第6章 結論

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まとめと結論の時間である。

ヨーロッパの未来は!?確かに様々な視点から考えることができる。私が「平和」の視点を選んだのは、それがすべてを集約しているように思えたからである。他の時代には、戦争は高い美徳を生み出し、浄化し、救済してきた。しかし、十字軍の時代は過ぎ去った。今後、法と正義の尊重が確保されるのは、武器によるものではない。暴力が起きるとすれば、それは一方を抑圧し、他方を妨害するためである。したがって、平和は経済的に必要なだけでなく、道徳的にも必要なものであり、すべての改善を保証し、すべての進歩の条件となっている。だからこそ、私はここで、戦争の可能性と平和への期待を、できるだけ公平に分析しようとしたのである。

それは、オーストリアの苦悩とイギリスの捕虜である。

オーストリアは死にかけている。彼女の死の危険性は、彼女の相続人がその手ごわい継承を否認することができないことにある。彼女の相続人は5人で、トレンティーノはイタリア、ゲルマン地方はドイツ帝国、ボヘミア、ハンガリー、ポーランドとなっている。ドイツ州の併合は、ドイツ帝国のバランスをとり、アドリア海への経済的出口を確保するという利点があるが、政治的重心を移動させ、政府機構の見直しを必要とし、プロイセン王に2つの主権を混同させるのではなく、分離させることを強いることになり、すなわち、ドイツをプロイセンの優位性から引き離すことになる。 これが抵抗なくできるだろうか。- オーストリア・ポーランドが解放された直後には、ポーランド問題は、弾圧することがほとんど不可能なほどの状況で再び提起されることになるだろう。この問題を解決するのはロシアであり、ポーランドに自治権を与えることで解決できるだろうが、それは自らが独裁を放棄することに等しい。これは大きな恵みである。なぜなら、独裁政治は政治的に行き詰まるからだ。しかし、これも抵抗なくできるのだろうか。一方で、ハンガリー人とチェコ人は、数え切れないほどの政府上の困難にさらされることになる。これほどまでに脅威となる事態が重なった例は他にないだろう。

また、それだけではない。イギリスは自分の子供たちの囚人であり、自分が創り出し、正当に誇りに思っている、今では自分を支配しているこの壮大なアングロサクソンのシステムの囚人なのである。それを構成する要素は、極めて強固なモラルの絆で結ばれている。このようにして形成された連邦は、今後ますます強固なものとなり、その中で英国が名誉大統領、米国が実質的な大統領を務めるようになっていくだろう。若さゆえの力強さ、安易な酔い、素朴な野心、許しがたいプライドなど、戦争の種が無意識のうちに育っていないとは言い切れない。

このような危険を前にして、平和的な希望はどこにあるのだろうか。1つしか思い浮かばないが、無限の力を得ることができる。それは、公共の精神である。マスターだからこそ、確信犯的に思い通りになる。

現在、その嘘が彼を迷わせている。

もし人々がお互いを知り、理解していれば、お互いの喉を切り裂こうとすることはめったにないだろうから。

歪んだ愛国心が植え付けた誤った見解を教育から追い出すために、たゆまぬ努力をすること。いわゆる教育者が不名誉な署名をした、不謹慎な「歴史」や捏造された「地理」を発見し、糾弾すること、不謹慎な政治家の犯罪計画を明らかにすること、報道を曲解し、その弱点に手を加える者から報道を奪い取ること、宗教から些細な不寛容や偽装された憎悪を追い出すこと、これが平和の仕事である。それは、人間を天使にしようとするものではなく、単に道から石を取り除くことを主張するものである。さて、この仕事のために、私の調査を締めくくる慰めとなる観察がある。この仕事のためには、思いがけない労働者があらゆる方面から現れます。豊かな人も貧しい人も、力強い人も控えめな人も、思慮深い人も本能的な人も、学識のある人もない人も、あらゆる言語を話し、初期の伝説では混乱と無力の原因であったものが、ここでは理解と成功の保証となっているのである。

では...なぜ絶望したのか?

Pierre de COUBERTIN.

訳注

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