イソップ童話集/獅子と驢馬と狐
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- 獅子と、驢馬と、狐が、いっしょに狩に出かけました。
- すると、まず狐が、一ぴきの大きな鹿をみつけました。そこで驢馬がそれを追いかけると、獅子はすばやく前方にまわって、うまく鹿をいけどりました。
- そこで三びきはそこへあつまって、さて鹿をたべるという段になると、獅子は、その分け方を驢馬に命じました。
- 驢馬は、たいへん苦心して、その鹿をきっちり三つに分けました。そして汗をふきふき、
- 「さあ、おあがり下さい。どれをおとりになっても、おなじです。」
- と、いいおわらないうちに、獅子はとびかかって、ものもいわず驢馬をひきさいてしまいました。驢馬が獅子の分を、とくべつたくさんにしなかったことが、獅子の気にさわったのでした。
- 獅子は今度は狐に、
- 「おまえが分けてみろ。」
- と、いいますと、狐は、自分はほんのわずかとって、あとをすっかり獅子のまえにさし出しました。すると獅子は大げんきで、
- 「ふん、なかなかおまえはかしこい奴だ、だがこの分け方を、だれにおしえてもらったのだ。」
- と、ききますと、狐は、
- 「はい、この驢馬の死骸からおそわりました。」
- と、こたえました。