エズラ第二書 第五章

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第五章 編集

1 されどかのしるしにつきて、よ、ものおどろきたらん。そのときまことみちかくされ、信仰しんかうにつきて荒地あれちごとりくにならん。
2 なんぢいまるところ、またかつきしところにまさりてその不義ふぎくははらん。
3 なんぢいまゆたかなるすたれて人跡ひとあとえ、ふたゝ沙漠さばくとならん。
4 もしいとたかものなんぢくることをゆるたまはば、なんぢみだれたるだい三のくにの、のち狀態ありさまることをん。そのときにはかに眞夜半まよなかかゞやき、つき眞晝まひるあらはれ、
5 よりしたゝり、いしそのこゑいだし、民等たみらさわぎてそのあゆさまへん。
6 またものほつせざるひとをさめ、そらとりともらん。
7 ソドムのうみうをいだして、に、おほくのひとらざるこゑそのうみよりひゞき、
すべてのひとそのこゑかん。
8 おほくのところ混亂みだれおこり、しば〴〵でて、けものその住處すみかへ、をんな不思議ふしぎなるものをまん。
9 あまみづうち鹽辛しほからみづぜられ、ともそのともたゝかはん。そのとき智慧ちゑかくされて、知識さとり、その住處すみか退しりぞかん。
10 そのとき智慧ちゑおほくのひとたづねらるれど、見出みいだされざるべし。また不義ふぎ不節制ふせつせいうへさん。
11 そのときひとつのくにその隣國となりぐにひていはん
正義せいぎもしくは正義せいぎおこなひとなんぢうちきしか。」そのくにこたへていはん「しからず」と。
12 そのとき人々ひと〴〵のぞめどもそののぞむものあたへられじ。人々ひと〴〵はたらけどもそのみちさかえじ。
13 われ此等これらしるしを、なんぢしめすことをめいぜられたり。もしなんぢふたゝいのりて、いまごとなみだながし、七日なぬかあひだ斷食だんじきせば、なんぢ此等これらのことよりもさらおほいなることをかん。』

14 われめしとき、わがいたくふるひ、わがたましひつかれはてて、うしなへり。
15 さればわれかたりし御使みつかひわれさゝへ、われなぐさめ、われをわがあしにてたせたり。
16 しかして第二日ふつかめたみをさなるパルテエル、われにきたりていふ『なんぢ何處いづこりしか。なんぢかほなんぞかくかなしげなる。
17 イスラエルはその俘囚とらはれおいなんぢたくせられたるをなんぢらぬか。
18 ちてかてくらへ。牧者ぼくしやそのむれしきおほかみつるごとく、われらをつな。』
19 われかれにいふ『われれ、七日なぬかあひだわれちかづくな。のちわれきたれ。』かれわがことばきてわれれり。

20 御使みつかひウリエルのめいぜしごとく、われ七日なぬかあひだ斷食だんじきしてかなしめり。
21 七日なぬかのち、わがこゝろおもふふたゝはなはだしくおもくなれり。
22 わがたましひふたゝ知識さとりれいたされ、いとたかもの御前みまへ此等これらことばかたはじめたり。
23 『しゆよ、わがしゆよ、のすべてのはやしとすべてのうちよりなんぢひとつの葡萄ぶだうを、えらたまへり。
24 また全地ぜんちうちよりなんぢひとつのくにえらたまへり。またのすべてのはなうちよりなんぢひとつの百合ゆりえらたまへり。
25 なんぢうみのすべての深處ふかみよりひとつのかはあふでしめ、またすべてのてられたるみやこうちより、なんぢシオンをなんぢのために聖別せいべつたまへり。
26 なんぢすべてのつくられたるそらとりうちよりなんぢのために一羽いちははとけ、またすべてのつくられたるけむのうちよりなんぢのために一匹いつぴきひつじえらたまへり。
27 なんぢすべてのたみむれうちよりひとつのたみなんぢちかづけたまへり。しかしてなんぢこのなんぢいつくしたみに、すべてのひとしとせらるる律法おきてあたへたまへり。
28 さればしゆよ、いかなればこのひとつのたみおほくのたみあたへ、ひとつのおほくのものにまさりてはづかしめ、唯一ゆゐいつなんぢのものをおほくのもののうちらしたまひしや。
29 なんぢ誠命いましめこばみしものなんぢ契約けいやくしんじたるものみにじれり。
30 もしなんぢ、なんぢのたみをいたくにくたまはば、かれらはなんぢみづからの御手みてによりてばつせらるべきなり。』

31 われ此等これらのことをかたりたるのちさきわれきたりし御使みつかひわがもとつかはされたり。
32 かれわれにいふ『われけ、われなんぢをしへん、こゝろかたむけよ、われさらなんぢをしへん。』
33 われいふ『わがしゆよ、かたたまへ。』かれわれにいふ『なんぢイスラエルのためにいたくこゝろなみましたり、なんぢかのたみつくたまひしものよりもかのたみあいするか。』
34 われいふ『しゆよ、しからず、われ悲哀かなしみうちにありて、かたれるなり。そは、わがこゝろつねにいとたかものみちさとり、その御審判みさばき幾許いくばくかをきはめんとしてなやむなり。』
35 かれわれにいふ『あたはぬことなり。』われいふ『わがしゆよ、何故なにゆゑなるか。われなにとてうまれたるか。われをしてヤコブの苦難くるしみとイスラエルのすゑ疲勞つかれとをざらしめんがためになんぞわがはゝたい、わがためにはかとならざりしや。』
36 かれわれにいふ『いまきたらぬものをわがためにをしへ、りたるあめしたゝりをわがためにあつめよ、
37 れたるくさをわがためにふたゝしげらせ、とざされたるへやをわがためにひらき、そのなかめられたるかぜをわがためにいだせ。またまたわれこゑかたちしめせ。さすればわれなんぢなんぢんとねが苦惱なやみしへさん。』
38 われいふ『しゆよ、わがしゆよ、ひとうち住居すまひたぬものほか此等これらのことをるはたれぞ。
39 われ智慧ちゑなきものなれば、なんぢわれたまひし此等これらこときていかでかたんや。』
40 かれわれにいふ『なんぢいまわがいひし此等これらことひとつすらなしざるがごとく、わが審判さばきをもまたわがたみやくされたるあいをはりをも見出みいだすことあたはざるべし。』
41 われいふ『しゆよ、たまへ。なんぢすゑとききたるものに此等これらことやくたまひたれど、われらのさきりしものまたわれらとわれらのためにきたらんとするものには如何いかにぞや。』
42 かれわれにいふ、わが審判さばきになぞらへん、あとものおそきことなきがごとく、さきものはやきこともなし。』
43 われこたへていふ『なんぢ審判さばきはやめんがために、なんぢぎしものと、いまものと、きたらんとするものとをみな一時ひとときつくあたはざるか。』
44 かれわれにこたへていふ『つくられたるるのはその造主つくつぬしまさりていそぐことあたはず、またそのうちつくられんとするものこと〴〵おなときたもつことあたはず。』
45 われいふ『なんぢ如何いかなればしもべに、なんぢつくたまひしものを、みなおなときかならかさんといひたまひしや。もし彼等かれらおなときき、彼等かれらたもば、いまにてもかれらをたもちて、おなときでしむるをべし。』
46 かれわれにいふ『をんなたいひて、これにへ「なんぢにんむに、何故なにゆゑときことにしてこれをむか」と。をんなに十にん一時ひとときむことをもとめよ。』
47 われいふ『あたはぬことなり。ときことにせざるをず。』
48 かれわれにいふ『われを、ときことにしてはらまるる人々ひと〴〵のためにたいとなせり。
49 子供こどもむことあたはず。年老としおいたるひともまたしかり。われかくのごとくわがつくりたるとゝのへたるなり。』
50 われかれひていふ『なんぢわれみちしめたまひたれば、われなんぢまへかたらん。なんぢわれかたりし我等われらはゝなほわかきか。あるひ年老としおいたるか。』
51 かれわれにこたへていふ『まんとするをんなかば、かれなんぢこたへん。
52 かれへ、「いかなればなんぢいまみしものなんぢさきみたるものことなりてたけひくきぞ」と。
53 かれなんぢこたへん「精力ちからあるわかときうまれしものは、年老としおいてたいよわりたるときうまるるものことなり」と。
54 なんぢまたかんがへよ、なんぢらはなんぢらのさきにありしものよりもたけひくし。
55 また汝等なんぢらのちきたものもかくのごとくなるべし。これ彼等かれらわかとき精力ちからせたる老人おいびとよりうまれたるものなればなり。』
56 われいふ『しゆよ、もしわれなんぢのまへ恩惠めぐみなば、ねがはくは、たれもちひてなんぢは、なんぢつくたまひしものをがへりたまふかをしもべしめしたまへ。』