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フルーツ・ポンチ (牧野虚太郎)
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牧野虚太郎詩集
『フルーツ・ポンチ』
作者:
牧野虚太郎
電話のある街角では
もはや沐浴の肩は見えない
馭者の羽根に蝶々を縫ひ
あたりの所有を伏せた
次の街角からは
門をとざして
秩序の股にナイフを置くと
やがてかど/\のランプのともりが
植物の約束をやぶいて
幼猿の腰をまはるく通りすぎた
何時か蜜色の海は鈍角を失ひ
骰子の靜かな走法と拡りに
白い鞭を捨てて
大胆な愛情をかかへ
退屈な破爪に液体を浸した