- 註: この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。
1 父祖たちの神、あはれみを保ち給ふ主、すべてのものを、その御言によりてつくり給ひし主、
2 主は智慧をもて人をかたちづくり給へり。人をして主につくられし生物の上に支配をもち、
3 世を聖と義とをもて治め、正しきたましひをもて、審判をなさしめ給へり。
4 願くは汝の御座に、汝と共に坐せるその智慧を我に與へ給へ、汝の僕らの中より我を拒み給ふなかれ。
5 我は汝の奴隷にして、汝の婢女の子なり。弱くして命短きも、審判と律法とを悟る力少きものなり、
6 されど、人、人の子の中にありて、全かるとも、もし汝より來る智慧、ともにあらずば、彼は數ふるに足らざるものとならん。
7 汝は、我を選びて、さきに、汝の民の王たらしめ、汝の子女等のために審判を行はしめ給へり。
8 汝は我に命じて、聖き山に聖所を築き、汝の住み給ふ市に、祭壇を築かしめ給へり。こは世の創より、汝のあらかじめそなへ給ひし聖き幕屋の型なり。
9 智慧は汝と共にありて、汝の業を知り、世をつくり給ひし時、汝と共にありき。智慧は、汝の目に喜ばるべきものを知り、汝の誡に從ひて、正しき事を知る。
10 願くは、聖き天より智慧を送り、汝の御座より、命じてこれを來らしめ給へ。さらば、智慧は我とともにありて、勞し、我も汝の前に喜ばるべきを學ばん。
11 智慧はすべてのものを知り、また悟る。また我がなす事をみちびきて、自ら制へしめ、その榮光をもて我を守らん。
12 かくて我が業は汝にうけられ、我は汝の民を正しく審き、我が父の王座にふさはしきものとならん。
13 何人か、神の計畫を知り、主の望み給ふものを考へ得ん。
14 人の思はたよりがたく、我等の謀るところは敗れ、
15 朽つる體は、たましひをおさへ、地にある身は、心づかひ多き人の上に重し。
16 地にあるものを、はかり知るは我等に難く、我等に近きものは、勤勞によりて見出さる。されど、天にあるものは、たれかこれをたづね出ししや。
17 汝智慧を與へ、また高きより汝の聖靈をおくり給ふにあらずば、たれか汝の計畫を知り得んや。
18 かくて、地にあるものどもの道は、直くせられ、人々は汝の喜び給ふものの、何なるやを教へられ、かつ智慧によりて救はれたり。