イソップ童話集/熊と狐
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- 森のおくである日、熊と狐が、いろいろはなしをしていましたが、熊はさもとくい気に、
- 「とにかく、あらゆる動物のうちで、一番人間に対して礼儀正しいのはおれだよ。なぜって、おれは人間をうやまってその死がいには、爪一つさわらないんだからな。」
- と、申しますと、狐はこれをきいて、
- 「しかしねえ熊さん。君のその言葉を人間がきいたら、きっとその反対に、『死んだ人をたべて、生きてる人にさわらないでくれ。』というだろうと思うよ。」
- と、こたえました。
イソップ童話集/熊と狐