ソビエト社会主義共和国連邦の成立に関する条約


ソビエト社会主義共和国連邦の成立に関する条約


ロシア社会主義連邦ソビエト共和国、ウクライナ社会主義ソビエト共和国、白ロシア社会主義ソビエト共和国、及びザカフカース社会主義連邦ソビエト共和国は、次の序原則にもとづき、単一の同盟国家ソビエト社会主義共和国連邦への統合にかんする本条約を締結する。

一。ソビエト社会主義共和国連邦の最高機関の所管に属するものは、次の通り。

イ)国際関係における連邦の代表。

ロ) 連邦の対外国境の変更。

ハ) 新たな共和国を連邦の構成にうけいれる条約の締結。

ニ) 宣戦の布告と講和の締結。

ホ) 外国債の締結。

ヘ) 国際条約の批准。

ト) 対外貿易および国内商業の体系の制定

チ) 連邦の全国民経済の基礎および一般計画の制定、ならびに利権協定の締結。

リ) 運輸および郵便=電信事業の調整。

ヌ) ソビエト社会主義共和国連邦の武装力の組織の基礎の制定。

ル) ソビエト社会主義共和国連邦の単一国家予算の制定、貨幣および信用制度、ならびに全連邦、諸共和国および諸地方の租税制度の訂正。

ヲ) 連邦の全領土にわたる、土地管理および土地利用の、ならびに地下埋蔵物、森林および水域の利用の一般的基礎の制定。

ワ) 移住にかんする連邦法の制定。

カ) 裁判制度および訴訟手続の基礎の制定、ならびに連邦民法および刑法の立法。

ヨ) 労働にかんする基本法の制定

タ) 国民教育の一般的基礎の制定。

レ) 国民保険の分野における一般的方策の制定。

ソ) 度量衡制度の制定。

ツ) 全連邦統計の組織。

ネ) 外国人の権利にたいする連邦市民権の分野での基本立法。

ナ) 恩赦。

ラ) 連邦条約に違反する、連邦構成共和国のソビエト大会、中央執行委員会および人民委員会議の決定の取り消し。

二。ソビエト社会主義共和国連邦の最高権力機関は、ソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会であり、大会と大会との期間には、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会である。

三。ソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会は、選挙人二万五千名に月代議員一名の市ソビエト代表者と住民十二万五千名につき代議員一名の県ソビエト大会の代表者とによって構成される。

四。ソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会の代議員は、県ソビエト大会で選出される。

五。ソビエト社会主義共和国連邦の通常ソビエト大会は、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会が年一回招集し、臨時大会は、ソビエト社会主義共和国中央執行委員会が、それ自身の決定により、または二つ以上の同盟構成共和国の要求によって召集する。

六。ソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会は、連邦構成共和国の代表者のなかから、各共和国の人口に比例して、三七一名をもって構成される中央執行委員会を選出する。

七。ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会の通常会期は年三回召集される。臨時会期は、連邦中央執行委員会幹部会の決定により、またはソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議、あるいは連邦構成共和国の一国の中央執行委員会の要求によって召集される。

八。ソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会と中央執行委員会の会期は、ソビエト社会主義共国連邦中央執行委員会幹部会のさだめる手続により、連邦構成共和国の首都でひらかれる。

九。ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会は、連邦中央執行委員会の会期と会期とのあいだの時期における、同盟の最高権力期間たる幹部会を選出する。

十。ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会幹部会は十九名の構成をもって選出され、そのうち連邦中央執行委員会は、連邦構成共和国の数に応じて、四名の連邦中央執行委員会議長を選出する。

十一。連邦中央執行委員会の執行機関は、ソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議であり、それは連邦中央執行委員会によって、その委任期間を期限として、次の構成をもって選出される。  連邦人民委員会議議長  副議長(複数)  外務人民委員  陸海軍人民委員  外国貿易人民委員  交通人民委員  郵便=電信人民委員  労農監督人民委員  最高国民経済会議議長  労働人民委員  食糧人民委員  財務人民委員

十二。ソビエト社会主義共和国連邦の領土での革命的適合性を確認し、反革命とたたかう連邦構成共和国の努力を統一する目的をもって、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会のもとに、最高裁判監督の機能をもつ最高裁判所を設立し、また連邦人民委員会議のもとに、国家政治行政の合同機関をおく。後者の議長は審議権をもって連邦人民委員会議に出席する。

十三。ソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議の布告と決定は、すべての連邦構成共和国にとって拘束力をもち、連邦の全領土にわたって、ちょくせつ施行される。

十四。連邦中央執行委員会および人民委員会議の布告と決定は、連邦構成共和で一般に使用されている言語(ロシア語、ウクライナ語、白ロシア語、グルジア語、アルメニア語、トルコ語)で印刷される。

十五。連邦構成共和国の中央執行委員会は、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会幹部会にたいして、連邦人民委員会議の布告および決定に異議を申し立てることができる。ただし、そのあいだにも布告および決定の執行は停止されない。

十六。ソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議の決定および命令は、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会および同幹部会によってのみ廃止されうる。またソビエト社会主義共和国連邦の個々の人民委員部の命令は、ソビエト社会主義共和国連邦中央執行委員会、同幹部会および連邦人民委員会議によって廃止される。

十七。ソビエト社会主義共和国連邦の人民委員部の命令は、その命令がソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議、または中央執行委員会の決定に明らかに一致しない特別なばあいにかぎり、連邦構成共和国の中央執行委員会、または中央執行委員会幹部会によって停止されうる。命令の停止については、連邦構成共和国の中央執行委員会または中央執行委員会幹部会は、ただちにソビエト社会主義共和国連邦人民委員会議およびソビエト社会主義共和国連邦の当該人民委員部に報告する。

十八。連邦構成共和国の人民委員会議を構成するものは、つぎのとおり。  人民委員会議議長  副議長(複数)  最高国民経済会議議長  農業人民委員  食糧人民委員  財務人民委員  労働人民委員  内務人民委員  法務人民委員  労農監督人民委員  教育人民委員  保健人民委員  社会保障人民委員  民族問題人民委員 また、外務、陸海軍、外国貿易、交通および郵便=電信の、連邦諸人民委員部の代表員が、審議権をもって出席する。

十九。連邦構成共和国の最高国民経済会議、ならびに食糧、財務、労働および労農監督の諸人民委員部は、連邦構成共和国の中央執行委員会および人民委員会議にちょくせつ従属しつつ、その活動において、ソビエト社会主義共和国連邦の当該人民委員部の命令によって指導される。

二〇。連邦を構成する各共和国はそれ自身の予算をもつが、この予算は、連邦人民委員会によって確認される全連邦予算の構成部分である。各共和国の予算は、歳入および歳出のそれぞれにつき、連邦中央執行委員会によって決定される。歳入総計と、連邦構成共和孤高の予算の形成にあてられる歳入控除額とは、連邦中央執行委員会によって裁定される。

二十一。連邦構成共和国の市民には単一の連邦市民権が設定される、

二十二。ソビエト社会主義共和国連邦は、国旗、国章および国印をもつ。

二十三。ソビエト社会主義共和国連邦の首都はモスクワ市である。

二十四。連邦構成共和国は本条約にしたがって、自国の憲法に改訂をくわえる。

二十五。連邦条約の確認、改正および補足は、もっぱらソビエト社会主義共和国連邦ソビエト大会の所管に属する。

二十六。すべての連邦構成共和国に、連邦から自由に離脱する権利が留保される。


ロシア・ソヴィエト連邦社會主義共和國代表

カリーニン

スターリン

ルイコフ

トロツキー

カーメネフ

モロトフ

ツルパ

ソコリニコフ

サプロノフ

ピャタコフ

ボグダーノフ

ルズターク

クルスキー

ヒディラリエフ

メンデシェフ

コルクマソフ

サイード=ガリエフ

ムフタロフ

イェヌキーゼ

ハリコフ

ヤンソン

マンスロフ

ラヒンバエフ

スミドーヴィチ


ウクライナ社會主義ソヴィエト共和國代表

ペトロフスキー

フルンゼ

レベジ

ザトンスキー

スクリプニク

ヤコヴェンコ

ブガイ

シーモノフ

ヴラセンコ

パロイコ

スミルノフ

アブラモフ

ドゥボヴォイ

パシュコフスキー

レメイコ

グルィー

ザトン

パホモフ

プトゥーハ

ポポフ

セルビチェンコ

カシュカレフ

クリメンコ


ザカフカース社會主義連邦ソヴィエト共和國代表

ツハカヤ

ムサベコフ

ミャスニコフ

キーロフ

オルジョニキーゼ

マハラゼ

ルカシン

アンバルツミャン

マムリヤ

バフタゼ

ブニャ

ザデ

ヤティエフ

テルガブリエリヤン

パルシン

イルドリム

アクンダ

ラコバ

クリエフ

アジャリア

フセイノフ

ミルゾヤン

サファロフ


白ロシア社會主義ソヴィエト共和國代表

チェルヴャコフ

ホドシュ

モロコヴィチ

スラヴィヤンスキー

ゲトネル

ハツケヴィチ

プトニン

エスプテイン

アキルツィーツ

バベンコ

ブフマン

ミレンギー

グルーゼル

イグナトフスキー

モロズ

リオクモーヴィチ

ファブリシウス

チェルヌシェヴィチ

ニキーチン

ショロホーヴィチ

ヴラジーミロフ

トゥルンニッツ

レヴィン

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翻訳文:

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