ベン・シラの智慧 第四十一章

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第四十一章 編集

1 よ、なんぢ記憶きおくはいかににがきかな。所有物もちものありて平和へいわなるひとにとりて、またなにわづらひなく、すべてのことにさかえ、かつ食物しょくもつくるちからあるひとにとりて、
2 よ、なんぢ宣告せんこくは、とぼしきひとちからおとろへたるひと、いたくい、すべてのことにつきておもわづらひ、ひがみてかつ忍耐にんたいなきひとによりてれられん。
3 宣告せんこくおそるな、なんぢまへりしものとなんぢのちきたものとをおぼえよ。はすべてのにくたいするしゅ宣告せんこくなり。
4 至高者いとたかきもの御心みこころによるときなんぢ何故なにゆゑこれをこばむか。十年じふねんにもせよ、百年ひゃくねんにもせよ、また千年せんねんにもせよ、陰府よみりては生命いのちにつきての問題もんだいなし。

5 罪人つみびとらはむべきらなり。彼等かれら敬虔けいけんならぬ人々ひとびと住居すみかしばしばきたる。
6 罪人つみびとらの嗣業ゆづりほろび、その持物もちものにはえざる誹謗そしりともなはん。
7 らは敬虔けいけんならぬちちにつきてつぶやかん。これ彼等かれらちちのためにそしらるるゆゑなり。
8 禍害わざはひなるかな、敬虔けいけんならぬ人々ひとびと彼等かれら至高者いとたかきもの律法おきててたり。
9 なんぢうまれしはのろひのためにうまれしにて、なんぢなばのろひなんぢ分前わけまへとならん。
10 つちよりでたるすべてのものはまたつちかへごとく、敬虔けいけんならぬひと呪咀のろひより滅亡ほろびいたらん。
11 ひとはその身體からだにつきてあり。されど罪人つみびと永遠とこしへすべし。
12 なんぢにつきてかんがへよ、それは千箇せんこ黄金こがねたからまさりてながなんぢとものこればなり。
13 生命いのち日數ひかずかぎりあれど、はとこしへにのこらん。

14 わがよ、平和へいわをもて教訓をしへまもれ。されどかくれたる智慧ちゑえざるたからとになにえきかあらん。
15 その智慧ちゑかくひとに、そのおろかかくひとまさる。
16 さればわがことばうやまへ。あらゆるはぢたもつはからず。すべてのものはすべてのものによりて、信仰しんかうをもてよしとせられざるなり。

17 父母ちちははまへ淫行いんかうを、有司つかさちからある人々ひとびとまへ虚僞いつはりぢよ。
18 審判者さばきびと有司つかさとのまへおのをかししつみを、會衆くわいしゅうたみとのまへ不法ふはふを、伴侶はんりょともとのまへ不正ふせい取扱とりあつかひぢよ。
19 なんぢのさすらいしたいしてはぬすみにつきて、またかみ眞理まこととその契約けいやくにつきて、食卓しょくたくりかかることにつきて、貸借かしかりかかは惡口あくこうにつきて、
20 なんぢ挨拶あいさつするものまへにての沈默ちんもくにつきて、遊女あそびめなるをんなながむることにつきて、
21 なんぢかほ親戚しんせきそむくることにつきて、分前わけまへまた供物そなへものることにつきて、をっとあるをんな視凝みつむることにつきて、
22 わかはしためもちぐることにつきて、またそのとこをかすことにつきて、非難そしりことばともかたることにつきて、またあたへたるのちこれをむることにつきて、
23 なんぢきしことを繰返くりかへまたかたることにつきて、また祕密ひみつあばくことにつきてぢよ。
24 かくてなんぢまことはじり、すべてのひとまへめぐみべし。