カール・マルクス短編集/序文
本書は、1844年から1850年までの6年間に書かれたカール・マルクスの主要な著作の一部を翻訳したものである。
1843年、マルクスは25歳であった。ドイツ哲学とフランス社会科学の結合を目的とした『独仏年鑑』という定期刊行物をアルノルド・リューゲと共同で編集し、その報酬を目当てに結婚したばかりであったようだ。この雑誌は、1844年に1冊だけ2号が発行された。この雑誌には、ヘーゲル右翼哲学に対するマルクスの批判と、ブルーノ・バウアーの二つの著作の書評という形で、ユダヤ人問題の社会的意義についての彼の解説が掲載されている。
この巻には、両論文の翻訳が掲載されている。
ヘーゲルの観念論的哲学に唯物論的哲学が接ぎ木され，政治的・歴史的問題の探求にヘーゲル弁証法が用いられていることが示されており，マルクス派の学生にとって特別な関心を引くものである。
パリの社会主義雑誌『フォルヴェルト』に掲載された第3の論文「プロイセン王と社会改革」は、ルゲに対する厳しい極論を含んでいる。マルクスは同じ機関紙で、急進的な共和主義政治家であるカール・ハインゼンの厳しい批判から、特にエンゲルスと共産主義者全般を入念に弁護した論文を発表している。両論考とも、マルクスは広い分野にまたがり、経済的、政治的、歴史的な問題に対して独自の見解を展開している。
プルードンに関する論考は、経済批評の先駆者としてのプルードンの特別な長所を強調し、マルクスが「哲学の貧困」の中でプルードンを徹底的に批判したことへの対抗軸を形成している。この作品とフランス唯物論に関するスケッチは、マルクスとエンゲルス（この本の執筆に関わった割合は非常に少ない）が哲学的良心と決着をつけた風刺批評の総合作品『聖家族』から抜粋されたものである。
ギゾーのイギリスとフランスの中産階級革命に関する見解に対する批判は、1850年にマルクスとエンゲルスがロンドンで編集した定期刊行物『新レーニシュ・レヴュー』（Neue Rhenische Revue）に掲載された。
H.J.S.
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