イソップ童話集/こうもりといたち
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- あるとき、あそびまわっていたこうもりが、あやまって地べたにおちて、そこにいたいたちに、つかまってしまいました。
- いたちは、こうもりが一生けんめい、命乞をするのをはねつけて、
- 「わしは鳥が大きらいだから、つかまえたら、みんな殺すことにしているのだ。」
- と、云いました。すると、こうもりは、
- 「それではなおのこと助けて下さい。私は鳥ではありません。ねずみです。」
- と、云って、あやうく命をたすかりました。
- しばらくたって、又そのこうもりは地に落ちて、ほかのいたちにつかまりました。いたちは、
- 「いくら、さわいだってだめだ。おれはねずみとみたら、どんなことがあっても、のがしはしないから。」
- と、どなりました。すると、こうもりは、
- 「まあよく見て下さい。私はねずみではありません、このとおり、空をとぶ鳥です。」
- と、云って、つばさをひろげてみせて、ふたたび命をたすかりましたとさ。