ベン・シラの智慧 序言

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序言 編集

 律法おきて預言者よげんしやおよこれしたがひたる人々ひとびとによりて、おほくのおおいなることどもつたへられたり。此等これらのことのゆゑに、その教訓をしへ智慧ちゑとにつきて、イスラエルはあがめらるべきなり。かつこれらのことは、むものみづからこれによりてをしへらるべきものなるのみならず、篤學とくがくなる人々ひとびとはこれをかたり、これをしるして他人たにんえきすべきものなれば、祖父そふイエス多年たねん律法おきて預言者よげんしやおよ父祖ふそたちの諸書しよしよみ、くこれに精通せいつうして、みづからもまた教訓をしへ智慧ちゑとにかかはことしるし、篤學とくがくなる人々ひとびとおよ此等これらのことにたづさはる人々ひとびとをして、律法おきてによる生活せいくわつにますますすすましめんとせり。さればふ、こころかたむけてこれを熟讀じゆくどくし、我等われら解釋かいしやくせんとつとめしところに、語句ごくけたるあらばこれゆるせ。そはヘブルにてかたられしものを他國語たこくご飜譯ほんやくするときそのちからおなじからず、またただ此等これらのみならず、律法おきてそのものも預言よげんも、諸書しよしよも、原語げんごにてかたらるるときは、その相違さうゐすくなからざるなり。ユエルゲススわうさんじふはちねんに、われエジプトにきたりて、しばらくここにとどまあひだふみよりしばしばおほくの教訓をしへ見出みいだしぬ。さればわれみづか熱心ねつしん勞力らうりよくあいするこころとをもてこのふみ飜譯ほんやくする必要ひつえうかんじ、しん不眠ふみん注意ちゆうい技巧ぎかうとをかたむけて、豫期よき時日じじつうちにその飜譯ほんやくをはり、異境いきやうにありて、がくにいそしみ、をさめ、律法おきてしたがひてきんとほつするもののために、これを公刊こうかんすることとせり。