テサロニケ人に贈れる使徒パウロの書状第二(新契約聖書) 第二章

Wikisource:宗教 > 聖書 > 新契約聖書 > テサロニケ人に贈れる使徒パウロの書状第二(新契約聖書)

• 註: この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語（ルビ）」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

第二章

1 また兄弟よ、我等は我等の主イエス・キリストの來臨と、彼の許に我等の集ふごととのために、汝等に請ふ、
2 是れ汝等の、或ひは靈によりても、或ひは言によりても、或ひは我等によりての如き書狀によりても、キリストの日は押し迫れりとして、忽ちその思のあわてもし、またふためくこともなからんためなり。
3 誰も汝等を、如何なる手段にても、惑はすことなからしめよ。そは背敎先づ來り、かくて滅の子なる罪の人の現はるるにあらざれば〔その事あらざるべければ〕なり。
4 彼は逆らひて、すべて神と云はれ、或ひは崇めらるる者の上に己を高むる者なり。かくて彼は神の如くに神の聖所に坐し、己自らを見はして神なりとす。
5 汝等は我の尚ほ汝等の許にありしとき、此等の事を汝等に云ひしことを憶ひ出ださざるか。
6 されど汝等は今彼の控ふるは、己自らの期に現はさるるためなることを知れ。
7 そは不法の奧義、旣に働きつつあればなり。〔されど〕ただ彼、控ふる者は、眞中より取り去らるるまで現に〔在る〕のみなり。
8 さればそのとき不法なる者は現はるべく、主はこれをその口の氣をもて亡ぼし、且つその來臨の輝をもて〔これを〕廢らしめ給はん。
9 彼はサタナの働に循ひて、僞のもろもろの力ある行（わざ）と、徴と、奇跡と、
10 不義の惑とをもて亡ぶる者に到來するなり。如何となれば彼等は眞理の愛を、その救はるるために受けざるが故なり。
11 此のゆゑに神は僞を彼等に信ぜしむるために、惑の働をこれに遣はし給はん。
12 是れ眞理を信ぜず、反つて不義を悅べる、すべてのものの裁かるるためなり。
13 されど主より愛せらるる兄弟よ、我等は汝等に就きて恒に神に感謝すべき筈なり、そは神は靈の聖めと、眞理の信仰とをもて救のために、初より汝等を選び給ひたればなり。
14 これがために、彼は我等の福音によりて汝等を召し給ひしなり、卽ち我等の主イエス・キリストの榮光を有たしめ給はんとてなり。
15 されば兄弟よ、確と立て、また我等の言によりてにもせよ、或ひは書狀によりてにもせよ、汝等が敎へられし言ひ傳を堅く保て。
16 我等の主イエス・キリスト、彼と神卽ち我等の父とは我等を愛し給ひ、且つ惠をもて、永（とこしへ）の勵と善き望とを我等に與へ給ひたり。
17 彼は汝等の心を勵まし給ひ、且つすべての言と善き行（わざ）とのうちに汝等を堅うし給はん。