天より光ありて、彼を環り照せり。
四彼地に仆れて、彼に言ふ聲を聞けり、曰く、サウル、サウル、何ぞ我を窘逐する。
五彼曰へり、主よ、爾は誰たる。主曰へり、我は爾が窘逐するイイススなり。爾莿を踏むは難し。
六彼戰き懼れて曰へり、主よ、我が何を爲さんことを欲するか。主彼に謂へり、起ちて、城に入れ、彼處に於て爾が行ふべき事を爾に告げられん。
七彼と偕に行ける人人驚きて立ち、聲を聞きて、誰をも見ざりき。
八サウル地より起きて、目啓きたれども、見る所なかりき。彼等其手を援きて、ダマスクに入れたり。
九彼は三日の間見ることなく、亦食ひ飲むことなかりき。
一〇ダマスクに一人の門徒、アナニヤと名づくる者あり、主は異象の中に彼に謂へり、アナニヤ、彼曰へり、主よ、我此に在り。