マテオ聖福音書3 (ラゲ訳)

<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

w:マテオ聖福音書

マテオ聖福音書3

第21章編集

1イエズスのいつこうエルザレムにちかづき、かんらんざんふもとなるベトファゲにいたりしとき、イエズスふたりでしつかはさんとして、 2のたまひけるは、なんぢむかひむらけ、らばただちつなげるろばそのともるにはん、きてわれひききたれ。 3もしひとありてなんぢものいはば、しゆこれえうすとへ、らばただちゆるすべし、と。 4すべこのことれるは、よげんしやによりてはれしことじやうじゆせんためなり、 5いはく「シオンのむすめへ、なんぢわうにうわにして、ろばそのなるろばとにりてなんぢきたる」と。 6でしたちきてイエズスのめいたまひしごとくにし、 7ろばそのとをひききたり、おのいふくそのうへき、イエズスをこれせたるに、 8ぐんしゆうおびただしくおのいふくみちき、あるひとびとえだりてみちきたり。 9さきあとしたがへるぐんしゆうよばはりて、ダヴィドのにホザンナ。しゆによりてきたるものはしゆくせられたまへ。いとたかところまでホザンナとれり。 10かくてイエズスエルザレムにたまひしに、そもたれなるぞ、とまちこぞりてどよめきけるが、 11じんみんは、これガリレアのナザレトよりでたるよげんしやイエズスなり、とれり。 12イエズスしんでんたまひて、でんないにてうりかひするひとことごとおひだし、りやうがえつくゑはとひとびとこしかけとをたふして、 13かれらのたまひけるは、かきしるして「わがいへいのりいへとなへらるべし」とあるに、なんぢこれがうとうさうくつせり、と。 14かくめしひあしなへしんでんにてイエズスにちかづきしかば、これいやたまへり。 15しかるにしさいちやうりつぱふがくし、イエズスのたまへるきせきと、ダヴィドのにホザンナとでんないよばはるこどもとをいきどほり、 16かれむかひてひけるは、なんぢかれらところくや、と。イエズスこれのたまひけるは、しかり「をさなごちのみごとのくちさんびまつたうしたまへり」とあるをなんぢかつまざりしか、と。 17かくかれらはなれ、まちでてベタニアにき、そこやどたまへり。 18あくるあさまちかへときたまひしが、 19みちばたいつぽんいちじくのもといたたまひしに、ほかなにものをもざりしかば、これむかひて、なんぢいつまでもみのらざれ、とのたまひしに、いちじくのたちまれたり。 20でしたちかんたんし、いかにしてすみやかれたるぞ、とひしに、 21イエズスこたへてのたまひけるは、われまことなんぢぐ、なんぢもししんかうありてちゆうちよせずば、ただこれいちじくのすべきのみならず、たとひこのやまむかひて、なんぢみづからけてうみれとふともまたしからん。 22すべいのりのうちしんじてもとむることは、なんぢことごとこれけん、と。 23イエズスしんでんいたりてをしへつつたまひけるに、しさいちやうおよびみんかんちやうらうちかづきてひけるは、なんぢなんけんもつこれことすぞ、またたれこのけんなんぢあたへしぞ。 24イエズスこたへてのたまひけるは、われひとことなんぢはん、なんぢこれかたらば、われまたなんけんもつこれおこなふかをなんぢげん。 25ヨハネのせんれいいづこよりなりしぞ、てんよりかはたひとよりか、と。かれらあひともおもんぱかりて、 26もしてんよりとはば、なにゆゑかれしんぜざりしかとはるべく、もしひとよりとはば、ひとみなヨハネをよげんしやとせるともつみんしゆうはばかりありとし、 27つひにイエズスにこたへて、われこれらず、とひしかば、イエズスまたのたまひけるは、われなんけんもつこれことおこなふかをなんぢげず。 28なんぢこれいかおもふぞ。あるひとふたりありしが、ちやうなんちかづきて、よ、けふわがぶだうばたけきてはたらけ、とひけるに、 29かれこたへて、いなひしも、つひこうくわいしてきたり。 30またじなんちかづきておなやうひけるに、かれこたへて、ちちわれく、とひしもついかざりき。 31このふたりうちいづれちちむねしたるぞ、と。かれらちやうなんなりとひしかば、イエズスのたまひけるは、われまことなんぢぐ、みつぎとりあそびめとはなんぢよりもさきかみくにらん。 32はヨハネみちもつなんぢきたりしに、なんぢかれしんぜず、みつぎとりあそびめとはかえつかれしんじたりしを、なんぢこれてもなほこうくわいせず、つひかれしんぜざりければなり。 33またひとつたとへけ、あるかふぶだうばたけつくりてかきめぐらし、なかさかぶねり、ものみだいて、これこさくにんしてえんぱうたびだちしが、 34みのりのときちかづきしかば、そのうけとらせんとて、しもべこさくにんもとつかはししに、 35こさくにんそのしもべとらへて、ひとりち、ひとりころし、ひとりいしなげつけたり。 36さらほかしもべさきよりもおほつかはししに、かれらこれをもおなやうあしなへり。 37つひに、わがをばうやまふならんとて、そのつかはししに、 38こさくにんこのかたりひけるは、これさうぞくにんなり、きたれかしこれころさん、しかしてわれそのかとくん、と。 39かくそのとらへ、ぶだうばたけよりおひいだしてころせり。 40ればぶだうばたけぬしきたらんときこのこさくにんいかしよちすべきか。 41かれらひけるは、あくにんようしやなくほろぼし、きせつをさむるほかこさくにんそのぶだうばたけさん。 42イエズスかれらのたまひけるは、なんぢかつせいしよおいまざりしか、「いへつるにてられたるいしすみおやいしとなれり、これしゆたまへることにて、われにはふしぎなり」とあり。 43ればわれなんぢぐ、かみくになんぢよりうばはれ、そのむすじんみんあたへらるべし。 44およそこのいしうへつるひとくだけん、またこのいしたれうへつるもこれみじんにせん、と。 45しさいちやうファリザイじんイエズスのたとへきて、そのおのれしてのたまへるをさとり、 46これとらへんとはかりしが、ぐんしゆうかれよげんしやとせるをもつこれおそれたり。

第22章編集

1イエズスこたへて、またたとへもつかたのたまひけるは、 2てんこくあたかもそのためこんえんひらけるわうごとし。 3かれこんえんまねきたるひとびとばんとて、しもべつかはしたるに、かれらあへきたらざれば、 4またほかしもべつかはすとてひけるは、まねきたるひとびとげて、われすできやうえんじゆんびせり、わがうしこえたるけものと、ほふられてことごとそなはれり、こんえんのぞまれよ、とへ、と。 5しかれどもかれらこれかへりみず、ひとりおのさくやに、ひとりおのしやうばいき、 6そのたしもべとらいたはずかしめてころししかば、 7わうこれきていかり、ぐんぜいつかはしてかのひとごろしどもほろぼし、そのまちやきはらへり。 8ときわうそのしもべひけるは、こんえんすでそなはりたれども、まねかれしひとびとは[きやくとなるに]へざりしゆゑ9まちきてすべひとこんえんまねけ、と。 10しもべみちみちでて、ひときもあしきもことごとあつめしかば、きやくこんえんちたり。 11わうきやくんとていりきたり、ひとりこんれいふくけざるものあるをこれむかひ、 12ともよ、いかんこんれいふくけずして、ここりしや、とひけるに、かのもくぜんたりき。 13わうつひきふじひけるは、かれてあししばりてこれそとやみなげいだせ、そこにはなげきはがみとあらん、と。 14それされたるひとおほけれども、えらまるるひとすこなし、と。 15このときファリザイじんでて、イエズスのことばじりとらへんとあひはかり、 16おのでしをヘロデのとうともつかはして、はせけるは、よ、なんぢしんじつにして、しんりによりてかみみちをしへ、かつひとえこひいきせざるをもつたれにもはばからざるは、われれるところなり。 17ればセザルにみつぎをさむるはよきいなや、おもところわれげよ、と。 18イエズスかれらかうかつりてのたまひけるは、ぎぜんしやよ、なんわれこころむる。 19みつぎかねわれせよ、と。かれらデナリオをさしいだしたるに、 20イエズスのたまひけるは、このざうめいとはたれのなるか、と。 21かれらセザルのなりとふ。ときにイエズスのたまひけるは、らばセザルのものはセザルにかへし、かみものかみかへせ、と。 22かれらきてかんたんし、イエズスをはなれてれり。 23よみがへりなしとしゆちやうせるサドカイじんこのイエズスにちかづき、ひて、 24ひけるは、よ、モイゼいはく、「ひともしなくしてなば、そのきやうだいかれつまめとりて、きやうだいためぐべし」と、 25しかるにわれうちにんきやうだいありしに、あにつまめとりてし、なかりしかば、そのつまをととのこししが、 26そのだいだい三よりだい七までおなやうにして、 27さいごをんなまたせり。 28ればよみがへりときあたりて、このをんなは七にんうちたれつまたるべきか、みなかれめとりたればなり。 29イエズスこたへてのたまひけるは、なんぢせいしよをもかみちからをもらずしてあやまれり。 30よみがへりときひとめとらずとつがず、てんおけかみつかひたちごとくならん。 31しにんよみがへりきては、なんぢかみよりはれしところまざりしか。 32すなはちなんぢのたまはく、「われはアブラハムのかみ、イザアクのかみ、ヤコブのかみなり」と。ししやかみにはあらず、せいしやの[かみ]にてまします、と。 33ぐんしゆうこれきて、そのをしへかんたんせり。 34てファリザイじん、イエズスがサドカイじんへいこうせしめたまひしをきてあひあつまりしが、 35なかひとりりつぱふがくしイエズスをこころみてひけるは、 36りつぱふおいおほいなるおきていずれぞや。 37イエズスのたまひけるは、「なんぢこころつくし、れいつくし、つくしてなんぢかみにてましましゆあいすべし」、 38これもつともおほいなるだい一のおきてなり。 39だい二もまたこれたり、「なんぢちかものおのれごとあいすべし」。 40すべてのりつぱふよげんしやとはこのふたつおきてるなり。 41ファリザイじんあつまれるに、イエズスひて、 42のたまひけるは、なんぢキリストにきていかおもふぞ、たれなるか、と。かれら、ダヴィドのなり、とひければ、 43イエズスのたまひけるは、しからばダヴィド[せい]れいによりてかれしゆとなふるはいかん44いはく「しゆわがしゆのたまへらく、われなんぢてきなんぢあしだいすまで、われみぎせよ」と、 45しかればダヴィドかれしゆとなふるに、かれいかでかそのならんや、と。 46みなたれごんもイエズスにこたふることあたはず、このよりまたあへものなかりき。

第23章編集

1そのときイエズスぐんしゆうでしとにかたりて、 2のたまひけるは、りつぱふがくしとファリザイじんとはモイゼのかうざせり。 3ればかれらなんぢところは、ことごとまもりておこなへ、れどかれらおこなひならひておこなふことなかれ、かれらひてしかおこなはざればなり。 4すなはちかれらは、おもにながたくくりてひとかたすれど、おのゆびさきにてこれうごかすことをすらいなむ。 5そのすべてのおこなひひとられんためにして、すなはちそのけいはいひろくし、そのふさおほきくす。 6またえんせきにてはじやうせきくわいどうにてはじやうざ7ちまたにてはひとけいれいまたラビとばるることこのむ。 8なんぢはラビとばるることなかれ、なんぢひとりにして、なんぢみなきやうだいなればなり。 9またちじやうひとなんぢちちとなふることなかれ、なんぢちちてんましまひとりのみなればなり。 10またしだうとなへらるることなかれ、なんぢしだうひとりにして、すなはちキリストなればなり。 11なんぢうちもつともおほいなるものなんぢしもべとなるべし。 12みづからたかぶひとげられ、みづからへりくだひとげらるべし。 13わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくし、ファリザイじんよ、ひとまへてんこくぢ じて、おのれらず、りつつあるひとびとをもらしめざればなり。 14わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、ながいのりとなへて、やもめいへくひつくせばなり。なんぢこれりてもつともきびしきしんぱんけん。 15わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、ひとりしんじやつくらんとてかいりくめぐり、すでつくれば、これおのればいせるぢごくせばなり。 16わざはひなるかななんぢめしひなるてびきよ、なんぢふ、「すべひと[しん]でんしてちかふはことにもあらず、[しん]でんこがねしてちかはばはたさざるべからず」と。 17おろかにしてめしひなるものどもかないづれおほいなるぞ、こがねか、はたこがねせいならしむる[しん]でんか。 18[なんぢまたふ]「すべひとさいだんしてちかふはことにもあらず、そのうへなるそなへものしてちかはばはたさざるべからず」と。 19めしひよ、いづれれかおほいなるぞ、そなへものか、はたそなへものせいならしむるさいだんか。 20ればさいだんしてちかひとは、さいだんすべそのうへなるものとをしてちかふなり。 21またすべて[しん]でんしてちかひとは、[しん]でんそのうちたまふものとをしてちかふなり。 22またてんしてちかひとは、かみぎよくざそのうへたまものとをしてちかふなり。 23わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、なんぢはくかうゐきやうまきんの十ぶんの一ををさめて、しかりつぱふおいなほぢゆうだいなる、せいぎじひちゆうじつとをのこせり、このことどもしてこそことをもおこたらざるべかりしなれ。 24ぼうふりこしだしてらくだめしひなるてびきどもよ。 25わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、さかずきさらとのそときよめて、うちむさぼりけがれとにちたればなり。 26なんぢめしひなるファリザイじんよ、まづさかずきさらとのうちきよめよ、しからばそときよくなるべし。 27わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、しろりたるはかたればなり。そとひとうるはしくゆれども、うちしにんほねもろもろけがれとにてり。 28かくごとく、なんぢそとぎじんごとひとゆれども、うちぎぜんふぎとにてり。 29わざはひなるかななんぢぎぜんなるりつぱふがくしファリザイじんよ、なんぢよげんしやたちはかて、ぎじんきねんひかざりて、 30いはく、「われもしせんぞじだいりしならば、よげんしやたち[をながす]にくみせざりしものを」と。 31かくなんぢは、よげんしやたちころししひとしそんたることみづからしようするなり。 32しからばなんぢせんぞますめたせよ。 33へびどもよ、まむしすゑよ、なんぢいかでかぢごくせんこくのがれん。 34ればよ、われなんぢよげんしやちしやりつぱふがくしつかはせども、なんぢそのあるものころし、じふじかけ、あるものなんぢくわいどうむちうちて、まちよりまちおひめん。 35かくぎじんアベルのより、なんぢが[しん]でんさいだんとのあひだにてころししパラキアのザカリアのいたまですべちじやうながされたるただしきは、なんぢうへすべし。 36われまことなんぢぐ、このことみなげんだいうへすべし。 37エルザレムよ、エルザレムよ、よげんしやたちころし、かつなんぢつかはされたるひとびといしなげうものよ、われめんどりそのひなつばさしたあつむるごとく、なんぢこどもあつめんとせしこといくたびぞや、れど、なんぢこれいなめり。 38よ、なんぢいへあれすたれてなんぢのこされん。 39われなんぢぐ、なんぢしゆによりてきたものしゆくせられたまへ」とまでは、いまよりわれざるべし、[とかたたまへり]。

第24章編集

1イエズス[しん]でんでてたまひけるに、でしたち[しん]でんこうざうしめさんとてちかづきしかば、 2こたへてのたまひけるは、なんぢこのいつさいものるか、わがまことなんぢぐ、ここにはひとついしくずれずしていしうへのこされじ、と。 3かくかんらんざんたまへるに、でしたちひそかちかづきてひけるは、このことどものあらんはいつなるぞ、またなんぢさいりんをはりとのしるしなになるぞ。 4イエズスこたへてのたまひけるは、なんぢひとまどはされじとちういせよ、 5おほくのひとわがおかきたりて、われはキリストなりとひて、おほくのひとまどはすべければなり。 6すなはちなんぢたたかひたたかひうはさかん、しかつつしみてこころさわがすことなかれ、これことけだしあるべし、れどをはりいまだいたらざるなり。 7すなはちたみたみに、くにくにたちさからひ、またえきびやうききんぢしんしよしよにあらん、 8これみなくるしみはじめなり。 9そのときひとびとなんぢこんなんおとしれ、またしよし、なんぢわがためばんみんにくまれん。 10そのときおほくのひとつまづきて、たがひうらぎりたがひにくみ、 11またよげんしやおほおこりて、おほくのひとまどはさん、 12かつふぎあふれたるによりて、たすうひとあいえん、 13れどをはりまでたへしのひとすくはるべし。 14[てん]こくこのふくいんは、ばんみんしようとしてぜんせかいのべつたへられん、かくのちをはりいたるべし。 15ればなんぢよげんしやダニエルにりてげられし「いとにくむべきくわうはい」がせいじよげんぜんたるをば、 16ひとさとるべし。そのときユデアにひとやまのがるべし、 17やねひとは、そのいへよりなにものをかとりいださんとてくだるべからず、 18はたひとは、そのうはぎらんとてかへるべからず。 19そのあたりてくわいたいせるひとちちまするひとわざはひなるかな20なんぢぐることの、あるひふゆあるひあんそくじつあたらざらんこといのれ。 21そのときには、はじめよりかつく、またのちにもるまじきほどの、おほいなるくわんなんあるべければなり。 22そのもしちぢめられずば、すくはるるひとなからん、れどそのは、えらまれたるひとびとためちぢめらるべし。 23そのときもしひとありてなんぢに、「よキリストはここり、かしこり」とふともしんずることなかれ、 24キリストおよびよげんしやおこりて、おほいなるしるしきせきとをおこなひ、あたふべくんばえらまれたるひとびとをさへもまどはさんとすべければなり。 25われあらかじめこれなんぢげたるぞ。ればなんぢたとひ、「よキリストはあれのり」とはるともいづることなかれ、 26おくのまり」とはるともしんずることなかれ、 27いなづまひがしよりいでにしにまでゆるごとく、ひときたるもまたしかるべければなり。 28すべしかばねところにはわしまたあつまらん。 29このひびくわんなんのちただちくらみ、つきそのひかりあたへず、ほしてんよりち、てんのうりよくすべどうえうせん。 30そのときひとしるしそらあらはれん。そのときまたみんぞくことごとなげき、ひとおほいなるのうりよくゐくわうとをもつそらくもきたるをん。 31かれこゑたからつぱてるおのてんしたちつかはし、てんこのはてまで、しはうよりそのえらまれしひとびとあつめしめん。 32なんぢいちじくのよりたとへまなべ、そのえだすでやわらぎてしやうずるときなんぢなつちかきをる。 33かくごとく、このいつさいことば、すでかどちかしとれ。 34われまことなんぢぐ、これことみなまでは、げんだいぎざらん。 35てんちぎん、れどわがことばぎざるべし。 36そのそのときをばなにびとらず、てんしすらもらず、たまへるはただちちひとりのみ。 37ノエのおけごとく、ひときたるもまたしからん。 38すなはちこうずゐまへころ、ノエのはこぶねそのまでも、ひとびとめととつぎして、 39こうずゐきたりてことごとかれらひきさらふまでらざりしごとく、ひときたるもまたしからん。 40そのときふたりはたけらんに、ひとりられひとりのこされん。 41ふたりおんなうすらんに、ひとりられひとりのこされん。 42ればなんぢけいかいせよ、なんぢしゆきたたまふはいずれのときなるかをらざればなり。 43なんぢこれれ、かふもしたうぞくきたるべきときらば、かならずけいかいしてそのいへうがたせじ。 44ればなんぢよういしてあれ、なんぢらざるときひときたるべければなり。 45ときおうじてかてそのしもべあたへさせんとて、しゆじんかれらうへてたる、ちゆうせいれいりなるしもべたれおもふぞ。 46そのしゆじんきたらんときしかするをみいだされたるしもべさいはひなり。 47われまことなんぢぐ、しゆじんそのすべてのもちものこれつかさどらしめん。 48れどもしかのしきしもべこころうちに「しゆじんきたることおそし」とひて、 49そのどうはいうちかかり、さけのみしゆしよくともにせば、 50そのしもべしゆじんかれおもはざるらざるとききたりて、 51これしよばつし、そのむくいぎぜんしやおなじうすべし、そこにはなげきはがみとあらん。

第25章編集

1そのときてんこくは、十にんをとめめんめんともしびりてはなむこはなよめとをむかへにいでたるごとくならん。 2そのうちにんおろかにして五にんかしこし、 3おろかなる五にんともしびりてあぶらたづさへざるに、 4かしこきはともしびともあぶらうつはたづさへたり。 5はなむこおそかりければ、みなかりねしてねむりたりしが、 6よなかに「すわはなむこたるぞ、いでむかへよ」とのこゑありしかば、 7をとめみなきてそのともしびととのへたり。 8おろかなるがかしこきにひけるは、なんぢあぶらわれわかて、われともしびゆ、と。 9かしこきがこたへてひけるは、おそらくはわれなんぢとにらじ、むしろうりものきてみづからためへ、と。 10かれらはんとてけるに、はなむこきたりしかば、よういしてありしものどもは、かれともこんえんり、もんとざされたり。 11やがおとめきたりて、しゆしゆよ、われひらたまへ、とれども、 12かれこたへて、われまことなんぢぐ、われなんぢらず、とへり。 13ればけいかいせよ、なんぢそのそのときらざればなり。 14[てんこくは]すなはちあるひととほたびだたんとして、そのしもべび、これわがもちものわたせるがごとし。 15ひとりには五タレント、ひとりに二タレント、ひとりには一タレントを、おのおのそのきりようおうじてわたし、ただちしゆつたつせしが、 16五タレントをけしものは、きてこれもつとりひきして、ほかに五タレントをまうけ、 17二タレントをけしものおなやうにして、ほかに二タレントをまうけしに、 18一タレントをけしものは、きてしゆじんきんかくけり。 19ひさしうしてのちこのしもべしゆじんきたりてかれらけいさんせしが、 20五タレントをけしものちかづきて、べつに五タレントをさしだしてひけるは、しゆくんよ、われに五タレントをわたたまひしが、べつまた五タレントをまうけたり、と。 21しゆじんひけるは、し、ぜんにしてちゆうなるしもべよ、なんぢいささかなるものちゆうなりしにより、われなんぢおほくのものつかさどらしめん、なんぢしゆじんよろこびれよ、と。 22二タレントをけしものまたちかづきてひけるは、しゆくんよ、われに二タレントをわたたまひしが、べつまた二タレントをまうけたり、と。 23しゆじんひけるは、ぜんにしてちゆうなるしもべよ、なんぢいささかなるものちゆうなりしにより、われなんぢおほくのものつかさどらしめん、なんぢしゆじんよろこびれよ、と。 24一タレントをけしものまたちかづきてひけるは、しゆくんよ、われなんぢきびしきひとにして、かざるところよりり、らさざるところよりあつむるをり、 25おそれて、きてなんぢのタレントをかくけり、なんぢおのものいうす、と。 26しゆじんこたへてひけるは、あしくしてらんだなるしもべよ、なんぢわがかざるところよりり、らさざるところよりあつむるをりたれば、 27わがかねりやうがえあづくべかりき、らばわれきたりて、わがものりしともけしならん。 28ればなんぢこのものよりそのタレントをりて、十タレントをてるものあたへよ、 29けだしすべてるひとあたへられてゆたかならん、れどたぬひとは、そのてりとおもはるるところまでもうばはれん、 30むえきなるしもべそとやみなげいだせ、そこにはなげきはがみらん、と。 31ひとおのゐくわうもつもろもろの[てん]したがへてきたらんときそのゐくわうせん。 32かくばんみんそのまへあつめ、かれらわかつこと、あたかもぼくしやひつじやぎとをわかつがごとく、 33ひつじみぎに、やぎひだりかん。 34ときわうそのみぎものはん、きたれ、わがちちしゆくせられたるものよ、せかいかいびやくよりなんぢためそなへられたるくによ。 35ゑしになんぢしよくせしめ、かわきしになんぢましめ、たびびとなりしになんぢやどらせ、 36はだかなりしにせ、みたりしにみまひ、かんごくりしにきたりたればなり、と。 37このときぎじんたちかれこたへてはん、しゆよ、われいつたまふをしゆしよくせしめ、かわたまふを[て]しゆましめ、 38いつたびびとせるをしゆやどらせ、またはだかませるを[て]しゆせしぞ、と。 39またいつたまあるひかんごくたまふをしゆいたりしぞ、と。 40わうこたへてかれらはん、われまことなんぢぐ、なんぢわがこのもつともちひさきやうだいひとりしたるところは、ことごとすなはちわれししなり、と。 41かくひだりものにもまたはん、のろはれたるものよ、われはなれて、あくまそのつかひとのためそなへられたるえいえんに[れ]。 42ゑしになんぢしよくせしめず、かわきしになんぢましめず、 43たびびとなりしになんぢやどらせず、はだかなりしになんぢせず、またかんごくりしになんぢみまはざりしゆゑなり、と。 44このときかれらわうこたへてはん、しゆよ、われいつしゆゑ、あるひかわき、あるひたびびとたり、あるひはだかなり、あるひみ、あるひかんごくたまふをしゆつかへざりしぞ、と。 45このときわうかれらこたへてはん、われまことなんぢぐ、なんぢこのもつともちひさものひとりさざりしところは、ことごとすなはちわれさざりしなり、と。 46かくこれひとえいえんけいばつり、ぎじんえいえんせいめいるべし、と。

第26章編集

1イエズスすべこのものがたりをはたまひて、でしたちのたまひけるは、 2なんぢれるごとく、ふつかのちすぎこしいはひおこなはれん。ひとじふじかけられんためわたさるべし、と。 3そのときしさいちやうみんかんちやうらう、カイファとへるしさいちやうにわあつまり、 4たばかりてイエズスをとらへてころさんとはかりしが、 5へらく、いはひびにはこれすべからず、おそらくはさうどうじんみんうちおこらん、と。 6てイエズスベタニアにて、らいびやうしやシモンのいへたまひけるに、 7あるをんなあたひたかかうゆりたるうつはちてイエズスにちかづき、しよくたまへるかうべそそぎしが、 8でしたちこれいきどほり、そのつひえなんためぞ、 9たかりてひんしやほどこすをたりしものを、とひけるを、 10イエズスりてかれらのたまひけるは、なんこのをんなわづらはすや、かれわれぜんげふせり。 11けだしひんしやつねなんぢともれども、われつねらず。 12このをんなこのかうゆわがそそぎしは、われはうむらんとてしたるなり。 13われまことなんぢぐ、ぜんせかいいづこにもあれ、このふくいんのべつたへられんところには、このをんなししことも、そのきねんとしてかたらるるべし、と。 14ときに十二にんひとりイスカリオテのユダとへるものしさいちやうもときて、 15なんぢわれなにあたへんとするか、われなんぢかれわたさん、とひしに、かれらぎん三十まいやくせしかば、 16ユダこのときよりイエズスをわたさんとして、をりうかがたり。 17たねなしぱんいはひでしたちイエズスにちかづきてひけるは、われなんぢためそなふるすぎこししよくじいづこならんことのぞたまふか。 18イエズスのたまひけるは、なんぢまちき、なにがしもといたりて、いはく、わがときちかづけり、われでしともなんぢいへすぎこしおこなはんとす、とへと。 19でしたちイエズスにめいぜられしごとくにして、すぎこしそなへせり。 20ゆうぐれおよびて、イエズス十二でしともしよくたまひしが、 21かれらしよくしつつあるほどのたまひけるは、われまことなんぢぐ、なんぢうちひとりわれわたさんとす、と。 22かれらはなはうれひて、しゆよ、われなるかと、おのおのいひいでしに、 23イエズスこたへてのたまひけるは、われともはちくるものわれわたさん。 24そもそもひとは、おのれきてかきしるされたるごとくといへどもひとわたものわざはひなるかなうまれざりしならば、むしろかれりてかりしものを、と。 25イエズスをりしユダこたへて、ラビわれなるか、とひしにイエズス、なんぢへるがごとし、とのたまへり。 26いちどうばんさんしつつあるに、イエズスぱんり、しゆくしてこれき、でしたちあたへてのたまひけるは、なんぢりてしよくせよ、これわがからだなりと。 27またさかずきりてしやし、かれらあたへてのたまひけるは、なんぢみなこれよりめ。 28これつみゆるされんとてしゆうじんためながさるべき、しんやくわがなり。 29われなんぢぐ、わがちちくににてともなんぢともあらたなるものをまんまでは、われいまよりこのぶだうしるまじ、と。 30かくさんびかとなをはり、みなかんらんざんいできけるに、 31イエズスのたまひけるは、こんやなんぢみなわれきてつまづかん、かきしるして「われぼくしやたん、かくむれひつじらん」とあればなり。 32れどわれよみがへりてのちなんぢさきだちてガリレアにかん。 33ペトロこたへてひけるは、たとひひとみななんぢきてつまづくとも、われいつつまづかじ。 34イエズスこたへてのたまひけるは、われまことなんぢぐ、こんやにはとりまへに、なんぢたびわれいなまん。 35ペトロひけるは、たとひなんぢともすべくとも、われなんぢいなまじと。でしたちみなおなやうへり。 36かくてイエズスかれらともにゲッセマニとへるゐなかやいたり、でしたちむかひて、かしこきていのあひだなんぢここせよ、とのたまひ、 37ペテロとゼベデオのふたりとをたづさへて、うれひかなしたまへり。 38かれらのたまひけるは、わがたましひぬばかりにうれふ、なんぢこことどまりてわれともめさめてれ、と。 39すこしくすすき、ひれふしていのりつつのたまひけるは、わがちちよ、もしあたふくば、このさかずきわれよりれかし、れどわがいままにとにはあらおぼしめしごとくになれ、と。 40かくでしたちもといたり、かれらねむれるをてペトロにのたまひけるは、かくなんぢ、一じかんわれともめさあたはざりしか、 41いうわくらざらんためめさめていのれ、せいしんはやれどもにくしんよわし、と。 42ふたたびきていののたまひけるは、わがちちよ、このさかずきわれこれまずしてあたはずば、おぼしめしれかし、と。 43またふたたびいたりてかれらねむれるをたまへり、けだしかれらつかれたるなり。 44またかれらはなれてき、たびおなことばとなへていのたまひしが、 45やがでしたちいたりてのたまひけるは、いまはやねむりてやすめ、すはときちかづけり、ひとつみびとわたされんとす。 46きよ、かん、よ、われわたものちかづけり、と。 47なほかたたまへるに、をりしも十二にんひとりなるユダきたり、またしさいちやうみんかんちやうらうよりつかはされただいぐんしゆうつるぎぼうとをちてこれともなへり。 48イエズスをりしものかれらあいづあたへて、せつぷんするところひとそれなり、かれとらへよ、とひしが、 49ただちにイエズスにちかづき、ラビやすかれ、とひてせつぷんせり。 50イエズスかれのたまひけるは、ともよ、なんためきたれるぞ、と。ときひとびとちかづきて、イエズスにけてこれとらへたり。 51をりしも、イエズスとともりしものひとりべてつるぎき、しさいちやうしもべちてそのみみきりおとしかば、 52イエズスこれのたまひけるは、なんぢつるぎさやをさめよ、すべつるぎものつるぎにてほろぶべければなり。 53われわがちちもとずとおもふか、ちちかならずただちに十二たいにもあまれるてんしわれたまふべし。 54もししからば、かくあるべしとへるせいしよことばいかでかじやうじゆせん、と。 55どうじにイエズスぐんしゆうのたまひけるは、なんぢがうとうむかごとく、つるぎぼうとをちてわれとらへにいできたりしか、われひび[しん]でんにてなんぢうちしてをしりしに、なんぢわれとらへざりき。 56れど、すべこのことれるはよげんしやたちしよじやうじゆせんためなり、と。このときでしたちみなイエズスをきてにげれり。 57イエズスをとらへたるひとびとすでりつぱふがくしちやうらうあひあつまたる、しさいちやうカイファのいへひきゆきしが、 58ペトロはるかにイエズスにしたがひてしさいちやうにはまでいたり、なりゆきんとてうちり、しもべともたり。 59しさいちやうすべてのぎゐんとは、イエズスをしよせんとて、これたいするぎしょうもとめ、 60あまたぎしようにんきたりたれどもなほこれざりしが、つひふたりぎしようにんきたりて 61ひけるは、このひとわれしんでんこぼちてみつかのちふたたびこれたてなおこと」とへり、と。 62しさいちやうちてイエズスにむかひ、このひとびとなんぢたいしてしようするところに、なんぢなにをもこたへざるか、とひしも、 63イエズスもくたまへば、しさいちやうひけるは、われけるかみによりてなんぢめいず、なんぢかみキリストなるか、われげよ。 64イエズスのたまひけるは、なんぢへるがごとし、しかれどもわれなんぢぐ、こののちなんぢひとぜんのうましまかみみぎして、そらくもきたるをるべし、と。 65このときしさいちやうおのいふくきてひけるは、かればうとくことばいだせり。われなんなほしようにんえうせん、なんぢいまばうとくことばきて 66いかおもふぞ、と。かれらこたへて、そのつみいたる、とへり。 67ここおいしたやくイエズスのおんかほつばきし、こぶしにてち、あるものひらてにておんかほたたきてひけるは、 68キリストよ、なんぢてるものたれなるかをわれよげんせよ、と。 69てペトロそとにてにはたるに、ひとりげぢよこれちかづき、なんぢもガリレアのイエズスとともりき、とひしかば、 70かれしゆうじんまへにてこれいなみ、われなんぢところらず、とへり。 71もんいづときまたげぢよこれて、ゐあはひとびとむかひ、これもナザレトのイエズスとともりき、とひたるに、 72かれまたちかひて、われかのひとらず、といなめり。 73しばらくありて、かたはらなるひとびとちかづきてペトロにひけるは、なんぢたしかかれらひとりなり、なんぢなまりまでもなんぢあらはせり、と。 74ここおいかれそのひとらず、とてのろかつちかはじめしかば、たちまちにしてにわとりけり。 75かくてペトロ、イエズスがにわとりまへなんぢたびわれいなまんとのたまひしことばおもひいだし、そとでていたけり。

第27章編集

1よあけおよびて、しさいちやうみんかんちやうらうみなイエズスをしよせんとけふぎし、 2しばりてこれめしれ、そうとくポンショ、ピラトにわたせり。 3ときにイエズスをわたししユダ、そのせんこくせられたまひしをこうくわいし、三十まいぎんくわしさいちやうちやうらうもたらしてこれかへし、 4われむざいりてつみおかせり、とひしかばかれらひけるは、われおいなにかあらん、なんぢみづからるべし、と。 5ユダぎんくわを[しん]でんうちなげすててりしが、きてなはもつみづからくびれたり。 6しさいちやうそのぎんくわりてひけるは、これあたひなればさいせんばこるべからず、と。 7すなはけふぎして、これにてやきものしはたけひ、たびびとはかちてたり。 8ゆゑこのはたけけふまでもハケルダマ、すなははたばれたり。 9ここおいよげんしやエレミアによりてはれしことじやうじゆせり、いはく「かれらはイスラエルのねづもられしもののあたひなるぎんくわ三十まいり、 10やきものしはたためあたへたり、しゆわれしめたまへるごとし」と。 11てイエズス、そうとくまへしゆつていたまひしに、そうとくひてひけるは、なんぢはユデアじんわうなるか。イエズスのたまひけるは、なんぢへるがごとし、と。 12かくしさいちやうちやうらうよりうつたへられたまへども、なにごとをもこたたまはざりければ、 13ピラトこれひけるは、かれらなんぢたいしていかおほいなるしようげんすかをかざるか、と。 14イエズスいちごんこれこたたまはざりしかば、そうとくかんたんすることはなはだしかりき。 15ここに、さいじつあたりてそうとくじんみんほつするところしうじんひとりゆるすのれいありしが、 16をりしもバラバとへるなだかしうじんあるにより、 17ピラトかれらあつまりたるに、なんぢわがたれゆるさんことほつするか、バラバかキリストとへるイエズスか、とへり。 18ひとねたみによりてイエズスをわたししをればなり。 19そうとくはふていしけるに、そのつまひとつかはしてひけるは、なんぢこのぎじんかかはることなかれ、けだしわれけふゆめうちに、かれためおほくるしめり、と。 20しさいちやうちやうらうじんみんむかひ、バラバをひてイエズスをほろぼさんことすすめしが、 21そうとくこたへて、なんぢふたりうちいづれをゆるされんことのぞむか、とひしにかれら、バラバを、とひしかば、 22ピラトひけるは、らばキリストとへるイエズスをわれいかしよぶんせんか。 23みないはく、じふじかけよ、と。そうとくかれなんあくししか、とひたれどかれますますさけびて、じふじかけよ、とたり。 24ピラトそのなにかひもなくかえつさうどういやますをて、みづり、じんみんまへあらひてひけるは、このぎじんきてわれつみなし、なんぢみづかるべし、と。 25じんみんみなこたへて、そのわれわれこどもとのうへに[かかれかし]、とひしかば、 26そうとくバラバをかれらゆるし、イエズスをばむちうたせてじふじかけんためかれらわたせり。 27そうとくへいそつ、イエズスをやくしよひきり、ぜんたいそのもとよびあつめ、 28そのいふくぎてあかうはぎせ、 29いばらかんむりみてそのかうべかむらせ、みぎよしたせ、そのまへひざまづきて、ユデアじんわうやすかれ、とひてあざけり、 30またこれつばきかけ、よしりてそのかうべれり。 31イエズスをてうろうしてのちそのころもぎてもといふくせ、じふじかけんとてひきゆきしが、 32まちいづとき、シモンとなづくるシレネじんひしかば、しひこれそのじふじかになはせたり。 33かくてゴルゴタすなはされこうべへるところいたり、 34ぜたるぶだうしゆをイエズスにませんとせしに、これたまひて、ことがへんたまはざりき。 35かれらイエズスをじふじかけてのちくじきてそのいふくわかちしが、これよげんしやりてはれしことじやうじゆせんためなり。いはく「かれらたがひわがいふくわかち、われしたぎくじびきにせり」と。 36かれらまたしてイエズスをまもりしが、 37そのかうべうへに、これユデアじんわうイエズスなり、ときたるすてふだけり。 38これともふたりがうとうひとりそのみぎに、ひとりそのひだりじふじかけられしが、 39わうらいひとイエズスをののしり、かうべりて、 40ああなんぢしんでんこぼちてみつかうちこれたてなほものよ、みづからすくへ、もしかみならばじふじかよりりよ、とたり。 41しさいちやうまたりつぱふがくしちやうらうともおなじくあざけりてひけるは、 42かれたにんすくひしにみづからすくあたはず、もしイスラエルのわうならば、いまじふじかよりるべし、らばわれかれしんぜん。 43かれかみたのめり、かみもしかれよみせばいますくたまふべし、は「われかみなり」とひたればなり、と。 44イエズスとともじふじかけられたるがうとうも、おなやうののしたり。 45かくじふよりさんまで、ちじやうあまねくらやみとなりしが、 46さんごろ、イエズスこゑたかよばはりてのたまひけるは、エリ、エリ、ラマ、サバクタニ、と。これすなはちわがかみよ、わがかみよ、なんわれたまひしや、のなり。 47そこてるものうちあるひとびとこれきて、かれエリアをぶよ、とりしが、 48やがそのうちひとりはしりゆき、かいめんりてふくませ、よしけてかれませんとせるに、 49ひとけ、エリアきたりてかれすくふやいなやをん、とたり。 50イエズスまたこゑたかよばはりていきたまへり。 51をりしも[しん]でんまくうへよりしたまでふたつけ、ふるひ、いはやぶれ、 52はかひらけ、ねむりたるせいじんかばねおほおきあがりしが、イエズスのふくくわつのち53はかでてせいなるみやこいたり、おほくのひとあらはれたり。 54ひやくふちやうおよびこれともにイエズスをまもれるひとびとぢしんおこれることとをはなはだおそれ、かれかみなりき、とへり。 55ここに、ガリレアよりイエズスにしたがひてつかへつつありしおほくのふじんたちはなれてりしが、 56マグダレナ、マリアと、ヤコボ、ヨセフのははなるマリアと、ゼベデオのこらははそのうちりき。 57ひくれおよびて、アリマテアのふうしやヨゼフとへるものきたり、おのれもイエズスのでしなりければ、 58ピラトにいたりてイエズスのしかばねひたるに、ピラトこれわたことめいぜしかば、 59ヨゼフしかばねりてきよぬのつつみ、 60いはりたるあたらしきはかをさめ、はかいりくちおほいなるいしまろばしてれり。 61マグダレナ、マリアとほかのマリアとはそこりて、はかむかひてたり。 62よくじつすなはよういつぎしさいちやうファリザイじん、ピラトのもとつどいたりて 63ひけるは、きみよ、われおもひいだしたり、かのいつはりものなほぞんめいせしときわれみつかのちふくくわつせんとひしなり。 64ればめいじてみつかまではかまもらせよ、おそらくはでしどもきたりてこれぬすみ、よりふくくわつせりとじんみんはん、らばのちまどひまへよりもはなはだしかるべし、と。 65ピラトかれらむかひ、なんぢばんぺいあり、きておもまままもれとひければ、 66かれらきていしふういんし、ばんぺいはかまもらせたり。