イソップ童話集/こどもとかえる
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- ある日のこと、五六人のこどもたちがいけのそばであそんでいましたが、その中の二三人が、おもしろはんぶんに、水の中へ、いしをポンポンなげはじめました。
- ところが、いけの中には、たくさんのかえるがすんで居たので、こどもたちのなげた石にあたって、ひどいけがをしたかえるが、大ぜいありました。
- とうとう、がまんができなくなって、かえるの中で、一ばんとしをとっていてりこうなのが、いけからあたまだけをだして、
- 「みなさん、石をなげるのだけはやめて下さいよ。」
- と、云いました。
- すると、こどもたちは、
- 「ぼくたちはなにもわるいことをしているんじゃない。ただ、石をなげてあそんでいるだけだよ。」
- と、こたえました。
- しかし、としよりのかえるは、
- 「それはそうでしょうが、みなさんがあそびはんぶんになげる石で、私たちはひどいけがをします。あそびはんぶんにすることで、他人のいのちにもかかわるようなめいわくをかけるなんて、あまりかんしんしませんね。」
- と、云いますと、こどもたちは、もういいかえすことばもなく、みんなこそこそと、向うの方へ行ってしまいましたとさ。