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けしの花 作者:後楽園四明居
手にとりて、見れば美麗(うる)はし芥子の花、しをりしをればただならぬ匂いかうばし花びらの、散りしく姿あはれとも。悋気(りんき)する気も夏の花、雨にはもろき風情(ふぜい)あり、誰に気兼ねをなんにも言はず、じつとしてゐる奈良人形。
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。