プロジェクト・マネジャーが知るべき97のこと/約束事が明確なら友情も長続きする
このエッセイのタイトルは古いイタリアのことわざ"Patti chiari, amicizia lunga"(「約束事が明確なら友情も長続きする」)に由来しています。
この考え方は、プロジェクトマネジメント原則のさまざまな面に当てはまります。上位の方法論レベルで見ると、このことわざは、スコープ記述、目標と成果物の設定、プロジェクト定義ドキュメントの作成などの背景にある考え方を要約しています。実際のところ、プロジェクトの中間生成物はすべて、プロジェクトチームが成し遂げようとする約束事と目標を事前に提示するためにあります。
こうした考え方を頭に入れて、プロジェクト全体を俯瞰してみましょう。プロジェクト憲章、スコープ、WBS、スケジュール、コスト見積りから、品質/ 人的資源/ コミュニケーションおよび調達計画まで、PMBOK® ガイドの9 つの知識領域にわたるプロジェクトライフサイクルの立ち上げフェーズと計画フェーズを見てみましょう。
それぞれのアクティビティが重要視しているのは、事前に計画することと、同じ考えを持つようステークホルダー全員に計画を伝えることです。これらは、プロジェクトライフサイクルが順調に進むことを保証する基本的な尺度となります。
次に、ミーティング運営においては、ミーティングガイドラインとチームに期待されることが明確になっているかを確認しましょう。もし明確でなければ、設定して提示しましょう。
- 具体的なアジェンダと必要な出席者のリストを事前に用意しましょう。すぐれたソフトウェア開発者には高い給料を支払っています。ミーティングのためにコーディングの時間をムダにしていると、すぐに予算をオーバーしてしまいます。
- 情報を集めたり、外部の専門家と話をしたり、関連する文献や研究報告を読んだり、過去の議事録や社内の記録を調べるなどして、必要に応じて参加者に事前準備させましょう。チームメンバーの準備不足のせいで、エグゼクティブと2 度目のミーティングを設定することは許されません。
- プレゼンテーション準備のために、ノートPC をコンセントにつないだり、プロジェクターを用意したり、オーディオをつないだりする必要があれば、早めにミーティング場所に到着しておきましょう。そうでなくとも数分早めに来て、席を見つけて、コーヒーを入れて、ほかのチームメンバーに挨拶しましょう。
- ミーティング中には通信デバイス(ブラックベリー、ノートPC、携帯電話)を使わないという「ポリシー」を決めておきましょう。あなたが話しかけたときにメールを書いたりゲームをしている開発者がいれば、その人はあなたを無視していたということです。
- ほかのチームメンバーを尊重しましょう。脇で個別に会話したり、割り込んだり、ほかの人と議論したりするのを控えましょう。
さらに、顧客やベンダー、下請け業者とは明確な契約を結んでおきましょう。営業が注目するのは、納品される最終製品と組織が受けとる最終価格だけです。変更がどのように要求されて承認されるのか、その料金はどうなるのかといった詳細についても、必ず明記しておきましょう。
顧客はプロジェクトについて、どれくらいの頻度でどんな形で連絡をとることを期待しているのか、その手順を定めておきましょう。顧客はチームからの質問に答えられますか?
開発の進行に応じて、顧客はエンドユーザーにソフトウェアの機能をテストさせたがっていますか?
約束事が明確なら友情も長続きします。これはどんなプロジェクト環境にも当てはまります。
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