ネヘミヤ記 (文語訳)

ネヘミヤ記(文語訳)から転送)

<聖書<文語訳旧約聖書

w:舊新約聖書 [文語]』w:日本聖書協会、1953年

w:明治元訳聖書

w:ネヘミヤ記

第1章

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ハカリヤの子ネヘミヤの言詞/第二十年キスレウの月我シユシヤンの都にありける時


わが兄弟の一人なるハナニ數人の者とともにユダより來りしかば我俘虜人の遺餘なる夫の逃れかへりしユダヤ人の事およびヱルサレムの事を問たづねしに

彼ら我に言けるは俘虜人の遺餘なる夫の州内の民は大なる患難に遭ひ凌辱に遭ふ又ヱルサレムの石垣は打崩され其門は火に焚たりと

我この言を聞坐りて泣き數日の間哀しみ斷食し天の神に祈りて言ふ

天の神ヱホバ大なる畏るべき神己を愛し己の誡命を守る者にむかひて契約を保ち恩惠を施こしたまふ者よ

ねがはくは耳を傾むけ目を開きて僕の祈祷を聽いれたまへ我いま汝の僕なるイスラエルの子孫のために日夜なんぢの前に祈り我儕イスラエルの子孫が汝にむかひて犯せし罪を懺悔す誠に我も我父の家も罪を犯せり

我らは汝にむかひて大に惡き事を行ひ汝の僕モーセに汝の命じたまひし誡命をも法度をも例規をも守らざりき

請ふ汝の僕モーセに命じたまひし言を憶ひたまへ其言に云く汝ら若罪を犯さば我汝らを國々に散さん

然れども汝らもし我にたちかへり我誡命を守りてこれを行なはば暇令逐れゆきて天の涯にをるとも我そこより汝等をあつめ我名を住はせんとて撰びし處にきたらしめんと

そもそも是等の者は汝が大なる能力と強き手をもて贖ひたまひし汝の僕なんぢの民なり

主よ請ふ僕の祈祷および汝の名を畏むことを悦こぶ汝の僕等の祈祷に耳を傾けたまへ願くは今日僕を助けて此人の目の前に憐憫を得させたまへこの時我は王の酒人なりき

第2章

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茲にアルタシヤスタ王の二十年ニサンの月王の前に酒のいでし時我酒をつぎて王にたてまつれり我は今まで王の前にて憂色を帶しこと有ざりき

王われに言けるは汝は疾病も有ざるに何とて面に憂色を帶るや是他ならず心に憂ふる所あるなりと是において我甚だ大に懼れたりしが

遂に王に奏して曰ふ願くは王長壽かれ我が先祖の墓の地たるその邑は荒蕪その門は火にて焚たれば我いかで顔に憂色を帶ざるを得んやと

王われに向ひて然らば汝何をなさんと願ふやと言ければ我すなはち天の神に祈りて

王に言けるは王もし之を善としたまひ我もし汝の前に恩を得たる者なりせば願くはユダにあるわが先祖の墓の邑に我を遣はして我にこれを建起さしめたまへと

時に后妃も傍に坐しをりしが王われに言けるは汝が往てをる間は何程なるべきや何時頃歸りきたるやと王かく我を遣はすことを善としければ我期を定めて奏せり

而して我また王に言けるは王もし善としたまはば請ふ河外ふの総督等に與ふる書を我に賜ひ彼らをして我をユダまで通さしめたまへ

また王の山林を守るアサフに與ふる書をも賜ひ彼をして殿に屬する城の門を作り邑の石垣および我が入べき家に用ふる材木を我に授けしめたまへと我神善く我を助けたまひしに因て王これを我に允せり

是に於て我河外ふの総督等に詣りて王の書をこれに付せり王は軍長數人に騎兵をそへて我に伴なはせたり

時にホロニ人サンバラテおよびアンモニ人奴隸トビヤこれを聞きイスラエルの子孫の安寧を求むる人來れりとて大に憂ふ

我ついにヱルサレムに到りて彼處に三日居りける後

夜中に起いでたり數人の者われに伴なふ我はわが神がヱルサレムのために爲せんとて我心に入たまひし所の事を何人にも告しらせず亦我が乗る一匹の畜の外には畜を引つれざりき

我すなはち夜中に立いで谷の門を通り龍井の對面を經糞門に至りてヱルサレムの石垣を閲せしにその石垣は頽れをりその門は已に火に焚てありき

かくて又前みて泉の門にゆき王の池にいたりしに我が乗る畜の通るべき處なかりき

我亦その夜の中に渓川に沿て進みのぼりて石垣を觀めぐり頓て身を反して谷の門より歸りいりぬ

然るに牧伯等は我が何處に往しか何を爲しかを知ざりき我また未だこれをユダヤ人にも祭司にも貴き人にも方伯等にも其他の役人にも告しらせざりしが

遂に彼らに言けるは汝らの見るごとく我儕の境遇は惡くヱルサレムは荒はてその門は火に焚たり來れ我儕ヱルサレムの石垣を築きあげて再び世の凌辱をうくることなからんと

而して我わが神の善われを助けたまひし事を彼らに告げまた王の我に語りし言詞をも告しらせければ去來起て築かんと言ひ皆奮ひてこの美事を爲んとす

時にホロニ人サンバラテ、アンモニ人奴隸トビヤおよびアラビヤ人ガシムこれを聞て我らを嘲けり我儕を悔りて言ふ汝ら何事をなすや王に叛かんとするなるかと

我すなはち答へて彼らに言ふ天の神われらをして志を得させたまはん故に其僕たる我儕起て築くべし然ど汝らはヱルサレムに何の分もなく權理もなく記念もなしと


第3章

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茲に祭司の長ヱリアシブその兄弟の祭司等とともに起て羊の門を建て之を聖別てその扉を設け尚も之を聖別てハンメアの戌樓に及ぼし又ハナネルの戌樓に及ぼせり

その次にはヱリコの人々を築き建て其次にはイムリの子ザツクル築き建たり

魚の門はハツセナアの子等これを建構へその扉を設けて之に鎖と閂を施こせり

その次にはハツコヅの子ウリヤの子メレモタ修繕をなし其次にはメシザベルの子ベレキヤの子メシユラム修繕をなしその次にはバアナの子ザドク修繕をなし

その次にはテコア人等修繕をなせり但しその貴き族はその主の工事に服せざりき

古門はパセアの子ヨイアダおよびベソデヤの子メシユラムこれを修繕ひ構へその扉を設けて之に鎖と閂を施せり

その次にはギベオン人メラテヤ、メロノテ人ヤドン河外ふの総督の管轄に屬するギベオンとミヅパの人々等修繕をなせり

その次にはハルハヤの子ウジエルなどの金工修繕をなし其次には製香者ハナニヤなど修繕をなしヱルサレムを堅うして石垣の廣き處にまで及べり

その次にはエルサレムの郡の半の知事ホルの子レパヤ修繕をなせり

その次にはハルマフの子ヱダヤ己の家と相對ふ處を修繕りその次にはハシヤブニヤの子ハツトシ修繕をなせり

ハリムの子マルキヤおよびバハテモアブの子ハシユブも一方を修繕ひまた爐戍樓を修繕へり

その次にはヱルサレムの郡の半の知事ハロヘシの子シヤルムその女子等とともに修繕をなせり

谷の門はハヌン、ザノアの民と偕に之を修繕ひ之を建なほしてその扉を設け之に鎖と閂を施しまた糞の門までの石垣一千キユビトを修繕り

糞の門はベテハケレムの郡の半の知事レカブの子マルキヤこれを修繕ひ之を建なほしてその扉を設け之に鎖と閂を施こせり

泉の門はミヅパの郡の知事コロホゼの子シヤルンこれを修繕ひ之を建なほして覆ひその扉を設け之に鎖と閂を施こしまた王の園の邊なるシラの池に沿る石垣を修繕てダビデの邑より下るところの階級にまで及ぼせり

その後にはベテズルの郡の半の知事アズブクの子ネヘミヤ修繕をなしてダビデの墓に對ふ處にまで及ぼし堀池に至り勇士宅に至れり

その後にはバニの子レホムなどのレビ人修繕をなし其次にはケイラの郡の半の知事ハシヤビヤその郡の爲に修繕をなせり

その後にはケイラの郡の半の知事ヘナダデの子バワイなどいふ其兄弟修繕をなし

その次にはヱシユアの子ミヅパの知事エゼル石垣の彎にある武器庫に上る所に對へる部分を修繕ひ

その後にはザバイの子バルク力を竭して石垣の彎より祭司の長エリアシブの家の門までの部分を修繕ひ

その次にはハツコヅの子ウリヤの子メレモテ、エリアシブの家の門よりエジアシブの家の極までの部分を修繕ひ

その次には窪地の人なる祭司等修繕をなし

その次にはベニヤミンおよびハシユブ己の家と相對ふ處を修繕ひ其次にはアナニヤの子マアセヤの子アザリヤ己の家に近き處を修繕ひ

その次にはヘナダデの子ビンヌイ、アザリヤの家より石垣の彎角までの部分を修繕へり

ウザイの子パラルは石垣の彎に對ふ處および王の上の家より聳え出たる戍樓に對ふ處を修繕り是は侍衛の廳に近し其次にはパロシの子ペダヤ修繕をなせり

時にネテニ人オペルに住をりて東の方水の門に對ふ處および聳え出たる戍樓に對ふ處まで及べり

その次にはテコア人聳出たる大戍樓に對ふところの部分を修繕てオペルの石垣に及ぼせり

馬の門より上は祭司等おのおのその己の家と相對ふ處を修繕り

その次にはインメルの子ザドク己の家と相對ふ處を修繕ひ其次にはシカニヤの子シマヤといふ東の門を守る者修繕をなし

その次にはシレミヤの子ハナニヤおよびザラフの第六の子ハヌン一方を修繕ひその後にはベレキヤの子メシユラム己の室と相對ふ處を修繕へり

その次には金工の一人マルキヤといふ者ハンミフカデの門と相對ふ處を修繕ひて隅の昇口に至りネテニ人および商人の家に及ぼせり

また隅の昇口と羊の門の間は金工および商人等これを修繕へり

第4章

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茲にサンバラテわれらが石垣を築くを聞て怒り大に憤ほりてユダヤ人を罵れり

即ち彼その兄弟等およびサマリアの軍兵の前に語りて言ふ此軟弱しきユダヤ人何を爲や自ら強くせんとするか獻祭をなさんとするか一日に事を終んとするか塵堆の中の石は旣に燬たるに之を取出して活さんとするかと

時にアンモニ人トビヤその傍にありてまた言ふ彼らの築く石垣は狐上るも圮るべしと


我らの神よ聽たまへ我らは侮らる願くは彼らの出す凌辱をその身の首に歸し彼らを他國に擄はれしめ掠られしめたまへ

彼らの愆を蔽ひたまふ勿れ彼らの罪を汝の前より消去しめたまはざれ其は彼ら築建者の前にて汝の怒を惹おこしたればなり

斯われら石垣を築きけるが石垣はみな已に相連なりてその高さの半にまで及べり其は民心をこめて操作たればなり

然るにサンバラテ、トビヤ、アラビヤ人アンモニ人アシドド人等ヱルサレムの石垣改修れ其破壞も次第に塞がると聞て大に怒り

皆ともに相結びてヱルサレムに攻來らんとしその中に擾亂をおこさんとせり

是において我ら神に祈祷をなしかれらのために日夜守望者を置て之に備ふ

ユダ人は言り荷を負ふ者の力衰へしが上に灰土おびただしくして我ら石垣を築くこと能はずと

我らの敵は言り彼等が知ずまた見ざる間に我ら其中に入り之を殺してその工事を止めんと

又彼らの邊に住るユダヤ人來る時は我らに告て言ふ汝ら我らの所に歸らざるべからずと其事十次にも及べり

是に因て我石垣の後の顕露なる低き處に民を置き劍鎗または弓を持せてその宗族にしたがひて之をそなふ

我觀めぐり起て貴き人々および牧伯等ならびにその餘の民に告て云ふ汝ら彼等のために懼るる勿れ主の大にして畏るべきを憶ひ汝らの兄弟のため男子女子のため妻および家のために戰かへよと

我らの敵おのが事の我らに知れたるをききておのが謀計を神に破られたるを聞しによりて我ら皆石垣に歸り各々その工事をなせり

其時より後わが僕半は工事に操作き半は鎗楯弓などを持て鎧を着たり牧伯等はユダの全家の後にありき

石垣を築く者および荷を負ひはこぶ者は各々片手もて工事を爲し片手に武器を執り

築建者はおのおのその腰に劍を帶て築き建つ又喇叭を吹く者は我傍にあり

我貴き人々および牧伯等ならびにその餘の民に告て云ふ此工事は大にして廣ければ我儕石垣にありて彼此に相離ること遠し

何處にもあれ汝ら喇叭の音のきこゆるを聞ば其處に奔あつまりて我らに就け我らの神われらのために戰ひたまふべしと

我ら斯して工事をなしけるが半の者は東雲の出るより星の現はるるまで鎗を持をれり

當時われ亦民に言らく皆おのおのその僕とともにヱルサレムの中に宿り夜は我らの防守となり晝は工事をつとむべしと

而して我もわが兄弟等もわが僕も我に從がふ防守の人々もその衣服を脱ず水を汲に出るにも皆武器を執れり

第5章

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茲に民その妻とともにその兄弟なるユダヤ人にむかひて大に叫べり

或人言ふ我儕および我らの男子女子は多し我ら穀物を得食ふて生ざるべからず

或人は言ふ我らは我らの田畑葡萄園および家をも質となすなり旣に飢に迫れば我らに穀物を獲させよ

或は言ふ我らは我らの田畝および葡萄園をもて金を貸て王の租税を納む

然ど我らの肉も我らの兄弟の肉と同じく我らの子女も彼らの子女と同じ視よ我らは男子女子を人に伏從はせて奴隸となす我らの女子の中すでに人に伏從せし者もあり如何とも爲ん方法なし其は我らの田畝および葡萄園は別の人の有となりたればなりと

我は彼らの叫および是等の言を聞て大に怒れり

是において我心に思ひ計り貴き人々および牧伯等を責てこれに言けるは汝らは各々その兄弟より利息を取るなりと而して我かれらの事につきて大會を開き

彼らに言けるは我らは異邦人の手に賣れたる我らの兄弟ユダヤ人を我らの力にしたがひて贖へり然るにまた汝等は己の兄弟を賣んとするやいかで之をわれらの手に賣るべけんやと彼らは默して言なかりき

我また言けるは汝らの爲すところ善らず汝らは我らの敵たる異邦人の誹謗をおもひて我儕の神を畏れつつ事をなすべきに非ずや

我もわが兄弟および僕等も同じく金と穀物とを貸て利息を取ことをなす願くは我らこの利息を廢ん

請ふ汝ら今日にも彼らの田畝葡萄園橄欖園および家を彼らに還しまた彼らに貸あたへて金穀物および酒油などの百分の一を取ることを廢よと

彼ら即ち言けるは我ら之を還すべし彼らに何をも要めざらん汝の言るごとく我ら然なすべしと是に於て我祭司を呼び彼らをして此言のごとく行なふといふ誓を立しめたり

而して我わが胸懐を打拂ひて言ふ此言を行はざる者をば願くは神是のごとく凡て打拂ひてその家およびその業を離れさせたまへ即ちその人は斯打拂はれて空しくなれかしと時に會衆みなアーメンと言てヱホバを讃美せり而して民はこの言のごとくに行へり

且また我がユダの地の総督に任ぜられし時より即ちアルタシヤユタ王の二十年より三十二年まで十二年の間は我もわが兄弟も総督の受べき禄を食ざりき

わが以前にありし旧の総督等は民に重荷を負せてパンと酒とを是より取り其外にまた銀四十シケルを取れり然のみならずその僕等も亦民を圧せり然ども我は神を畏るるに因て然せざりき

我は反てこの石垣の工事に身を委ね我儕は何の田地をも買しこと無し我僕は皆かしこに集りて工事をなせり

且また我席にはユダヤ人および牧伯等百五十人あり其外にまた我らの周圍の異邦人の中より我らに來れる者等もありき

是をもて一日に牛一匹肥たる羊六匹を備へ亦鶏をも許多備へ十日に一回種々の酒を多く備へたり是ありしかどもこの民の役おもきに因て我は総督の受くべき禄を要めざりき

わが神よ我が此民のために爲る一切の事を憶ひ仁慈をもて我をあしらひ給へ

第6章

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サンバラテ、トビヤおよびアラビヤ人ガシムならびにその餘の我らの敵我が石垣を築き終りて一の破壞も遺らずと聞り(然どその時は未だ門に扉を設けざりしなり)

是においてサンバラテとガシム我に言つかはしけるは來れ我らオノの平野なる某の村にて相會せんとその實は我を害せんと思ひしなり

我すなはち使者を彼らに遣はして言らく我は大なる工事をなし居れば下りゆくことを得ずなんぞ工事を離れ汝らの所に下りゆきてその間工事を休ますべけんやと

彼ら四次まで是のごとく我に言遣はしけるが我は何時もかくのごとく之に答へたり

是においてサンバラテまた五次目にその僕を前のごとく我に遣はせり其手には封ぜざる書を携さふ

その文に云く國々にて言傳ふガシムもまた然いふ汝はユダヤ人とともに叛かんとして之がために石垣を築けり而して汝はその王とならんとすとその言ところ是のごとし

また汝は預言者を設けて汝の事をヱルサレムに宣しめユダに王ありと言しむといひ傳ふ恐くはその事この言のごとく王に聞えん然ば汝いま來れ我ら共に相議らんと

我すなはち彼に言つかはしけるは汝が言るごとき事を爲し事なし惟なんぢ之を己の心より作りいだせるなりと

彼らは皆われらを懼れしめんとせり彼ら謂らく斯なさば彼ら手弱りて工事を息べければ工事成ざるべしと今ねがはくは我手を強くしたまへ


かくて後我メヘタベルの子デラヤの子シマヤの家に往しに彼閉こもり居て言らく我ら神の室に到りて神殿の内に相會し神殿の戸を閉おかん彼ら汝を殺さんとて來るべければなり必ず夜のうちに汝を殺さんとて來るべしと

我言けるは我ごとき人いかで逃べけんや我ごとき身にして誰か神殿に入て生命を全うすることを爲んや我は入じと

我暁れるに神かれを遣はしたまひしに非ず彼が我にむかひて此預言を説しはトビヤとサンバラテ彼に賄賂したればなり

彼に賄賂せしは此事のためなり即ち我をして懼れて然なして罪を犯さしめ惡き名を我に負する種を得て我を辱しめんとてなりき

わが神よトビヤ、サンバラテおよび女預言者ノアデヤならびにその他の預言者など凡て我を懼れしめんとする者等を憶えてその行爲に報をなしたまへ

石垣は五十二日を歴てエルルの月の二十五日に成就せり

我らの敵皆これを聞ければ我らの周圍の異邦人は凡て怖れ大に面目をうしなへり其は彼等この工事は我らの神の爲たまひし者なりと暁りたればなり

其頃ユダの貴き人々しばしば書をトビヤにおくれりトビヤの書もまた彼らに來れり

トビヤはアラの子シカニヤの婿なるをもてユダの中に彼と盟を結べる者多かりしが故なりトビヤの子ヨハナンも亦ベレキヤの子メシユラムの女子を妻に娶りたり

彼らはトビヤの善行を我前に語りまた我言を彼に通ぜりトビヤは常に書をおくりて我を懼れしめんとせり

第7章

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石垣を築き扉を設け門を守る者謳歌者およびレビ人を立るにおよびて

我わが兄弟ハナニおよび城の宰ハナニヤをしてヱルサレムを治めしむ彼は忠信なる人にして衆多の者に超りて神を畏るる者なり

我かれらに言ふ日の熱くなるまではヱルサレムの門を啓くべからず人々の立て守りをる間に門を閉させて汝らこれを堅うせよ汝らヱルサレムの民を番兵に立て各々にその所を守らしめ各々にその家と相對ふ處を守らしめよと

邑は廣くして大なりしかどもその内の民は寡くして家は未だ建ざりき

我神はわが心に貴き人々牧伯等および民を集めてその名簿をしらぶる思念を起さしめたまへり我最先に上り來りし者等の系圖の書を得て見にその中に書しるして曰く

往昔バビロンの王ネブカデネザルに擄へられバビロンに遷されたる者のうち俘囚をゆるされてヱルサレムおよびユダに上りおのおの己の邑に歸りし此州の者は左の如し 是皆ゼルバベル、ヱシユア、ネヘミヤ、アザリヤ、ラアミヤ、ナハマニ、モルデカイ、ビルシヤン、ミスペレテ、ビグワイ、ネホム、バアナ等に隨ひ來れり

そのイスラエルの民の人數は是のごとし

パロシの子孫二千百七十二人

シパテヤの子孫三百七十二人

アラの子孫六百五十二人

ヱシユアとヨアブの族たるパハテモアブの子孫二千八百十八人

エラムの子孫千二百五十四人

ザツトの子孫八百四十五人

ザツカイの子孫七百六十人

ビンヌイの子孫六百四十八人

ベバイの子孫六百二十八人

アズガデの子孫二千三百二十二人

アドニカムの子孫六百六十七人

ビグワイの子孫二千六十七人

アデンの子孫六百五十五人

ヒゼキヤの家のアテルの子孫九十八人

ハシユムの子孫三百二十八人

ベザイの子孫三百二十四人

ハリフの子孫百十二人

ギベオンの子孫九十五人

ベテレヘムおよびネトパの人百八十八人

アナトテの人百二十八人

ベテアズマウテの人四十二人

キリアテヤリム、ケピラおよびベエロテの人七百四十三人

ラマおよびゲバの人六百二十一人

ミクマシの人百二十二人

ベテルおよびアイの人百二十三人

他のネボの人五十二人

他のエラムの民千二一百五十四人

ハリムの民三百二十人

ヱリコの民三百四十五人

ロド、ハデデおよびオノの民七百二十一人

セナアの子孫三千九百三十人

祭司はヱシユアの家のヱダヤの子孫九百七十三人

インメルの子孫千五十二人

パシユルの子孫一千二百四十七人

ハリムの子孫一千十七人

レビ人はホデワの子等ヱシユアとカデミエルの子孫七十四人

謳歌者はアサフの子孫百四十八人

門を守る者はシヤルムの子孫アテルの子孫タルモンの子孫アツクブの子孫ハテタの子孫シヨバイの子孫百三十八人

ネテニ人はジハの子孫ハスパの子孫タバオテの子孫

ケロスの子孫シアの子孫パドンの子孫

レバナの子孫ハガバの子孫サルマイの子孫

ハナンの子孫ギデルの子孫ガハルの子孫

レアヤの子孫レヂンの子孫ネコダの子孫

ガザムの子孫ウザの子孫パセアの子孫

ベサイの子孫メウニムの子孫ネフセシムの子孫

バクブクの子孫ハクパの子孫ハルホルの子孫

バヅリテの子孫メヒダの子孫ハルシヤの子孫

バルコスの子孫シセラの子孫テマの子孫

ネヂアの子孫ハテパの子孫等なり

ソロモンの僕たりし者等の子孫は即ちソタイの子孫ソペレテの子孫ペリダの子孫

ヤアラの子孫ダルコンの子孫ギデルの子孫

シパテヤの子孫ハツテルの子孫ポケレテハツゼバイムの子孫アモンの子孫

ネテニ人とソロモンの僕たりし者等の子孫とは合せて三百九十二人

またテルメラ、テルハレサ、ケルブ、アドンおよびインメルより上り來れる者ありしがその宗家とその血統とを示してイスラエルの者なるを明かにすることを得ざりき

是すなはちデラヤの子孫トビヤの子孫ネコダの子孫にして合せて六百四十二人

祭司の中にホバヤの子孫ハツコヅの子孫バルジライの子孫ありバルジライはギレアデ人バルジライの女を妻に娶りてその名を名りしなり

是等の者系圖に載る者等の中にその籍を尋ねたれども在ざりき是故に汚れたる者として祭司の中より除かれたり

テルシヤタ即ち之に告てウリムとトンミムを帶る祭司の興るまでは至聖物を食ふべからずと言り

會衆あはせて四萬二千三百六十人

この外にその僕婢七千三百三十七人謳歌男女二百四十五人あり

その馬七百三十六匹その騾二百四十五匹

駱駝四百三十五匹驢馬六千七百二十匹

宗家の長の中工事のために物を納めし人々ありテルシヤタは金一千ダリク鉢五十 祭司の衣服五百三十襲を施して庫に納む

また宗家の長數人は金二萬ダリク銀二千二百斤を工事のために庫に納む

その餘の民の納めし者は金二萬ダリク銀二千斤祭司の衣服六十七襲なりき

かくて祭司レビ人門を守る者謳歌者民等ネテニ人およびイスラエル人すべてその邑々に住り/イスラエルの子孫かくてその邑々に住みをりて七月にいたりぬ

第8章

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茲に民みな一人のごとくになりて水の門の前なる廣場に集り學士エズラに請てヱホバのイスラエルに命じたまひしモーセの律法の書を携へきたらんことを求めたり

この日すなはち七月一日祭司エズラ律法を携へ來りてその集りをる男女および凡て聽て了ることを得るところの人々の前に至り

水の門の前なる廣場にて曙より日中まで男女および了り得る者等の前にこれを誦めり民みな律法の書に耳を傾く

學士エズラこの事のために預て設けたる木の臺の上に立たりしがその傍には右の方にマツタテヤ、シマ、アナヤ、ウリヤ、ヒルキヤおよびマアセヤ立をり左の方にペダヤ、ミサエル、マルキヤ、ハシユム、ハシバダナ、ゼカリヤおよびメシユラム立をる

エズラ一切の民の目の前にその書を開けり(彼一切の民より高きところに立たり)かれが開きたる時に民みな起あがれり

エズラすなはち大神ヱホバを祝しければ民みなその手を擧て應へてアーメン、アーメンと言ひ首を下げ地に俯伏てヱホバを拝めり

ヱシユア、バニ、セレビヤ、ヤミン、アツクブ、シヤベタイ、ホデヤ、マアセヤ、ケリタ、アザリヤ、ヨザバテ、ハナン、ペラヤおよびレビ人等民に律法を了らしめたり民はその所に立をる

彼等その書に就て神の律法を朗かに誦み且その意を解あかしてその誦ところを之に了らしむ

時にテルシヤタたるネヘミヤ祭司たる學士エズラおよび民を敎ふるレビ人等一切の民にむかひて此日は汝らの神ヱホバの聖日なり哭くなかれ泣なかれと言り其は民みな律法の言を聽て泣たればなり

而して彼らに言けるは汝ら去て肥たる者を食ひ甘き者を飮め而してその備をなし得ざる者に之を分ちおくれ此日は我らの主の聖日なり汝ら憂ふることをせざれヱホバを喜ぶ事は汝らの力なるぞかしと

レビ人も亦一切の民を靜めて言ふ汝ら默せよ此日は聖きぞかし憂ふる勿れと


一切の民すなはち去りて食ひかつ飮み又人に分ちおくりて大なる喜悦をなせり是はその誦きかされし言を了りしが故なり

その翌日一切の民の族長等祭司およびレビ人等律法の語を學ばんとて學士エズラの許に集り來り

律法を視るにヱホバのモーセによりて命じたまひし所を録して云く七月の節會にはイスラエルの子孫茅廬に居るべしと

又云く一切の邑々及びヱルサレムに布傳へて言べし汝ら山に出ゆき橄欖の枝油木の枝烏拈の枝棕櫚の枝および茂れる木の枝を取きたりて録されたるごとくに茅廬を造れと

是において民出ゆきて之を取きたり各々その家の屋背の上あるひはその庭あるひは神の室の庭あるひは水の門の廣場あるひはエフライムの門の廣場に茅廬を造れり

擄はれゆきて歸り來りし會衆みな斯茅廬を造りて茅廬に居りヌンの子ヨシユアの日より彼日までにイスラエルの子孫斯おこなひし事なし是をもてその喜悦はなはだ大なりき

初の日より終の日までエズラ日々に神の律法の書を誦り人衆七日の間節筵をおこなひ第八日にいたり例にしたがひて聖會を開けり

第9章

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その月の二十四日にイスラエルの子孫あつまりて斷食し麻布を纒ひ土を蒙れり

イスラエルの裔たる者一切の異邦人とはなれ而して立て己の罪と先祖の愆とを懺悔し

皆おのおのがその處に立てこの日の四分の一をもてその神ヱホバの律法の書を誦み他の四分の一をもて懺悔をなしその神ヱホバを拝めり

時にヱシユア、バニ、カデミエル、シバニヤ、ブンニ、セレビヤ、バニ、ケナニ等レビ人の臺に立ち大聲を擧てその神ヱホバに呼はれり

斯てまたヱシユア、カデミエル、バニ、ハシヤブニヤ、セレビヤ、ホデヤ、セバニヤ、ペタヒヤなどのレビ人言けらく汝ら起あがり永遠より永遠にわたりて在す汝らの神ヱホバを讃よ汝の尊き御名は讃べきかな是は一切の讃にも崇にも遠く超るなり

汝は唯なんぢのみヱホバにまします汝は天と諸天の天およびその萬象地とその上の一切の物ならびに海とその中の一切の物を造り之をことごとく保存せたまふなり天軍なんぢを拝す

汝はヱホバ神にまします汝は在昔アブラムを撰みてカルデヤのウルより之を導きいだしアブラハムといふ名をこれにつけ

その心の汝の前に忠信なるを觀そなはし之に契約を立てカナン人ヘテ人アモリ人ペリジ人ヱブス人およびギルガシ人の地をこれに與へその子孫に授けんと宣まひて終に汝の言を成たまへり汝は實に義し

汝は我らの先祖がエジプトにて艱難を受るを鑒みその紅海の邊にて呼はり叫ぶを聽いれ

異兆と奇蹟とをあらはしてパロとその諸臣とその國の庶民とを攻たまへりそはかれらは傲りて我らの先祖等を攻しことを知たまへばなり而して汝の名を揚たまへること尚今日のごとし

汝はまた彼らの前にあたりて海を分ち彼らをして旱ける地を踏て海の中を通らしめ彼らを追ふ者をば石を大水に投いるるごとくに淵に投いれたまひ

また晝は雲の柱をもて彼らを導き夜は火の柱をもて其往べき路を照したまひき

汝はまたシナイ山の上に降り天より彼らと語ひ正しき例規および眞の律法善き法度および誡命を之に授け

汝の聖安息日を之に示し汝の僕モーセの手によりて誡命と法度と律法を之に命じ

天より食物を之に與へてその餓をとどめ磐より水を之がために出してその渇を濕し且この國をなんぢらに與へんと手を擧て誓ひ給ひしその國に入これを獲べきことをかれらに命じたまへり

然るに彼等すなはち我らの先祖みづから傲りその項を強くして汝の誡命に聽したがはず

聽從ふことを拒み亦なんぢが其中にて行ひたまひし奇蹟を憶はず還てその項を強くし悖りて自ら一人の首領を立てその奴隸たりし處に歸らんとせり然りと雖も汝は罪を赦す神にして恩惠あり憐憫あり怒ること遅く慈悲厚くましまして彼らを棄たまはざりき

また彼ら自ら一箇の犢を鋳造りて是は汝をエジプトより導き上りし汝の神なりと言て大に震怒をひきおこす事を行ひし時にすら

汝は重々も憐憫を垂て彼らを荒野に棄たまはず晝は雲の柱その上を離れずして之を途に導き夜は火の柱離れずして之を照しその行べき路を示したりき

汝はまた汝の善霊を賜ひて彼らを訓へ汝のマナを常に彼らの口にあたへまた水を彼らに與へてその渇をとどめ

四十年の間かれらを荒野に養ひたまたれば彼らは何の缺る所もなくその衣服も古びずその足も腫ざりき

而して汝諸國諸民を彼らにあたへて之を各々に分ち取しめ給へりかれらはシホンの地ヘシボンの王の地およびバシヤンの王オグの地を獲たり

斯てまた汝は彼らの子孫を増て空の星のごなくならしめ前にその先祖等に入て獲よと宣まひたる地に之を導きいりたまひしかば

則ちその子孫入てこの地を獲たり斯て汝この地にすめるカナン人をかれらの前に打伏せその王等およびその國の民をかれらの手に付して意のままに之を待はしめたまひき

斯りしかば彼ら堅固なる邑々および膏腴なる地を取り各種の美物の充る家鑿井葡萄園橄欖園および許多の菓の樹を獲乃はち食ひて飽き肥太り汝の大なる恩惠に沾ひて樂みたりしが

尚も悖りて汝に叛き汝の律法を後に抛擲ち己を戒しめて汝に歸らせんとしたる預言者等を殺し大に震怒を惹おこす事を行なへり

是に因て汝かれらをその敵の手に付して窘しめさせたまひしが彼らその艱難の時に汝に呼はりければ汝天より之を聽て重々も憐憫を加へ彼らに救ふ者を多く與へて彼らをその敵の手より救はせたまへり

然るに彼らは安を獲の後復も汝の前に惡き事を行ひしかば汝かれらをその敵の手に棄おきて敵にこれを治めしめたまひけるが彼ら復立歸りて汝に呼はりたれば汝天よりこれを聽き憐憫を加へてしばしば彼らを助け

彼らを汝の律法に引もどさんとして戒しめたまへり然りと雖も彼らは自ら傲りて汝の誡命に聽したがはず汝の例規(人のこれを行はば之によりて生べしといふ者)を犯し肩を聳かし項を強くして聽ことをせざりき

斯りしかど汝は年ひさしく彼らを容しおき汝の預言者等に由て汝の霊をもて彼らを戒めたまひしが彼等つひに耳を傾けざりしに因て彼らを國々の民等の手に付したまへり

されど汝は憐憫おほくして彼らを全くは絶さず亦彼らを棄たまふことをも爲たまはざりき汝は恩惠あり憐憫ある神にましませばなり

然ば我らの神大にして力強く且畏るべくして契約を保ち恩惠を施こしたまふ御神ねがはくはアッスリヤの王等の日より今日にいたるまで我儕の王等牧伯等祭司預言者我らの先祖汝の一切の民等に臨みし諸の苦難を小き事と觀たまはざれ

我らに臨みし諸の事につきては汝義く在せり汝の爲たまひし所は誠實にして我らの爲しところは惡かりしなり

我らの王等牧伯等祭司父祖等は汝の律法を行はず汝が用ひて彼らを戒しめたまひしその誡命と證詞に聽從はざりき

即ち彼らは己の國に居り汝の賜ふ大なる恩惠に沾ひ汝が與へてその前に置たまひし廣き膏腴なる地にありける時に汝に事ふることを爲ず又ひるがへりて自己の惡き業をやむる事もせざりしなり

鳴呼われらは今日奴隸たり汝が我らの先祖に與へてその中の產出物およびその中の佳物を食はせんとしたまひし地にて我らは奴隸となりをるこそはかなけれ

この地は汝が我らの罪の故によりて我らの上に立たまひし王等のために衆多の產物を出すなり且また彼らは我らの身をも我らの家畜をも意のままに左右することを得れば我らは大難の中にあるなり

此もろもろの事のために我ら今堅き契約を立てこれを書しるし我らの牧伯等我らのレビ人我らの祭司これに印す

第10章

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印を捺る者はハカリヤの子テルシヤタ、ネヘミヤおよびゼデキヤ

セラヤ、アザリヤ、ヱレミヤ

パシユル、アマリヤ、マルキヤ、

ハツトシ、シバニヤ、マルク

ハリム、メレモテ、オバデヤ

ダニエル、ギンネトン、バルク

メシユラム、アビヤ、ミヤミン

マアジア、ビルガ、シマヤ是等は祭司なり

レビ人は即ちアザニヤの子ヱシユア 、ヘナダデの子ビンヌイ、カデミエル

ならびに其兄弟シバ二ヤ、ホデヤ、ケリタ、ペラヤ、ハナン

ミカ、レホブ、ハシヤビヤ

ザツクル、セレビヤ、シバ二ヤ

ホデヤ、バニ、ベニヌ

民の長たる者はパロシ、パハテモアブ、エラム、ザツト、バニ

ブンニ、アズカデ、ベバイ

アドニヤ、ビグワイ、アデン

アテル、ヒゼキヤ、アズル

ホデヤ、ハシユム、ベザイ

ハリフ、アナトテ、ノバイ

マグピアシ、メシユラム、ヘジル

メシザベル、ザドク、ヤドア

ペラテヤ、ハナン、アナニヤ

ホセア、ハナニヤ、ハシユブ

ハロヘシ、ピルハ、シヨベク

レホム、ハシヤブナ、マアセヤ

アヒヤ、ハナン、アナン

マルク、ハリム、バアナ

その餘の民祭司レビ人門をまもる者謳歌者ネテニ人ならびに都て國々の民等と離れて神の律法に附る者およびその妻その男子女子など凡そ事を知り辨まふる者は

皆その兄弟たる貴き人々に附したがひ呪詛に加はり誓を立て云く我ら神の僕モーセによりて傳はりし神の律法に歩み我らの主ヱホバの一切の誡命およびその例規と法度を守り行はん

我らは此地の民等に我らの女子を與へじ亦われらの男子のために彼らの女子を娶らじ

比地の民等たとひ貨物あるひは食物を安息日に携へ來りて賣んとするとも安息日または聖日には我儕これを取じ又七年ごとに耕作を廢め一切の負債を免さんと

我らまた自ら例を設けて年々にシケルの三分の一を出して我らの神の室の用となし

供物のパン常素祭常燔祭のため安息日月朔および節會の祭物のため聖物のためイスラエルの贖をなす罪祭および我らの神の家の諸の工のために之を用ゐることを定む

また我ら祭司レビ人および民籤を掣き律法に記されたるごとく我らの神ヱホバの壇の上に焚べき薪木の禮物を年々定まれる時にわれらの宗家にしたがひて我らの神の室に納むる者を定め

かつ誓ひて云ふ我らの產物の初および各種の樹の果の初を年々ヱホバの室に携へきたらん

また我らの子等および我らの獣畜の首出および我らの牛羊の首出を律法に記されたるごとく我らの神の室に携へ來りて我らの神の室に事ふる祭司に交し

我らの麥粉の初われらの擧祭の物各種の樹の果および洒油を祭司の許に携へ到りて我らの神の家の室に納め我らの產物の什一をレビ人に與へんレビ人は我らの一切の農作の邑においてその什一を受べき者なればなり

レビ人什一を受る時にはアロンの子孫たる祭司一人そのレビ人と偕にあるべし而してまたレビ人はその什一の十分の一を我らの神の家に携へ上りて府庫の諸室に納むべし

即ちイスラエルの子孫およびレビの子孫は穀物および酒油の擧祭を携さへいたり聖所の器皿および奉事をする祭司門を守る者謳歌者などが在るところの室に之を納むべし我らは我らの神の家を棄じ

第11章

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民の牧伯等はヱルサレムに住りその餘の民もまた籤を掣き十人の中よりして一人宛を聖邑ヱルサレムに來りて住しめその九人を他の邑々に住しめたり

又すべて自ら進でヱルサレムに住んと言ふ人々は民これを祝せり

イスラエル祭司レビ人ネテニ人およびソロモンの臣僕たりし者等の子孫すべてユダの邑々にありておのおのその邑々なる自己の所有地に住をれり此州の貴き人々のヱルサレムに住をりし者は左のごとし

即ちユダの子孫およびベニヤミンの子孫のヱルサレムに住る者は是なりユダの子孫はウジヤの子アタヤ、ウジヤはゼカリヤの子ゼカリヤはアマリヤの子アマリヤはシパテヤの子シパテヤはマハラレルの子是はペレズの子孫なり

又バルクの子マアセヤといふ者ありバルクはコロホゼの子コロホゼはハザヤの子ハザヤはアダヤの子アダヤはヨヤリブの子ヨヤリブはゼカリヤの子ゼカリヤはシロニ人の子なり

ペレズの子孫のヱルサレムに住る者は合せて四百六十八人にして皆勇士なり

ベニヤミンの子孫は左のごとしメシユラムの子サル、メシユラムはヨエデの子ヨエデはペダヤの子ペダヤはコラヤの子コラヤはマアセヤの子マアセヤはイテエルの子イテエルはヱサヤの子なり

その次はガバイおよびサライなどにして合せて九百二十八人

ジクリの子ヨエルかれらの監督たりハツセヌアの子ユダこれに副ふて邑を治む

祭司はヨヤリブの子ヱダヤ、ヤキン

および神の室の宰セラヤ、セラヤはヒルヤキの子ヒルキヤはメシユラムの子メシユラムはザドクの子ザドクはメラヨテの子メラヨテはアヒトブの子なり

殿の職事をするその兄弟八百二十二人あり又アダヤといふ者ありアダヤはヱロハムの子ヱロハムはペラリヤの子ペラリヤはアムジの子アムジはゼカリヤの子ゼカリヤはパシホルの子パシホルはマルキヤの子なり

アダヤの兄弟たる宗家の長二百四十二人あり又アマシサイといふ者ありアマシサイはアザリエルの子アザリエルはアハザイの子アハザイはメシレモテの子メシレモテはイシメルの子なり

その兄弟たる勇士百二十八人ありハツゲドリムの子ザブデエル彼らの監督たり

レビ人はハシユブの子シマヤ、ハシユブはアズリカムの子アズリカムはハシヤビヤの子ハシヤビヤはブンニの子なり

またシヤベタイおよびヨザバデあり是等はレビ人の長にして神の室の外の事を掌どれり

またマツタニヤといふ者ありマツタニヤはミカの子ミカはザブデの子ザブデはアサフの子なりマツタニヤは祈祷の時に感謝の詞を唱へはじむる者なり彼の兄弟の中にてバクブキヤといふ者かれに次り又アブダといふ者ありアブダはシヤンマの子シヤンマはガラルの子ガラルはヱドトンの子なり

聖邑にあるレビ人は合せて二百八十四人

門を守る者アツクブ、タルモンおよびその兄弟等合せて百七十二人あり皆門々にありて伺守ることをせり

その餘のイスラエル人祭司およびレビ人は皆ユダの一切の邑々にありて各々おのれの產業に居り

但しネテニ人はオペルに居りヂハ及びギシパ、ネタニ人を統ぶ

ヱルサレムにをるレビ人の監督はウジといふ者なりウジはバニの子バニはハシヤビヤの子ハシヤビヤはマツタニヤの子マツタニヤはミカの子なり是は謳歌者なるアサフの子孫なりその職務は神の室の事にかかはる

王より命令ありて是らの事を定め謳歌者に日々の定まれる分を與へしむ

ユダの子ゼラの子孫メシザベルの子ペタヒヤといふ者王の手に屬して民に關る一切の事を取あつかへり

又村荘とその田圃につきてはユダの子孫の者キリアテアルバとその郷里デボンとその郷里およびヱカブジエルとその村荘に住み

ヱシユア、モラダおよびベテペレテに住み

ハザルシユアルおよびベエルシバとその郷里に住み

ヂクラグおよびメコナとその郷里に住み

エンリンモン、ザレア、ヤルムテに住み

ザノア、アドラムおよび其等の村荘ラキシとその田野およびアゼカとその郷里に住り斯かれらはベエルシバよりヒンノムの谷までに天幕を張り

ベニヤミンの子孫はまたゲバよりしてミクマシ、アヤおよびベテルとその郷里に住み

アナトテ、ノブ、アナニヤ

ハゾル、ラマ、ギツタイム

ハデデ、ゼボイム、ネバラテ

ロド、オノ工匠谷に住り

レビ人の班列のユダにある者の中ベニヤミンに合せし者もありき

第12章

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シヤルテルの子ゼルバベルおよびヱシユアと偕に上りきたりし祭司とレビ人は左のごとしセラヤ、ヱレミヤ、エズラ

アマリヤ、マルク、ハツトシ

シカニヤ、レホム、メレモテ

イド、ギンネトイ、アビヤ

ミヤミン、マアデヤ、ビルガ

シマヤ、ヨヤリブ、ヱダヤ

サライ、アモク、ヒルキヤ、ヱダヤ是等の者はヱシユアの世に祭司およびその兄弟等の長たりき

またレビ人はヱシユア、ビンヌイ、カデミエル、セレビヤ、ユダ、マツタニヤ、マツタニヤはその兄弟とともに感謝の事を掌どれり

またその兄弟バクブキヤおよびウンノ之と相對ひて職務をなせり

ヱシユア、ヨアキムを生みヨアキム、エリアシブを生みエリアシブ、ヨイアダを生み

ヨイアダ、ヨナタンを生みヨナタン、ヤドアを生り

ヨアキムの日に祭司等の宗家の長たりし者はセラヤの族にてはメラヤ、ヱレミヤの族にてはハナニヤ

エズラの族にてはメシユラム、アマリヤの族にてはヨハナン

マルキの族にてはヨナタン、シバニヤの族にてはヨセフ

ハリムの族にてはアデナ、メラヨテの族にてはヘルカイ

イドの族にではゼカリヤ、ギンネトン膳良にてはメシユラム

アビヤの族にてはジクリ、ミニヤミンの族モアデヤの族にてはピルタイ

ビルガの族にてはシヤンマ、シマヤの族にてはヨナタン

ヨヤリブの族にてはマツテナイ、ヱダヤの族にてはウジ

サライの族にてはカライ、アモクの族にてはエベル

ヒルキヤの族にてはハシヤビヤ、ヱダヤの族にてはネタンエル

エリアシブ、ヨイアダ、ヨハナンおよびヤドアの日にレビ人の宗家の長等冊に録さる亦ペルシヤ王ダリヨスの治世に祭司等も然せらる

宗家の長たるレビ人はエリアシブの子ヨハナンの日まで凡て歴代志の書に記さる

レビ人の長はハシヤビヤ、セレビヤおよびカデミエルの子ヱシユアなりその兄弟等これと相對ひて居る即ち彼らは班列と班列とあひむかひ居り神の人ダビデの命令に本づきて讃美と感謝とをつとむ

マツタニヤ、バクブキヤ、オバデヤ、メシユラム、タルモン、アツクブは門を守る者にして門の内の府庫を伺ひ守れり

是等はヨザダクの子ヱシユアの子ヨアキムの日に在り総督ネヘミヤおよび學士たる祭司エズラの日に在りし者なり

ヱルサレムの石垣の落成せし節會に當りてレビ人をその一切の處より招きてヱルサレムに來らせ感謝と歌と鐃鈸と瑟と琴とをもて歓喜を盡してその落成の節會を行はんとす

是において謳歌ふ徒輩ヱルサレムの周圍の窪地およびネトパ人の村々より集り來り

またベテギルガルおよびゲバとアズマウテとの野より集り來れりこの謳歌者等はヱルサレムの周圍に己の村々を建たりき

茲に祭司およびレビ人身を潔めまた民および諸の門と石垣とを潔めければ

我すなはちユダの牧伯等をして石垣の上に上らしめ又二の大なる隊を作り設けて之に感謝の詞を唱へて並進ましむ即ちその一は糞の門を指て石垣の上を右に進めり

その後につきて進める者はホシヤヤおよびユダの牧伯の半

ならびにアザリヤ、エズラ、メシユラム

ユダ、ベニヤミン、シマヤ、ヱレミヤなりき

又祭司の徒數人喇叭を吹て伴ふあり即ちヨナタンの子ゼカリヤ、ヨナタンはシマヤの子シマヤはマツタニヤの子マツタニヤはミカヤの子ミカヤはザツクルの子ザツクルはアサフの子なり

またゼカリヤの兄弟シマヤ、アザリエル、ミラライ、ギラライ、マアイ、ネタンエル、ユダ、ハナニ等ありて神の人ダビデの樂器を執り學士エズラこれに先だつ

而して彼ら泉の門を經ただちに進みて石垣の上口に於てダビデの城の段階より登りダビデの家の上を過て東の方水の門に至れり

また今一隊の感謝する者は彼らに對ひて進み我は民の半とともにその後に從がへり而して皆石垣の上を行き爐戌樓の上を過て石垣の廣き處にいたり

エフライムの門の上を通り舊門を過ぎ魚の門およびハナニエルの戌樓とハンメアの戌樓を過て羊の門に至り牢の門に立どまれり

かくて二隊の感謝する者神の室にいりて立り我もそこにたち牧伯等の半われと偕にありき

また祭司エリアキム、マアセヤ、ミニヤミン、ミカヤ、エリヨエナイ、ゼカリヤ、ハナニヤ等喇叭を執て居り

マアセヤ、シマヤ、エレアザル、ウジ、ヨナハン、マルキヤ、エラム、エゼル之と偕にあり謳歌ふ者聲高くうたへりヱズラヒヤはその監督なりき

斯してその日みな大なる犠牲を献げて喜悦を盡せり其は神かれらをして大に喜こび樂ませたまひたればなり婦女小兒までも喜悦り是をもてヱルサレムの喜悦の聲とほくまで聞えわたりぬ

その日府庫のすべての室を掌どるべき人々を撰びて擧祭の品初物および什一など律法に定むるところの祭司とレビ人との分を邑々の田圃に准ひて取あつめてすべての室にいるることを掌どらしむ是は祭司およびレビ人の立て奉ふるをユダ人喜こびたればなり

彼らは神の職守および潔齋の職守を勤む謳歌者および門を守る者も然り皆ダビデとその子ソロモンの命令に依る

在昔ダビデおよびアサフの日には謳歌者の長一人ありて神に讃美感謝をたてまつる事ありき

またゼルバベルの日およびネヘミヤの日にはイスラエル人みな謳歌者と門を守る者に日々の分を與へまたレビ人に物を聖別て與ヘレビ人またこれを聖別てアロンの子孫に與ふ


第13章

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その日モーセの書を読て民に聽しめけるに其中に録して云ふアンモニ人およびモアブ人は何時までも神の會に入べからず

是は彼らパンと水とをもてイスラエルの子孫を迎へずして還て之を詛はせんとてバラムを傭ひたりしが故なり斯りしかども我らの神はその呪詛を變て祝福となしたまへりと

衆人この律法を聞てのち雑りたる民を盡くイスラエルより分ち離てり

是より先我らの神の家の室を掌れる祭司エリアシブといふ者トビヤと近くなりたれば

彼のために大なる室を備ふ其室は元來素祭の物乳香器皿および例によりてレビ人謳歌者門を守る者等に與ふる穀物酒油の什一ならびに祭司に與ふる擧祭の物を置し處なり

當時は我ヱルサレムに居ざりき我はバビロンの王アルタシヤスタの三十二年に王の所に往たりしが數日の後王に暇を乞て

エルサレムに來りエリアシブがトビヤのために爲たる惡事すなはちかれがために神の家の庭に一の室を備へし事を詳悉にせり

我はなはだこれを憂ひてトビヤの家の器皿をことごとくその室より投いだし

頓て命じてすべての室を潔めさせ而して神の家の器皿および素祭乳香などを再び其處に携へいれたり

我また査べ觀しにレビ人そのうくべき分を與へられざりきこの故に其職務をなす所のレビ人および謳歌者等各々おのれの田に奔り歸りぬ

是において我何故に神の室を棄させしやと言て牧伯等を詰り頓てまたレビ人を招き集めてその故の所に立しめたり

斯りしかばユダ人みな穀物酒油の什一を府庫に携へ來れり

その時我祭司シレミヤ學士ザドクおよびレビ人ペダヤを府庫の有司とし之にマツタニヤの子ザツクルの子ハナンを副て庫をつかさどらしむ彼らは忠信なる者と思はれたればなり其職は兄弟等に分配るの事なりき

わが神よ此事のために我を記念たまへ我神の室とその職事のために我が行ひし善事を拭ひ去たまはざれ

當時われ觀しにユダの中にて安息日に酒榨を踏む者あり麥束を持きたりて驢馬に負するあり亦酒葡萄無花果および各種の荷を安息日にヱルサレムに携へいるるあり我かれらが食物を鬻ぎをる日に彼らを戒しめたり

彼處にまたツロの人々も住をりしが魚および各種の貨物を携へいりて安息日にユダの人々に之を鬻ぎかつヱルサレムにて商賣せり

是において我ユダの貴き人々を詰りて之に言ふ汝ら何ぞ此惡き事をなして安息日を涜すや

汝らの先祖等も斯おこなはざりしや我らの神これが爲にこの一切の災禍を我らとこの邑とに降したまひしにあらずや然るに汝らは安息日を涜して更に大なる震怒をイスラエルに招くなりと

而して安息日の前の日ヱルサレムの門々暗くならんとする頃ほひに我命じてその扉を閉させ安息日の過さるまで之を開くべからずと命じ我僕數人を門々に置て安息日に荷を携へいるる事なからしめたり

斯りしかば商賣および各種の品を賣る者等一二(いちに)回ヱルサレムの外に宿れり

我これを戒めてこれに言ふ汝ら石垣の前に宿るは何ぞや汝等もし重ねて然なさば我なんぢらに手をかけんと其時より後は彼ら安息日には來らざりき

我またレビ人に命じてその身を潔めさせ來りて門を守らしめて安息日を聖くす我神よ我ために此事を記念し汝の大なる仁慈をもて我を憫みたまへ

當時われアシドド、アンモン、モアブなどの婦女を娶りしユダヤ人を見しに

その子女はアシドドの言語を半雑へて言ひユダヤの言語を言ことあたはず各國の言語を雑へ用ふ

我彼等を詰りまた詬りその中の數人を撻ちその毛を抜き神を指て誓はしめて言ふ汝らは彼らの男子におのが女子を與ふべからず又なんぢらの男子あるひはおのれ自身のために彼らの女子を娶るべからず

是らの事についてイスラエルの王ソロモンは罪を獲たるに非ずや彼がごとき王は衆多の國民の中にもあらずして神に愛せられし者なり神かれをイスラエル全國の王となしたまへり然るに尚ほ異邦の婦女等はこれに罪を犯さしめたり

然ば汝らが異邦の婦女を娶りこの一切の大惡をなして我らの神に罪を犯すを我儕聽し置べけんや

祭司の長エリアシブの子ヨイアダの一人の子はホロニ人サンバラテの婿なりければ我これを逐出して我を離れしむ

わが神よ彼らは祭司の職を汚し祭司およびレビ人の契約に背きたり彼らのことを忘れたまふ勿れ

我かく人衆を潔めて異邦の物を盡く棄しめ祭司およびレビ人の班列を立て各々その職務に服せしめ

また人衆をして薪柴の禮物をその定まる期に献げしめかつ初物を奉つらしむ我神よ我を憶ひ仁慈をもて我を待ひたまへ