坂本龍馬の手紙/慶応3年8月下旬佐々木高行宛1

先、西郷、大久保越中の事、戦争中にもかたほにかゝり一向忘れ不申、若しや戦死を
とげ候とも、上許両人の自手にて唯一度の香花をたむけくれ候得ば、必ず成仏致し候こ
と既に決論の処なり。然るに唯今にも引取り可申とて糞をくらへと鎮台に攻かけ居り
候。何とぞ今少し/\と待つてたべと申来り候間、例の座敷をことはり候て、皆はねか
えり足を空にして昼寝をし居申候。何は兎もあれ他人は他人にして置き、西郷、越中守
殿の方へは、必ずや御使者御頼み申上候。是が来らぬと聞けば、小弟に限りなげき死に
可申候。其心中返す/″\も深く御察し可被遣候。かしこ。
                                    龍
 佐々木将軍 陣下

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