マテオ聖福音書4 (ラゲ訳)

<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

w:マテオ聖福音書

マテオ聖福音書 第4篇

第28章

編集

1かく安息日あんそくじつをはりすなは一週いつしうはじめ黎明よあけに、マグダレナ、マリアとほかのマリアと、はかんとていたりしに、 2をりしもだい地震ぢしんあり、すなはしゆ使つかひてんよりくだり、ちかづきていしまろばし退け、そのうへせしが、 3そのかたち電光いなづまごとく、その衣服いふくゆきごとし。 4番兵ばんぺいおそおののきて死人しにんごとくなれり。 5天使てんし婦人ふじんこたへてひけるは、なんぢおそるることなかれ、けだしわれなんぢ十字架じふじかけられたまひしイエズスをたずぬるをれり。 6かれ此處ここいまさず、すなはのたまひしごと復活ふくくわつたまへり。きたりてしゆかれたまひたりしところ7かつきて弟子でしたちその復活ふくくわつたまひしことげよ。かれなんぢさきだちてすでにガリレアにたまふ、なんぢ彼處かしここれるべし[とへ]、われあらかじめこれなんぢげたるぞ、と。 8婦人ふじんおそれおほいなるよろこびとをいだきてすみやかはかり、弟子でしたちげんとてはしれり。 9をりしもイエズス彼等かれらゆきひ、やすかれ、とのたまひければ、彼等かれらちかづきておんあしいだき、これ禮拜れいはいせり。 10ときにイエズス彼等かれらのたまひけるは、おそるることなかれ、きてわが兄弟等きやうだいたちにガリレアにけとげよ、彼等かれら彼處かしこわれるべし、と。 11婦人ふじんりしをりしも番兵ばんぺいうち數人すうにんものまちいたり、りしことことごと司祭しさいちやうげしかば、 12彼等かれら長老ちやうらうあひあつまりて協議けふぎし、かねおほ兵卒へいそつあたへて、 13ひけるは、なんぢへ、弟子でしたちよるきたりて、われねむれるうちかれぬすめりと。 14このこともし總督そうとくきこえなば、われかれきてなんぢ無事ぶじならしめん、と。 15番兵ばんぺいかねりて、いひふくめられしごとくにしたれば、このものがたり今日けふいたるまでもユデアじんうちひろまれり。 16かくて十一の弟子でしガリレアにき、イエズスの彼等かれらめいたまひしやまに[いたり]、 17イエズスを禮拜れいはいせり。れどうたがものもありき。 18イエズスちかづきて彼等かれらかたりてのたまひけるは、てんおいてもおいても、一切いつさい權能けんのうわれたまはれり。 19ゆゑなんぢきて萬民ばんみんをしへ、ちち聖靈せいれいとの御名みなによりてこれ洗禮せんれいほどこし、 20なんぢめいぜしことことごとまもるべくをしへよ。われをはりまで日々にちにちなんぢともるなり、と。