構成

朕明治八年佛蘭西國巴里府ニ於テ獨國外十六箇國ノ間ニ締結セルメートル條約ニ加入シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名御璽

明治十九年四月十六日(官報 四月二十日)

內閣總理大臣伯爵伊藤博文

外 務 大 臣伯爵井上  馨

明治八年(西曆千八百七十五年)佛蘭西國巴里府ニ於テ獨國外十六箇國ノ間ニ締結セルメートル條約譯文

日耳曼皇帝陛下、澳地利洪噶利皇帝陛下、白耳義皇帝陛下、伯西兒皇帝陛下、亞然的音共和國大統領閣下、丁抹皇帝陛下、西班牙皇帝陛下、亞米利加合衆國大統領閣下、佛蘭西共和國大統領閣下、伊太利皇帝陛下、白露共和國大統領閣下、葡萄牙亞爾珈揮皇帝陛下、露西亞皇帝陛下、瑞典那威皇帝陛下、瑞西聯邦大統領閣下、土耳其皇帝陛下及ヴェネズエラ共和國大統領閣下ハメートル法ヲ萬國ニ施行シ且之ヲシテ完全ナラシメンコトヲ冀望シ之カ爲メ條約ヲ締結センコトニ決定シ各其全權委員ヲ任命スルコト左ノ如シ

日耳曼皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權大使、普魯西赤鷲勳章及バブヒエール、サン、ユペール勳章ノグラン、クロアー、ブランス、ド、ホヘンローフ、シルリンヒユルスト氏

澳地利洪噶利皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權大使、現侍從兼樞密顧問、金羊毛勳章ノシユヴハリエ幷洪噶利サン、エチエンス勳章及レオポール勳章ノグラン、クロアー、コント、アツポニー氏

白耳義皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使レオポール勳章ノグラン、ヲフヒシエ及レジヨン、ドノール勳章ノグラン、ヲフヒシエ、バロン、ベイヤン氏

伯西兒皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、宮中顧問、クリスト勳章ノコンマンドール、及レジヨン、ドノール勳章ノグラン、ヲフヒシエ、貴族ヴヰコント、ヂタジユバ、マルコー、アントニヨ、ダロージヨ氏

亞然的音共和國大統領閣下ハ巴里府駐在同國特命全權公使パルカルス氏

丁抹皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、ダヌプログ勳章ノグラン、クロアー、及同勳章ノクロアー、ドノール幷レジヨン、ドノール、勳章ノグラン、オフヒシエ、コント、ド、モルトッケ、ウヰツトフエルド氏

西班牙皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、金羊毛勳章ノシユヴハリエ及レジヨン、ドノール、勳章ノグラン、クロアー一等貴族ヴヰコント、ド、ロカモラ、マルキー、ド、モレン、ドン、マリヤノー、ロカ、ド、トゴール氏及西班牙國地理統計學士院長理學會院會員イザベール、ラ、カトリック勳章ノグラン、クロアー將官イバネー氏

亞米利加合衆國大統領閣下ハ巴里駐在同國特命全權公使エリユー、ベンジヤメン、ウワシユビユルヌ氏

佛蘭西共和國大統領閣下ハ外務卿、國會議員レジヨン、ドノール勳章ノコンマンドール、ヂユツク、デカーズ氏農商務卿、國會議員ヴヰコント、ド、モー氏及前卿、理學會院常置書記レジヨン、ドノール勳章ノグラン、クロアー、ヂユマー氏

伊太利皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、サン、モーリース、エー、ラザール勳章及伊太利王冠勳章ノシユヴハリエ、グラン、クロアー幷レジヨン、ドノール勳章ノグラン、ヲフヒシエ、シユヴハリエ、コンスタンチン、ニグラ氏

白露共和國大統領閣下ハ巴里府駐在同國特命全權公使ペドロ、ガルウエーズ氏及前特命全權公使フランシスコ、ド、リヴエロ氏

葡萄牙亞爾珈揮皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、サン、ジヤツク勳章ノグラン、クロアー、及葡萄牙ツール、エ、レペー勳章ノシユヴハリエ貴族ジヨセ、ダ、シルヴハ、メンド、レアル氏

露西亞皇帝陛下ハ在巴里同國大使館顧問、現參事院議官、露國サント、アンヌ第一等サン、スタユスラス第一等サン、ウラジミール第三等勳章ノシユヴハリエ及レジヨン、ドノール勳章ノコンマンドール、ダレゴアール、ヲクーネツフ氏

瑞典諾威皇帝陛下ハ巴里府駐在同國特命全權公使、瑞典北極星及諾威サン、ヲラン勳章ノグラン、クロアー幷レジヨン、ドノール勳章ノグラン、ヲフヒシエ、バロン、アデルス、ウアールド氏

瑞西聯邦大統領閣下ハ巴里府駐在同國特命全權公使ジヤン、コンラード、ケルヌ氏

土耳古皇帝陛下ハ參謀中佐ヲスマニエ第四等勳章及メジヂエー第五等勳章幷レジヨン、ドノール勳章ノオフヒシエ、イニスニー、ペー氏

ヴェネズエラ共和國大統領閣下ハ學士エリゼヲ、アコスタ氏

右全權委員ハ互ニ委任ノ書ヲ示シ其善良適當ナルヲ認メ以テ左ノ條々ヲ議定ス

第一條 締約諸國ハ共同ノ費用ヲ以テ度量衡萬國中央局ヲ設立維持シ巴里府ニ之ヲ常置シテ以テ學術上ノ事ヲ司トラシムヘシ

第二條 佛國政府ハ本條約附錄ノ規則ヲ以テ定メタル條規ニ隨ヒ專ラ右目的ニ供スヘキ家屋ノ買入若クハ建築ヲ容易ナラシムルニ必要ナル處置ヲナスヘシ

第三條 萬國中央局ハ總テ度量衡萬國委員會ノ指揮監督ヲ受ケテ事務ヲ取扱フヘシ但該委員會ハ締約各國政府ノ委員ヲ以テ組織スル度量衡總會議ノ支配ヲ受クヘキモノトス

第四條 度量衡總會議議長ノ任ハ巴里理學會院現職院長ニ委囑スルモノトス

第五條 中央局ノ組織幷度量衡萬國委員會及度量衡總會ノ組織權限ハ本條約附錄ノ規則ニ於テ之ヲ規定スヘシ

第六條 度量衡萬國中央局ハ左ノ事務ヲ擔任スヘシ

第一  新製メートル及キログランム原噐ノ比較監査ニ關スル事

第二  萬國原噐ノ保存

第三  定期ヲ以テ各國模製原噐ヲ萬國原噐及其擬製品ト比較シ且各國標準寒暖計ヲ相比較スル事

第四  新製原噐ヲ以テ各國及ヒ學術上ニ於テ使用スル所ノ度量衡原噐ニシテメートル法ニ基カサルモノニ比較スル事

第五  測地用ノ尺度ヲメートル原噐ニ照準シテ之ヲ比較スル事

第六  政府學士協會美術家又ハ學士ノ囑托ニ應シ諸原噐及確正尺度ヲ比較監査スル事

第七條 中央局ハ局長一名補助二名及其他職員ノ必要ナル員數ヲ以テ組織ス

新製原噐ノ比較ヲ終了シ之ヲ各國間ニ配分シタル後ハ中央局ノ職員ヲ至當ト認ムル割合ヲ以テ減少スヘシ

中央局職員ノ任命ハ萬國委員會ヨリ締約各國政府ニ通知スヘシ

第八條 メートル及キログラム萬國原噐及基擬製品ハ中央局內ニ保存シ之ニ接近スルヲ得ルハ獨リ萬國委員會ノ權內ニ在ルモノトス

第九條 度量衡萬國中央局ノ構造創設費幷其維持ニ要スル每年ノ經費及萬國委員會ノ經費等ハ凡テ締約各國ノ支出金ヲ以テ之ヲ支辨スヘシ但其支出金額ハ締約國現時ノ人口ニ基キ調製シタル割合表ニ準據シ之ヲ定ムヘキモノトス

第十條 締約各國ハ其支出金額ヲ每歲ノ初メ佛國外務省ヲ經由シテ巴里貯金所へ拂込ムヘシ右金額ハ入用ノ都度中央局長ノ證券ヲ以テ該貯金所ヨリ之ヲ請取ルヘキモノトス

第十一條 本條約ニ加盟スルノ權ハ各邦國ニ許與スルニ付之ヲ行ハントスル政府ハ割賦ノ支出金ヲ拂入ルヘシ其金額ハ第九條ニ記載ノ基礎ニ依リ萬國委員會ニ於テ之ヲ定ムヘシ且右支出金ハ本局學術上ニ關スル噐具材料ノ改良ニ充ツヘキモノトス

第十二條 締約各國ノ經驗ニ依リ本條約ニ修正ヲ加フルコトヲ有益ト認メタルトキハ協議一致ノ上之ヲ爲スノ權アルモノトス

第十三條 十二箇年ノ期限ヲ經過シタル後締約各國ハ本條約ヲ解脱スルコトヲ得ヘシ

自己ノ權利ニ依リ本條約ノ聯合ヲ脱セント欲スル政府ハ該期限ノ盡了スル一年前ニ其旨ヲ吿知スヘシ然ルトキハ萬國原噐及中央局ニ付テ總テノ共同所有權ヲ放棄シタルモノトス

第十四條 本條約ハ各國特有ノ憲法ニ從ヒ之ヲ批准シ巴里府ニ於テ六箇月內若クハ成ルヘク速ニ其批准書ヲ交換スヘシ而シテ本條約ハ千八百七十六年一月一日ヨリ之ヲ實行スヘキモノトス

右確證ノ爲メ各國全權委員各茲ニ記名スルモノナリ 千八百七十五年五月二十日巴里府ニ於テ作ル

ホヘンローフ 

アッポニー

ベイヤン

ヴヰコント、ヂタジユバ

エム、パルカルス

エル、モルトケ、ウヰッフェルド

マルキー、ド、モレン

カルロ、イバネー

エ、ベー、ウワシユビユルヌ

デカーズ

セー、ド、モー

ヂユマー

ニグラ

ペー、カルウエーズ

フランシスコ、ド、リヴエロ

ジヨゼ、ダ、シルヴハ、メンド、レアル

ヲクーネツフ

アデルスウアールド

ケルヌ

ヒユスニー

エ、アコスタ

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。