然ど汝ら善くこれを知れ汝らもし我を殺さば必ず無辜ものの血なんぢらの身とこの邑と其中に住る者に歸せんヱホバ我を遣してこの諸の言を汝らの耳につげしめたまひしなればなり

26:16編集

牧伯等とすべての民すなはち祭司と預言者にいひけるは此人は死にあたる者にあらず是は我らの神ヱホバの名によりて我儕に語りしなりと

26:17編集

時にこの地の長老數人立て民のすべての集れる者につげていひけるは

26:18編集

ユダの王ヒゼキヤの代にモレシテ人ミカ、ユダの民に預言して云けらく萬軍のヱホバかくいひ給ふシオンは田地のごとく耕されヱルサレムは邱墟となり此室の山は樹深き崇邱とならんと

26:19編集

ユダの王ヒゼキヤとすべてのユダ人は彼を殺さんとせしことありしやヒゼキヤ、ヱホバを畏れヱホバに求ければヱホバ彼らに降さんと告給ひし災を悔給ひしにあらずや我儕かく爲すは自己の靈魂をそこなふ大なる惡をなすなり

26:20編集

又前にヱホバの名をもて預言せし人あり即ちキリヤテヤリムのシマヤの子ウリヤなり彼ヱレミヤの凡ていへるごとく此邑とこの地にむかひて預言せり

26:21編集

ヱホヤキム王と其すべての勇士とすべての牧伯等その言を聽り是において王彼を殺さんと欲ひしがウリヤこれをきき懼てエジプトに逃ゆきしかば

26:22編集

ヱホヤキム王人をエジプトに遣せり即ちアクボルの子エルナタンに數人をそへてエジプトにつかはしければ

26:23編集

彼らウリヤをエジプトより引出しヱホヤキム王の許に携きたりしに王劍をもて之を殺し其屍骸を賤者の墓に棄させたりと

26:24編集

時にシヤパンの子アヒカム、ヱレミヤをたすけこれを民の手にわたして殺さざらしむ

第27章編集

27:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムが位に即し初のころヱホバより此言ヱレミヤに臨みていふ

27:2編集

すなはちヱホバかく我に云たまへり汝索と軛をつくりて汝の項に置き

27:3編集

之をヱルサレムにきたりてゼデキヤ王にいたるところの使臣等の手によりてエドムの王モアブの王アンモン人の王ツロの王シドンの王に送るべし

27:4編集

汝彼らに命じて其主にいはしめよ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝ら其主にかく告べし

27:5編集

われ我大なる能力と伸たる臂をもて地と地の上にをる人と獸とをつくり我心のままに地を人にあたへたり

27:6編集

いま我この諸の地を我僕なるバビロンの王ネブカデネザルの手にあたへ又野の獸を彼にあたへてかれにつかへしむ

27:7編集

かれの地の時期いたるまで萬國民は彼と其子とその孫につかへん其時いたらばおほくの國と大なる王は彼を己に事へしむべし

27:8編集

バビロンの王ネブカデネザルに事へずバビロンの王の軛をその項に負ざる國と民は我彼の手をもて悉くこれを滅すまで劍と饑饉と疫病をもてこれを罰せんとヱホバいひたまふ

27:9編集

故に汝らの預言者なんぢらの占筮師汝らの夢みる者汝らの法術士汝らの魔法士汝らに告て汝らはバビロンの王に事ふることあらじといふとも聽なかれ

27:10編集

彼らは謊を汝らに預言して汝らをその國より遠く離れしめ且我をして汝らを逐しめ汝らを滅さしむるなり

27:11編集

然どバビロンの王の軛をその項に負ふて彼に事ふる國々の人は我これをその故土に存し其處に耕し住しむべしとヱホバいひたまふ

27:12編集

我この諸の言のごとくユダの王ゼデキヤに告ていひけるは汝らバビロンの王の軛を汝らの項に負ふて彼と其民につかへよ然ば生べし

27:13編集

汝と汝の民なんぞヱホバがバビロンの王につかへざる國につきていひたまひし如く劍と饑饉と疫病に死ぬべけんや

27:14編集

故に汝らはバビロンの王に事ふることあらじと汝等に告る預言者の言を聽なかれ彼らは謊を汝らに預言するなり

27:15編集

ヱホバいひたまひけるは我彼らを遣さざるに彼らは我名をもて謊を預言す是をもて我汝らを逐はなち汝らと汝らに預言する預言者等を滅すにいたらん

27:16編集

我また祭司とこのすべての民に語りていひけるはヱホバかくいひたまふ視よヱホバの室の器皿いま速にバビロンより持歸さるべしと汝らに預言する預言者の言をきく勿れそは彼ら謊を汝らに預言すればなり

27:17編集

汝ら彼らに聽なかれバビロンの王に事へよ然ば生べしこの邑を何ぞ荒蕪となすべけんや

27:18編集

もし彼ら預言者にしてヱホバの言かれらの衷にあらばヱホバの室とユダの王の家とヱルサレムとに餘れるところの器皿のバビロンに移されざることを萬軍のヱホバに求むべきなり

27:19編集

萬軍のヱホバ柱と海と臺およびこの邑に餘れる器皿につきてかくいひたまふ

27:20編集

是はバビロンの王ネブカデネザルがユダの王ヱホヤキムの子ヱコニヤおよびユダとヱルサレムのすべての牧伯等をヱルサレムよりバビロンにとらへ移せしときに掠ざりし器皿なり

27:21編集

すなはち萬軍のヱホバ、イスラエルの神ヱホバの室とユダの王の室とヱルサレムとに餘れる器皿につきてかくいひたまふ

27:22編集

これらはバビロンに携へゆかれ我これを顧る日まで彼處にあらん其後我これを此處にたづさへ歸らしめんとヱホバいひたまふ

第28章編集

28:1編集

この年すなはちユダの王ゼデキヤが位に即し初その四年の五月ギベオンのアズルの子なる預言者ハナニヤ、ヱホバの室にて祭司と凡の民の前にて我に語りいひけるは

28:2編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ我バビロンの王の軛を摧けり

28:3編集

二年の内にバビロンの王ネブカデネザルがこの處より取てバビロンに携へゆきしヱホバの室の器皿を再び悉くこの處に歸らしめん

28:4編集

我またユダの王ヱホヤキムの子ヱコニヤおよびバビロンに住しユダのすべての擄人をこの處に歸らしめんそは我バビロンの王の軛を摧くべければなりとヱホバいひたまふ

28:5編集

是に於て預言者ヱレミヤ、ヱホバの家に立る祭司の前とすべての民の前にて預言者ハナニヤと語ふ

28:6編集

預言者ヱレミヤすなはちいひけるはアーメン願くはヱホバかくなし給へ願くはバビロンに携へゆかれしヱホバの室の器皿及びすべて虜へうつされし者をヱホバ、バビロンより復びこの處に歸らしめたまはんと汝の預言せし言の成らんことを

28:7編集

然ど汝いま我なんぢの耳と諸の民の耳に語らんとする此言をきけ

28:8編集

我と汝の先にいでし預言者は古昔より多くの地と大なる國につきて戰鬪と災難と疫病の事を預言せり

28:9編集

泰平を預言するところの預言者は若しその預言者の言とげなばその誠にヱホバの遣はしたまへる者なること知らるべし

28:10編集

ここに於て預言者ハナニヤ預言者ヱレミヤの項より軛を取てこれを摧けり

28:11編集

ハナニヤ諸の民の前にて語りヱホバかくいひたまふわれ二年のうちに是の如く萬國民の項よりバビロン王ネブカデネザルの軛を摧きはなさんといふ預言者ヱレミヤ遂に去りぬ

28:12編集

預言者ハナニヤ預言者ヱレミヤの項より軛を摧きはなせし後ヱホバの言ヱレミヤに臨みていふ

28:13編集

汝ゆきてハナニヤにヱホバかくいふと告よ汝木の軛を摧きたれども之に代て鐵の軛を作れり

28:14編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ我鐵の軛をこの萬國民の項に置きてバビロンの王ネブカデネザルに事へしむ彼ら之につかへんわれ野の獸をもこれに與へたり

28:15編集

また預言者ヱレミヤ預言者ハナニヤにいひけるはハナニヤよ請ふ聽けヱホバ汝を遣はし給はず汝はこの民に謊を信ぜしむるなり

28:16編集

是故にヱホバいひ給ふ我汝を地の面よりのぞかん汝ヱホバに叛くことを敎ふるによりて今年死ぬべしと

28:17編集

預言者ハナニヤはこの年の七月死ねり

第29章編集

29:1編集

預言者ヱレミヤ、ヱルサレムより書をかの擄へうつされて餘れるところの長老および祭司と預言者ならびにネブカデネザルがヱルサレムよりバビロンに移したるすべての民に送れり

29:2編集

是より先ヱコニヤ王と王后と寺人およびユダとヱルサレムの牧伯等および木匠と鐵匠はヱルサレムをされり

29:3編集

ヱレミヤその書をシヤパンの子エラサおよびヒルキヤの子ゲマリヤ即ちユダの王ゼデキヤがバビロンにつかはしてバビロンの王ネブカデネザルにいたらしむる者の手によりて送れり其書にいはく

29:4編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神すべて擄うつされし者即ち我ヱルサレムよりバビロンに移さしめし者にかくいふ

29:5編集

汝ら屋を建てこれに住ひ圃をつくりてその果をくらへ

29:6編集

妻を娶て子女をうみ又汝らの子に媳を娶り汝らの女を嫁がしめ彼らに子女を生しめよ此は汝等かしこに減ずして增んがためなり

29:7編集

我汝らを擄移さしめしところの邑の安を求めこれが爲にヱホバにいのれその邑の安によりて汝らもまた安をうればなり

29:8編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝らの中の預言者と卜筮士に惑はさるる勿れまた汝ら自ら作りしところの夢に聽したがふ勿れ

29:9編集

そは彼ら我名をもて謊を汝らに預言すればなり我彼らを遣さずヱホバいひたまふ

29:10編集

ヱホバかくいひたまふバビロンに於て七十年滿なばわれ汝らを眷み我嘉言を汝らになして汝らをこの處に歸らしめん

29:11編集

ヱホバいひたまふ我が汝らにむかひて懷くところの念は我これを知るすなはち災をあたへんとにあらず平安を與へんとおもひ又汝らに後と望をあたへんとおもふなり

29:12編集

汝らわれに龥はり往て我にいのらん我汝らに聽べし

29:13編集

汝らもし一心をもて我を索めなば我に尋ね遇はん

29:14編集

ヱホバいひたまふ我汝らの遇ところとならんわれ汝らの俘擄を解き汝らを萬國よりすべて我汝らを逐やりし處より集め且我汝らをして擄らはれて離れしめしその處に汝らをひき歸らんとヱホバいひたまふ

29:15編集

ヱホバわれらの爲にバビロンに於て預言者を立たまひしと汝らはいふ

29:16編集

ダビデの位に坐する王とこの邑に住るすべての民汝らと偕にとらへ移されざりし兄弟につきてヱホバかくいひたまふ

29:17編集

萬軍のヱホバかくいふ視よわれ劍と饑饉と疫病を彼らにおくり彼らを惡くして食はれざる惡き無花果のごとくになさん

29:18編集

われ劍と饑饉と疫病をもて彼らを逐ひまた彼らを地の萬國にわたして虐にあはしめ我彼らを逐やる諸國に於て呪詛となり詫異となり人の嗤笑となり恥辱とならしめん

29:19編集

是彼ら我言を聽ざればなりとヱホバいひたまふ我この言を我僕なる預言者によりて遣り頻におくれども汝ら聽ざるなりとヱホバいひたまふ

29:20編集

わがヱルサレムよりバビロンにおくりし諸の俘擄人よ汝らヱホバの言をきけ

29:21編集

我名をもて謊を汝らに預言するコラヤの子アハブとマアセヤの子ゼデキヤにつきて萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ視よわれ彼らをバビロンの王ネブカデネザルの手に付さん彼これを汝らの目の前に殺すべし

29:22編集

バビロンにあるユダの俘擄人は皆彼らをもて詛となし願くはヱホバ汝をバビロンの王が火にて焚しゼデキヤとアハブのごとき者となしたまはん事をといふ

29:23編集

こは彼らイスラエルの中に惡をなし鄰の妻を犯し且我彼らに命ぜざる謊の言をわが名をもて語りしによる我これを知りまた證すとヱホバいひたまふ

29:24編集

汝ネヘラミ人シマヤにかく語りいふべし

29:25編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ汝おのれの名をもて書をヱルサレムにある諸の民と祭司マアセヤの子ゼパニヤおよび諸の祭司に送りていふ

29:26編集

ヱホバ汝を祭司ヱホヤダに代て祭司となし汝らをヱホバの室の監督となしたまふ此すべて狂妄ひ且みづから預言者なりといふ者を獄と桎梏につながしめんためなり

29:27編集

然るに汝いま何故に汝らにむかひてみづから預言者なりといふところのアナトテのヱレミヤを斥責めざるや

29:28編集

そは彼バビロンにをる我儕に書を送り時尚長ければ汝ら家を建て之に住ひ圃をつくりてその實をくらへといへり

29:29編集

祭司ゼパニヤこの書を預言者ヱレミヤに讀きかせたり

29:30編集

時にヱホバの言ヱレミヤにのぞみていふ

29:31編集

諸の俘擄人に書をおくりて云べしネヘラミ人シマヤの事につきてヱホバかくいふ我シマヤを遣はさざるに彼汝らに預言し汝らに謊を信ぜしめしによりて

29:32編集

ヱホバかくいふ視よ我ネヘラミ人シマヤと其子孫を罰すべし彼ヱホバに逆くことを敎へしによりて此民のうちに彼に屬する者一人も住ふことなからん且我民に吾がなさんとする善事をみざるべしとヱホバいひたまふ

第30章編集

30:1編集

ヱホバよりヱレミヤにのぞめる言いふ

30:2編集

イスラエルの神ヱホバかく告ていふ我汝に言し言をことごとく書に錄せ

30:3編集

ヱホバいふわれ我民イスラエルとユダの俘囚人を返す日きたらんヱホバこれをいふ我彼らをその先祖にあたへし地にかへらしめん彼らは之をたもたん

30:4編集

ヱホバのイスラエルとユダにつきていひたまひし言は是なり

30:5編集

ヱホバかくいふ我ら戰慄の聲をきく驚懼あり平安あらず

30:6編集

汝ら子を產む男あるやを尋ね觀よ我男が皆子を產む婦のごとく手をその腰におき且その面色皆靑く變るをみるこは何故ぞや

30:7編集

哀しいかなその日は大にして之に擬ふべき日なし此はヤコブの患難の時なり然ど彼はこれより救出されん

30:8編集

萬軍のヱホバいふ其日我なんぢの項よりその軛をくだきはなし汝の繩目をとかん異邦人は復彼を使役はざるべし

30:9編集

彼らは其神ヱホバと我彼らの爲に立んところの其王ダビデにつかふべし

30:10編集

ヱホバいふ我僕ヤコブよ懼るる勿れイスラエルよ驚く勿れ我汝を遠方より救ひかへし汝の子孫を其とらへ移されし地より救ひかへさんヤコブは歸りて平穩と寧靜をえん彼を畏れしむる者なかるべし

30:11編集

ヱホバいふ我汝と偕にありて汝を救はん設令われ汝を散せし國々を悉く滅しつくすとも汝をば滅しつくさじされど我道をもて汝を懲さん汝を全たく罰せずにはおかざるべし

30:12編集

ヱホバかくいふ汝の創は愈ず汝の傷は重し

30:13編集

汝の訟を理す者なく汝の創を裹む膏藥あらず

30:14編集

汝の愛する者は皆汝を忘れて汝を求めず是汝の愆の多きと罪の數多なるによりて我仇敵の撃がごとく汝を撃ち嚴く汝を懲せばなり

30:15編集

何ぞ汝の創のために叫ぶや汝の患は愈ることなし汝の愆の多きと罪の數多なるによりて我これを汝になすなり

30:16編集

然どすべて汝を食ふ者は食はれすべて汝を虐ぐる者は皆とらはれ汝を掠むる者は掠められん凡て汝の物を奪ふ者は我これをして奪はるる事にあはしむべし

30:17編集

ヱホバいふ我汝に膏藥を貼り汝の傷を醫さんそは人汝を棄られし者とよび尋る者なきシオンといへばなり

30:18編集

ヱホバかくいふ視よわれかの擄移されたるヤコブの天幕をかへし其住居をあはれまん斯邑はその故の丘垤に建られん城には宜き樣に人住はん

30:19編集

感謝と歡樂者の聲とその中よりいでん我かれらを增ん彼ら少からじ我彼らを崇せん彼ら藐められじ

30:20編集

其子は疇昔のごとくあらん其集會は我前に固く立ん凡かれを虐ぐる者は我これを罰せん

30:21編集

其首領は本族よりいで其督者はその中よりいでん我彼をちかづけ彼に近かん誰かその生命を繋て我に近くものあらんやとヱホバいふ

30:22編集

汝等は我民となり我は汝らの神とならん

30:23編集

みよヱホバの暴風あり怒と旋轉風いでて惡人の首をうたん

30:24編集

ヱホバの烈き忿はかれがその心の思を行ひてこれを遂るまでは息じ末の日に汝ら明にこれを曉らん

第31章編集

31:1編集

ヱホバいひたまふ其時われはイスラエルの諸の族の神となり彼らは我民とならん

31:2編集

ヱホバかくいひたまふ劍をのがれて遺りし民は曠野の中に恩を獲たりわれ往て彼イスラエルに安息をあたへん

31:3編集

遠方よりヱホバ我に顯れていひたまふ我窮なき愛をもて汝を愛せり故にわれたえず汝をめぐむなり

31:4編集

イスラエルの童女よわれ復び汝を建ん汝は建らるべし汝ふたたび鼗をもて身を飾り歡樂者の舞にいでん

31:5編集

汝また葡萄の樹をサマリヤの山に植ん植る者は植てその果を食ふことをえん

31:6編集

エフライムの山の上に守望者の立て呼はる日きたらんいはく汝ら起よ我らシオンにのぼりて我儕の神ヱホバにまうでんと

31:7編集

ヱホバかくいひたまふ汝らヤコブの爲に歡びて呼はり萬國の首なる者のために叫べ汝ら示し且歌ひて言ヘヱホバよ願くはイスラエルの遺れる者汝の民を救ひたまへと

31:8編集

みよ我彼らを北の地よりひきかへり彼らを地の極より集めん彼らの中には瞽者 跛者 孕める婦 子を產みし婦ともに居る彼らは大なる群をなして此處にかへらん

31:9編集

彼ら悲泣來らん我かれらをして祈禱をもて來らしめ直くして蹶かざる途より水の流に歩みいたらしめん我はイスラエルの父にしてエフライムは我長子なればなり

31:10編集

萬國の民よ汝らヱホバの言をきき之を遠き諸島に示していヘイスラエルを散せしものこれを聚め牧者のその群を守るが如く之を守らん

31:11編集

すなはちヱホバ、ヤコブを贖ひ彼等よりも強き者の手よりかれを救出したまへり

31:12編集

彼らは來てシオンの頂によばはりヱホバの賜ひし福なる麥と酒と油および若き羊と牛の爲に寄集はんその靈魂は灌ふ園のごとくならん彼らは重て愁ふること無るべし

31:13編集

その時童女は舞てたのしみ壯者と老者もろともに樂しまん我かれらの悲をかへて喜となしかれらの愁をさりてこれを慰さめん

31:14編集

われ膏をもて祭司の心を飫しめ我恩をもて我民に滿しめんとヱホバ言たまふ

31:15編集

ヱホバかくいひたまふ歎き悲みいたく憂ふる聲ラマに聞ゆラケルその兒子のために歎きその兒子のあらずなりしによりて慰をえず

31:16編集

ヱホバかくいひ給ふ汝の聲を禁て哭こと勿れ汝の目を禁て涙を流すこと勿れ汝の工に報あるべし彼らは其敵の地より歸らんとヱホバいひたまふ

31:17編集

汝の後の日に望あり兒子等その境に歸らんとヱホバいひたまふ

31:18編集

われ固にエフライムのみづから歎くをきけり云く汝は我を懲しめたまふ我は軛に馴ざる犢のごとくに懲治を受たりヱホバよ汝はわが神なれば我を牽轉したまへ然ば我轉るべし

31:19編集

われ轉りし後に悔い敎を承しのちに我髀を撃つ我幼時の羞を身にもてば恥ぢかつ辱しめらるるなりと

31:20編集

ヱホバいひたまふエフライムは我愛するところの子悦ぶところの子ならずや我彼にむかひてかたるごとに彼を念はざるを得ず是をもて我膓かれの爲に痛む我必ず彼を恤むべし

31:21編集

汝のために指路號を置き汝のために柱をたてよ汝のゆける道なる大路に心をとめよイスラエルの童女よ歸れこの汝の邑々にかへれよ

31:22編集

違ける女よ汝いつまで流蕩ふやヱホバ新しき事を地に創造らん女は男を抱くべし

31:23編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひ給ふ我かの俘囚し者を返さん時人々復ユダの地とその邑々に於て此言をいはん義き居所よ聖き山よ願くはヱホバ汝を祝みたまへと

31:24編集

ユダとその諸の邑々に農夫と群を牧ふもの偕に住はん

31:25編集

われ疲れたる靈魂を飫しめすべての憂ふる靈魂をなぐさむるなり

31:26編集

茲にわれ目を醒しみるに我眠は甘かりし

31:27編集

ヱホバいひたまふ視よ我が人の種と畜の種とをイスラエルの家とユダの家とに播く日いたらん

31:28編集

我彼らを拔き毀ち覆し滅し難さんとうかがひし如くまた彼らを建て植ゑんとうかがふべしとヱホバいひ給ふ

31:29編集

その時彼らは父が酸き葡萄を食ひしによりて兒子の齒齪くと再びいはざるべし

31:30編集

人はおのおの自己の惡によりて死なん凡そ酸き葡萄をくらふ人はその齒齪く

31:31編集

ヱホバいひたまふみよ我イスラエルの家とユダの家とに新しき契約を立つる日きたらん

31:32編集

この契約は我彼らの先祖の手をとりてエジプトの地よりこれを導きいだせし日に立しところの如きにあらず我かれらを娶りたれども彼らはその我契約を破れりとヱホバいひたまふ

31:33編集

然どかの日の後に我イスラエルの家に立んところの契約は此なり即ちわれ我律法をかれらの衷におきその心の上に錄さん我は彼らの神となり彼らは我民となるべしとヱホバいひたまふ

31:34編集

人おのおの其隣とその兄弟に敎へて汝ヱホバを識と復いはじそは小より大にいたるまで悉く我をしるべければなりとヱホバいひたまふ我彼らの不義を赦しその罪をまた思はざるべし

31:35編集

ヱホバかく言すなはち是日をあたへて晝の光となし月と星をさだめて夜の光となし海を激してその濤を鳴しむる者その名は萬軍のヱホバと言なり

31:36編集

ヱホバいひたまふもし此等の規律我前に廢らばイスラエルの子孫も我前に廢りて永遠も民たることを得ざるべし

31:37編集

ヱホバかくいひたまふ若し上の天量ることを得下の地の基探ることをえば我またイスラエルのすべての子孫を其もろもろの行のために棄べしヱホバこれをいふ

31:38編集

ヱホバいひたまふ視よ此邑ハナネルの塔より隅の門までヱホバの爲に建つ日きたらん

31:39編集

量繩ふたたび直ちにガレブの岡をこえゴアテの方に轉るべし

31:40編集

屍と灰の谷またケデロンの溪にいたるまでと東の方の馬の門の隅にいたるまでの諸の田地皆ヱホバの聖き處となり永遠におよぶまで再び拔れまた覆さるる事なかるべし

第32章編集

32:1編集

ユダの王ゼデキヤの十年即ちネブカデネザルの十八年の頃ヱホバの言ヱレミヤにのぞめり

32:2編集

その時バビロンの軍勢ヱルサレムを攻環み居て預言者ヱレミヤはユダの王の室にある獄の庭の内に禁錮られたり

32:3編集

ユダの王ゼデキヤ彼を禁錮ていひけるは汝何故に預言してヱホバかく云たまふといふや云く視よ我この邑をバビロン王の手に付さん彼之を取るべし

32:4編集

またユダの王ゼデキヤはカルデヤ人の手より脱れず必ずバビロン王の手に付され口と口とあひ語り目と目あひ觀るべし

32:5編集

彼ゼデキヤをバビロンに携きゆかんゼデキヤはわが彼を顧る時まで彼處に居んとヱホバいひたまふ汝らカルデヤ人と戰ふとも勝ことを得じと

32:6編集

ヱレミヤいふヱホバの言われに臨みていはく

32:7編集

みよ汝の叔父シヤルムの子ハナメル汝にきたりていはん汝アナトテに在るわが田地を買へそは之を贖ふ事は汝の分なればなりと

32:8編集

かくてヱホバの言のごとく我叔父の子ハナメル獄の庭にて我に來り云けるは願くは汝ベニヤミンの地のアナトテに在るわが田地を買へそは之を嗣ぎこれを贖ふことは汝の分なれば汝みつからこれを買ひとれとここに於てわれ此はヱホバの言なりと知りたれば

32:9編集

我叔父の子ハナメルがアナトテにもてる田地をかひて彼に銀十七シケルを稱てあたふ

32:10編集

すなはち我その契劵を書てこれに封印し證人をたて權衡をもて銀を稱て與ふ

32:11編集

而してわれその約定をのするところの封印せし買劵とその開きたるものを取り

32:12編集

わが叔父の子ハナメルと買劵に印せし證人の前および獄の庭に坐するユダ人の前にてその買劵をマアセヤの子なるネリヤの子バルクに與へ

32:13編集

彼らの前にてわれバルクに命じていひけるは

32:14編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かく云たまふ汝これらの契劵すなはち此買劵の封印せし者と開きたるものを取り之を瓦器の中に貯へて多くの日の間保たしめよ

32:15編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふそは此地に於て人復屋と田地と葡萄園を買ふにいたらんと

32:16編集

われ買契をネリヤの子バルクに付せしのちヱホバに祈りて云ひけるは

32:17編集

嗚呼主ヱホバよ汝はその大なる能力と伸たる腕をもて天と地を造りたまへり汝には爲す能はざるところなし

32:18編集

汝は恩寵を千萬人に施し又父の罪をその後の子孫の懷に報いたまふ汝は大なる全能の神にいまして其名は萬軍のヱホバとまうすなり

32:19編集

汝の謀略は大なり汝は事をなすに能あり汝の目は人のこどもらの諸の途を鑒はしおのおのの行に循ひその行爲の果によりて之に報いたまふ

32:20編集

汝休徴と奇跡をエジプトの地に行ひたまひて今日にまでいたるまたイスラエルと他の民の中にも然りかくして今日のごとくに汝の名を揚たまへり

32:21編集

汝は休徴と奇跡と強き手と伸たる腕と大なる怖しき事をもて汝の民イスラエルをエジプトの地より導きいだし

32:22編集

この地を彼らにたまへり是即ち汝がかれらの先祖等に與へんと誓ひたまひし乳と蜜の流るる地なり

32:23編集

彼等すなはち入てこれを獲たりしかども汝の聲に遵はず汝の例典を行はず凡て汝がなせと命じたまひし事を爲ざりしによりて汝この災を其上にくだらしむ

32:24編集

みよ壘成れり是この邑を取んとて來れるなり劍と饑饉と疫病のためにこの邑は之を攻むるカルデヤ人の手に付さる汝のいひたまひしことば旣に成れり汝之を見たまふなり

32:25編集

主ヱホバよ汝われに銀をもて田地を買へ證人を立よといひたまへり然るにこの邑はカルデヤ人の手に付さる

32:26編集

時にヱホバの言ヱレミヤに臨みていふ

32:27編集

みよ我はヱホバなりすべて血氣ある者の神なり我に爲す能はざるところあらんや

32:28編集

故にヱホバかくいふ視よわれ此邑をカルデヤ人の手とバビロンの王ネブカデネザルの手に付さん彼これを取るべし

32:29編集

この邑を攻るところのカルデヤ人きたり火をこの邑に放ちて之を焚ん屋蓋のうへにて人がバアルに香を焚き他の神に酒をそそぎて我を怒らせしその屋をも彼ら亦焚ん

32:30編集

そはイスラエルの子孫とユダの子孫はその幼少時よりわが前に惡き事のみをなしまたイスラエルの民はその手の作爲をもて我をいからする事のみをなしたればなりヱホバ之をいふ

32:31編集

此邑はその建し日より今日にいたるまで我震怒を惹き我憤恨をおこすところの者なれば我前よりわれ之を除かんとするなり

32:32編集

こはイスラエルの民とユダの民諸の惡を行ひて我を怒らせしによりてなり彼らその王等その牧伯等その祭司その預言者およびユダの人々とヱルサレムに住る者皆然なせり

32:33編集

彼ら背を我にむけて面を我にむけずわれ彼らををしへ頻に敎ふれどもかれらは敎をきかずしてうけざるなり

32:34編集

彼らは憎むべき物をわが名をもて稱へらるる室にたてて之を汚し

32:35編集

又ベンヒンノムの谷にあるバアルの崇邱を築きその子女をモロクに献げたりわれは彼らにこの憎むべきことを行ひてユダに罪を犯さしむることを命ぜず斯る事は我心におこらざりしなり

32:36編集

いまイスラエルの神ヱホバこの邑すなはち汝らが劍と饑饉と疫病のためにバビロン王の手に付されんといひしところの邑につきて斯いひたまふ

32:37編集

みよわれ我震怒と憤恨と大なる怒をもて彼らを逐やりし諸の國より彼らを集め此處に導きかへりて安然に居らしめん

32:38編集

彼らは我民となり我は彼らの神とならん

32:39編集

われ彼らに一の心と一の途をあたへて常に我を畏れしめんこは彼らと其子孫とに福をえせしめん爲なり

32:40編集

われ彼らを棄ずして恩を施すべしといふ永遠の契約をかれらにたて我を畏るるの畏をかれらの心におきて我を離れざらしめん

32:41編集

われ悦びて彼らに恩を施し心を盡し精神をつくして誠に彼らを此地に植べし

32:42編集

ヱホバかくいひたまふわれ此諸の大なる災をこの民に降せしごとくわがかれらに言し諸の福を彼等に降さん

32:43編集

人衆この地に田野を買はん是汝等が荒て人も畜もなきにいたりカルデヤ人の手に付されしといへる地なり

32:44編集

人衆ベニヤミンの地とヱルサレムの四周とユダの邑々と山の邑々と平地の邑々と南の方の邑々において銀をもて田野をかひ契劵を書きてこれに封印し又證人をたてんそは我かの俘囚者を歸らしむればなりとヱホバいひたまふ

第33章編集

33:1編集

ヱレミヤ尚獄の庭に禁錮られてをる時ヱホバの言ふたたび彼に臨みていふ

33:2編集

事をおこなふヱホバ事をなして之を成就るヱホバ其名をヱホバと名る者かく言ふ

33:3編集

汝我に龢求めよわれ汝に應へん又汝が知ざる大なる事と祕密たる事とを汝に示さん

33:4編集

イスラエルの神ヱホバ壘と劍によりて毀たれたる此邑の室とユダの王の室につきてかくいひ給ふ

33:5編集

彼らカルデヤ人と戰はんとて來る是には我震怒と憤恨をもて殺すところの人々の屍體充るにいたらん我かれらの諸の惡のためにわが面をこの邑に蔽ひかくせり

33:6編集

視よわれ卷布と良藥をこれに持きたりて人々を醫し平康と眞實の豐厚なるをこれに示さん

33:7編集

我ユダの俘囚人とイスラエルの俘囚人を歸らしめ彼らを建て從前のごとくになすべし

33:8編集

われ彼らが我にむかひて犯せし一切の罪を潔め彼らが我にむかひて犯し且行ひし一切の罪を赦さん

33:9編集

此邑は地のもろもろの民の中において我がために欣喜の名となり頌美となり榮耀となるべし彼等はわが此民にほどこすところの諸の恩惠を聞ん而してわがこの邑にほどこすところの諸の恩惠と諸の福祿のために發振へ且身を動搖さん

33:10編集

ヱホバかくいひ給へり汝らが荒れて人もなく畜もなしといひしこの處即ち荒れて人もなく住む者もなく畜もなきユダの邑とヱルサレムの街に

33:11編集

再び欣喜の聲 歡樂の聲 新娶者の聲 新婦の聲および萬軍のヱホバをあがめよヱホバは善にしてその矜恤は窮なしといひて其感謝の祭物をヱホバの室に携ふる者の聲聞ゆべし蓋われこの地の俘囚人を返らしめて初のごとくになすべければなりヱホバ之をいひたまふ

33:12編集

萬軍のヱホバかくいひたまふ荒れて人もなく畜もなきこの處と其すべての邑々に再び牧者のその群を伏しむる牧場あるにいたらん

33:13編集

山の邑と平地の邑と南の方の邑とベニヤミンの地とヱルサレムの四周とユダの邑において群ふたたびその之を核ふる者の手の下を過らんとヱホバいひたまふ

33:14編集

ヱホバ言たまはく視よ我イスラエルの家とユダの家に語りし善言を成就ぐる日きたらん

33:15編集

その日その時にいたらばわれダビデの爲に一の義き枝を生ぜしめん彼は公道と公義を地に行ふべし

33:16編集

その日ユダは救をえヱルサレムは安らかに居らんその名はヱホバ我儕の義と稱へらるべし

33:17編集

ヱホバかくいひたまふイスラエルの家の位に坐する人ダビデに缺ることなかるべし

33:18編集

また我前に燔祭をささげ素祭を燃し恒に犠牲を献ぐる人レビ人なる祭司に絕ざるべし

33:19編集

ヱホバのことばヱレミヤに臨みていふ

33:20編集

ヱホバかくいふ汝らもし我晝につきての契約と我夜につきての契約を破りてその時々に晝も夜もなからしむることをえば

33:21編集

僕ダビデに吾が立し契約もまた破れその子はかれの位に坐して王となることをえざらんまたわが我に事ふるレビ人なる祭司に立し契約も破れん

33:22編集

天の星は數へられず濱の沙は量られずわれその如く我僕ダビデの裔と我に事ふるレビ人を增ん

33:23編集

ヱホバの言またヱレミヤに臨みていふ

33:24編集

汝この民の語りてヱホバはその選みし二の族を棄たりといふを聞ざるか彼らはかく我民を藐じてその眼にこれを國と見なさざるなり

33:25編集

ヱホバかくいひ給ふもしわれ晝と夜とについての契約を立ずまた天地の律法を定めずば

33:26編集

われヤコブと我僕ダビデとの裔をすてて再びかれの裔の中よりアブラハム、イサク、ヤコブの裔を治むる者を取ざるべし我その俘囚し者を返らしめこれを恤れむべし

第34章編集

34:1編集

バビロンの王ネブカデネザルその全軍および己の手の下に屬するところの地の列國の人および諸の民を率てヱルサレムとその諸邑を攻めて戰ふ時ヱホバの言ヱレミヤに臨みていふ

34:2編集

イスラエルの神ヱホバかくいふ汝ゆきてユダの王ゼデキヤに告ていふべしヱホバかくいひたまふ視よわれ此邑をバビロン王の手に付さん彼火をもてこれを焚べし

34:3編集

汝はその手を脱れず必ず擒へられてこれが手に付されん汝の目はバビロン王の目をみ又かれの口は汝の口と語ふべし汝はバビロンにゆくにいたらん

34:4編集

然どユダの王ゼデキヤよヱホバの言をきけヱホバ汝の事につきてかくいひたまふ汝は劍に死じ

34:5編集

汝は安らかに死なん民は汝の先祖たる汝の先の王等の爲に香を焚しごとく汝のためにも香を焚き且汝のために嘆て嗚呼主よといはん我この言をいふとヱホバいひたまふ

34:6編集

預言者エレミヤすなはち此言をことごとくヱルサレムにてユダの王ゼデキヤにつげたり

34:7編集

時にバビロン王の軍勢はヱルサレムおよび存れるユダの諸の邑を攻めラキシとアゼカを攻て戰ひをる其はユダの諸邑のうちに是等の城の邑尚存りゐたればなり

34:8編集

ゼデキヤ王ヱルサレムに居る諸の民と契約を立てて彼らに釋放の事を宣示せし後ヱホバの言ヱレミヤに臨めり

34:9編集

その契約はすなはち人をしておのおの其僕婢なるヘブルの男女を釋たしめその兄弟なるユダヤ人を奴隸となさざらしむる者なりき

34:10編集

この契約をなせし牧伯等とすべての民は人おのおのその僕婢を釋ちて再び之を奴隸となすべからずといふをききて遂にそれに聽したがひてこれを釋ちしが

34:11編集

後に心をひるがへしてその釋ちし僕婢をひきかへりて再び之を伏從はしめて僕婢となせり

34:12編集

是故にヱホバの言ヱホバよりヱレミヤにのぞみて云

34:13編集

イスラエルの神ヱホバかくいふ我汝らの先祖をエジプトの地その奴隸たりし宅より導きいだせし時彼らと契約を立ていひけらく

34:14編集

汝らの兄弟なるヘブル人の身を汝らに賣たる者をば七年の終に汝らおのおのこれを釋つべし彼六年汝につかへたらば之を釋つべしと然るに汝らの先祖等は我に聽ず亦その耳を傾けざりし

34:15編集

然ど汝らは今日心をあらためておのおの其鄰人に釋放の事を示してわが目に正とみゆる事を行ひ且我名をもて稱へらるる室に於て我前に契約を立たり

34:16編集

然るに汝ら再び心をひるがへして我名を汚し各自釋ちて其心に任せしめたる僕婢をひき歸り再び之を伏從はしめて汝らの僕婢となせり

34:17編集

この故にヱホバかくいひたまふ汝ら我に聽ておのおの其兄弟とその鄰に釋放の事を示さざりしによりて視よわれ汝らの爲に釋放を示して汝らを劍と饑饉と疫病にわたさん我汝らをして地の諸の國にて艱難をうけしむべし

34:18編集

ヱホバこれを云ふ犢を兩にさきて其二個の間を過り我前に契約をたてて却つて其言に從はずわが契約をやぶる人々

34:19編集

即ち兩に分ちし犢の間を過りしユダの牧伯等ヱルサレムの牧伯等と寺人と祭司とこの地のすべての民を

34:20編集

われ其敵の手とその生命を索る者の手に付さんその屍體は天空の鳥と野の獸の食物となるべし

34:21編集

且われユダの王ゼデキヤとその牧伯等をその敵の手其生命を索むる者の手汝らを離れて去しバビロン王の軍勢の手に付さん

34:22編集

ヱホバいひたまふ視よ我彼らに命じて此邑に歸らしめん彼らこの邑を攻て戰ひ之を取り火をもて焚くべしわれユダの諸邑を住人なき荒地となさん

第35章編集

35:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの時ヱレミヤにのぞみしヱホバの言いふ

35:2編集

汝レカブ人の家に往て彼らとかたり彼らをヱホバの室の一房に携きたりて酒をのませよと

35:3編集

是に於てわれハバジニヤの子なるヱレミヤの子ヤザニヤとその兄弟とその諸子およびレカブ人の全家を取り

35:4編集

これをヱホバの室にあるハナンの諸子の房につれきたれりハナンはイグダリヤの子にして神の人なり其房は牧伯等の房の次にして門を守るシヤレムの子マアセヤの房のうへに在り

35:5編集

我すなはちレカブ人の家の諸子の前に酒を滿したる壺と杯を置き彼らに告て汝ら酒を飮めといひければ

35:6編集

彼らこたへけるは我儕は酒をのまず蓋レカブの子なる我らの先祖ヨナダブ我らに命じて汝等と汝らの子孫はいつまでも酒をのむべからず

35:7編集

また汝ら屋を建ず種をまかず葡萄園を植ざれ亦これを有べからず汝らの生存ふるあひだ幕屋にをれ然らば汝らが寄寓ところの地に於て汝らの生命長からんと云たればなり

35:8編集

斯我らはレカブの子なるわれらの先祖ヨナダブの凡て命ぜし言に遵ひて我儕とわれらの妻と子女は生存ふるあひだ酒を飮ず

35:9編集

我らは住べき屋を建てず葡萄園も田野も種も有ずして

35:10編集

幕屋にをりすべて我儕の先祖ヨナダブが我らに命ぜしごとく行へり

35:11編集

然どバビロンの王ネブカデネザルがこの地に上り來りしとき我ら云けるは我らカルデヤ人の軍勢とスリア人の軍勢を畏るれば去來ヱルサレムにゆかんとすなはち我らはヱルサレムに住へり

35:12編集

時にヱホバの言ヱレミヤにのぞみていふ

35:13編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ汝ゆきてユダの人々とヱルサレムに住る者とに告よヱホバいひたまふ汝らは我言を聽て敎を受ざるか

35:14編集

レカブの子ヨナダブがその子孫に酒をのむべからずと命ぜし言は行はる彼らは今日に至るまで酒をのまず其先祖の命令に遵ふなり然るに汝らは吾汝らに語り頻りに語れども我にきかざるなり

35:15編集

我また我僕なる預言者たちを汝らに遣し頻りにこれを遣していはせけるは汝らいまおのおの其惡き道を離れて歸り汝らの行をあらためよ他の神に從ひて之に奉ふる勿れ然ば汝らはわが汝らと汝らの先祖に與へたるこの地に住ことをえんと然ど汝らは耳を傾けず我にきかざりき

35:16編集

レカブの子ヨナダブの子孫はその先祖が彼らに命ぜしところの命令に遵ふなり然ど此民は我に聽ず

35:17編集

この故に萬軍の神ヱホバ、イスラエルの神かくいふ視よわれユダとヱルサレムに住る者とに我彼らにつきていひし所の災を降さん我かれらに語れども聽ずかれらを召ども應へざればなり

35:18編集

茲にヱレミヤ、レカブ人の家にいひけるは萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝らはその先祖ヨナダブの命に遵ひその凡の誡を守り彼が汝らに命ぜしことを行ふ

35:19編集

是によりて萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふレカブの子ヨナダブには我前に立つ人いつまでも缺ることあらじ

第36章編集

36:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの四年にこの言ヱホバよりヱレミヤに臨みていふ

36:2編集

汝卷物をとり我汝に語りし日即ちヨシヤの日より今日に至るまでイスラエルとユダと萬國とにつきてわが汝に語りしすべての言を之に錄せ

36:3編集

ユダの家わが降さんと擬るところの災をききて各自その惡き途をはなれて轉ることもあらん然ばわれ其愆とその罪を赦すべし

36:4編集

是に於てヱレミヤ、ネリヤの子バルクを召べりバルクすなはちヱレミヤの口にしたがひヱホバの彼に告たまひし言をことごとく卷物に錄せり

36:5編集

ヱレミヤ、バルクに云ひけるはわれは禁錮られたればヱホバの室に往くことを得ず

36:6編集

故に汝ゆきて汝が我の口にしたがひて卷物に錄したるヱホバの言をよみ斷食の日にヱホバの室に於て民の耳にこれを聽しめよまた之を讀みてユダの人々のその邑々より來れる者の耳に聽しむべし

36:7編集

彼らヱホバの前にその祈禱を献り各自其惡き途をはなれて轉ることもあらんヱホバの此民につきてのべたまひし怒と憤は大なり

36:8編集

斯てネリヤの子バルクは凡て預言者ヱレミヤが己に命ぜしごとくヱホバの室にてその卷物よりヱホバの言を讀り

36:9編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの五年九月ヱルサレムの諸の民およびユダの諸邑よりヱルサレムに來れる諸の民にヱホバの前に斷食を行ふべきこと宣示さる

36:10編集

バルク、ヱホバの室の上庭に於てヱホバの室の新しき門の入口の旁にあるシヤパンの子なる書記ゲマリヤの房にてその書よりヱレミヤの言を民に讀きかせたり

36:11編集

シヤパンの子なるゲマリヤの子ミカヤその書のヱホバの言を盡くききて

36:12編集

王の宮にある書記の房にくだりいたるに諸の牧伯等即ち書記エリシヤマ、シマヤの子デラヤ、アカボルの子エルナタン、シヤパンの子ゲマリヤ、ハナニヤの子ゼデキヤおよび諸の牧伯等そこに坐せり

36:13編集

ミカヤ、バルクが書を讀て民の耳に聽せしときに己が聽しところのすべての言を彼らに告ければ

36:14編集

牧伯等クシの子シレミヤの子なるネタニヤの子エホデをバルクに遣はしていはせけるは汝が民に讀きかせしその卷物を手に取て來れとネリヤの子バルクすなはち手に卷物を取りて彼らの許にきたりたれば

36:15編集

彼らバルクにいひけるは請ふ坐して之を我らに讀きかせよとバルクすなはち彼らに讀聞せたり

36:16編集

彼らその諸の言をききて倶に懼れバルクにいひけるは我ら必ずこの諸の言を王に告んと

36:17編集

またバルクに問ていひけるは請ふ汝いかにこの諸の言をかれの口にしたがひて錄せしや我らに告よ

36:18編集

バルク答へけるは彼その口をもてこの諸の言を我に述べたればわれ墨をもて之を書に錄せり

36:19編集

牧伯等バルクにいひけるは汝ゆきてヱレミヤとともに身を匿し在所を人に知しむべからずと

36:20編集

すなはち卷物を書記エリシヤマの房に置きて庭にいり王に詣りてこの諸の言を王につげければ

36:21編集

王その卷物を持來らせんとてヱホデを遣せりヱホデすなはち書記エリシヤマの房より卷物を取來りて之を王と王の側に立るすべての牧伯等に讀みきかせたり

36:22編集

時は九月にして王冬の室に坐せり其前に火の燃る爐あり

36:23編集

ヱホデ三枚か四枚を讀けるとき王小刀をもてその卷物を切割き爐の火に投いれて之を盡く爐の火に焚り

36:24編集

王とその臣僕等はこの諸の言をきけども懼れず亦その衣を裂ざりき

36:25編集

エルナタン、デラヤ、ゲマリヤ等王にその卷物を焚たまふ勿れと求めたれども聽ざりき

36:26編集

王ハンメレクの子ヱラメルとアヅリエルの子セラヤとアブデルの子セレミヤに書記バルクと預言者ヱレミヤを執へよと命ぜしがヱホバかれらを匿したまへり

36:27編集

王卷物およびバルクがヱレミヤの口にしたがひて記せし言を焚しのちヱホバの言ヱレミヤに臨みていふ

36:28編集

汝また他の卷物をとりユダの王ヱホヤキムが焚しところの前の卷物の中の言をことごとく其に錄せ

36:29編集

汝またユダの王ヱホヤキムに告よヱホバかくいふ汝かの卷物を焚ていへり汝何なれば此卷物に錄してバビロンの王必ず來りてこの地を滅し此に人と畜を絕さんと云しやと

36:30編集

この故にヱホバ、ユダの王ヱホヤキムにつきてかくいひ給ふ彼にはダビデの位に坐する者無にいたらん且かれの屍は棄られて晝は熱氣にあひ夜は寒氣にあはん

36:31編集

我また彼とその子孫とその臣僕等をその惡のために罰せんまた彼らとヱルサレムの民とユダの人々には我わが彼らにつきて語りしかども彼らが聽ことをせざりし所の禍を降すべし

36:32編集

是に於てヱレミヤ他の卷物を取てネリヤの子書記バルクにあたふバルクすなはちユダの王ヱホヤキムが火に焚たるところの書の諸の言をヱレミヤの口にしたがひて之に錄し外にまた斯る言を多く之に加へたり

第37章編集

37:1編集

ヨシヤの子ゼデキヤ、ヱホヤキムの子コニヤに代りて王となるバビロンの王ネブカデネザル彼をユダの地に王となせしなり

37:2編集

彼もその臣僕等もその地の人々もヱホバが預言者ヱレミヤによりて示したまひし言を聽ざりき

37:3編集

ゼデキヤ王シレミヤの子ユカルとマアセヤの子祭司ゼパニヤを預言者ヱレミヤに遣して請ふ汝我らの爲に我らの神ヱホバに祈れといはしむ

37:4編集

ヱレミヤは民の中に出入せりそはいまだ獄に入られざればなり

37:5編集

パロの軍勢のエジプトより來りしかばヱルサレムを攻圍みたるカルデヤ人は其音信をききてヱルサレムを退けり

37:6編集

時にヱホバの言預言者ヱレミヤにのぞみていふ

37:7編集

イスラエルの神ヱホバかくいふ汝らを遣して我に求めしユダの王にかくいへ汝らを救はんとて出きたりしパロの軍勢はおのれの地エジプトへ歸らん

37:8編集

カルデヤ人再び來りてこの邑を攻て戰ひこれを取り火をもて焚べし

37:9編集

ヱホバかくいふ汝らカルデヤ人は必ず我らをはなれて去んといひて自ら欺く勿れ彼らは去ざるべし

37:10編集

設令汝らおのれを攻て戰ふところのカルデヤ人の軍勢を悉く撃ちやぶりてその中に負傷人のみを遺すとも彼らはおのおの其幕屋に起ちあがり火をもて此邑を焚かん

37:11編集

茲にカルデヤ人の軍勢パロの軍勢を懼れてヱルサレムを退きければ

37:12編集

ヱレミヤ、ベニヤミンの地にて民の中にその分を分ち取らんとてヱルサレムを出でてかの地に行きしが

37:13編集

ベニヤミンの門にいりし時そこにハナニヤの子シレミヤの子なるイリヤと名くる門守をり預言者ヱレミヤを執へて汝はカルデヤ人に降るなりといふ

37:14編集

ヱレミヤいひけるは詐なり我はカルデヤ人に降るにあらずと然どイリヤこれを聽ずヱレミヤを執へて侯伯等の許に引ゆけり

37:15編集

侯伯等すなはち怒りてヱレミヤを撻ちこれを書記ヨナタンの室の獄にいれたり蓋この室を獄となしたればなり

37:16編集

ヱレミヤ獄にいり土牢に入りてそこに多の日を送りしのち

37:17編集

ゼデキヤ王人を遣して彼をひきいださしむ而して王室にて竊にかれにいひけるはヱホバより臨める言あるやとヱレミヤ答へていひけるは有り汝はバビロン王の手に付されん

37:18編集

ヱレミヤまたゼデキヤ王にいひけるは我汝あるいは汝の臣僕或はこの民に何なる罪を犯したれば汝ら我を獄にいれしや

37:19編集

汝らに預言してバビロンの王は汝らにも此地にも攻來らじといひし汝らの預言者はいま何處にあるや

37:20編集

されば王わが君よ願くはいま我に聽たまへ請ふわが願望を受納れ給へ我を書記ヨナタンの家に歸らしめたまふなかれ恐らくは我彼處に死なんと

37:21編集

是においてゼデキヤ王命じてヱレミヤを獄の庭にいれしめ且邑のパンの悉く盡るまでパンを製る者の街より日々に一片のパンを彼に與へしむ即ちヱレミヤは獄の庭にをる

第38章編集

38:1編集

マツタンの子シパテヤ、パシユルの子ゲダリヤ、シレミヤの子ユカル、マルキヤの子パシユル、ヱレミヤがすべての民に告たるその言を聞り

38:2編集

云くヱホバかくいひたまふこの邑に留まるものは劍と饑饉と疫病に死べし然どいでてカルデヤ人に降る者は生んすなはちその生命をおのれの掠取物となして生べし

38:3編集

ヱホバかくいひたまふこの邑は必ずバビロン王の軍勢の手に付されん彼之を取べしと

38:4編集

是をもてかの牧伯等王にいひけるは請ふこの人を殺したまへ彼はかくの如き言をのべて此邑に遺れる兵卒の手と民の手を弱くす夫人は民の安を求めずして其害を求むるなりと

38:5編集

ゼデキヤ王いひけるは視よ彼は汝らの手にあり王は汝らに逆ふこと能はざるなりと

38:6編集

彼らすなはちヱレミヤを取て獄の庭にあるハンメレクの子マルキヤの阱に投いる即ち索をもてヱレミヤを縋下せしがその阱は水なくして汚泥のみなりければヱレミヤは汚泥のなかに沈めり

38:7編集

王の室の寺人エテオピア人エベデメレク彼らがヱレミヤを阱になげいれしを聞り時に王ベニヤミンの門に坐しゐたれば

38:8編集

エベデメレク王の室よりいでゆきて王にいひけるは

38:9編集

王わが君よかの人々が預言者ヱレミヤに行ひし事は皆好らず彼らこれを阱になげ入たり邑の中に食物なければ彼はその居るところに餓死せん

38:10編集

王エテオピヤ人エベデメレクに命じていひけるは汝ここより三十人を携へゆきて預言者ヱレミヤをその死ざる先にを阱より曳あげよ

38:11編集

エベデメレクすなはちその人々を携へて王の室の庫の下にいり其處より破れたる舊き衣の布片をとり索をもてこれをを阱にをるヱレミヤの所に縋下せり

38:12編集

而してエテオピア人エベデメレク、ヱレミヤに告て汝この破れたる舊き衣の布片を汝の腋の下にはさみて索に當よと云ければヱレミヤ然なせり

38:13編集

彼らすなはち索をもてヱレミヤを阱より曳あげたりヱレミヤは獄の庭にをる

38:14編集

かくてゼデキヤ王人を遣はして預言者ヱレミヤをヱホバの室の第三の門につれきたらしめ王ヱレミヤにいひけるは我汝に問ことあり毫もわれに隱す勿れ

38:15編集

ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは我もし汝に示さば汝かならず我を殺さざらんや假令われ汝を勸むるとも汝われに聽じ

38:16編集

ゼデキヤ王密にヱレミヤに誓ひていひけるは我らにこの靈魂を造りあたへしヱホバは活く我汝を殺さず汝の生命を索むる者の手に汝を付さじ

38:17編集

ヱレミヤ、ゼデキヤにいひけるは萬軍の神イスラエルの神ヱホバかくいひたまふ汝もしまことにバビロン王の牧伯等に降らば汝の生命活んまた此邑は火にて焚れず汝と汝の家の者はいくべし

38:18編集

然ど汝もし出てバビロンの王の牧伯等に降らずば此邑はカルデヤ人の手に付されん彼らは火をもて之を焚ん汝はその手を脱れざるべし

38:19編集

ゼデキヤ王ヱレミヤに云けるは我カルデヤ人に降りしところのユダ人を恐る恐くはカルデヤ人我をかれらの手に付さん彼ら我を辱しめん

38:20編集

ヱレミヤいひけるは彼らは汝を付さじ願くはわが汝に告しヱホバの聲に聽したがひたまへさらば汝祥をえん汝の生命いきん

38:21編集

然ど汝もし降ることを否まばヱホバこの言を我に示し給ふ

38:22編集

すなはちユダの王の室に遺れる婦は皆バビロンの王の牧伯等の所に曳いだされん其婦等いはん汝の朋友等は汝を誘ひて汝に勝り汝の足は泥に沈む彼らは退き去る

38:23編集

汝の妻たちと汝の子女等はカルデヤ人の所に曳出されん汝は其手を脱れじバビロンの王の手に執へられん汝此邑をして火に焚しめん

38:24編集

ゼデキヤ、ヱレミヤにいひけるは汝この事を人に知する勿れさらば汝殺されじ

38:25編集

もし牧伯等わが汝と語りしことを我儕に告げよ我らに隱す勿れ然ば我ら汝を殺さじ又王の汝に語りしことを告よといはば

38:26編集

汝彼らに答へて我王に求めて我をヨナタンの家に歸して彼處に死しむること勿れといへりといふべし

38:27編集

かくて牧伯等ヱレミヤにきたりて問けるに彼王の命ぜし言のごとく彼らに告たればその事露はれざりき是をもて彼ら彼とものいふことを罷たり

38:28編集

ヱレミヤはヱルサレムの取るる日まで獄の庭に居りしがヱルサレムの取れし時にも彼處にをれり

第39章編集

39:1編集

ユダの王ゼデキヤの九年十月バビロンの王ネブカデネザルその全軍をひきゐヱルサレムにきたりて之を攻圍みけるが

39:2編集

ゼデキヤの十一年四月九日にいたりて城邑破れたれば

39:3編集

バビロンの王の牧伯等即ちネルガルシヤレゼル、サムガルネボ 寺人の長サルセキム 博士の長ネルガルシヤレゼルおよびバビロンの王のその外の牧伯等皆ともに入て中の門に坐せり

39:4編集

ユダの王ゼデキヤおよび兵卒ども之を見て逃げ夜の中に王の園の途より兩の石垣の間の門より邑をいでてアラバの途にゆきしが

39:5編集

カルデヤ人の軍勢これを追ひヱリコの平地にてゼデキヤにおひつき之を執へてハマテの地リブラにをるバビロンの王ネブカデネザルの許に曳ゆきければ王かしこにて彼の罪をさだめたり

39:6編集

すなはちバビロンの王リブラにてゼデキヤの諸子をかれの目の前に殺せりバビロンの王またユダのすべての牧伯等を殺せり

39:7編集

王またゼデキヤの目を抉さしめ彼をバビロンに曳ゆかんとて銅索に縛げり

39:8編集

またカルデヤ人火をもて王の室と民の家をやき且ヱルサレムの石垣を毀てり

39:9編集

かくて侍衞の長ネブザラダンは邑の中に餘れる民とおのれに降りし者およびその外の遺れる民をバビロンに移せり

39:10編集

されど侍衞の長ネブザラダンはその時民の貧しくして所有なき者等をユダの地に遺し葡萄園と田地とをこれにあたへたり

39:11編集

爰にバビロンの王ネブカデネザル、ヱレミヤの事につきて侍衞の長ネブザラダンに命じていひけるは

39:12編集

彼を取りて善く待へよ害をくはふる勿れ彼が汝に云ふごとくなすべしと

39:13編集

是をもて侍衞の長ネブザラダン寺人の長ネブシヤスバン博士の長ネルガルシヤレゼルおよびバビロンの王の牧伯等

39:14編集

人を遣してヱレミヤを獄の庭よりたづさへ來らしめシヤパンの子アヒカムの子なるゲダリヤに付して之を家につれゆかしむ斯彼民の中に居る

39:15編集

ヱレミヤ獄の庭に禁錮られをる時ヱホバの言彼にのぞみていふ

39:16編集

汝ゆきてエテオピア人エベデメレクに告よ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふわれ我語しところの禍を此邑に降さん福はこれに降さじその日この事汝の目前にならん

39:17編集

ヱホバいひたまふその日にはわれ汝を救はん汝はその畏るるところの人衆の手に付されじ

39:18編集

われ必ず汝を救はん汝は劍をもて殺されじ汝の生命は汝の掠取物とならん汝われに倚賴めばなりとヱホバいひたまふ

第40章編集

40:1編集

侍衞の長ネブザラダンかのバビロンにとらへ移さるるヱルサレムとユダの人々の中にヱレミヤを鏈につなぎおきてこれを執へゆきけるが遂にこれを放ちてラマを去しめたりその後ヱホバの言ヱレミヤにのぞめり

40:2編集

茲に侍衞の長ヱレミヤを召てこれにいひけるは汝の神ヱホバ此處にこの災あらんことを言り

40:3編集

ヱホバこれを降しその云し如く行へり汝らヱホバに罪を犯しその聲に聽したがはざりしによりてこの事汝らに來りしなり

40:4編集

視よ我今日汝の手の鏈を解て汝を放つ汝もし我とともにバビロンにゆくことを善とせば來れわれ汝を善くあしらはん汝もし我と偕にバビロンにゆくを惡とせば留れ視よこの地は皆汝の前に在り汝の善とする所汝の心に合ふところに往べし

40:5編集

ヱレミヤいまだ答へざるに彼またいひけるは汝バビロンの王がユダの諸邑の上にたてて有司となせしシヤパンの子アヒカムの子なるゲダリヤの許に歸り彼とともに民の中に居れ或は汝の善とおもふところにゆくべしと侍衞の長彼に食糧と禮物をとらせて去しめたり

40:6編集

ヱレミヤすなはちミヅパに往きてアヒカムの子ゲダリヤに詣りその地に遺れる民のうちに彼と偕にをる

40:7編集

茲に田舍にある軍勢の長等および彼らに屬する人々バビロンの王がアヒカムの子ゲダリヤを立てこの地の有司となし男女嬰孩および國の中のバビロンに移されざる貧者を彼にあづけたることをききしかば

40:8編集

即ちネタニヤの子イシマエルとカレヤの子ヨハナンとヨナタンおよびタンホメテの子セラヤとネトパ人なるエパイの諸子と或マアカ人の子ヤザニヤおよび彼らに屬する人々ミヅパにゆきてゲダリヤの許にいたる

40:9編集

シヤパンの子アヒカムの子なるゲダリヤ彼らと彼らに屬する人々に誓ひていひけるは汝らカルデヤ人に事ることを怖るる勿れこの地に住てバビロンの王に事へなば汝ら幸幅ならん

40:10編集

我はミヅパに居り我らに來らんところのカルデヤ人に事へん汝らは葡萄酒と菓物と油とをあつめて之を器に蓄へ汝らが獲るところの諸邑に住めと

40:11編集

又モアブとアンモン人の中およびエドムと諸の邦にをるところのユダヤ人はバビロンの王がユダに人を遺したるシヤパンの子アヒカムの子なるゲダリヤを立てこれが有司となしたることを聞り

40:12編集

是においてそのユダヤ人皆その追やられし諸の處よりかへりてユダの地のミヅパに來りゲダリヤに詣れり而して多くの葡萄酒と菓物をあつむ

40:13編集

又カレヤの子ヨハナンおよび田舍にをりし軍勢の長たちミヅパにきたりてゲダリヤの許にいたり

40:14編集

彼にいひけるは汝アンモン人の王バアリスが汝を殺さんとてネタニヤの子イシマエルを遣せしを知るやと然どアヒカムの子ゲダリヤこれを信ぜざりしかば

40:15編集

カレヤの子ヨハナン、ミヅパにて密にゲダリヤに語りて言けるは請ふわれゆきて人知ずにネタニヤの子イシマエルを殺さんいかで彼汝を殺し汝に集れるユダ人を散しユダの遺れる者を滅すべけんやと

40:16編集

然るにアヒカムの子ゲダリヤ、カレヤの子ヨハナンにいひけるは汝この事をなすべからず汝イシマエルにつきて僞をいふなり

第41章編集

41:1編集

七月ごろ王の血統なるエリシヤマの子ネタニヤの子イシマエル王の十人の牧伯等とともにミヅパにゆきてアヒカムの子ゲダリヤにいたりミヅパにて偕に食をなせしが

41:2編集

ネタニヤの子イシマエルおよび偕にをりし十人の者起上りバビロンの王がこの地の有司となせしシヤパンの子アヒカムの子なるゲダリヤを刀にて殺せり

41:3編集

イシマエルまたミヅパにゲダリヤと偕にをりし諸のユダヤ人と彼處にをりしカルデヤ人の兵卒を殺したり

41:4編集

彼がゲダリヤを殺してより二日の後いまだ誰も之を知ざりし時

41:5編集

ある人八十人その鬚を薙り衣を裂き身に傷つけ手に素祭の物と香を携へてシケム、シロ、サマリヤよりきたりてヱホバの室にいたらんとせしかば

41:6編集

ネタニヤの子イシマエル、ミヅパよりいでて哭きつつ行て彼らを迎へ彼等に逢てアヒカムの子ゲダリヤの許に來れといへり

41:7編集

而して彼ら邑の中に入しときネタニヤの子イシマエル己と偕にある人々とともに彼らを殺してその屍を阱に投いれたり

41:8編集

但しその中の十人イシマエルにむかひ我らは田地に小麥 麰麥油および蜜を藏し有り我らをころすなかれと言たれば彼らをその兄弟と偕に殺さずして已ぬ

41:9編集

イシマエルがゲダリヤの名をもて殺せし人の屍を投入れし阱はアサ王がイスラエルの王バアシヤを怖れて鑿し阱なりネタニヤの子イシマエルその殺せし人々を之に充せり

41:10編集

イシマエルはミヅパに遺りをる諸の民即ち王の諸女と侍衞の長ネブザラダンがアヒカムの子ゲダリヤに交付しところのミヅパに遺れる諸の民とを擄にせりネタニヤの子イシマエルすなはち彼らを擄にしアンモン人に往んとて去れり

41:11編集

カレヤの子ヨハナンおよび彼と偕に在る軍勢の長たちネタニヤの子イシマエルの爲し諸の惡事を聞ければ

41:12編集

その衆卒を率てネタニヤの子イシマエルと戰はんとて出でギベオンの池の旁にて彼に遇ふ

41:13編集

イシマエルと偕に在る人々はカレヤの子ヨハナンおよび彼とともに在る軍勢の長たちを見て欣べり

41:14編集

是をもてイシマエルがミヅパより擄へきたりし所の人々身をめぐらしてカレヤの子ヨハナンの許にゆけり

41:15編集

ネタニヤの子イシマエルは八人の者と偕にヨハナンを避け逃てアンモン人に往り

41:16編集

カレヤの子ヨハナンおよび彼とともにある軍勢の長等はネタニヤの子イシマエルがアヒカムの子ゲダリヤを殺してミヅパより擄へゆけるところの彼遺れる民すなはち兵卒婦人兒女寺人等を其手より取りかへして之をギベオンより携かへりしが

41:17編集

進てエジプトにいたらんとてベツレヘムの近傍にあるキムハムの住處に往て留れり

41:18編集

こはネタニヤの子イシマエルがバビロンの王の此地の有司となしたるアヒカムの子ゲダリヤを殺せしによりカルデヤ人を懼たればなり

第42章編集

42:1編集

茲に軍勢の長たちおよびカレヤの子ヨハナンとホシャヤの子ヱザニヤ並に民の至微者より至大者にいたるまで

42:2編集

皆預言者ヱレミヤの許に來りて言けるは汝の前に我らの求の受納られんことを願ふ請ふ我ら遺れる者の爲に汝の神ヱホバに祈れ(今汝の目に見がごとく我らは衆多の中の遺れる者にして寡なり)

42:3編集

さらば汝の神ヱホバ我らの行むべき途となすべき事を示したまはん

42:4編集

預言者ヱレミヤ彼らに云けるは我汝らに聽り汝らの言に循ひて汝らの神ヱホバに祈らん凡そヱホバが汝らに應へたまふことはわれ隱す所なく汝らに告べし

42:5編集

彼らヱレミヤにいひけるは願くはヱホバ我儕の間にありて眞實なる信ずべき證者となりたまへ我らは汝の神ヱホバの汝を遣はして我らに告しめたまふ諸の事に遵ひて行ふべし

42:6編集

我らは善にまれ惡きにまれ我らが汝を遣すところの我らの神ヱホバの聲に遵はん斯我らの神ヱホバの聲に遵ひてわれら福をうけん

42:7編集

十日の後ヱホバの言ヱレミヤにのぞみしかば

42:8編集

ヱレミヤ、カレヤの子ヨハナンおよび彼と偕に在る軍勢の長たち並に民の至微者より至大者までを悉く招きて

42:9編集

これにいひけるは汝らが我を遣して汝らの祈を献げしめしところのイスラエルの神ヱホバかくいひ給ふ

42:10編集

汝らもし信に此地に留らばわれ汝らを建てて倒さず汝らを植て拔じそは我汝らに災を降せしを悔ればなり

42:11編集

ヱホバいひたまふ汝らが畏るるところのバビロンの王を畏るる勿れ彼をおそるる勿れわれ汝らとともにありて汝らを救ひ彼の手より汝らを拯ふべし

42:12編集

われ汝らを恤みまた彼をして汝らを恤ませ汝らを故土に歸らしめん

42:13編集

然ど汝らもし我らはこの地に留らじ汝らの神ヱホバの聲に遵はじと言ひ

42:14編集

また然りわれらはかの戰爭を見ず箛の聲をきかず食物に乏しからざるエジプトの地にいたりて彼處に住はんといはば

42:15編集

汝らユダの遺れる者よヱホバの言をきけ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝らもし強てエジプトにゆきて彼處に住はば

42:16編集

汝らが懼るるところの劍エジプトの地にて汝らに臨み汝らが恐るるところの饑饉エジプトにて汝らにおよばん而して汝らは彼處に死べし

42:17編集

凡そエジプトにおもむき至りて彼處に住はんとする人々は劍と饑饉と疫病に死べしその中には我彼らに降さんところの災を脱れて遺る者無るべし

42:18編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ我震怒と憤恨のヱルサレムに住る者に注ぎし如くわが憤恨汝らがエジプトにいらん時に汝らに注がん汝らは呪詛となり詫異となり罵詈となり凌辱とならん汝らは再びこの處を見ざるべしと

42:19編集

ユダの遺れる者よヱホバ汝らにつきていひたまへり汝らエジプトにゆく勿れと汝ら今日わが汝らを警めしことを確に知れ

42:20編集

汝ら我を汝らの神ヱホバに遣して言へり我らの爲に我らの神ヱホバに祈り我らの神ヱホバの汝に示したまふ事をことごとく我らに告よ我ら之を行はんと斯なんぢら自ら欺けり

42:21編集

われ今日汝らに告たれど汝らは汝らの神ヱホバの聲に遵はず汝らはヱホバが我を遣して命ぜしめたまひし事には都て遵はざりき

42:22編集

然ば汝らはその往て住んとねがふ處にて劍と饑饉と疫病に死ることを今確に知るべし

第43章編集

43:1編集

ヱレミヤ諸の民にむかひて其神ヱホバの言を盡く宣べその神ヱホバが己を遣して言しめたまへる其諸の言を宣をはりし時

43:2編集

ホシャヤの子アザリヤ、カレヤの子ヨハナンおよび驕る人皆ヱレミヤに語りていひけるは汝は謊をいふ我らの神ヱホバはエジプトにゆきて彼處に住む勿れと汝をつかはして云せたまはざるなり

43:3編集

ネリヤの子バルク汝を唆して我らに逆はしむ是我らをカルデヤ人の手に付して殺さしめバビロンに移さしめん爲なり

43:4編集

斯カレヤの子ヨハナンと軍勢の長等および民皆ヱホバの聲に遵はずしてユダの地に住ことをせざりき

43:5編集

斯てカレヤの子ヨハナンと軍勢の長等はユダに遺れる者即ちその逐やられし國々よりユダの地に住んとて皈りし者

43:6編集

男女嬰孩王の女たちおよび凡て侍衞の長ネブザラダンがシヤパンの子なるアヒカムの子ゲダリヤに付し置し者並に預言者ヱレミヤとネリヤの子バルクを取て

43:7編集

エジプトの地に至れり彼ら斯ヱホバの聲に遵はざりき而して遂にタパネスに至れり

43:8編集

ヱホバの言タパネスにてヱレミヤに臨みていふ

43:9編集

汝大なる石を手に取りユダの人々の目の前にてこれをタパネスに在るパロの室の入口の旁なる磚窰の泥土の中に藏して

43:10編集

彼らにいへ萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よわれ使者を遣はしてわが僕なるバビロンの王ネブカデネザルを召きその位をこの藏したる石の上に置しめん彼錦繡をその上に敷べし

43:11編集

かれ來りてエジプトの地を撃ち死に定まれる者を死しめ虜に定まれる者を虜にし劍に定まれる者を劍にかけん

43:12編集

われエジプトの諸神の室に火を燃さんネブカデネザル之を焚きかれらを虜にせん而して羊を牧ふ者のその身に衣を纒ふがごとくエジプトの地をその身に纒はん彼安然に其處をさるべし

43:13編集

彼はエジプトの地のベテシメシの偶像を毀ち火をもてエジプト人の諸神の室を焚べし

第44章編集

44:1編集

エジプトの地に住るところのユダの人衆すなはちミグドル、タパネス、ノフ、パテロスの地に住る者の事につきてヱレミヤに臨みし言に曰く

44:2編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ汝らは我ヱルサレムとユダの諸邑に降せしところの災をみたり視よこれらは今日すでに空曠となりて住む人なし

44:3編集

こは彼ら惡をなして我を怒らせしによる即ちかれらは己も汝らも汝らの先祖等も識ざるところの他の神にゆきて香を焚き且これに奉へたり

44:4編集

われ我僕なる預言者たちを汝らに遣し頻にこれを遣して請ふ汝らわが嫌ふところの此憎むべき事を行ふ勿れといはせけるに

44:5編集

彼ら聽かず耳を傾けず他の神に香を焚きてその惡を離れざりし

44:6編集

是によりて我震怒とわが憤恨ユダの諸邑とヱルサレムの街にそそぎて之を焚たれば其等は今日のごとく荒れかつ傾圮たり

44:7編集

萬軍の神イスラエルの神ヱホバいまかくいふ汝ら何なれば大なる惡をなして己の靈魂を害しユダの中より汝らの男と女と孩童と乳哺子を絕て一人も遺らざらしめんとするや

44:8編集

何なれば汝ら其手の行爲をもて我を怒らせ汝らが往て住ふところのエジプトの地に於て他の神に香を焚きて己の身を滅し地の萬國の中に呪詛となり凌辱とならんとするや

44:9編集

ユダの地とヱルサレムの街にて行ひし汝らの先祖等の惡ユダの王等の惡其妻等の惡および汝らの身の惡汝らの妻等の惡を汝ら忘れしや

44:10編集

彼らは今日にいたるまで悔いずまた畏れず汝らと汝らの先祖等の前に立たる我律法とわが典例に循ひて行まざるなり

44:11編集

是故に萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいふ視よわれ面を汝らにむけて災を降しユダの人衆を悉く絕ん

44:12編集

又われエジプトの地にすまんとてその面をこれにむけて往しところの彼ユダの遺れる者を取らん彼らは皆滅されてエジプトの地に仆れん彼らは劍と饑饉に滅され微者も大者も劍と饑饉によりて死べし而して呪詛となり詫異となり罵詈となり凌辱とならん

44:13編集

われヱルサレムを罰せし如く劍と饑饉と疫病をもてエジプトに住る者を罰すべし

44:14編集

是をもてエジプトの地に往て彼處に住るところのユダの遺れる者の中に一人も逃れまたは遺りてその心にしたひて歸り住はんとねがふところのユダの地に歸るもの無るべし逃るる者の外には歸る者無るべし

44:15編集

是に於てその妻が香を他の神に焚しことを知れる人々および其處に立てる婦人等の大なる群衆並にエジプトの地のパテロスに住るところの民ヱレミヤに答へて云けるは

44:16編集

汝がヱホバの名をもてわれらに述し言は我ら聽かじ

44:17編集

我らは必ず我らの口より出る言を行ひ我らが素なせし如く香を天后に焚きまた酒をその前に灌ぐべし即ちユダの諸邑とヱルサレムの街にて我らと我らの先祖等および我らの王等と我らの牧伯等の行ひし如くせん當時われらは糧に飽き福をえて災に遇ざりし

44:18編集

我ら天后に香を焚くことを止め酒をその前に灌がずなりし時より諸の物に乏しくなり劍と饑饉に滅されたり

44:19編集

我らが天后に香を焚き酒をその前に灌ぐに方りて之に象りてパンを製り酒を灌ぎしは我らの夫等の許せし事にあらずや

44:20編集

ヱレミヤ即ち男女の諸の人衆および此言をもて答へたる諸の民にいひけるは

44:21編集

ユダの諸邑とヱルサレムの街にて汝らと汝らの先祖等および汝等の王等と汝らの牧伯等および其地の民の香を焚しことはヱホバ之を憶えまた心に思ひたまふにあらずや

44:22編集

ヱホバは汝らの惡き爲のため汝らの憎むべき行の爲に再び忍ぶことをえせざりきこの故に汝らの地は今日のごとく荒地となり詫異となり呪詛となり住む人なき地となれり

44:23編集

汝ら香を焚きヱホバに罪を犯しヱホバの聲に聽したがはずその律法と憲法と證詞に循ひて行まざりしに由て今日のごとく此災汝らにおよべり

44:24編集

ヱレミヤまたすべての民と婦等にいひけるはエジプトの地に居るユダの子孫よヱホバの言をきけ

44:25編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ汝らと汝らの妻等は口をもていひ手をもて成し我ら香を天后に焚き酒を灌ぎて立しところの誓を必ず成就んといふ汝ら必ず誓をたてかならず其誓を成就んとす

44:26編集

この故にエジプトの地に住るユダの人々よヱホバの言をきけヱホバいひたまふわれ我大なる名を指て誓ふエジプトの全地にユダの人々一人もその口に主ヱホバは活くといひて再び我名を稱ふることなきにいたらん

44:27編集

視よわれ彼らをうかがはん是福をあたふる爲にあらず禍をくださん爲なりエジプトの地に居るユダの人々は劍と饑饉に滅びて絕るにいたらん

44:28編集

然ど劍を逃るる僅少の者はエジプトの地を出てユダの地に歸らん又エジプトの地にゆきて彼處に寄寓れるユダの遺れる者はその立ところの言は我のなるか彼らのなるかを知るにいたるべし

44:29編集

ヱホバいひ給ふわがこの處にて汝らを罰する兆は是なり我かくして我汝らに禍をくださんといひし言の必ず立ことを知しめん

44:30編集

すなはちヱホバかくいひたまふ視よわれユダの王ゼデキヤを其生命を索むる敵なるバビロンの王ネブカデネザルの手に付せしが如くエジプトの王パロホフラを其敵の手その生命を索むる者の手に付さん

第45章編集

45:1編集

ユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの四年ネリヤの子バルクが此等の言をヱレミヤの口にしたがひて書に錄せしとき預言者ヱレミヤこれに語りていひけるは

45:2編集

バルクよイスラエルの神ヱホバ汝にかくいひ給ふ

45:3編集

汝曾ていへり嗚呼我は禍なるかなヱホバ我憂に悲を加へたまへり我は歎きて疲れ安きをえずと

45:4編集

汝かく彼に語れヱホバかくいひたまふ視よわれ我建しところの者を毀ち我植しところの者を拔ん是この全地なり

45:5編集

汝己れの爲に大なる事を求むるかこれを求むる勿れ視よわれ災をすべての民に降さん然ど汝の生命は我汝のゆかん諸の處にて汝の掠物とならしめんとヱホバいひたまふ

第46章編集

46:1編集

茲にヱホバの言預言者ヱレミヤに臨みて諸國の事を論ふ

46:2編集

先エジプトの事すなはちユフラテ河の邊なるカルケミシの近傍にをるところのエジプト王パロネコの軍勢の事を論ふ是はユダの王ヨシヤの子ヱホヤキムの四年にバビロンの王ネブカデネザルが撃やぶりし者なり其言にいはく

46:3編集

汝ら大楯小干を備へて進み戰へ

46:4編集

馬を車に繋ぎ馬に乗り盔を被りて立て戈を磨き甲を着よ

46:5編集

われ見るに彼らは懼れて退きその勇士は打敗られ狼狽遁て後をかへりみず是何故ぞや畏懼かれらのまはりにありとヱホバいひたまふ

46:6編集

快足なる者も逃えず強者も遁れえず皆北の方にてユフラテ河の旁に蹶き仆れん

46:7編集

かのナイルのごとくに湧あがり河のごとくに其水さかまく者は誰ぞや

46:8編集

エジプトはナイルの如くに湧あがりその水は河の如くに逆まくなり而していふ我上りて地を蔽ひ邑とその中に住る者とを滅さん

46:9編集

汝等馬に乗り車を驅馳らせよ勇士よ盾を執るエテオピア人プテ人および弓を張り挽くルデ人よ進みいづべし

46:10編集

此は主なる萬軍のヱホバの復仇の日即ちその敵に仇を復し給ふ日なり劍は食ひて飽きその血に醉はん主なる萬軍のヱホバ北の地にてユフラテ河の旁に宰ることをなし給へばなり

46:11編集

處女よエジプトの女よギレアデに上りて乳香を取れ汝多くの藥を用ふるも益なし汝は愈ざるべし

46:12編集

汝の恥辱は國々にきこえん汝の號泣は地に滿てり勇士は勇士にうち觸てともに仆る

46:13編集

バビロンの王ネブカデネザルが來りてエジプトの地を撃んとする事につきてヱホバの預言者ヱレミヤに告たまひし言

46:14編集

汝らエジプトに宣ベミグドルに示し又ノフ、タパネスに示しいふべし汝ら堅く立ちて自ら備よ 劍なんぢの四周を食ひたればなり

46:15編集

汝の力ある者いかにして拂ひ除かれしやその立ざるはヱホバこれを仆したまふに由るなり

46:16編集

彼多の者を蹶かせたまふ人其友の上に仆れかさなり而していふ起よ我ら滅すところの劍を避けてわが國にかへり故土にいたらんと

46:17編集

人彼處に叫びてエジプトの王パロは滅されたり彼は機會を失へりといふ

46:18編集

萬軍のヱホバと名りたまふところの王いひたまふ我は活く彼は山々の中のタボルのごとく海の旁のカルメルのごとくに來らん

46:19編集

エジプトに住る女よ汝移轉の器皿を備へよそはノフは荒蕪となり燒れて住む人なきにいたるべければなり

46:20編集

エジプトは至美しき牝の犢のごとし蜚虻きたり北の方より來る

46:21編集

また其中の傭人は肥たる犢のごとし彼ら轉向てともに逃げ立ことをせず是その滅さるる日いたり其罰せらるる時來りたればなり

46:22編集

彼は蛇の如く聲をいだす彼ら軍勢を率ゐて來り樵夫の如く斧をもて之にのぞめり

46:23編集

ヱホバいひ給ふ彼らは探りえざるに由りて彼の林を砍仆せり彼等は蝗蟲よりも多して數へがたし

46:24編集

エジプトの女は辱められ北の民の手に付されん

46:25編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神いひ給ふ視よわれノフのアモンとパロとエジプトとその諸神とその王等すなはちパロとかれを賴むものとを罰せん

46:26編集

われ彼らを其生命を索むる者の手とバビロンの王ネブカデネザルの手とその臣僕の手に付すべしその後この地は昔のごとく人の住むところとならんとヱホバいひたまふ

46:27編集

我僕ヤコブよ怖るる勿れイスラエルよ驚く勿れ視よわれ汝を遠方より救ひきたり汝の子孫をその擄移されたる地より救ひとるべしヤコブは歸りて平安と寧靜をえん彼を畏れしむる者なかるべし

46:28編集

ヱホバいひたまふ我僕ヤコブよ汝怖るる勿れ我汝と偕にあればなり我汝を逐やりし國々を悉く滅すべけれど汝をば悉くは滅さじわれ道をもて汝を懲し汝を全くは罪なき者とせざるべし

第47章編集

47:1編集

パロがガザを撃ざりし先にペリシテ人の事につきて預言者ヱレミヤに臨みしヱホバの言

47:2編集

ヱホバかくいひたまふ視よ水北より起り溢れながれて此地と其中の諸の物とその邑と其中に住る者とに溢れかかるべしその時人衆は叫びこの地に住る者は皆哭くべし

47:3編集

その逞しき馬の蹄の蹴たつる音のため其車の響のため其輪の轟のために父は手弱りて己の子女を顧みざるなり

47:4編集

是ペリシテ人を滅しつくしツロとシドンにのこりて助力をなす者を悉く絕す日來ればなりヱホバ、カフトルの地に遺れるペリシテ人を滅したまふべし


47:5編集

ガザには髮を剃るの事はじまるアシケロンと其剩餘の平地は滅ぼさる汝いつまで身に傷くるや

47:6編集

ヱホバの劍よ汝いつまで息まざるや汝の鞘に歸りて息み靜まれ

47:7編集

ヱホバこれに命じたるなればいかで息むことをえんやアシケロンと海邊を攻ることを定めたまへり

第48章編集

48:1編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神モアブの事につきてかくいひたまふ嗚呼ネボは禍なるかな是滅されたりキリヤタイムは辱められて取られミスガブは辱められて毀たる

48:2編集

モアブの榮譽は失さりぬヘシボンにて人衆モアブの害を謀り去來之を絕ちて國をなさざらしめんといふマデメンよ汝は滅されん劍汝を追はん

48:3編集

ホロナイムより號咷の聲きこゆ毀敗と大なる滅亡あり

48:4編集

モアブ滅されてその嬰孩等の號咷聞ゆ

48:5編集

彼らは哭き哭きてルヒテの坂を登る敵はホロナイムの下り路にて滅亡の號咷をきけり

48:6編集

逃て汝らの生命を救へ曠野に棄られたる者の如くなれ

48:7編集

汝は汝の工作と財寶を賴むによりて汝も執へられん又ケモシは其祭司およびその牧伯等と偕に擄へうつさるべし

48:8編集

殘害者諸の邑に來らん一の邑も免れざるべし谷は滅され平地は荒されんヱホバのいひたまひしがごとし

48:9編集

翼をモアブに予へて飛さらしむ其諸邑は荒て住者なからん

48:10編集

ヱホバの事を行ふて怠る者は詛はれ又その劍をおさへて血を流さざる者は詛はる

48:11編集

モアブはその幼時より安然にして酒の其滓のうへにとざまりて此器よりかの器に斟うつされざるが如くなりき彼擄うつされざりしに由て其味尚存ちその香氣變らざるなり

48:12編集

ヱホバいひたまふ此故にわがこれを傾くる者を遣はす日來らん彼らすなはち之を傾け其器をあけ其罇を碎くべし

48:13編集

モアブはケモシのために羞をとらん是イスラエルの家がその恃めるところのベテルのために羞をとりしが如くなるべし

48:14編集

汝ら何ぞ我らは勇士なり強き軍人なりといふや

48:15編集

モアブはほろぼされその諸邑は騰りその選擇の壯者は下りて殺さる萬軍のヱホバと名る王これをいひ給ふ

48:16編集

モアブの滅亡近けりその禍速に來る

48:17編集

凡そ其四周にある者よ彼のために歎けその名を知る者よ強き竿美しき杖いかにして折しやといへ

48:18編集

デボンに住る女よ榮をはなれて下り燥ける地に坐せよモアブを敗る者汝にきたりて汝の城を滅さん

48:19編集

アロエルに住る婦よ道の側にたちて闥ひ逃きたる者と脱れいたる者に事いかんと問ヘ

48:20編集

モアブは敗られて羞をとる汝ら呼はり咷びモアブは滅されたりとアルノンに告よ

48:21編集

鞫災平地に臨みホロン、ヤハヅ、メパアテ

48:22編集

デボン、ネボ、ベテデブラタイム

48:23編集

キリヤタイム、ベテガムル、ベテメオン

48:24編集

ケリオテ、ボズラ、モアブの地の諸邑の遠き者にも近き者にも臨めり

48:25編集

モアブの角は碎け其臂は折たりとヱホバいひたまふ

48:26編集

汝らモアブを醉はしめよ彼ヱホバにむかひて驕傲ればなりモアブは其吐たる物に轉びて笑柄とならん

48:27編集

イスラエルは汝の笑柄にあらざりしや彼盜人の中にありしや汝彼の事を語るごとに首を搖たり

48:28編集

モアブに住る者よ汝ら邑を離れて磐の間にすめ穴の口の側に巢を作る斑鳩の如くせよ

48:29編集

われらモアブの驕傲をきけり其驕傲は甚だし即ち其驕慢矜高驕誇およびその心の自ら高くするを聞り

48:30編集

ヱホバいひたまふ我モアブの驕傲とその言の虛きとを知る彼らは僞を行ふなり

48:31編集

この故に我モアブの爲に咷びモアブの全地の爲に呼はるキルハレスの人々の爲に嗟歎あり

48:32編集

シブマの葡萄の樹よわれヤゼルの哭泣にこえて汝の爲になげくべし汝の蔓は海を踰え延てヤゼルの海にまでいたる掠奪者來りて汝の果と葡萄をとらん

48:33編集

欣喜と歡樂園とモアブの地をはなれ去る我酒醡に酒無からしめん呼はりて葡萄を踐もの無るべし其喚呼は葡萄をふむ喚呼にあらざらん

48:34編集

ヘシボンよりエレアレとヤハヅにいたりゾアルよりホロナイムとエグラテシリシヤにいたるまで人聲を揚ぐそはニムリムの水までも絕たればなり

48:35編集

ヱホバいひたまふ我祭物を崇邱に献げ香をその諸神に焚くところの者をモアブの中に滅さんと

48:36編集

この故に我心はモアブの爲に簫のごとく歎き我心はキルハレスの人衆のために蕭のごとく歎く是其獲たるところの財うせたればなり

48:37編集

人みなその髮を剃り皆その鬚をそり皆その手に傷け腰に麻布をまとはん

48:38編集

モアブにては家蓋の上と街のうちに遍く悲哀ありそはわれ心に適ざる器のごとくにモアブを碎きたればなりとヱホバいひたまふ

48:39編集

嗚呼モアブはほろびたり彼らは咷ぶ嗚呼モアブは羞て面を背けたりモアブはその四周の者の笑柄となり恐懼となれり

48:40編集

ヱホバかくいひたまふ視よ敵鷲のごとくに飛來りて翼をモアブのうへに舒ん

48:41編集

ケリオテは取られ城はみな奪はるその日にはモアブの勇士の心子を產む婦のごとくになるべし

48:42編集

モアブはヱホバにむかひて傲りしゆゑに滅ぼされて再び國を成ざるべし

48:43編集

ヱホバいひたまふモアブにすめる者よ恐怖と陷阱と罟汝に臨めり

48:44編集

恐怖をさけて逃るものは陷阱におちいり陷阱より出るものは罟にとらへられん其はわれモアブにその罰をうくべき年をのぞましむればなりヱホバこれをいふ

48:45編集

遁逃者は力なくしてヘシボンの蔭に立つ是は火ヘシボンより出で火焔シホンのうちより出てモアブの地および喧閙をなす者の首の頂を燒ばなり

48:46編集

嗚呼禍なるかなモアブよケモシの民は亡びたり即ち汝の諸子は擄へうつされ汝の女等は執へゆかれたり

48:47編集

然ど末の日に我モアブの擄移されたる者を返さんとヱホバいひ給ふ此まではモアブの鞫をいへる言なり

第49章編集

49:1編集

アンモン人の事につきてヱホバかくいひたまふイスラエルに子なからんや嗣子なからんや何なれば彼らの王ガドを受嗣ぎ彼の民その邑々に住や

49:2編集

ヱホバいひたまふ是故に視よわが戰鬪の號呼をアンモン人のラバに聞えしむる日いたらんラバは荒垤となりその女等は火に焚れんその時イスラエルはおのれの嗣者となりし者等の嗣者となるべしヱホバこれをいひたまふ

49:3編集

ヘシボンよ咷べアイは滅びたりラバの女たちよ呼はれ麻布を身にまとひ嗟て籬のうちに走れマルカムとその祭司およびその牧伯等は偕に擄へ移されたり

49:4編集

汝何なれば谷の事を誇るや背ける女よ汝の谷は流るるなり汝財貨に倚賴みていふ誰か我に來らんと

49:5編集

主なる萬軍のヱホバいひたまふ視よ我畏懼を汝の四周の者より汝に來らしめん汝らおのおの逐れて直にすすまん逃る者を集むる人無るべし

49:6編集

然ど後にいたりてわれアンモン人の擄移されたる者を返さんとヱホバいひたまふ

49:7編集

エドムの事につきて萬軍のヱホバかくいひたまふテマンの中には智慧あることなきにいたりしや明哲者には謀略あらずなりしやその智慧は盡はてしや

49:8編集

デダンに住る者よ逃よ遁れよ深く竄れよ我エサウの滅亡をかれの上にのぞませ彼を罰する時をきたらしむべし

49:9編集

葡萄を斂むる者もし汝に來らば少許の果をも餘さざらんもし夜間盜人きたらばその飽まで滅さん

49:10編集

われエサウを裸にし又その隱處を露にせん彼は身を匿すことをえざるべしその裔も兄弟も隣舍も滅されん而して彼は在ずなるべし

49:11編集

汝の孤子を遺せわれ之を生存へしめん汝の嫠は我に倚賴むべし

49:12編集

ヱホバかくいひ給ふ視よ杯を飮べきにあらざる者もこれを飮ざるをえざるなれば汝まつたく罰を免るることをえんや汝は罰を免れじ汝これを飮ざるべからず

49:13編集

ヱホバいひたまふ我おのれを指して誓ふボズラは詫異となり羞辱となり荒地となり呪詛とならんその諸邑は永く荒地となるべし

49:14編集

われヱホバより音信をきけり使者遣されて萬國にいたり汝ら集りて彼に攻めきたり起て戰へよといへり

49:15編集

視よわれ汝を萬國の中に小者となし人々の中に藐めらるる者となせり

49:16編集

磐の隱場にすみ山の高處を占る者よ汝の恐ろしき事と汝の心の驕傲汝を欺けり汝鷹のごとくに巢を高き處に作りたれどもわれ其處より汝を取り下さんとヱホバいひたまふ

49:17編集

エドムは詫異とならん凡そ其處を過る者は驚きその災害のために笑ふべし

49:18編集

ヱホバいひたまふソドムとゴモラとその隣の邑々の滅しがごとく其處に住む人なく其處に宿る人の子なかるべし

49:19編集

視よ敵獅子のヨルダンの叢より上るがごとく堅き宅に攻めきたらんわれ直に彼を其處より逐奔らせわが選みたる者をその上に立てん誰か我のごとき者あらん誰か我爲に時期を定めんや孰の牧者か我前にたつことをえん

49:20編集

さればエドムにつきてヱホバの謀りたまひし御謀とテマンに住る者につきて思ひたまひし思をきけ群の弱者はかならず曳ゆかれん彼かならずかれらの住宅を滅すべし

49:21編集

その傾圮の響によりて地は震ふ號咷ありその聲紅海にきこゆ

49:22編集

みよ彼鷹のごとくに上り飛びその翼をボズラの上に舒べんその日エドムの勇士の心は子を產む婦の心の如くならん

49:23編集

ダマスコの事 ハマテとアルパデは羞づそは凶き音信をきけばなり彼らは心を喪へり海の上に恐懼あり安き者なし

49:24編集

ダマスコは弱り身をめぐらして逃んとす恐懼これに及び憂愁と痛劬子を產む婦にあるごとくこれにおよぶ

49:25編集

頌美ある邑我欣ぶところの邑を何なれば棄さらざるや

49:26編集

さればその日に壯者は街に仆れ兵卒は悉く滅されんと萬軍のヱホバいひたまふ

49:27編集

われ火をダマスコの石垣の上に燃しベネハダデの殿舍をことごとく焚くべし

49:28編集

バビロンの王ネブカデネザルが攻め撃たるケダルとハゾルの諸國の事につきて/ヱホバかくいひたまふ汝ら起てケダルに上り東の衆人を滅せ

49:29編集

その幕屋とその羊の群は彼等これを取りその幕とその諸の器と駱駝とは彼等これを奪ひとらん人これに向ひ惶懼四方にありと呼るべし

49:30編集

ヱホバいひたまふハゾルに住る者よ逃よ急に走りゆき深き處に居れバビロンの王ネブカデネザル汝らをせむる謀略を運らし汝らをせむる術計を設けたればなり

49:31編集

ヱホバいひ給ふ汝ら起て穩なる安かに住める民の所に攻め上れ彼らは門もなく關もなくして獨り居ふなり

49:32編集

その駱駝は擄掠とせられその多の畜は奪はれん我かの毛の角を剪る者を四方に散しその滅亡を八方より來らせんとヱホバいひたまふ

49:33編集

ハゾルは山犬の窟となり何までも荒蕪となりをらん彼處に住む人なく彼處に宿る人の子なかるべし

49:34編集

ユダの王ゼデキヤが位に即し初のころヱホバの言預言者ヱレミヤに臨みてエラムの事をいふ

49:35編集

萬軍のヱホバかくいひたまふ視よわれエラムが權能として賴むところの弓を折らん

49:36編集

われ天の四方より四方の風をエラムに來らせ彼らを四方の風に散さんエラムより追出さるる者のいたらざる國はなかるべし

49:37編集

ヱホバいひたまふわれエラムをしてその敵の前とその生命を索むるものの前に懼れしめん我災をくだし我烈しき怒をその上にいたらせんまたわれ劍をその後につかはしてこれを滅し盡すべし

49:38編集

われ我位をエラムに居ゑ王と牧伯等を其處より滅したたんとヱホバいひたまふ

49:39編集

然ど末の日にいたりてわれエラムの擄移されたる者を返すべしとヱホバいひたまふ

第50章編集

50:1編集

ヱホバ預言者ヱレミヤによりてバビロンとカルデヤ人の地のことを語り給ひし言

50:2編集

汝ら國々の中に告げまた宣示せ纛を樹よ隱すことなく宣示して言ヘバビロンは取られベルは辱められメロダクは碎かれ其像は辱められ其木像は碎かると

50:3編集

そは北の方より一の國人きたりて之を攻めその地を荒して其處に住む者無らしむればなり人も畜も皆逃去れり

50:4編集

ヱホバいひたまふその日その時イスラエルの子孫かへり來らん彼らと偕にユダの子孫かへり來るべし彼らは哭きつつ行てその神ヱホバに請求むべし

50:5編集

彼ら面をシオンに向てその路を問ひ來れ我らは永遠わするることなき契約をもてヱホバにつらならんといふべし

50:6編集

我民は迷へる羊の群なりその牧者之をいざなひて山にふみ迷はしめたれば山より岡とゆきめぐりて其休息所を忘れたり

50:7編集

之に遇ふもの皆之を食ふその敵いへり我らは罪なし彼らヱホバすなはち義きの在所その先祖の望みしところなるヱホバに罪を犯したるなり

50:8編集

汝らバビロンのうちより逃よカルデヤ人の地より出よ群の前にゆくところの牡山羊のごとくせよ

50:9編集

視よわれ大なる國々より人を起しあつめて北の地よりバビロンに攻め來らしめん彼ら之にむかひて備をたてん是すなはち取るべし彼らの矢は空しく返らざる狡き勇士の矢のごとくなるべし

50:10編集

カルデヤは人に掠められん之を掠むる者は皆飽ことをえんとヱホバ曰たまふ

50:11編集

我產業を掠る者よ汝らは喜び樂み穀物を碾す犢のごとくに躍り牡馬のごとく嘶けども

50:12編集

汝らの母は痛く辱められん汝らを生しものは恥べし視よ國々の中の終末の者荒野となり燥ける地となり沙漠とならん

50:13編集

ヱホバの怒りの爲に之に住む者なくして悉く荒地となるべしバビロンを過る者は皆その禍に驚き且嗤はん

50:14編集

凡そ弓を張る者よバビロンの四周に備をなして攻め矢を惜まずして之を射よそは彼ヱホバに罪を犯したればなり

50:15編集

その四周に喊き叫びて攻めかかれ是手を伸ぶその城堞は倒れその石垣は崩る是ヱホバ仇を復したまふなり汝らこれに仇を復せ是の行ひしごとく是に行へ

50:16編集

播種者および穡收時に鎌を執る者をバビロンに絕せその滅すところの劍を怖れて人おのおの其民に歸り各その故土に逃べし

50:17編集

イスラエルは散されたる羊にして獅子之を追ふ初にアツスリヤの王之を食ひ後にこのバビロンの王ネブカデネザルその骨を碎けり

50:18編集

この故に萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふ視よわれアツスリヤの王を罰せしごとくバビロンの王とその地を罰せん

50:19編集

われイスラエルを再びその牧場に歸さん彼カルメルとバシヤンの上に草をくらはんまたエフライムとギレアデの山にてその心を飽すべし


50:20編集

ヱホバいひたまふ其日その時にはイスラエルの愆を尋るも有らず又ユダの罪を尋るも遇じそはわれ我存せしところの者を赦すべければなり

50:21編集

ヱホバいひたまふ汝ら上りて悖れる國罰を受べき民を攻めその後より之を荒し全くこれを滅せ我汝らに命ぜしごとく行ふべし

50:22編集

その地に戰鬪の咷と大なる敗壤あり

50:23編集

嗚呼全地を摧きし鎚折れ碎くるかな嗚呼バビロン國々の中に荒地となるかな

50:24編集

バビロンよわれ汝をとるために罟を置けり汝は擒へらるれども知ず汝ヱホバに敵せしにより尋られて獲へらるるなり

50:25編集

ヱホバ庫を啓きてその怒りの武器をいだしたまふ是主なる萬軍のヱホバ、カルデヤ人の地に事をなさんとしたまへばなり

50:26編集

汝ら終の者にいたるまで來りてこれを攻めその庫を啓き之を積て塵垤のごとくせよ盡くこれを滅ぼして其處に遺る者なからしめよ

50:27編集

その牡牛を悉く殺せこれを屠場にくだらしめよ其等は禍なるかな其日その罰を受べき時來れり

50:28編集

バビロンの地より逃げて遁れ來し者の聲ありて我らの神ヱホバの仇復その殿の仇復をシオンに宣ぶ

50:29編集

射者をバビロンに召集めよ凡そ弓を張る者よその四周に陣どりて之を攻め何人をも逃す勿れその作爲に循ひて之に報いそのすべて行ひし如くこれに行へそは彼イスラエルの聖者なるヱホバにむかひて驕りたればなり

50:30編集

是故にその日壯者は衢に踣れその兵卒は悉く絕されんとヱホバいひたまふ

50:31編集

主なる萬軍のヱホバいひたまふ驕傲者よ視よわれ汝の敵となる汝の日わが汝を罰する時きたれり

50:32編集

驕傲者は蹶きて仆れん之を扶け起す者なかるべしわれ火をその諸邑に燃しその四周の者を燒盡さん

50:33編集

萬軍のヱホバかくいひたまふイスラエルの民とユダの民は偕に虐げらる彼らを擄にせし者は皆固くこれを守りて釋たざるなり

50:34編集

彼らを贖ふ者は強しその名は萬軍のヱホバなり彼必ずその訴を理してこの地に安を與ヘバビロンに住る者を戰慄しめ給はん

50:35編集

ヱホバいひたまふカルデヤ人の上バビロンに住る者の上およびその牧伯等とその智者等の上に劍あり

50:36編集

劍僞る者の上にあり彼ら愚なる者とならん劍その勇士の上にあり彼ら懼れん

50:37編集

劍その馬の上にあり其車の上にあり又その中にあるすべての援兵の上にあり彼ら婦女のごとくにならん劍その寶の上にあり是掠めらるべし

50:38編集

旱その水の上にあり是涸かん斯は偶像の地にして人々偶像に迷へばなり

50:39編集

是故に野の獸彼處に山犬と偕に居り鴕鳥も彼處に棲べし何時までも其地に住む人なく世々ここに住む人なかるべし

50:40編集

ヱホバいひたまふ神のソドム、ゴモラとその近隣の邑々を滅せしごとく彼處に住む人なく彼處に宿る人の子なかるべし

50:41編集

視よ北の方より民きたるあらん大なる國の人とおほくの王たち地の極より起らん

50:42編集

彼らは弓と槍をとる情なく矜恤なしその聲は海のごとくに鳴るバビロンの女よ彼らは馬に乗り戰士のごとくに備へて汝を攻ん

50:43編集

バビロンの王その風聲をききしかば其手弱り苦痛と子を產む婦の如き劬勞彼に迫る

50:44編集

視よ敵獅子のヨルダンの叢より上るが如く堅き宅に攻めきたらんわれ直に彼等を其處より逐奔らせわが選みたる者をその上に立ん誰か我のごとき者あらんや誰かわが爲に時期を定めんや何の牧者か我前に立ことをえん

50:45編集

さればバビロンにつきてヱホバの謀りたまひし御謀とカルデヤ人の地につきて思ひたまひし思想をきけ群の弱者必ず曳ゆかれん彼必ずかれらの住居を滅すべし

50:46編集

バビロンは取れたりとの聲によりて地震へその號咷國々の中に聞ゆ

第51章編集

51:1編集

ヱホバかくいひたまふ視よわれ滅すところの風を起してバビロンを攻め我に悖る者の中に住む者を攻べし

51:2編集

われ簸者をバビロンに遣さん彼らこれを簸てその地を空くせん彼らすなはちその禍の日にこれを四方より攻むべし

51:3編集

弓を張る者に向ひまた鎧を被て立あがる者に向ひて射者の者其弓を張らん汝らその壯者を憫れまず其軍勢を悉く滅すべし

51:4編集

然ば殺さるる者カルデヤ人の地に踣れ刺るる者その街に踣れん

51:5編集

イスラエルとユダはその神萬軍のヱホバに棄てられず彼らの地にはイスラエルの至聖者にむかひて犯せるところの罪充つ

51:6編集

汝らバビロンのうちより逃げいでておのおの其生命をすくへ其の罪のために滅さるる勿れ今はヱホバの仇をかへしたまふ時なれば報をそれになしたまふなり

51:7編集

バビロンは金の杯にしてヱホバの手にあり諸の地を醉せたり國々その酒を飮めり是をもて國々狂へり

51:8編集

バビロンは忽ち踣れて壞る之がために哭けその傷のために乳香をとれ是或は愈ん

51:9編集

われらバビロンを醫さんとすれども愈ず我らこれをすてて各その國に歸るべしそはその罰天におよび雲にいたればなり

51:10編集

ヱホバわれらの義をあらはしたまふ來れシオンに於て我らの神ヱホバの作爲をのべん

51:11編集

矢を磨ぎ楯を取れヱホバ、メデア人の王等の心を激發したまふヱホバ、バビロンをせめんと謀り之を滅さんとしたまふ是ヱホバの復仇その殿の復仇たるなり

51:12編集

バビロンの石垣に向ひて纛を樹て圍を堅くし番兵を設け伏兵をそなへよ蓋ヱホバ、バビロンに住める者をせめんとて謀りその言しごとく行ひたまへばなり

51:13編集

おほくの水の傍に住み多くの財寶をもてる者よ汝の終汝の貧婪の限來れり

51:14編集

萬軍のヱホバおのれを指して誓ひいひ給ふ我まことに人を蝗のごとくに汝の中に充さん彼ら汝に向ひて鯨波の聲を揚ぐべし

51:15編集

ヱホバその能力をもて地をつくり其知慧をもて世界を建てその明哲をもて天を舒たまへり

51:16編集

彼聲を發したまふ時は天に衆の水いづかれ雲を地の極より起らしめ電光と雨をおこし風をその庫よりいだしたまふ

51:17編集

すべての人は獸のごとくにして智慧なし諸の鑄物師はその作りし像のために辱を取る其鑄るところの像は僞の者にしてその中に靈なし

51:18編集

其等は空しき者にして迷妄の工作なりわが臨むとき其等は滅べし

51:19編集

ヤコブの分は此の如くならず彼は萬物およびその產業の族の造化主なりその名は萬軍のヱホバといふ

51:20編集

汝はわが鎚にして戰の器具なりわれ汝をもて諸の邦を碎き汝をもて萬國を滅さん

51:21編集

われ汝をもて馬とその騎る者を摧き汝をもて車とその御する者を碎かん

51:22編集

われ汝をもて男と女をくだき汝をもて老たる者と幼き者をくだき汝をもて壯者と童女をくだくべし

51:23編集

われ汝をもて牧者とその群をくだき汝をもて農夫とその軛を負ふ牛をくだき汝をもて方伯等と督宰等をくだかん

51:24編集

汝らの目の前にて我バビロンとカルデヤに住るすべての者がシオンになせし諸の惡きことに報いんとヱホバいひたまふ

51:25編集

ヱホバ言ひたまはく全地を滅したる滅す山よ視よわれ汝の敵となるわれ手を汝の上に伸て汝を巖より轉ばし汝を焚山となすべし

51:26編集

ヱホバいひたまふ人汝より石を取て隅石となすことあらじ亦汝より石を取りて基礎となすことあらじ汝はいつまでも荒地となりをらん

51:27編集

纛を地に樹て箛を國々の中に吹き國々の民をあつめて之を攻めアララテ、ミンニ、アシケナズの諸國を招きて之を攻め軍長をたてて之を攻め恐しき蝗のごとくに馬をすすめよ

51:28編集

國々の民をあつめて之を攻めメデア人の王等とその方伯等とその督宰等およびそのすべての領地の人をあつめて之を攻めよ

51:29編集

地は震ひ搖かんそはヱホバその意旨をバビロンになしバビロンの地をして住む人なき荒地とならしめたまふべければなり

51:30編集

バビロンの勇者は戰をやめて其城にこもりその力失せて婦のごとくにならん其宅は燒けその門閂は折れん

51:31編集

馹は趨て馹にあひ使者は趨て使者にあひバビロンの王につげて邑は盡く取られ

51:32編集

渡口は取られ沼は燒れ兵卒は怖るといはん

51:33編集

萬軍のヱホバ、イスラエルの神かくいひたまふバビロンの女は禾場のごとしその踏るる時きたれり暫くありてその苅るる時いたらん

51:34編集

バビロンの王ネブカデネザル我を食ひ我を滅し我を空き器のごとくなし龍の如くに我を呑みわが珍饈をもて其腹を充し我を逐出せり

51:35編集

シオンに住る者いはんわがうけし虐遇と我肉はバビロンにかかるべしヱルサレムいはん我血はカルデヤに住める者にかかるべしと

51:36編集

さればヱホバかくいひたまふ視よわれ汝の訟を理し汝の爲に仇を復さん我その海を涸かし其泉を乾かすべし

51:37編集

バビロンは頽壘となり山犬の巢窟となり詫異となり嗤笑となり人なき所とならん

51:38編集

彼らは獅子のごとく共に吼え小獅のごとくに吼ゆ

51:39編集

彼らの慾の燃る時にわれ筵を設けてかれらを醉せ彼らをして喜ばしめながき寢にいりて目を醒すことなからしめんとヱホバいひたまふ

51:40編集

われ屠る羔羊のごとく又牡羊と牡山羊のごとくにかれらをくだらしめん

51:41編集

セシヤクいかにして取られしや全地の人の頌美者いかにして執へられしや國々の中にバビロンいかにして詫異となりしや

51:42編集

海バビロンに溢れかかりその多くの波濤これを覆ふ

51:43編集

その諸邑は荒れて燥ける地となり沙漠となり住む人なき地とならん人の子そこを過ることあらじ

51:44編集

われベルをバビロンに罰しその呑みたる者を口より取出さん國々はまた川の如くに彼に來らじバビロンの石垣踣れん

51:45編集

我民よ汝らその中よりいで各ヱホバの烈しき怒をまぬかれてその命を救へ

51:46編集

汝ら心を弱くする勿れ此地にてきく所の浮言によりて畏るる勿れ浮言は此年も來り次の年も亦きたらん此地に强暴あり宰者と宰者とあひ攻むることあらん

51:47編集

故に視よ我バビロンの偶像を罰する日來らんその全地は辱められ其殺さるる者は悉くその中に踣れん

51:48編集

然して天と地とその中にあるところのすべての者はバビロンの事の爲に歡び歌はんそは敗壞者北の方より此處に來ればなりヱホバこれをいひたまふ

51:49編集

バビロンがイスラエルの殺さるる者を踣せし如く全地の殺さるる者バビロンに踣るべし

51:50編集

劍を逃るる者よ往け止る勿れ遠方よりヱホバを憶えヱルサレムを汝らの心に置くべし

51:51編集

罵言をきくによりて我ら羞づ異邦人ヱホバの室の聖處にいるによりて我らの面には羞恥盈つ

51:52編集

この故にヱホバいひたまふ視よわがその偶像を罰する日いたらん傷けられたる者はその全國に呻吟べし

51:53編集

たとひバビロン天に昇るとも其城を高くして堅むるとも敗壞者我よりいでて彼らにいたらんとヱホバいひたまふ

51:54編集

バビロンに號咷の聲ありカルデヤ人の地に大なる敗壞あり

51:55編集

ヱホバ、バビロンをほろぼし其中に大なる聲を絕したまふ其波濤は巨水のごとくに鳴りその聲は響わたる

51:56編集

破滅者これに臨みバビロンにいたる其勇士は執へられ其弓は折らるヱホバは施報をなす神なればかならず報いたまふなり

51:57編集

われその牧伯等と博士等と督宰等と勇士とを醉せん彼らは永き寢にいりて目を醒すことあらじ萬軍のヱホバと名くる王これをいひ給ふ

51:58編集

萬軍のヱホバかくいひたまふバビロンの闊き石垣は悉く毀たれその高き門は火に焚れん斯民の勞苦は徒となるべし民は火のために憊れん

51:59編集

これマアセヤの子なるネリヤの子セラヤがユダの王ゼデキヤとともに其治世の四年にバビロンに往くときにあたりて豫言者ヱレミヤがこれに命ぜし言なりこのセラヤは侍從の長なり

51:60編集

ヱレミヤ、バビロンにのぞまんとする諸の災を書にしるせり是即ちバビロンの事につきて錄せる此すべての言なり

51:61編集

ヱレミヤ、セラヤにいひけるは汝バビロンに往しとき愼みてこの諸の言を讀め

51:62編集

而して汝いふべしヱホバよ汝はこの處を滅し人と畜をいはず凡て此處に住む者なからしめて窮なくこれを荒地となさんと此處にむかひていひたまへり

51:63編集

汝この書を讀畢りしとき之に石をむすびつけてユフラテの中に投いれよ

51:64編集

而していふべしバビロンは我これに災菑をくだすによりて是しづみて復おこらざるべし彼らは絕はてんと/此まではヱレミヤの言なり

第52章編集

52:1編集

ゼデキヤは位に即きしとき二十一歳なりしがヱルサレムに於て十一年世ををさめたりその母の名はハムタルといひてリブナのヱレミヤの女なり

52:2編集

ゼデキヤはヱホヤキムが凡てなしたる如くヱホバの目の前に惡をなせり

52:3編集

すなはちヱホバ、ヱルサレムとユダとを怒りて之をその前より棄てはなちたまふ/是に於てゼデキヤ、バビロンの王に叛けり

52:4編集

ゼデキヤの世の九年十月十日にバビロンの王ネブカデネザルその軍勢をひきゐてヱルサレムに攻めきたり之に向ひて陣をはり四周に戌樓を建て之を攻めたり

52:5編集

かくこの邑攻圍まれてゼデキヤ王の十一年にまでおよびしが

52:6編集

その四月九日にいたりて城邑のうち饑ること甚だしくなり其地の民食物をえざりき

52:7編集

是をもて城邑つひに打破られたれば兵卒は皆逃て夜の中に王の園の邊なる二個の石垣の間の門より城邑をぬけいで平地の途に循ひておちゆけり時にカルデヤ人は城邑を圍みをる

52:8編集

茲にカルデヤ人の軍勢王を追ひゆきヱリコの平地にてゼデキヤに追付けるにその軍勢みな彼を離れて散りしかば

52:9編集

カルデヤ人王を執へて之をハマテの地のリブラにをるバビロンの王の所に曳きゆきければ王彼の罪をさだめたり

52:10編集

バビロンの王すなはちゼデキヤの子等をその目の前に殺さしめユダの牧伯等を悉くリブラに殺さしめ

52:11編集

またゼデキヤの目を抉さしめたり斯てバビロンの王かれを銅索に繋ぎてバビロンに携へゆきその死る日まで獄に置けり

52:12編集

バビロン王ネブカデネザルの世の十九年の五月十日バビロンの王の前につかふる侍衞の長ネブザラダン、ヱルサレムにきたり

52:13編集

ヱホバの室と王の室を燒き火をもてヱルサレムのすべての室と大なる諸の室を燒けり

52:14編集

また侍衞の長と偕にありしカルデヤ人の軍勢ヱルサレムの四周の石垣を悉く毀てり

52:15編集

侍衞の長ネブザラダンすなはち民のうちの貧乏者城邑の中に餘れる者およびバビロンの王に降りし人と民の餘れる者を擄へ移せり

52:16編集

但し侍衞の長ネブザラダンその地のある貧者を遺して葡萄を耕る者となし農夫となせり

52:17編集

カルデヤ人またヱホバの室の銅の柱と洗盥の臺と銅の海を碎きてその銅を悉くバビロンに運び

52:18編集

また鍋と火鑪と燭剪と鉢と匙およびすべて用ふるところの銅器を取れり

52:19編集

侍衞の長もまた洗盥と火盤と鉢と鍋と燭臺と匙と斝など凡て金銀にて作れる者を取り

52:20編集

またソロモン王がヱホバの室に造りしところの二つの柱と一の海と臺の下なる十二の銅の牛を取れりこのもろもろの銅の重は稱る可らず

52:21