エズラ第二書 第二章

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第二章 編集

1 しゆかくいひたまふ。われこのたみ奴隷どれいたるいへよりみちびいだし、預言者よげんしやたるわがしもべによりて彼等かれら誡命いましめあたへたり。されど彼等かれらくことをほつせずしてわが計畫はかりごと無視ないがしろにせり。
2 彼等かれらみしはゝかれらにいふ。け、わがらよ、われは寡婦やもめにしててられたり。
3 われよろこびをもてなんぢらをみちびき、なげきなやみとをもて汝等なんぢらうしなへり。そはなんぢしゆなるかみ御前みまへつみをかし、わがまへにもしきことおこなひたればなり。
4 されどいまわれ汝等なんぢらなにをなさんや。われ寡婦やもめにしててられたり。らよ、きてしゆより憐憫あはれみもとめよ。
5 ちゝよ、われこのらのはゝによりてなんぢあかしてん。そはかれらわが契約けいやくまもることをほつせず。
6 ねがはくはかれらに混亂みだれおこし、かれらのはゝ分捕物ぶんどりものにしてかれらにすゑをなからしめたまはんことを。
7 彼等かれらわが契約けいやくなみしたるによりて、異邦人いはうじんあひだらされ、かれらの名地なちうへよりられんことを。
8 災害わざはひなるかな、アツスリヤよ。なんぢしきものなんぢうちかくす。ああしきたみよ、わがソドムとゴモラとになせしことおぼえよ。
9 彼等かれら樹脂やに土塊つちくれはい堆積やまとをもておほはれたり。われかざるものわれかくなさんと全能ぜんのうしゆいひたまふ。

10 しゆ、エズラにかくいひたまふ。われイスラエルにあたへんとせしエルサレムのくにをわがたみあたへんとかれらにげよ。
11 われかれらの光榮くわうえいをとりて、かれらのためにわがそなへたる永遠とこしへ住處すみかあたへん。
12 生命いのち彼等かれらのためにかぐはしき香油にほひあぶらとならん。彼等かれららうせずまたつかれざるべし。
13 もとめよ、さらばあたへられん。なんぢらのために日數ひかずちゞめられんこといのれ。くに汝等なんぢらのためにすでそなへられたり。ましれ。
14 てんとをびてあかしせしめよ。そはわれあくててぜんつくる。われくるなりとしゆたまふ。

15 はゝよ、なんぢらをいだけ。われ彼等かれらはとごとよろこびてみちびかん。彼等かれらあしつよめよ。そは、われなんぢえらべりとしゆいひたまふ。
16 われにしものをそのところよりよみがへらせ、彼等かれらはかよりみちびいださん。そは、われかれらのうちにわがみとめたればなり。
17 おそるな、らのはゝよ、われなんぢえらべりとしゆいひたまふ。
18 われなんぢのためにたすけとしてわがしもべイザヤとエレミヤとをつかはさん。われ彼等かれらのすすめにりてなんぢのために種々くさ〴〵つ十二ほんきよそなへたり。
19 またわれちゝみつとのながるるおなじきかずいづみおよ薔薇ばら百合ゆりとのゆる七つのおほいなるやまきよそなへたり。これをもてわれなんぢらによろびを滿たさん、
20 寡婦やもめたゞしきをおこなひ、をさなものさばき、まづしきものあたへ、孤兒みなしごまもり、はだかなるものせよ。
21 くだかれたるものよわものとをいやし、跛者あしなへ嘲笑あざわらふな。不具者かたわまもり、盲者めしひをわがきよきをあふところらしめよ。
22 老人おいびと若者わかものとをなんぢ石垣いしがきうちまもれ。
23 死骸なきがら見出みいだとき記號しるしけてこれはかはうむれ。さすればわれわが復活よみがへりときなんぢらに上席じやうせきあたへん。
24 わがたみよ、て、やすんぜよ、なんぢ休息やすみきたらん。
25 乳母うばよ、なんぢらをやしなひ、かれらのあしつよめよ。
26 わがなんぢあたへし僕等しもべら一人ひとりだも滅亡ほろびいたらじ。われかれらをなんぢかずよりもとめん。
27 こゝろわづらはすな、悲嘆なげき災禍わざはひとのたらんときのものかなむともなんぢたのしみて富裕ゆたかにならん。
28 異邦人いはうじんなんぢねたむとも、なんぢたいして何事なにごとをもなしじとしゆいひたまふ。
29 なんぢらゲヘナをぬやうにわがなんぢおほはん。
30 はゝよ、なんぢらとともよろこべ。われなんぢすくはんとしゆいひたまふ。
31 なんぢねむれるらをおぼえよ。われ彼等かれら秘密ひそかなるところよりみちびいだして、彼等かれら憐憫あはれみほどこさん。そはわれ憐憫あはれみふかきものなればなりと全能ぜんのうしゆいひたまふ。
32 わがきたるまでなんぢらをいだき、彼等かれち憐憫あはれみげよ。わがいづみあふれ、わが恩惠めぐみくることなからん。

33 われエズラ、ホレブやまおいて、イスラエルにけとのめいしゆよりけたり。われ彼等かれらきたるときかれわれけずしてしゆ誡命いましめてたり。
34 さればきてさとるところの異邦人いはうじんよ、われなんぢらにいふ。なんぢらの牧者ぼくしやて。かれ汝等なんぢら永遠とこしへ平安へいあんあたへん。そは終末をはりきたらんとする牧者ぼくしやちかきにいますなり。
35 くにむくいけんがためにそなへをなせ。そは、永遠とこしへひかり世々よゝかぎりなくなんぢらをてらすべければなり。
36 この暗黑くらきのがれて、なんぢ光榮くわうえいよろこびをけよ。われおほやけにわが救主すくひぬしあかしたてまつらん。
37 しゆあたたまふものをけ、汝等なんぢらてんくにたまふものに、よろこびて感謝かんしやをささげよ。
38 きよ、ちてしゆ婚禮こんれいいんせらるるものかずよ。
39 この暗黑くらきよりのがれたるものしゆよりかゞや禮服れいふくけたり。
40 シオンよ、なんぢかずよ。しゆ律法おきてまつたうせし、なんぢしろころもたるものかぞつくせ。
41 なんぢしたひたるらのかず滿てり。しゆ最初はじめよりしたまひしなんぢらのたみきよめられんがために、しゆ御力みちからいのたてまつれ。

42 われエズラ、シオンのやまおいて、かぞへつくすことあたはざるおほいなる群衆ぐんじゆうたり。かれみなうたをもてしゆめまつれり。
43 彼等かれらうちに、のすべてのものよりもたけたか若者わかものありて、この若者わかもの彼等かれら各自おの〳〵かしらうへかんむりをかけしに、いとどたかめられたり。われこれをていたくおどろきたり。
44 其時そのとき、われ御使みつかひひていふ『きみよ、此等これらものたれなるぞや。』
45 かれこたへてわれにいふ『これものは、ころもぎ、不死ふしころもて、かみ御名みなみとめたるものなり。いま彼等かれらかんむりいたゞ棕櫚しゆろく。』
46 われ御使みつかひにいふ『彼等かれらかんむりをかけ、その棕櫚しゆろあたふるかの若者わかものたれぞや。』
47 こたへてわれにいふ『かれこそはかみなれ。彼等かれらこのりてかれみとめたり。』こゝにわれ、しゆ御名みなのためにかくつよちたる彼等かれらあがはじめたり。
48 そのとき御使みつかひわれにいふ『きてわがたみなんぢしゆなるかみもろ〳〵おほいなる奇蹟きせきげよ。』